フロイト著作集6「自我論・不安本能論」が届いた。著作集3「文化・芸術論」に掲載されている「ある幻想の未来」でフロイトは、精神分析的手法の社会への適用・応用を展開している。「自我論」においても「集団心理学と自我の分析」で同様の持論を展開している。社会心理学の先駆けと称される所以だ。
数十年前になる。心理学のテキストがどれもこれも面白くないので、いきなりフロイトの著作を読み始めた。「夢判断」を読んでみてこちらの浅薄さを割り引いてなお、夢の世界を頑なに解明しようとするフロイトの、独断と思慮せざるをえないような理論の進め方に、学問的な価値はないのじゃないかという疑問を感じた。フロイトの精神分析は今でも腑に落ちないことが多い。
「ある幻想の未来」を数十年ぶりに読み返してみた。読後、フロイトの世界の見晴らしが随分良くなっていることに気がついた。よく考えてみたら、心理学の世界ではフロイトの精神分析を批判的に摂取した学派が力を確立している。テキストに当たるたびに、私にもフロイトを批判的に摂取する癖がついてしまったようだ。この姿勢に釣られて読む限り、フロイトの著作は興味深い。
数十年前になる。心理学のテキストがどれもこれも面白くないので、いきなりフロイトの著作を読み始めた。「夢判断」を読んでみてこちらの浅薄さを割り引いてなお、夢の世界を頑なに解明しようとするフロイトの、独断と思慮せざるをえないような理論の進め方に、学問的な価値はないのじゃないかという疑問を感じた。フロイトの精神分析は今でも腑に落ちないことが多い。
「ある幻想の未来」を数十年ぶりに読み返してみた。読後、フロイトの世界の見晴らしが随分良くなっていることに気がついた。よく考えてみたら、心理学の世界ではフロイトの精神分析を批判的に摂取した学派が力を確立している。テキストに当たるたびに、私にもフロイトを批判的に摂取する癖がついてしまったようだ。この姿勢に釣られて読む限り、フロイトの著作は興味深い。