裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

星をつくる思考実験11

2014年11月07日 20時29分16秒 | 素粒子から星をつくる思考実験
アインシュタインは一般相対性理論の中で、ニュートンの万有引力の法則をさらに精密にする重力論を展開した。
それによると、質量があるものは空間をゆがめるらしい。
大きな質量を持つものは空間を大きくゆがませるために、小さな質量のものはそのゆがみに向かって落ち込んでくんだと。
それが、万物が引き合うって「万有引力」の現象の正体なんだと。
ここでよく使われる説明が、ゴムマットの四隅をハンモックのようにぴんと張ったところに、鉄球をポンと置く、って思考実験だ。
ゴムマットは、鉄球を中心にビヨンとたわむ。
そこにピンポン球を放り込むと、そのたわみに向かって転がり落ちてく。
これが、大きな質量のものが小さな質量のものを引き寄せるメカニズム。
つまり、空間は質量によってゆがみ、そのせいで二つの玉は引き合うように見えるんだった。
ではここに、超超超~大質量の、例えば太陽の10倍も20倍もある天体がギュッと手の平サイズに凝縮されたような、ものっすごい質量の(つまり、クソ重たい)鉄球があったとする。
一方、ゴムマットは決して破れないくらいに丈夫なものとする。
さて、そのゴムマット上に、大質量の鉄球を置くと、どうなるのか?
ゴムマットはビヨヨヨヨ~ンとめちゃめちゃたわみ、鉄球は深く深く、地の底の底のもっと奥の深淵にまで、永遠に落ち込んでく。
そこにピンポン球を放り込んでみる。
ピンポン球は暗黒の穴に飲み込まれ、永遠に戻ってこられなくなるであろう、南無・・・
この「暗黒の穴」、言いかえれば、超巨大質量由来のねじくれた空間こそが、ブラックホールだ。
こわいね。
ところで、ブラックホールがなんで暗黒なのかというと、光まで飲み込んで、二度と出られなくしてしまうからだ。
んなバカな、と思うかもしれないけど、この話には論拠がある。
例えば、地球いっこ分の質量がつくる空間のゆがみ(すなわち、地球の重力圏)からは、どれくらいのスピードがあれば抜け出せるのか?
これには時速4万キロが必要で、ロケットを月に向けて発射するときなんかにはこの速度が基準になる。
さらに太陽からロケットを打ち上げるとなると時速222万キロが必要で、より大きな質量のもの(天体)から逃れようと思ったら、より速い、つまり相手の質量に比例した脱出速度が必要になる。
ではさて、この脱出速度に、この世でいちばん速いという限界スピード(すなわち光速)を使わなきゃならないほどの大質量の天体があったとしたら?
さらに、その速度をもってしても脱出できない大大大質量の天体があったとしたら?
光も抜け出せない、って結論になる。
それが、全てを飲み込む大質量天体、ブラックホールなんであった。
そしてそれは、この宇宙に実際に(そしてあたりまえにそこここに)存在してるんであった。

いつかにつづく。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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