徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

辻褄/2008年シーズン

2008-12-31 14:08:13 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
プロスポーツマンは名前や肩書きで闘う。
例えば中澤祐二だ。今季それほど目覚しい活躍をしたとも思えない中澤がJリーグアウォーズのベストイレブンに選出された。中澤自身も苦笑いしていたが、“何も起こらなければ”、それほど名前に刻み込まれた肩書きというのは大きく、重い。

何かを起こすはずだった2008年の清水エスパルスは、結局何一つとしてタイトルを手に入れることはできなかった。そして、まだ報道レベルで動向がはっきりしてはいないのだけれども、チーム内にも多少の変化が起こっている。
しかし(川崎あたりはもちろん)昨季のガンバ、今季の鹿島と上位相手での対戦でも確実に結果を残し、優勝争いに向けて着実にステップアップしていることが確認できだシーズンだった。若いプレーヤーが多いとはいえ、兵働、枝村、青山、岩下が第一世代だとすれば、チームは4年という時間をかけてひとまず完成に近づいている(今年は「若手の成長、躍進」などという報道が多く見られたが、そんなもん4年前から始まっていることは、観ている人間ならばわかっていることだ)。また過去3年にはなかった、非常に大きな挫折感を幾度も味わったシーズンではあったが、それも熟成の為の試練。

降格危機をも経験しながら2年に及んだディフェンス構築(05、06シーズン)、主力離脱、フェルナンジーニョ、アウレリオ事件を乗り越えて2年かかったオフェンス熟成(07、08シーズン)。だとすれば辻褄は合う。牛の糞にも段々があるんで。本当の勝負は来季、ということで。
来季は優勝する。

去年はサボった障子も張り替えた。残りの年賀状を書く。

いろいろ年末

2008-12-29 01:24:16 | 素日記
引き篭もって作業……と書きつつ、その前に年末恒例ということで御徒町の吉池まで正月用の食材と酒を買い出し。んでもってついでに御徒町駅のガード下にある酒場に入った。店の煮込みにいちゃもんをつけている老人2名の愚痴を横で聞きつつ、黒糖焼酎2杯。家に帰ってから早速、鮪と青島黒ビール。
仕事部屋は現状、大して片付けられないので、押入れを整理して何とかスペースを作りビデオ等を押し込む。さすがにもう収納スペースはマックス、リミット、限界。棲家はそれなりに気に入っているのだが、そろそろ本気で倉庫も考えんと…。

有馬記念、ダイワスカーレットが勝つ。もちろん馬券は負けた。すんごく予想通りの展開だったと思うけれども本当に打つ手なかったのかね、関東の競馬サークルの人たちは。やっぱり、結局自らレースを作れるのが一番強いよなあ……。スタッフと騎手が綿密に打ち合わせをし(たという)3着になだれ込んだエアシェイディはさすが。
気を取り直して、30日のKEIRINグランプリには静岡の偉人・渡辺晴智が出走。何か、チャンスはありそうな気はする。自分でレースは作らないけれども。

#5 ケラ

2008-12-29 01:03:44 | 今日のお言葉
<ベルリンはどっちだろう。おい、ジョン・ライドン、ベルリンはどっちだ。どう思う、ジョン。シドは死んでしまったけど、君は生き残ってしまった。僕も生きてるし、僕の隣で彼女もこうして生きてくれている。パンクなんて響きはひどく時代遅れになってしまった今、八〇年代の終わりに、ベルリンでは、中国では、ルーマニアでは、チェコでは、数万人、数十万人のパンクス達がまさに命がけで立ち上がった。どう思う、ジョン。パンクスでなくなったジョン。君には何がある? 僕には今がある。そしてここに彼女がいる。
曲が終わった。
ヘ・イ・ワ、だ。>
(小説「ライフ・アフター・パンク・ロック」より/ケラ「ライフ・アフター・パンク・ロック」JICC出版局 1990)

久保さん

2008-12-28 16:26:52 | Works
土曜日。夕方から渋谷のMANXで「余命」のプロデューサー久保理茎さんの取材。NHKディレクターを経てアメリカで映画製作を学び、30代後半で映画の世界に飛び込んだという御仁。カメラマンの望月さんもそうだけど、NHKの制作って変な人が多いんだな…いや、変というか熱いというか。

マッドマックスみたいなスタイルでぴあのMさんも店に来たので、久しぶりに話(そもそもMANXは6、7年ほど前、Mさんに初めて連れて来てもらったのだが)。ぴあもいろいろ大変ですな。Oさんにもお世話になりました。来年もよろしくお願いします。

昨日(土曜)で年内の取材関係は終了。幸か不幸か仕事部屋での引き篭もり作業が大量に残っているので、まだまだ仕事納めというわけにはいかないのだけれども、ひとまず大掃除と年賀状書きと正月準備もしつつ……引き篭もります。

三宅さん

2008-12-27 01:25:23 | LB中洲通信2004~2010
東映で「少年メリケンサック」の三宅弘城さんの取材。もともと中高時代からパンクバンドでドラマーをしていたということで、ほとんどリアル少年メリケンサック。役者のきっかけから現在まで。

で、
このときの楽日では、カーテンコールになる前から「もう丸星に会えない」と、涙が止まらなかったらしい。
というのは正確には「カーテンコールの後」とのこと。おまけにどうも劇団健康入団までの経緯自体も全然違っているらしい……まったく演劇情報ってのはどうなってんだ? まあご本人に否定される分にはそれなりに盛り上がる会話のネタにはなるので、それはそれでいいんですが(よくないか)。インタビュー後、東映の屋上で撮影。

取材終了後、事務所でちと作業。
高田馬場で袴田さん、北野さんと合流してナカスの忘年会。

浅草

2008-12-27 00:50:42 | 素日記
木曜日。
本当は例年通り23日に行くつもりだったのだけれども、浅草寺にお参り。25日とはいえ平日なのに人通りは多い。いつもの酒場……は、まだ開店してなかったので開いている酒場で酒。

イヌコさん

2008-12-24 23:16:27 | LB中洲通信2004~2010
恵比寿で犬山イヌコさんの取材。
実はケラさんと同じぐらい長い間見ている、オレにとってのアイドル女優のひとり。今回は撮影はなかったけれども、やっぱし可愛いなあ……。リアルで自分のこと「わし」って言うし。「罪とか罰とか」の話も訊きつつ、今更ながら昔話とか名前の話とか声の話とか。

で、
インディーズ時代の筋肉少女帯でサポートボーカルをつとめたことがある。
は、誤報だそうです。本人が強く主張しているので間違いないでしょう。誰か修整してあげて下さい。その辺も含めてLB3月号で掲載。

熱海秘宝館のテーマ

2008-12-23 16:14:15 | Music
カマチさんからサザナミレーベルの新譜サンプルを頂く。サロメの唇の「熱海秘宝館のテーマ」。熱海秘宝館に流れる謎のムード歌謡曲を、リーダー氏が通いつめて完全コピーしたという珍品。
傷心のシーズンを終えたオレのささくれ立った心に沁みるよ……酒呑もう……。

リリースは3月。レコ発もやるそうです。

クドカンさん

2008-12-23 15:20:24 | LB中洲通信2004~2010
月曜日。
東映で「少年メリケンサック」の宮藤官九郎監督取材。某誌と共同取材ということで普段と勝手は違うが、んまあそれなりに訊きたいこたァ訊けた感じなのだけれども、ぶっちゃけ……このあとは呑んだときにでも話します。
さすがに取材用の小部屋(会議室?)を回って喋り続けるクドカン監督はお疲れ気味……と思ったが、伏目がちなのは予想通りだったが、意外にも饒舌に語ってくれたのには助かった。
取材用の小部屋は4つほど仕切られており、そこを入れ替わり立ち代り取材陣が入る。ちなみにウチの後はnon-noだった。さすがにnon-noともなるとカメラマンもお洒落じゃのう……。

で、たぶん元ネタのひとつ。



で、悲しいニュース。



取材後、高円寺のACEでカマチさん、入江と打ち合わせ。
で、その後、軽く忘年会。死後のハードディスク問題とか最近の若いモンとかメキシコで爆死とか。サザナミ本のサブタイも決めた。

ケラさん

2008-12-21 23:31:04 | LB中洲通信2004~2010
恵比寿で「罪とか罰とか」のケラリーノ・サンドロヴィッチ監督取材。5年ほど前のエノケン特集以来のインタビューだ。撮影を始めた頃にはすっかり19時を過ぎていたのだけれども、インタビューの本題に入る前にケータイでM-1の録画を確認していたところをみると、どう考えてもテレビのお笑いには否定的なケラさんだが一応M-1はチェックしている模様。やはりコメディ映画の話を訊く前に、まずは「笑いの現在」を訊く。
今回の映画はプレスのインタビューで「これがデビュー作であったかもしれない作品」と語るように、まさにケラの世界と言えるオリジナル(過去の戯曲に元ネタはあるそうなのだけれども)。成海璃子もいいけれど奥菜恵が凶暴すぎて笑える。あ、あと段田安則の流血シーンが妙にリアルすぎ。「悪魔のいけにえ」風にチェーンソーも出て来るし、かなりサイコでホラーな味わいの怪作。
LB3月号で掲載予定。


終戦/天皇杯準々決勝FC東京戦

2008-12-21 13:45:56 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
土曜日。ユアテックスタジアム仙台で天皇杯準々決勝FC東京戦。Tシャツでも大丈夫なぐらい日差しが強い。しかし結果は厳しく、山西コールを送った後、しばらく席から立つ気になれなかった。牛タンも喰わなかった。

やはり想定外の敗戦と言わざるを得ない。
リーグ終盤戦の強さは本物だったとは思うが、やはりゲーム間隔が2週間空いたことでその勢いが削がれてしまった感は否めない。またナビスコカップ決勝前のように、「勝てるだろう」という雰囲気がどこかに漂っていたようにも思う。相手は今季4戦して負けなし(3勝1分)のFC東京である。実際彼らは5回戦って1回しか勝てなかったのだから、ナメてしまっても仕方がないし、爆発力はあるものの、トータルの力を考えればとても負ける相手だとは思えない。失点した、あの2分間以外に負ける要素はなかった。
徹頭徹尾、中盤から激しくプレッシャーを与え続けたFC東京は素晴らしかったが、この内容では清水のプレーヤーが不完全燃焼を口にするのは当たり前だろう。やはりこれもナビスコカップ決勝のように、完敗でも何でもなく、FC東京の慌しいだけのペースに引きずり込まれてしまっただけなのだ。

ゲーム終了のホイッスルと同時に真希はピッチを叩いて悔しがっていた。
若いのだし、一か八かのスポーツエンタテインメントの世界に生きているのだから、自分の価値を高めるためにも、もっともっと悔しがって欲しいと思う。負けてヘラヘラ笑ってるような連中になって欲しくない。悔しがるのは決して恥ずかしいことではない。だからオレたちは成長できるんだよ。
ゴール裏への挨拶は健太もやってきた。退団が決定している山西にはコールが送られた。チームはとても心細くなる。人は去り、いくつもの挫折を経験して2008年シーズンも終わる。「このまんまじゃ終われないよな、和道」たぶんオレはそう叫んでいたと思う。

夕方の新幹線に乗って、エタ・ジェイムスの歌に慰められながら帰京。
そのまま渋谷で「競馬主義」の忘年会……のつもりだったのだが、あまりに急な告知にメンバーが集まらなかったらしく、結局自由国民社の大越さんと音楽出版社の柴田さんの個人的な飲み会に参加(今年は28日に有馬記念、1月4日に金杯があるという競馬関係者にとっては殺人的スケジュールらしい)。大越さんの「坂崎幸之助とJ-POPフレンズ3」の作業も何とか見通しがついた模様。

どっちにしろ酒が呑みたかったので助かった。
呑み会が早めに終わったので地元で呑み直して、家に帰ってから全部終わっちまったと思ったら泣けてきた……と「大阪で生まれた女」の歌詞のようなセンチメンタルな気分になった。
でも、またこれから1年が始まるよ。




これからいろんなことが起こる。落ち着いたところでシーズン総括を書く。

インフォメーション

2008-12-19 19:31:16 | 素日記
ポスターハリスからインフォメーションが着ていたので転載。併せて行こうかと思ったら微妙に会期が重なってない…。

ジャパン☆アヴァンギャルド アングラ演劇傑作ポスター展
会場パルコファクトリー(渋谷パルコパート1 6F)
会期:2008年12月31日(水)~2009年1月5日(月)※会期中無休
時間:10時~21時 ※12月31日は19時閉場、1月1日(元日)は11時~18時
■寺山修司実験映画新春特別上映
1月1日(元日)15時~
上映演目:「蝶服記」「ローラ」「審判」(予定)
■新春特別対談&サイン会
宇野亜喜良氏(イラストレーター)×笹目浩之氏(ポスターハリス・カンパニー代表)
1月3日(土)15時~

東学墨画展「天妖」其の弐~気をやれば知るよしもなく毒を浴び~
会場:ポスターハリスギャラリー
会期:2008年12月16日(火)~2009年1月16日(金)
時間:13時~19時
休廊:日曜/12月27日~1月5日

TVドラマはすべて現実?(パート1~2)/VIBRASTONE

2008-12-19 04:05:33 | VIBE RHYME

<TVドラマはすべて現実?(パート1~2)>

あの子と出会って たぶん30分ぐらいで好きになって
一週間後にゃふたりはもう恋人同士
あーっと言う間にベッドイン
子供もできちゃって
過去はいろいろあったけど お互いに
そこは大人同士割り切って 結婚
ハワイでみんなも何となく 祝福
とりあえず結婚 おめでとー
毎日が平和にのほほーんっと流れて
ふとそんなある日のアフター5
会社のバイトの女子大生誘って
ワインで軽く乾杯のつもりが
ついつい
ホテルでやることやっちゃって
明日からはそれが当たり前の関係
この関係一生続きます?

そんなはずがない

TVドラマを観ているように
何もかもがすべて現実
TVドラマで起こることは
恋も夢もすべて現実

それはそうと最近どうも女房の様子がおかしい!
と興信所に調べてもらったら女房は 案の定
浮気してました!
俺もしてるからまあいいや
でもちょっと癪に障るから相手のカミさん呼び出して全部ばらしてやろうと思って会ったら
何とびっくり
昔付き合ってた女
本題 そっちのけで昔話に花を咲かせているうちに
盛り上がって ふたりの思い出の店に行って
ワインで軽く乾杯のつもりが
ついつい
ホテルでなるようになっちゃって
焼けぼっくいに火が点いちゃって
一度きりのつもりが
二度 三度

そんなはずはないはず

TVドラマを観ているように
何もかもがすべて現実
TVドラマで起こることは
恋も夢もすべて現実

そんな関係続けてきたけど
とうとう
俺は離婚を決心して
女房にその旨を
相手は 相手で
亭主にその旨を
向こうにも負い目があるから
ハタチの娘はこっちで面倒を見るってことで
話は丸く収まって解決
いよいよ相手の娘とご対面
何とその子バイトの女子大生
お互い見つめあったまま しばし呆然 その後ニッコリ
母親はそんな関係知らないものの
一体 この先どうやって暮らすわけ?
とここで目が覚めた 何だ夢だったのか
そりゃそうだよな
だって

そんなはずはない

夢から覚めてほっとしていたら
真夜中なのに台所がやけに騒がしい
ただの親子喧嘩?
それにしちゃ様子が変
扉の影 聞き耳立てた
娘と俺の関係が母親にばれたらしい
思い余って包丁を手にする母親
とっさに止めに入る俺の腹にぶすり
飛び散る 鮮血
一面 血の海
でも全然痛くない
本当の血なんて一滴も出てないもんね
俺は刺される役を演じただけ
そんでもってこれも夢だったってことになって
結局この家族は一生平和に暮らしましたとさ

そんなはずはないです

TVドラマを観ているように
何もかもがすべて現実
TVドラマで起こることは
恋も夢もすべて現実



お気に入りのドラマもついに最終回
もうお楽しみはお終い
あのドラマの男優さん 不倫がばれて離婚するんだって
お相手はあのドラマの女優さん
きっかけはあのドラマの共演
もうあのドラマはとっくに終わったはずなのに
なのに なのに

そんなはずはないはず


モモヨさん

2008-12-19 00:40:15 | LB中洲通信2004~2010
渋谷で昼食を食べつつ、先日送ってもらった「ブック・オブ・チェンジズ コンプリート・ワークス・オブ・リザード」の資料熟読。地引雄一さんの「ストリート・キングダム」とモモヨこと菅原庸介(保雄)さんの「蜥蜴の迷宮」も再読(速読)。

15時からモモヨさん取材。今回のボックスセットの話からバイオグラフィ的な話も。
日本のロックにとって60年代末から70年代前半が創世記ならば、80年代はロックが歌謡曲に取って代わり、さらにインディーズ・シーンが活発化していく中でレコード会社のあり方そのものが変貌していく発展期。ということで、その時代に挟まれた70年代半ばから70年代後半というのはやはり過渡期的な時代だったといえる。その中で、74年に郡山で開催されたワンステップ・フェスティバルは前時代ロックの総括的なイベントであり、その後の百花繚乱的なインディーズ時代を予告したのが東京ロッカーズだった。
その過渡期を紅蜥蜴~リザードで駆け抜けたモモヨさんというのは、んまあ、やはり日本のロック史における重要人物のひとりなのである。70年代後半に日本のロックにとって音楽的にも、テクノロジー的にも地殻変動のようなものが起こったということは、「ブック・オブ・チェンジズ コンプリート・ワークス・オブ・リザード」でまとめられた、紅蜥蜴、リザードとモモヨさんの仕事を見ればわかる。
もう少し取材時間が欲しかったところです。
3月号に掲載予定。