旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

川上弘美『センセイの鞄』

2014年07月05日 07時50分16秒 | Weblog

この一週間ばかり本を買っていない。本業が多忙を極めているにせよ極めて珍しい事態だ。今週は、諏訪哲二著『なぜ勉強させるのか?教育再生を根本から考える』(光文社新書)と川上弘美著『センセイの鞄』(文春文庫)を読み終えた。
『なぜ勉強をさせるのか』のエピローグは、「勉強するには覚悟が要ります。自分の『ありのまま』を投げ出して、外部の『知』や文化の体系の中に入りこまなければならないからです。自分の『ありのまま』を投げ出せない人は、どんなに机に向かっていても、知的身体にはなれません。」と締め括る。
「センセイの鞄」は物語として面白い。枯れかかったような好々爺で毒気がない、多弁なあの種の老人にだけはなりたくないという思いを強くした。それにしてもツキ子さんの、あの純情が泣ける。



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