裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

星をつくる思考実験10

2014年11月06日 10時46分32秒 | 素粒子から星をつくる思考実験
万有引力によって縮みに縮み、みっしりと高密度になった超巨大天体(つか、正確には「超巨大だった今は小さい天体」だけど)。
エネルギーをためにため、さあ、超新星爆発やあ!バラまくでえっ!
・・・とくるかと思いきや、そうじゃない。
質量の密度が限界を超えてて、中心部があまりにも重くて、そのせいであまりにも求心力(引力)が強いんで、炸裂することができない。
鉄の原子核の結合は堅固で「打ち止め」がかかり、新たな核融合を起こして次の世代を生成する(エネルギーを生む)こともできない。
すなわち、自分の質量による収縮圧にあらがうことができない。
中心の温度は、50億度。
この超絶的圧力に耐えきれず、ついにある瞬間、天体自体が崩壊を起こす。
「重力崩壊」という、つまり自分自身が自分の中心に落ち込んでくという、なんだろうね?靴下を裏返しに脱いじゃう感じ?
これが、瞬きするほどの間に起きるというんだな。
しゅるるる、すぽーんっ。
中心の密度は極限までえげつないことになり、ぎゅーぎゅーに圧縮された鉄の原子核も、じゅっ、と一刹那に蒸発してしまう。
そのときに、ものすごい衝撃波と、めんどくさい説明は省くけど、おびただしいニュートリノを放出する。
ニュートリノってのは、超新星爆発のときに大量に光速でバラまかれるやつ(物質のような、そうでないような、エネルギーのおつりみたいなもん)。
ちなみに、岐阜の地中深くに「カミオカンデ」っちゅうバカでかい水槽をつくって、ひたすらこの天然産のニュートリノが宇宙の彼方から降ってくるのを待ちつづけた男がおったんじゃ。
小柴っちゅうそのじいちゃんは、あとひと月で退職するとこじゃった。
そのときに、目に見える規模では400年ぶり、っちゅう超新星爆発が起きたんじゃ。
それは16万年も前に銀河系のはるか外で起きた爆発じゃったが、カミオカンデで観測をはじめてひと月半っちゅう奇跡のタイミングで、ニュートリノが地球を通りかかってくれたんじゃよ。
巨大な水槽で、わずか11こを観測したその業績のおかげで、小柴じいはノーベル賞をもらったんじゃ、めでたし。
閑話休題、で、なんだっけ?重力崩壊だよ。
で、天体はものすごい勢いで押しつぶされ、瞬後、ものすごい衝撃波とニュートリノを放出するってとこだった。
ぎゅぎゅっ、ポンッ、って感じかな。
その後に残るのは、原子核が融けた跡の中性子の固い芯と、バラバラになった星くず。
星くず、すなわち天体内で生成された各種物質は、例によって宇宙空間にバラまかれ、次なる天体をつくるべく、旅に出る。
が、重要なのは、残った芯の方!
こいつがなんと、ブラックホールなんだった。

いつかにつづく。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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