裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

星をつくる思考実験12

2014年11月10日 20時03分08秒 | 素粒子から星をつくる思考実験
さまざまな環境を経て生成され、バラまかれた物質の種は、再び万有引力によって引き合い、化学反応によって結び合い、多様多彩に展開しつつ、着々と成長をつづける。
質量をたっぷりと増やした物質(もはや種ではない)同士は、強く結合し、堅固なグループを形成し、宇宙空間を漂う。
それがまた引き合い、ぶつかり合い、散り散りになりつつ結び合って、ついにはソリッドな天体をつくる。
これまでのような煮えたぎったスープではなく、岩石の固まりとなった天体だ。
そこには海ができ、山ができ、雨が降り、有機物が合成され、生命現象が発生したり、それらが文明を築いたり、はたまた滅びたりするはずだ。
一方、多彩な素材(物質)は、より多彩な恒星も構成し、より多彩な素材の生成を加速させる。
こうして、この世界は形づくられてく。
さて、ひとつの天体は、あるいは天体群は、それぞれに強いオリジナルの引力圏をつくる。
たくさんの天体の引力圏が、お互いに複雑に影響し合い、宇宙空間を複雑にまぜくり返す。
漂う星くずは、より大きな星くずの引力圏に捕らえられ、あるいはお互いの作用でぐるぐると回り合い、宇宙はダンスフロアのようになる。
天体同士が集まってがゆるやかなコミューンを形成し、渦を巻いて、ひとつの生き物のようになる。
星が星を呼び、やがて何十億もの天体の大集団ができると、巨大なブラックホールを中心とした「銀河」が形成される。
そんな銀河がさらに集まり合って、銀河団ができる。
そんな銀河団がさらにさらに集まり合って、より大きな・・・いやはや、きりがない。
こんな具合に、宇宙空間のすみからすみまでで同様の現象がくり返され、同じような光景がフラクタルに展開する。
が、際限なく巨大化してくそんなくり返しを、逆に最も小さなところまで巻き戻せば、どうなるか?
そう、最初に説明した、原子核と電子のぐるぐるに行き当たる。
思い出してみてほしい、その大きなのと小さなのは、結局は同じ構図なのかもしれない。
なんにもなかった宇宙空間が、137億年という歳月をかけて、色どり豊かなひとつの生命体ともいえる姿に成長した。
だけどそんな宇宙も、突き詰めれば、たった二種類のクォークがつくりだす二種類の構成要素→陽子&中性子と、その周囲をめぐる電子の集合体だ。(他の細かい構成要素ももちろんあるけど、基本的にはこの三個きり)
それら素粒子は、大きさを持たないくせにエネルギーは持ってる存在、ってことだった。
そんなぼんやりなものがスカスカに集まり合って、この世界はできてる。
色即是空、空即是色。
結局のところ、この世界は手に触れられる形で実在してるのかな?
それともついにこの世界はただの幻想なのかな?
さておき、そんな「量子」といわれるものも、おそらくはより小さななにものかで構成されてるのは疑いがない。
その小さな小さな本質を本物の知性でもって覗き込めば、そこにはこの夜空を鏡で映し込んだような広大な宇宙が現れるのかもしれないね。
自分のシッポを飲み込もうとする「ウロボロスのヘビ」が目の前に出現し、ついに長大な円の端っこが閉じるわけだ。
とにかく、宇宙はこんなふうにできてるんだった。

ひとまず、おしまい。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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