旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

酔っ払いの戯言

2008年01月14日 00時29分33秒 | Weblog
一昨日の夜の9時頃から始めて、その翌日にあたる昨日の午前2時頃まで食べて飲んだ。美味しいイタリア料理にワイン、美女二人に知性派の男性とわたし。最高のステージが用意された。ところがである。自分のからだにやさしい方のわたしはかなりご立腹のようすだ。「もう2度と酒を飲むな、滋養の豊富な美味しい料理に手をつけるな。」とえらい剣幕である。

飲み代・食事代は、明らかにわたしより年少である医師の資格を持つ知性派の男性のブラックカードで支払われた。かれは、コンピュータをはじめとする文明の進展を理由に、古典は一般に古臭いとけなした。貶めた。古典に目を向ける余裕すらないから、みずからの進路を悩むのである。理屈ではない。古典の良さが解らないようなひとには碌な人間がいないということを言い聞かせたつもりであるが、理科系は一般に古典に疎い。説得に失敗したようだ。

わたしは食前酒としてワンボトル6,800円也のワインを注文した。ドクトルは17,000円也のワインを注文したらしい。そのあたりも気に入らない。これじゃ、美女2人に対して貫禄負けである。しかし、明らかに大衆向けのイタメシ屋であのワインは行き過ぎである。しかし、ドクトルは結果的にいいワインを選んでいた。美味しかった。肩書きで敗れ、資金力で敗れた。フランスワインなら負けない。イタリアワインは、よく解らないとひとりうそぶいてみる。

とはいっても、けっこう謙虚な好青年というか好中年ドクトルなので、そのあたりの無礼の数々は大目に見てあげることにした。しかし、わたしに内緒で、しかも、ブラックカードで支払いを済ませたことだけは許せない。東京に行く機会があるので、おごり返す旨の連絡だけは済ませておいた。こちらはもちろん平カードだ。イタメシ屋でワンボトル17,000円のワインは行き過ぎだ。食前酒はできることなら、ワンボトル5,000円以下で済ませたいものである。

昨日、所蔵するクラブの新年会があった。夕方の5時ごろから飲み始めた。酒はやたらに勧めるが、肴が貧弱である。ビールを2杯飲んでから白ワインをデキャンタで2本分飲んだ。したがって生演奏が終わる9時ころには既に空腹であった。そこであろうことか、一昨日のイタメシ屋でまたしてもコースを食べるはめになってしまった。一昨日の店でビールが2本ほど新たに胃袋に消えた。一昨日の深夜2時を回って別れたドクトルと美女のうちのひとりのカップルは、美味しいお酒を飲ませる店を知らないかと尋ねたそうである。恐るべしアメリカ帰り。

飲み過ぎたので、昨日の同伴者と1時間ばかりいっしょに歩いた。そして別れた。幸いなことに間違いは起こらなかった。良かった。3キロばかりを歩いた。わたしと相手の距離は平均で4メートル、ニアミスは生じなかった。帰りのタクシーの運転手さんから「最近特に中年男性とかなり年少の女性とのカップルが多い。ほいじゃがその殆どは破たんして、男の方がひどい目に遭ったという話をよく聞くけん、お客さんも気をつけなさいよ。」とありがたい説法を受けた。「火遊びをするほどの度胸はないし、実際にもてないからご心配なく。」と正直に言いたかったが、「そうじゃね、気をつけんといけんね。」と笑ってその事実をごまかした。けっこう見栄っ張りなのである。昨日は無事、昨日中に帰宅することができた。

そして本日(正確に言うと、すでに昨日)世話になった方の奥様が逝去されたという連絡を受けた。今日がお通夜で、明日が葬儀である。今日のお通夜で合法磊落なドクターは、赤く泣きはらした目で弔問の皆さんに挨拶をされた。こちらも、つい辛い気持になった。涙がこみ上げてきた。明日(正確に言うと今日)が葬儀である。ドクターがのぞまれているので葬儀にも出席する。奥様もよく存じ上げていたのだ。

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