40年前のあの寒い日、ボクは18才を迎えた、高三の受験生だった。
大学入試直前で、授業は受験対策の復習中心。心配顔で見る母を気にしつつも、自習と称して、学校をサボって、居間の大きなコタツに潜り込み、一日中安田講堂の攻防戦をTV中継で見ていた。ひょっとしたら後一日持つかも、との期待を裏切り、安田は落ちた。あれ以来、世の中の仕組みとか、主流派の考え方、そう、その時代の風のような物に常に逆らおうとする「逆風に抗する」姿勢が身に着いてしまった様だ。
あの一日故に、肉体的、精神的に重傷を負い、人生を棒に振ってしまった人とは比べようもないが、あの一日が有ったおかげで、ボクも何度かあった人生の岐路の中で、主流派への転換の誘惑に負けず、反体制ではないものの非主流で居られたのだと思う。負け惜しみも含まれていることは否定できないが、会社や役所の長として、権力を振るうことがなかった人生はそれなりに「良かった」と思うこの頃である。
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