暫し平らかな尾根筋を通り過ぎると、いよいよ最終局面の山頂に向けた登り勾配に入って行きました。標高1,080メートルから山頂の1,218メートルまで、この間の標高差は140メートル弱ありました。登り勾配が始まる頃になって森にガスが巻き始めました。最初は白い地表を泡立て気味に微かにフェイドアウトさせる幻惑的な効果がありましたが、登って行くに従ってガスが濃くなって行き、いつしか森の樹々がガスの中に吸い込まれてその影が薄くなって行くようになりました。将に幻想的な、否ミルキーな世界でした。足元の雪は深くなり、トレースはやや緩くなって行きました。急勾配を一歩進むに強い蹴り込みが必要になり、上げる脚は高くなりました。その分進む速度は落ちました。この登り勾配に約1時間を要しました。登っている時にはもっと長くかかっているように感じていました。濃いガスの中に山頂直下の避難小屋の影が見えた時の強い安堵感は、何と表現したら良いか・・・!
↓ 平らかな白い森が登り勾配になってきました。いよいよ山頂に向けた最後の登り局面に入ったようです。
↓ 高度を上げるに従って、樹々が纏う氷の衣はより厚くなって行きました。
↓ 白い森の中にガスが立ち込めてきました。幻惑的な光景に変わって行きました。
↓ 高度を上げるに従ってガスはより濃くなって行きました。
↓ 森の中は完全にガスに巻かれて、トレースがなければ行くべき方向感もなくなってしまいそうな状況となってきました。
↓ 樹々は完全にガスの中に取り込まれて、その影が薄くなって行きました。 ミルキーな世界となりました!
↓ なかなか山頂に到達できそうにない気分ながら、一歩一歩辛抱強く足を蹴上げて登って行きます。雪と氷を纏った樹々はただ黙して立っているだけでした。
↓ ガスに巻かれた森の奥に微かに山頂避難小屋の影が確認出来ました。この時の安堵感と言ったら・・・!
↓ 真白き樹々に囲まれて建つ山頂避難小屋です。見方次第ではとてもメルヘンチックな景観です。 登山者には安心と安全をもたらしてくれる存在です。
↓ 避難小屋の周りは背の高い樹々が林立する素晴らしい森です。こちらの景観の方がメルヘンチックかも知れません
↓ 白い雪と氷を纏った樹々が壁のように続く山頂部の森の中を山頂へと向かいます。山頂広場はもう直ぐこの先です!
↓ 山頂部はもうこれ以上ないような白い世界となっていました。この巨樹を回り込めば山頂広場のようです。
↓ 大万木山の山頂広場に出ました。ここもガスに巻かれてミルキーな世界でした。