世の中にオーディオCDなるものが紹介された翌年の1983年に満を持して売り出されたCDプレーヤー、SonyのCDP-11S、私には手の届かなかった115,000円也を買って40年間使い続けていた兄から、5月にCDを読み取らなくなったので修理してくれと依頼されていた。
良くあるCDピックアップの加湿器による汚れだろうと、「ハイヨ」と安請け合い、御開帳の上、CDピックアップ(左下の黒丸のレンズ部分)を掃除。
所が、全然CDを読み取る雰囲気が無く、逆に、入れたCDを吐き出してしまう。CDの有無を検出する右上の赤いセンサーかと、こちらも拭くが現象は変らず。
参ったなぁと、数日作業小屋に放置し、再度CDを入れると、キチンと再生する!
ひょっとして直った!と思い、CDRを入れたり、長時間録音のCDを入れたりしていたらまた再生不能に。狐につままれた感じだが、どうも気温が高い時、運が良ければ再生するようだ。
そこでおっとり刀でウェブ検索。するとこのCDプレーヤー、40年物の由緒ある製品と知る。さらにウェブを彷徨うと、30年位で駆動部のグリースが固着して、メカが動かなくなって修理している人の記録を発見。ナニナニ、グリースの固着か!ひっくり返してみる。
まず驚いたのが、今のCDプレーヤーにつきもののゴムベルトが無い! ピックアップもトレー駆動もすべてモーター⇒ウォームギア⇒大歯車で動かしている。
そして、先行者の指摘通り、40年経って、若干グリースが固着している。とは言え、それほど酷くは無いので、パーツクリーナー液をティッシュに含ませ、上から拭いてみた。
でも症状は変らず。こうなったらギア全分解、C形止め輪を外して、ギアーを外して。ウォームギアは外せないので、パーツクリーナーで洗い流し、さらに楊枝でギア底のグリースを剥ぎ取り、
取り外した歯車もパーツクリーナーで洗浄する。あっ、発見、ギア軸の内側にかなりグリースが固着している。
細い布切れとパーツクリーナーで完全に洗浄。
グリースの代わりに低粘度のスピンドルオイルを少し注油して、
さらにもう一回清掃して、ピックアップ駆動機構、トレイ開閉機構ともギアが綺麗になりました。
無事、CDを再生してくれるようになりました。
ベルト駆動ではないので、ゴムの劣化を気にしなくて良いのは良かったのだが、グリースの劣化とは、、、、
CD黎明期の貴重な一台なので、今後もキチンと動いて欲しい。