裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

星をつくる思考実験3

2014年10月23日 21時31分05秒 | 素粒子から星をつくる思考実験
今から137億年前に、ある「点」がポンとはぜて、宇宙が生まれた。
ビッグバン、というやつ。
その点の炸裂は、今も時空としてひろがりつづけてるんだけど、その最初の瞬間、同時に物質のタネがバラまかれた。
ざっくり言えば、クォーク(とその仲間たち)が生成されて、宇宙中にあまねく散開したわけ。
すぐにクォーク同士はくっついて、陽子や中性子ができた。
その頃の宇宙は、高温で高圧であっちっちだったんだけど、ちょっと温度が下がってきたところで(ビッグバン後、1分経過時。はやっ)、「すずしうなりましたなあ」「では手を握り合いませう」とかいって、陽子、中性子がくっつきはじめる。
両者がくっつくと、晴れて「原子核」の誕生だ。
ちなみに、水素の原子核は、陽子一個きりのかっこいい一匹狼で、この陽子一個が中性子一個と婚姻すると、重水素になる(中性子はオカマちゃんだけどね)。

さて、涼しいっつってもまだ外気温は10億度もあって、「核融合」って反応をしやすい環境だ。
そこで、「ちょうどいい感じの残暑なんで、ついでにもちと大勢で固まりませぬか」「よろしいですわ」とかいって、原子核同士もグループ交際よろしくくっつき合いはじめる。
で、「水平リーベぼくの舟名前ある・・・」でおなじみの、水素(陽子一個きりの水素原子核は、核融合の産物ではないけど)、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、みたいな軽めの原子核が(ごく少量)合成される。
例えば、陽子一個+中性子一個でできてる重水素原子核が×二個でくっついて→陽子二個+中性子二個のヘリウム4原子核が一個生まれる、って寸法だ。

こうして、わりとシンプルな構造の原子核が数種類生まれる。
だけど、相変わらず宇宙のほとんどは、最もシンプルな水素原子核で満たされてたんだ。
んで、も少し時間が経過して、数十万年がたちました、と(極端だね、宇宙の時間感覚)。
温度も数千度ってとこまで下がったところで、それまで宇宙をウロウロしてた電子ってやつが原子核と結合する。
環境が十分に落ち着いたんで、ぼんやりしてた電子は、原子核のクーロン力ってやつの引力圏に捕らえられたわけだ。

こうして、陽子、中性子、電子、って構成員がそろって、ようやく「原子」ってやつが誕生した。
世界の物質を形づくる材料が、やっとテイをなしてきたわけだ。

いつかにつづく。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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