逆風に抗して Against the wind,♪ we are running against the wind.♪
ここではないどこかへ。モモンガーの旅
2018年に横浜から信州にUターン
自転車と日々の生活を
綴ります。
 



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10年前の旧ユーゴスラビア自転車旅行記、走りつかれた夕食後、しかも
不安定なネット環境下で毎日記事UPしたので、手抜きの暫定版のままであった。
コロナで旅行もままならぬ10年後の2021年に、キチンと書き直してみた。
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  2011-06/07 ズボルニックからモクラゴラへ
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今日はドリナ川を100km遡って、そこから最後に標高差1000mの峠を超える総走行距離160kmという超野心的走行計画である。まあ、この位の計画になると、誰も全てを自走でとは考えていない。1000m/斜度10%超の峠越えを事前に宣伝して、皆さんの車載走行への早期移行をお願いした。

と言うのは会社に入った1974年、当時2台目を作っていたBajina Basta発電所をしっかりと見たかったからだ。会社に入って初めて見る30万kW級の水車、それも当時の落差世界記録を更新した水車と発電機が納まっているこの揚水式発電所を背景に記念写真を撮り、自転車でこの発電所までたどり着いたと言うことを先輩方に吹聴したかったからだ。
(現在の世界記録は葛野川発電所、松姫峠と日川峠の間にあり、ここを一日で回ったのがこの記事)


朝、昨日泊まったNovakホテルの前で。やけに新しいホテルでかつペラペラの内装。多分内戦の後に、急遽建てられたホテルだろうと思われる。



宿を出ると、ズボルニックの町外れの教会が見える。ふと見上げると、丘の上まで墓地が続いている。良く見えた訳ではないが、(内戦の犠牲者?の)新しいお墓が多そうだ。


銃を持った警備兵に守られた国境でパスポートに押印してもらい、ドリナ川をもう一度渡り、セルビアに戻る。ふ~ぅ、緊張した。


ドリナ川右岸に沿って、セルビア側の道路を走行する。川向こうにはボスニアの町が見え隠れする。町の中心は教会ではなく、ミナレットのあるイスラム寺院だ。


ドリナ川が削った河岸段丘の端に多くの湧き水があり、休憩場所には事欠かない。


川岸に面白い恰好の家発見。童話に出てくるキノコの家のようだ。


一方、古い農家も多い。正倉院?のような高床、校倉作り風の穀物倉庫?も目立つ。


川沿いの上り下りのそれほど無い道を快適に?走行する。車は少ないし、景色は良いし。ただ、路面は良くない。MTBでもデコボコを拾うし、走行抵抗が大きい。


内陸性気候の為、朝は寒かったが、気温が急上昇。教会前=村の中心=店屋がある=アイスで一休み。


気温が30度超えとなるも、隊列も乱れずに一団で走行。


ドリナ川の河岸段丘上の平坦地は穀物畑でそこに村が点在している。


今日の目的地の1つであるBajina Bastaの標識時々が時々現れるようになる。
あそこまで行けるか?


ここまで64km。残りの距離と登り、気温を考慮して、少し早めであるが、昼食後全員車載に切り替える。


ドリナの清流で顔を洗う。冷たくて気持ちがいい。しかし、流速が早く、落ちればおぼれる可能性大。


Bajina Bastaの町。40年前、先輩の何人かはここに数年住んでいたのだ。


今日、無理を言ってここに寄ってもらう事にしていた。私が入社した時、2台目の製造の最後で、1個10数KgもあるM120の馬鹿でかいナットのペンキ塗り実習をしたBajina Basta発電所に到着。揚水発電所として、当時世界最高落差の600数十mを誇り。この記録はブルガリアのチャイラ発電所を造るまで、20年近く破られなかった発電所だ。40年前の諸先輩の苦労が偲ばれる。


先ほど見た発電所は下池の発電所。揚水式なので、ドリナ川の下池から600m上の池に一秒当たり50トンの水を揚水する。本当は自転車で上池に登りたかったのだが、日程、体力からそれは無理。車で一気に500m登り、展望ポイントに着く。眼下には満々と水を湛えたバイナバシュタ発電所が見える。
この風景を眺める為、ヤビツ峠を走っている集団のYSGジャージを着て今日走ってきたのだ。


発電所脇にはドリナ川が1000mを削り取った崖があり、そこを上ダムを作る為に作った道路が登っている。下流の方を眺めると、ドリナ川が大地を潤し、流れていくのが判る。しかし、こちら側がセルビアで、向こう側がボスニアと、国と人を隔てる川でもあるのだ。(視界の先、丘の向こうが激戦地、スレプレニツァの辺り)

 


標高が1000mを超えると、周りの景色はいわゆるアルパインメドウになってくる。


家は山荘風になり、牧場には高山植物が咲いている。


私のGPSに無い道を登り始めたので心配していたら、やはり自転車を載せたトレーラーを引くFiatが森林中のWet路面で滑ってこれ以上先に行けなくなる。また来た道を引き返す。


山中にある宿は、Life is miracleなどを製作した映画監督のプロデュースで、彼が数分前まで居たとのこと。セルビアに来るに当たって、この映画を見てきたTさんが悔しがること。各建物はセルビアの高地の家風で、それぞれ設計が異なっており、意匠は面白いのだが、使い勝手は今ひとつ。私はこの後の2階で、天井の低い部屋だった。


夕食時、ビールの飲めない私は革命ラズベリージュースで乾杯。

 

ボスニアとセルビアの国境地帯を走った今日は、実に収穫の多い一日であった。下記に Mapと写真レポートのリンク地図。ダブルクリックして各地点の写真を見てください。



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