仕事に忙殺されると読書意欲が衰えてしまう。まず本屋さんに寄る気がしなくなるし、惰性で寄っても本の背表紙をみるのさえ億劫だ。心身ともに疲れているせいだとわが身に言い聞かせてきた。ところが、休日の前日から休日の朝にかけて十分な睡眠をとりさえすれば読書欲が蘇っていることに気がつき始めた。体の方の疲れは残っているので疲れていたのは心であって体ではなかったというわけだ。
浄土真宗大谷派の檀家の倅だから安芸門徒のひとりということになっているのだろう。原典聖典「教行信証」に挑んで、その難解さ(漢文の読み下し文)が災いして何度も放り出している。親鸞の師である法然を読むたびに切れ味のよさと解り易さに感心している。たとえば悪人正機の説について説く法然ば明快だ。親鸞の難解な教説ですら法然に依ると腑に落ちる。私は解り易さと切れ味を兼ね備えた著作を好む。今日も「日本の名著 法然」を読み進んだ。