昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

番いのツグミ

2015-03-15 15:11:21 | 日々の雑記




              仲の良き 番いのツグミに 在りし日の
            亡妻を偲びて 時を忘れるる



先日の爆弾低気圧過ぎ去ってから、久しぶりに穏やかな午後のひと時でした。
     テレビにも見飽きて何気なく目を向けた先、庭のシャクナゲの木の枝に小鳥が
    止まっているのを眼にしました。
     静かに窓辺に近づいて良く見ると、その近くにもう一羽いました。
     お互いに気遣うしぐさから番いのツグミだと分かりました。
     餌を啄む時など、直ぐ近くに止まってお互いに見守るような仕草から、これは
    とても仲の良い夫婦なんだと判りました。

     やがてその仲の好い番いのツグミは飛んで行きましたが、私はそこに立ち尽
    くしたまま暫し呆然としておりました。
     頭の中には生前の妻の姿がありました。誰よりも気立てが優しくて常に私を
    気遣って呉れた亡妻、どうして俺を置いて先に逝ってしまったのかと、しばし
    時が経つのも忘れて立ち尽くしおりました。