裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

星をつくる思考実験7

2014年10月31日 00時59分16秒 | 素粒子から星をつくる思考実験
この世の中に、水素とヘリウムしかないなんて、つまんないじゃん。
そのふたつの素材だけで、もし宇宙人が存在できたとしても、どの宇宙人もみんな、あのパーティグッズのヘリウムガスを使った「ワレワレは、ウチュウジンだ」の声になっちゃうし、水素を固体化するには-259度を下回らなきゃいけないんで、家を造るとしてもめっちゃさぶいとこで過ごさなきゃならない。
太陽は水素とヘリウムのスープだけど、も少しいろんな素材がほしいところだ。
サラサラのコンソメスープもいいけど、具だくさんのクラムチャウダーの方が、歯ごたえも味のバリエーションもいっぱいあってたのしい。
そもそも、地球を、そして人類をつくるには、もっと多くの種類の素材が必要だ。
それはどこから生まれたのか?
これもまた、天体からなんである。
さて、水素をヘリウムに変えきって、核融合をやめた原始の天体。
中心部における核爆発の熱エネルギーを失って、重力で押しつぶされ中。
素材(もちろん水素とヘリウム)が自らの体重で内側へと落ち込む形で、どんどん密度が凝縮していく。
その内部は、ヘリウムの固まりが卵の黄身のように芯に集中し(全体の10%くらい)、その外側に水素、って構造。
それがみしみしと高密度にひしめき合うと、今度はヘリウムが収縮圧に耐えられなくなって、核融合反応を起こしはじめる。
そうしてヘリウムが三個結びついて、炭素が生成される。
さらに炭素はヘリウムと結びついて、ついにぼくらのスター、酸素が登場する。
さらにさらにその芯の密度が上がって高温高圧になると、ネオンやマグネシウムが、そしてケイ素が生まれるのだ。
人間の大部分を構成する素材は、水素、酸素、炭素なんで、こんなにありがたいことはない。
また、ネオンができたのは仕事でストレスのたまりがちなお父さんたちにはうれしいかぎりだし、粘土を構成するケイ素と釉薬の沈殿を防いでくれるマグネシウムの生成は陶芸をするぼくらにはとても重大なニュースだ。
こうして徐々に重い原子核が核融合によって生成され、さらにそれら同士が結びついて、次なる世代の原子核をつくり、天体の中心部には硬くて熱い芯ができていく。

いつかにつづく。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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