裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

星をつくる思考実験5

2014年10月29日 11時57分23秒 | 素粒子から星をつくる思考実験
水素原子が集まりすぎた天体の中心部は、ものすごい質量が高密度でせめぎ合い、高温、高圧になる。
つまり、ビッグバン後のあのあっちっちの状況を、原子が自前で再現してしまうのだ。
すると今度は、あれだけナカヨシだった電子と原子核がケンカをしはじめ、電子はすごい剣幕で原子核の引力(クーロン力)圏を飛び出していってしまう。
電子と原子核は離ればなれになり、お互いに単独で荒れはじめる。
この暴れん坊ぶりのことを「プラズマ状態」という。
さらに質量が増大→引力による高密度化が進むと、中心部で裸祭をしてる原子核集団は、いよいよのっぴきならないぎゅうぎゅう詰めのおしくらまんじゅう状態になってくる。
すると、原子核同士はそれぞれに+の電荷を帯びてて「ギリギリ」触れ合うことがなかったのに、ついにお互いをはじき合うクーロン力の壁を突破して、ぶつかり合ってしまう。
このクーロンバリアを突破した向こうには、逆に「強い力(核子=陽子と中性子をくっつける力)」という引っぱり力のワナが待ってるので、こいつに捕らえられてしまう。
捕らえられる、っつか、捕らえ合う、っつか、つまり抱きしめ合うみたいなもんなんだけど、とにかく水素原子核(陽子単独)同士はくっつき合う。
そしてくっついたふたりはひとつになり、別の種類の原子核に変身する。
これを「核融合反応」という。
が、この説明は少々シンプルに語りすぎてて、正確には、陽子(つまり、水素原子核)二個がぶつかり合うと、片方の陽子がβ+崩壊を起こして電荷保存のために陽電子を、エネルギーとモーメント保存のためにニュートリノを放出して中性子に変わり、その「新」中性子と陽子がくっついて重水素になる、って感じ。
要するに、水素原子核二個(陽子×2)が核融合して→陽子と中性子になってくっつき合い→新しい「重水素」原子核が生まれる。
そしてその重水素が二個、高温高圧の中で再び核融合でくっつくと、以前に説明したようにヘリウム4になる。
要約すれば、水素がぎゅうぎゅうに詰まった天体の中心部は高密度に煮えたぎってるんで、水素原子は電子がはがされて原子核になり、それ同士がぶつかり合ったりくっつき合ったりして、次なる原子核=ヘリウムが生成される、ってことなんだった。

いつかにつづく。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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