旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

論語

2010年01月08日 20時56分47秒 | Weblog
通勤のディーゼル車の中で「論語」を読み始めた。乗車時間は約20分間だ。テキストは贔屓の岩波文庫ワイド版である。飾りっ気のない装丁が気に入っている。高校時代にはじめて「論語」の一部を読んだ。もっぱら著名な文節を暗記して「温故知新」だの「三省」だのとしたり顔で聖人を気取ったこともある。今にして思うと赤面の至りだ。

「三省」という言葉は孔子よりも46歳年少の門下、曾子が残した。孔子門下の俊英で、「論語」に登場する門下生の中で必ず「子」をつけてよばれるのは曾子だけだ。儒学でいう四書とは「論語」「孟子」「大学」「中庸」を指す。ワイド版「大学・中庸」のはしがきにあるように「大学」はその曾子の作、「中庸」は曾子の門人の子思の作、子思の門人が孟子であったとされる。

同じ「はしがき」にしたがうと、四書を学ぶことによって儒教の正統的な血脈がそのままに体得されると説かれ始めたのは宋学・朱子学からのちのことだ。そして、江戸時代の国教は朱子学であった。朱子学を学べば江戸時代の何かがみえてくるかも知れない。「孟子」というゴールを目指して牛歩の読書を進めることにする。

論語の第20段「先生は、怪異と暴力と背徳と神秘とは、口にされなかった。」第21段「先生がいわれた、中以上の人には上のことを話してもよいが、中人以下の人には上のことは話せない。(すなわち、人を教えるには相手の能力によらねばならない。)」第24段「先生は4つのことを教えられた。読書と実践と誠実と信義である。」こういう下りは私の肌に合っている。






2 コメント

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Unknown (ひろし)
2010-01-14 10:10:44
 「論語」は以前、中央公論社の「世界の名著」で読んだ。思っていた以上に面白かった。
岩波ワイド文庫版も購入しているのだが、中央公論版より少し読みにくいので中断していた。
「論語」には解釈の違いも色々あるようだから、旅路に負けず、「論語」を再読してみよう。
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謹賀新年 (はやと)
2010-01-18 20:01:40
新年会は?
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