※ イトコの子の初個展での作品 『お地蔵さんの耳はベロベロキャンディー』
やっぱり同じ血が流れているのだなあと実感させられた。
クリック♪
朝目が覚めると、外は雨模様らしくジメッと薄暗い。
きょうはNが名古屋行きなので6時半に起きる(起きるだけで何もしないけれど)
リビングへ出るとめずらしく源さんが歩き回っていたのだが、なんだか妙に落ち着きがない。
しばらく見ていると、首をしきりに上下にヒョコヒョコしだした。
と思う間もなく、助走(?)をつけるように身構えた源さんが、いきなりバッサバサバサと、タンスの上のゲージめがけて飛んだ。
「タマゴを温めたいんだ」
タンスの下に不時着した源さんをNが抱えてゲージに戻してやると、脇目もふらずタマゴの上に乗っかってうずくまる。
数日前に飛んだときはタマゴの無い時だったが、今考えると産む直前の行為で、やっぱり自分の巣で落ち着きたかったのだろう。
どんなことでも、ちゃんとそれなりの理由があるものだ。
その後、Nが7時半に家を出たあとゆっくり朝ごはんを食べ、(さて、もう一眠りするか) とゴロンとなる。
かなり肌寒いのでなかなか寝付かれず、すぐそばの上着を取ろうと起き上がった瞬間・・・・・・・・あるものに目が釘付けになった。
クモ!!!!!!!!!!
それからあと、ひとりパニックに陥る。
クモは少々平べったいカニのようなかたちで色は濃い灰色。
広げた足から足までは7,8センチというところだろうか。
私の叫び声と同時に、サササーとエアコンの真下へ移動した。
そのあと半泣きになりながら、丸めた新聞紙でテーブルをバシバシ引っぱたいたり(意味ない)
エアコンを20度の強風にしたり(これも意味ない)するが事態は変わらず。
クモが居座っている限り、ここで生活することは不可能だ(誰がなんと言おうと!)
名古屋へ行っているNの帰宅はかなり遅いはずだ。
多分12時近くになるだろう。
きょうは私も神戸へ出かける用事があるのだが、まさか夜の10時11時まで徘徊するわけには行かない。
実家に泊まるという手も浮かんだが、よくよく考えるとトビ、クロ、チビにご飯をやらなくちゃいけない。
長時間 源さんをほっとくのというのも不安だ。
困り果てているうちに名案が浮かぶ。
(そうだ 阪上くんに捕ってもらおう!!!)
即ケータイにTEL。
30秒ほど呼び出し音が鳴ったあと眠そうな声の阪上1級が出る。
「・・・モシモシ」
「あ、阪上くん! いま家?」
「・・はい」
「悪いけど今からすぐ来てくれない?」
「・・・エ?」
「大きいクモが出て(泣)・・・Nは名古屋に行ってて私ひとりだからどうしようもないの」
「クモですかー(半分笑い声)」
「うん。 だから一刻も早く来てね! 頼んだよ!! ガチャリ」
10分ほどして、阪上1級がノンキそうにやって来た。
「遅いよ! 早く早く」
用意していた長ボウキを渡して私はリビングの隅へ避難。
阪上君がエアコンを叩いたりしながらクモを窓際へ追い込む。
「こわくないの?」
「こんなの、ボクんちだったらしょっちゅういますよ」
阪上1級の余裕の笑顔に救われる。
(ああ、彼に任せればもう大丈夫だ♪)
と、突然 「オオーッ!!」 と叫んで大きくのけぞる阪上1級。
「な、なに? どうしたん???」
「いや・・・こうして見るとやっぱりキモチ悪いですねえ」
その後も、「オオッ」 「オォーーーーーッ!!!」 と叫びながら奮闘していたが、最後は無事庭へ放り出し一件落着。
「いや~アリガトウ 阪上くんは命の恩人だ。 今度お礼にごちそうするね」 と言って帰ってもらった。
さすがにその後は寝る気にはなれず。
ちょっと早いが神戸へ出かけることにした。
きょうは親戚(私のイトコの子)の絵の初個展なのだ。
途中、西北のホームで小さなお花を買って三宮まで出る。
案内のハガキを見ながら歩く。
大丸そばの銀行とコンビニにはすぐに辿りついたが、そばにあるはずのビルが分からない。
その辺を何度も行ったり来たりするうち汗ビッショリになる。
強い日差しはないものの、かなり蒸しているのだ。
根負けして、3人連れのOLさんに助けを求める。
「この地図だと・・・・ああ、あの赤い屋根を左に曲がった方だと思いますよ」
教えられたとおりに行ってみると、探していた建物はすぐに見つかった。
1階が喫茶店になっている小さな雑居ビルだった。
やれやれと思いながら入るが・・・・何階に行っていいのかワカラナイ。
もう1度入り口へ戻って確かめるが、案内板もチラシらしきものも無い。
階段脇のポストを見ると、どれも○○商事とか○○設計事務所とかばかりでギャラリーらしき名前は見当たらない。
もう1度バッグからハガキを取り出して見直すが、画廊とビルの名前が印刷されているだけで何階とは書いていないのだ。
(困ったなあ)と思いつつも、仕方がないのでそのまま入る。
小さなエレベーターの前に立っていると、ワイシャツを着たサラリーマンらしき男性が汗を拭き拭きやってきた。
「あの・・・・このビルの中にギャラリーはありますか?」
オズオズ尋ねると
「さあ、知らないです」 とアッサリかわされ、来たエレベーターへサッサと乗り込んでいった。
再び外へ出て困り果てていると、ちょうど喫茶店の人がお盆にアイスコーヒーを乗せて出てきた。
すがるような気持ちでギャラリーの名を言うと、「ああ、ありますよ。 3階です」 と教えてくれた。
ホッとしてエレベーターの前に立っていると、振り向きざまに 「えっと、3階へ上がったら右手の奥ですから」 と付け加えられる。
こんな小さなビルなのに・・・・よほど分かりにくいのだろうか。
3階へ上がると、右手のつき当たりにギャラリーがあった。
ドアは上半分が透明なガラスで、近づくと中の作品が見える。
ハガキに印刷されていた 『スカートをはいた火星人』 も並んでいる。
ノブを回すがカギが閉まっているようで開かない。
12時オープンでもうすでに5分ほど過ぎているのだが、まだ誰も来ていないようだ。
(ルーズなところも同じ血なのかな~)
ドアから離れて待つことにする(いったん外へ出ると戻ってくるのが大変そうなので)
狭いフロアーには小さなドアがいくつかあり、それぞれに会社名や事務所名が書かれ、時おり小さな話し声がボソボソ漏れ聞こえてくる。
すぐ目の前は階段で、各踊り場にはごく小さな流しが設えられている。
古い型の湯沸かし器、台所用洗剤とフキンが1枚、足元には青いポリバケツが置かれ、壁にはなにやら注意書きの紙が貼られている。
トイレのそばには、やたらと大きなメーターボックスが取り付けられ、どことなく昭和初期の古いアパートのムードだ。
風も通らず、ムッとした空気の中でそのまま20分ほど待つ。
しばらくして階段を駆け上ってくる音と共に、大きな荷物を持った若い女性が現れた。
目が合い、「○○さんですか?」 と切り出す。
彼女と会うのはきょうが初めてなのだ。
それにしても、聞かないでも分かるくらいイトコの○ちゃんにソックリなのには驚いた。
手短にアイサツをしてから絵を見る。
完ぺきな抽象画で、『芽が出たドーナツ』 『ウミガメの宇宙船』 『寒天オバケ』 『帽子をかぶったハニワ』 『ニゲラUFOがやってきた!!』 など、妙チキリンな名前ばかりがついている。
自分でつけたのかと聞くと、自分ではなんの絵かワカラナイので母親につけてもらったそうだ(彼女はいちおう小学校の教員)
信じられないほど安い値段が付いていたので、気に入ったものを2点欲しいと言うと、ものすごく喜んでくれた。
「お客さんだ~れも来ないんで(まあ、こんな辺鄙な場所じゃ来たくたって来れないと思うが)、きのうお父さんが同情して一点だけ買ってくれたんですよ」
お父さんは 『芽が出たドーナツ』 を買ったらしい。
田舎の話をちょっとだけしたあと、「個展、これからは毎年してくださいね」 と言って、丁度見たいと思っていた大丸で開催の ‘宮沢賢治展’ の招待券をもらって帰る。
お腹がペコペコだったので、センター街のドンクでランチを食べたあと宮沢賢治展へ寄り、太平閣のブタマンを買って帰宅。
Nは11時過ぎに帰ってきた。
名古屋へ行っていたのに、静岡のうなぎパイがオミヤゲだった。
あと、私の大好物のあさりの時雨煮もあったのでうれしかった。
ごちそうさまでした♪
おわり
やっぱり同じ血が流れているのだなあと実感させられた。
クリック♪
朝目が覚めると、外は雨模様らしくジメッと薄暗い。
きょうはNが名古屋行きなので6時半に起きる(起きるだけで何もしないけれど)
リビングへ出るとめずらしく源さんが歩き回っていたのだが、なんだか妙に落ち着きがない。
しばらく見ていると、首をしきりに上下にヒョコヒョコしだした。
と思う間もなく、助走(?)をつけるように身構えた源さんが、いきなりバッサバサバサと、タンスの上のゲージめがけて飛んだ。
「タマゴを温めたいんだ」
タンスの下に不時着した源さんをNが抱えてゲージに戻してやると、脇目もふらずタマゴの上に乗っかってうずくまる。
数日前に飛んだときはタマゴの無い時だったが、今考えると産む直前の行為で、やっぱり自分の巣で落ち着きたかったのだろう。
どんなことでも、ちゃんとそれなりの理由があるものだ。
その後、Nが7時半に家を出たあとゆっくり朝ごはんを食べ、(さて、もう一眠りするか) とゴロンとなる。
かなり肌寒いのでなかなか寝付かれず、すぐそばの上着を取ろうと起き上がった瞬間・・・・・・・・あるものに目が釘付けになった。
クモ!!!!!!!!!!
それからあと、ひとりパニックに陥る。
クモは少々平べったいカニのようなかたちで色は濃い灰色。
広げた足から足までは7,8センチというところだろうか。
私の叫び声と同時に、サササーとエアコンの真下へ移動した。
そのあと半泣きになりながら、丸めた新聞紙でテーブルをバシバシ引っぱたいたり(意味ない)
エアコンを20度の強風にしたり(これも意味ない)するが事態は変わらず。
クモが居座っている限り、ここで生活することは不可能だ(誰がなんと言おうと!)
名古屋へ行っているNの帰宅はかなり遅いはずだ。
多分12時近くになるだろう。
きょうは私も神戸へ出かける用事があるのだが、まさか夜の10時11時まで徘徊するわけには行かない。
実家に泊まるという手も浮かんだが、よくよく考えるとトビ、クロ、チビにご飯をやらなくちゃいけない。
長時間 源さんをほっとくのというのも不安だ。
困り果てているうちに名案が浮かぶ。
(そうだ 阪上くんに捕ってもらおう!!!)
即ケータイにTEL。
30秒ほど呼び出し音が鳴ったあと眠そうな声の阪上1級が出る。
「・・・モシモシ」
「あ、阪上くん! いま家?」
「・・はい」
「悪いけど今からすぐ来てくれない?」
「・・・エ?」
「大きいクモが出て(泣)・・・Nは名古屋に行ってて私ひとりだからどうしようもないの」
「クモですかー(半分笑い声)」
「うん。 だから一刻も早く来てね! 頼んだよ!! ガチャリ」
10分ほどして、阪上1級がノンキそうにやって来た。
「遅いよ! 早く早く」
用意していた長ボウキを渡して私はリビングの隅へ避難。
阪上君がエアコンを叩いたりしながらクモを窓際へ追い込む。
「こわくないの?」
「こんなの、ボクんちだったらしょっちゅういますよ」
阪上1級の余裕の笑顔に救われる。
(ああ、彼に任せればもう大丈夫だ♪)
と、突然 「オオーッ!!」 と叫んで大きくのけぞる阪上1級。
「な、なに? どうしたん???」
「いや・・・こうして見るとやっぱりキモチ悪いですねえ」
その後も、「オオッ」 「オォーーーーーッ!!!」 と叫びながら奮闘していたが、最後は無事庭へ放り出し一件落着。
「いや~アリガトウ 阪上くんは命の恩人だ。 今度お礼にごちそうするね」 と言って帰ってもらった。
さすがにその後は寝る気にはなれず。
ちょっと早いが神戸へ出かけることにした。
きょうは親戚(私のイトコの子)の絵の初個展なのだ。
途中、西北のホームで小さなお花を買って三宮まで出る。
案内のハガキを見ながら歩く。
大丸そばの銀行とコンビニにはすぐに辿りついたが、そばにあるはずのビルが分からない。
その辺を何度も行ったり来たりするうち汗ビッショリになる。
強い日差しはないものの、かなり蒸しているのだ。
根負けして、3人連れのOLさんに助けを求める。
「この地図だと・・・・ああ、あの赤い屋根を左に曲がった方だと思いますよ」
教えられたとおりに行ってみると、探していた建物はすぐに見つかった。
1階が喫茶店になっている小さな雑居ビルだった。
やれやれと思いながら入るが・・・・何階に行っていいのかワカラナイ。
もう1度入り口へ戻って確かめるが、案内板もチラシらしきものも無い。
階段脇のポストを見ると、どれも○○商事とか○○設計事務所とかばかりでギャラリーらしき名前は見当たらない。
もう1度バッグからハガキを取り出して見直すが、画廊とビルの名前が印刷されているだけで何階とは書いていないのだ。
(困ったなあ)と思いつつも、仕方がないのでそのまま入る。
小さなエレベーターの前に立っていると、ワイシャツを着たサラリーマンらしき男性が汗を拭き拭きやってきた。
「あの・・・・このビルの中にギャラリーはありますか?」
オズオズ尋ねると
「さあ、知らないです」 とアッサリかわされ、来たエレベーターへサッサと乗り込んでいった。
再び外へ出て困り果てていると、ちょうど喫茶店の人がお盆にアイスコーヒーを乗せて出てきた。
すがるような気持ちでギャラリーの名を言うと、「ああ、ありますよ。 3階です」 と教えてくれた。
ホッとしてエレベーターの前に立っていると、振り向きざまに 「えっと、3階へ上がったら右手の奥ですから」 と付け加えられる。
こんな小さなビルなのに・・・・よほど分かりにくいのだろうか。
3階へ上がると、右手のつき当たりにギャラリーがあった。
ドアは上半分が透明なガラスで、近づくと中の作品が見える。
ハガキに印刷されていた 『スカートをはいた火星人』 も並んでいる。
ノブを回すがカギが閉まっているようで開かない。
12時オープンでもうすでに5分ほど過ぎているのだが、まだ誰も来ていないようだ。
(ルーズなところも同じ血なのかな~)
ドアから離れて待つことにする(いったん外へ出ると戻ってくるのが大変そうなので)
狭いフロアーには小さなドアがいくつかあり、それぞれに会社名や事務所名が書かれ、時おり小さな話し声がボソボソ漏れ聞こえてくる。
すぐ目の前は階段で、各踊り場にはごく小さな流しが設えられている。
古い型の湯沸かし器、台所用洗剤とフキンが1枚、足元には青いポリバケツが置かれ、壁にはなにやら注意書きの紙が貼られている。
トイレのそばには、やたらと大きなメーターボックスが取り付けられ、どことなく昭和初期の古いアパートのムードだ。
風も通らず、ムッとした空気の中でそのまま20分ほど待つ。
しばらくして階段を駆け上ってくる音と共に、大きな荷物を持った若い女性が現れた。
目が合い、「○○さんですか?」 と切り出す。
彼女と会うのはきょうが初めてなのだ。
それにしても、聞かないでも分かるくらいイトコの○ちゃんにソックリなのには驚いた。
手短にアイサツをしてから絵を見る。
完ぺきな抽象画で、『芽が出たドーナツ』 『ウミガメの宇宙船』 『寒天オバケ』 『帽子をかぶったハニワ』 『ニゲラUFOがやってきた!!』 など、妙チキリンな名前ばかりがついている。
自分でつけたのかと聞くと、自分ではなんの絵かワカラナイので母親につけてもらったそうだ(彼女はいちおう小学校の教員)
信じられないほど安い値段が付いていたので、気に入ったものを2点欲しいと言うと、ものすごく喜んでくれた。
「お客さんだ~れも来ないんで(まあ、こんな辺鄙な場所じゃ来たくたって来れないと思うが)、きのうお父さんが同情して一点だけ買ってくれたんですよ」
お父さんは 『芽が出たドーナツ』 を買ったらしい。
田舎の話をちょっとだけしたあと、「個展、これからは毎年してくださいね」 と言って、丁度見たいと思っていた大丸で開催の ‘宮沢賢治展’ の招待券をもらって帰る。
お腹がペコペコだったので、センター街のドンクでランチを食べたあと宮沢賢治展へ寄り、太平閣のブタマンを買って帰宅。
Nは11時過ぎに帰ってきた。
名古屋へ行っていたのに、静岡のうなぎパイがオミヤゲだった。
あと、私の大好物のあさりの時雨煮もあったのでうれしかった。
ごちそうさまでした♪
おわり