超級龍熱

香港功夫映画と共に

笑いと涙、その5つの人間模様。陣内孝則監督「幸福のアリバイ~picture」11月公開。

2016-09-29 10:20:02 | 作品レビュー
昨日は都内某所で、陣内孝則監督、オールスターキャスト映画「幸福のアリバイ~picture」(16)のマスコミ試写に行って来ました。
本作は「葬式」「見合い」「成人」「誕生」「結婚」という人生の5つの節目をテーマに、5つの物語を描いたオムニバス映画です。
陣内監督はこれが長編第3作目との事ですが、映画の随所に笑い、涙、感動をバランス良く盛り込んでいて、とてもこれがまだ3作目の監督とは思えない手際良い仕事振りでしたね。
5話それぞれがユニークかつ心温まる視点で描かれているんですが、私は第1話のヤクザの大親分の通夜の席で子分のヤクザたち(特に大地康雄、良い味出してます)が大親分の遺言(と言うかトンでもないリクエスト)を巡って喧々諤々やり合う「葬式」や、柳葉敏郎演じる頑固者の父親がロッカーの男の子供を産んだ最愛の娘に会いに行く「誕生」が良かったですね。
逆にちょっとウザかったのが駄目男の山崎樹範とカメラマンの木南晴夏のカップルのドタバタを描いた「見合い」と、その2人の顛末を描いた「結婚」でした。
まずオムニバスなのに第2話の「見合い」で登場したこの2人が第5話の「結婚」でまた出て来るのが「クドイ!」と思いましたし、何より山崎樹範という俳優が個人的にちょっと駄目でした。
この人、とても演技が上手くて表現力も圧倒的な物があるんですが、その金属音のような甲高い声や圧巻の演技力が本人のヴィジュアルとスイングしていなくて、私は「何か声優が出てるドラマを見せられているなぁ」と観ていてイライラしてしまいました。
まあそれでもこの「幸福のアリバイ~picture」、日本映画ならではのきめ細かい人間模様や、日本映画ならではの涙と笑いを堪能できる「人の心に優しい映画」である事は間違いないと思います。今後の陣内監督の活躍に期待でしょう。
この「幸福のアリバイ~picture」は11月18日から全国ロードショーとの事です。
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「続・少林寺三十六房」韓国バージョン「少林龍門房」ポスター。

2016-09-28 10:10:44 | その他
「続・少林寺三十六房」(80)の韓国バージョン「少林龍門房」韓国公開時ポスターです。中々迫力あるデザインですね。
恐らくこの「少林龍門房」も、韓国側が独自の編集を加えた別編集版になっている可能性が高いと思われますが、残念ながら韓国現地ではビデオ化されていないので確認する術がありません。
オリジナル版の香港バージョンと同様に、本作には韓国から権永文が参加しており、それはパワフルな悪役振りを披露しています。
自らが南拳高手の劉家良監督としては、韓国テコンドーの豪快かつ華麗なキックを誇る権永文と主人公に扮した劉家輝との拳技×蹴撃のコントラストも含めた殺陣はさぞや付け甲斐があったと思います。
ただ作品その物のボルテージ&完成度は、前作「少林寺三十六房」(78)に比べるとちょっと落ちてしまっていましたね。
そういえば、昔にこの「続・少林寺三十六房」がテレビで「少林寺拳道」の題名で放送された時、当日の朝に偶然新聞で本作の放送を知った私は慌ててビデオのタイマーをセットした思い出があります。
その時に私が直撮りしたVHSですが、後にキングレコードさんが「続~」をDVD化する際に私のテープから日本語吹き替え音声を提供したのも、今では懐かしい思い出です。
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壮絶死闘20分!いま甦る伝説の格闘技映画!アラン・ムッシー主演「キックボクサー/ヴェンジャンス」

2016-09-27 18:26:53 | 作品レビュー
さてさて、観ました!あのジャン=クロード・ヴァン・ダム主演「キックボクサー」(89)の正統リメイク作品で、ジョン・ストックウェル監督、アラン・ムッシー主演「キックボクサー/ヴェンジャンス」(16)です。
何時もながら友人に感謝です(^_^)。いきなりの感想ですが、話題のリメイクでありながら、かなりサクッと撮っている作品です。
特に映画の冒頭から中盤まではほぼオリジナル版を踏襲したストーリーになっていて、兄で格闘家のエリック・スローン(故ダレン・シャラヴィ。この映画が事実上の生前最後の作品でしょうか)がタイに赴き、最強と言われるタイの凶悪な格闘家トンポー(何とWWEスーパースターで現在は俳優のデビッド・バティスタ。快演!)に挑戦しますが、激闘の末に弟のカート(スタントマン出身のアラン・ムッシー)の目前でトンポー必殺のネックロックにより首の骨を折られ惨殺されます。
兄の復讐を誓ったカートはエリックのコーチだったデュラン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム。拍手!)に弟子入りし、2人は壮絶な特訓を開始します。この特訓シーンも良い意味で淡々と撮っていて、オリジナルのファンにはお馴染みの又裂き特訓も登場します。
この作品全体に漂う「サクッと感」は別に制作側の手抜きなどではなく、オリジナル版の主人公だったJCVDの出演実現も含めて、リメイクながら出来るだけオリジナルのテイストを尊重しようという、ある意味崇高なリスペクト精神を感じるのは私だけでしょうか。
さらに私がこの映画を評価する2つの点。まず劇中で披露されるアラン・ムッシーやJCVDの格闘アクションがワイヤーワークや特殊効果などを敢えて排除し、あの90年代序盤の格闘技映画特有のオーソドックスな突きや蹴り、または右のジャンピングバックスピンキック(当然スローモーション!)といった“Old School”なアクションを徹底させている事です。
これは制作側にとって単なる安易な原点回帰ではなく、アクション映画としても大変勇気がいる事だと思いますし、私はノスタルジックな気分に浸れる部分も含めて高く評価したいと思います。
もう一つ。それは私の予想に反して師匠役のジャン=クロード・ヴァン・ダムが単なる顔見世程度のカメオ出演ではなく、ちゃんと肉体をシェイプアップし、映画の各所で格闘アクションを何度も披露している点です。これは古いJCVD信者としては嬉しかったですね。
と言いながら、せっかくジーナ・カラーノを出演させながらアクション・ゼロは×ですけど。
そして映画のクライマックスに用意されたカート・スローンvsトンポーの3ラウンドに及ぶ壮絶なる復讐マッチは、延々20数分間にも渡って展開されますが、そこではこれまたオリジナル版で強烈なインパクトを残した戦慄の凶器“ガラスのグローグ”も登場します。

トンポー「お前の兄は勇敢な戦士だった。だがお前は負け犬だ。死ぬ覚悟は出来ているな?」
カート「ああ、だが先に地獄に行くのはお前だ!」

このカートvsトンポーの壮絶死闘の詳細はここでは触れませんが、前半の「サクッと感」的展開で溜まりに溜まった観客のストレスが一気に爆発するかのような圧巻の格闘アクションが繰り広げられます。このクライマックス・ファイトは是非劇場の大画面で再観賞したいですね。そしてエンディング・ロールも2人のカート・スローンの“共演”が観られる凝った作りになっていましたし、劇中ではもう1人の“トンポー俳優”もチラッと登場します(^_^)。

ジャン=クロード・ヴァン・ダム信者にとって「ブラッドスポーツ」(88)と「キックボクサー」は特別な作品です。
その「キックボクサー」を敢えてオリジナルの佇まいを残しながら、文字通りストレートにリメイクした「キックボクサー/ヴェンジャンス」、是非何らかの形での日本公開を熱望します。
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「激突!螳螂拳」から、劉家良と姜大衛の殺陣付け風景。

2016-09-27 10:41:14 | その他
昨日は1度完成披露試写会で観ている「ジェイソンボーン」をマスコミ最終試写で観てきました。諸事情あっての再観賞でしたが、やはり1度観ている作品だと最初の時と同じインパクトを期待するのはちょっと厳しいですね。

さて、「激突!螳螂拳」(78)から、オープニングで姜大衛の演武シーンの殺陣を自らつける劉家良監督です。
ここで姜大衛が披露する螳螂拳のシルエットが傍らの壁に映る斬新なシークエンスが、ラストの姜大衛vs劉家榮の決闘シーンの伏線となっているわけです。
劉家良は邵氏公司で何本もの傑作武打片を撮りましたが、こと武打シーンだけを取り上げるなら、この「激突!螳螂拳」も中盤の姜大衛が黄杏秀と共に屋敷の各部屋に待ち受ける劉家榮の親族たちを1人、また1人と撃破していく“横室内突破型死亡遊戯決戦”も含めて、改めて高く評価されるべきでしょう。
ちなみにキングさんの「激突!螳螂拳」DVDに収録されている劉家班総出演の予告編は、香港版DVDには未収録のお宝映像です。
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熱風!韓国LEGENDS(96)韓国ゾンビ特急地獄行き!コン・ユ主演「釜山行き」

2016-09-25 16:26:28 | 熱風!韓国LEGENDS
さてさて、いま韓国映画ファンのみならず、ホラー映画ファンの間でも注目の韓国ゾンビ映画にしてヨン・サンホ監督、コン・ユ主演「釜山行き」(16)を観ました!(何時ながら快くサポートしてくれる友人に感謝♪)
韓国で突如発生した正体不明のウィルス。それは感染者に咬まれるとその人間は傷口から瞬時に感染し、人としての理性は全て崩壊。まるで野獣のように人を襲い人肉を食らうという恐怖のウィルスでした。ソウル発、釜山行きの高速鉄道KTXに乗った主人公(コン・ユ)は幼い息子や同乗した夫婦(夫をマ・ドンソク。ゾンビより顔が怖いセヨ♪)と共に疾走する車内でウィルス発症の惨事を知りますが、既にKTX内にも感染者が乗り合わせており、すぐにKTX内ではゾンビ・ウィルス感染者が乗客を襲い始め、文字通り阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのでした!!
言うまでもなく猛スピードで走るKTX内は完全な密室。逃げ場を失ったコン・ユたちは凄まじい勢いで増殖するゾンビたちの襲撃に応戦しながら1台、また1台と車両を移動していきますが、乗客たちは凄まじい恐怖とストレスから次第に彼らたちの人間関係も崩れ出し、やがては人間同士の醜悪な生存競争が幕を開けるのだった!!

ゾンビ映画が好きな方ならお馴染みの展開が随所に観られますが、この「釜山行き」はそこに韓国映画ならではの情感溢れる家族愛や韓国軍人(ネタバレになるので詳細は伏せます)など独自のシークエンスを盛り込む事で、観る側を飽きさせません。
私が「サンホ監督、うまい!」と思ったのが、ゾンビが蔓延しているKTXが駅に到着し、コン・ユたちが降車して「助かった!」と思ったら、“ある事情”でコン・ユたちがまた死に物狂いでKTXに駆け戻る破目になるプロセスでした。
要するに乗っては降り、降りては乗る。まさにエンドレスのゾンビ戦争なんですね。
ただこれまで韓国では本格的なゾンビ映画は(あの「怪屍」(80)を除くと)殆ど制作されませんでしたが、私が今回の「釜山行き」を観て実感したのが「アジア人のゾンビってあまり怖くないな」という事でした。
やっぱりゾンビは白人や黒人問わず、西洋人が感染して私たちを襲って来る姿の方が断然怖い!と思いました。勿論、これは個人的な感想ではありますけど。
それでも私はこの「釜山行き」は大変面白く観れましたし、今度は是非日本語字幕入りで堪能したいと思います。
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熱風!韓国LEGENDS(95)英国イベントで“韓国の猛将”黄仁植が「死亡遊戯」を語った!

2016-09-22 16:41:12 | 熱風!韓国LEGENDS

7月にイギリスで開催された“韓国の猛将”黄仁植を招聘しての「Bruce Lee years with Hwang In Shik」のトークセッションの模様を収録した映像を友人に見せて貰いました。
私も“生きる伝説”である黄仁植師範と対面できる絶好の機会なだけに、当日は是非イギリスに飛んで行きたかったんですが、それも叶わず、こうして映像(60分ほどありました)で当日の模様を観る事が出来た事は本当に有意義でした。
セッションの黄師範はブロークンながら全ての会話を英語で行っているのに感心しましたし、時折ちょっと下品な英語(ご本人はアメリカ軍から教わったとの事)を交えながら(^_^;)、初心者にも判りやすく丁寧に武術の真髄を熱く語る様子からは、黄師範の人柄が窺い知れて大変興味深かったですね。
また後半の質疑応答では「女活殺拳」(72)で共演したアンジェラ・マオの事、「死亡遊戯」の新界野外ロケの事、さらにはこのイベントの数日前にサモ・ハンから黄師範に電話があり「また一緒に仕事しましょう!」と誘われた等々、これまた興味深い事柄を語っていました。
で、注目の新界野外ロケに関しては黄師範はこう答えていました。
「私も「死亡遊戯」に関してはよく聞かれるんだが、実際には私はそこ(要するに五重塔内セットの格闘シーンの撮影には参加していない)にはいなかったので何とも言えない。李小龍とは彼が亡くなる2日前だか、何週間前だか忘れたが、一緒に韓国レストランで食事をしたよ。もう40年近く前の事なのでよく覚えていないんだが、その時は映画の話は殆どしないで、お互いに武道の話ばかりしていたよ。ただ確かに嘉禾公司が私を「死亡遊戯」に出演させるためのセッティングをしていたのは事実だよ。
私が李小龍の死を知ったのは、私が他の映画の撮影から帰って来た時に聞いたんだと思う。以上だ!」

実はこの7月のトークセッションの前後に私の海外の友人で、黄師範の個人のメールアドレスを知っている人間に「死亡遊戯」に関して私が訊きたい質問を黄師範にメールで訊いて貰っていたんです。
しかし黄師範が言うように、やはり40年以上も前の事だけに、黄師範からはそれに関して明確な返答が貰えませんでした。
ただまた何時か黄仁植師範には、私がどうしても知りたい「死亡遊戯」の真実をもう1度問い質してみたいと思っています。
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傷だらけの刑事vs史上最凶最悪の殺人鬼!小栗旬主演「ミュージアム」11月公開!!

2016-09-22 10:52:40 | 作品レビュー
さてさて、昨日は都内某所で大友啓史監督、小栗旬主演「ミュージアム」(16)を試写で観て来ました。
いや~敢えて語弊を承知で言いますが、日本映画でよくぞここまで完成度の高い猟奇犯罪映画を撮りました。殆どパーフェクトな犯罪サスペンス映画でしょう。
日頃から妻(尾野真千子)や幼い息子と擦れ違いの生活になっている刑事の沢村(小栗旬)は異様な連続猟奇殺人事件に遭遇します。
犯人(俳優名は伏せます。理由は後述)は自らを私刑執行アーティストと称し、何故か雨の日にだけ犯行を行い、その犯行現場に必ず謎のメモを残していきます。
狡猾かつ狂気に満ちた犯人の犯行に沢村たち警察の捜査は絶えず後手後手となり、沢村たちの焦燥と怒りは増していきます。
ところが、沢村は犯人の手にかかった犠牲者たちには、奇妙な共通点がある事を突き止めます。
それは犠牲者たちがある凶悪な殺人事件の裁判員を務めていた事。そしてその裁判では沢村の妻も同じく裁判員を務めていたのでした!!!
しかし半狂乱の沢村が妻と子供の許に向かった時には、既に犯人によって妻と息子は拉致されており、犯人の車と壮絶なカーチェイスの果てに愛する家族を連れ去られた沢村は絶望のドン底に叩き落されます。
さあ、ここからこの「ミュージアム」の本当の意味での阿鼻叫喚の地獄絵図が始まります。
自らが警察に追われる身になりながらも、犯人のたった一つだけの手がかりを掴んだ沢村は、遂に犯人が住む屋敷に単身乗り込んでいきます!!!
そこで沢村が見た犯人の戦慄かつ衝撃の素顔とは!?そして沢村を待っていたこの世の生き地獄とは!?
それら全ては11月12日の「ミュージアム」公開日に明らかとなる・・・!!

これまでの日本における猟奇犯罪映画は、脚本の弱さや俳優陣のインパクト不足など様々な理由もあり、結末に至るまでの展開がどうしても中弛みになってしまう傾向が多々ありました。
しかしこの「ミュージアム」はそんな無駄な要素を一切省き、映画の後半はひたすら沢村と犯人が一つの空間の中で繰り広げる絶望と憎悪の対決だけを徹底して描いています。
まさに「世界よ、これが日本が誇る猟奇犯罪映画の到達点だ!」と言いたい傑作でしょう。

ちなみに今回この「ミュージアム」最大の注目である犯人(劇中では別称で呼ばれています)役の俳優ですが、昨日のマスコミ試写でも宣伝サイドから来月13日の完成披露試写会まで一切口外禁止令が出ていまして、ここでは触れられないんです(^_^;)。
実は私も試写を観ている時はその俳優さんが犯人役を演じていた事が判らなくて、試写が終わって宣伝の女性の方に「実は・・・」と言われて「ええー!?そうだったの?」と驚愕した次第です。
「ミュージアム」凄いです。恐いです。面白いです。ハッキリ言ってこの映画、龍熱のお薦めです。


こちらが公式サイトです→ http://wwws.warnerbros.co.jp/museum/
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果たして本当に存在するのか?何宗道主演作品「猛龍傳奇」の謎。

2016-09-19 16:17:59 | その他
「ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!」新装版を読み直していて、改めて20年来の疑問が再び甦って来ました。
本書の中のソックリさん映画特集で触れられている何宗道主演「猛龍傳奇」という映画、ご覧になった方いらっしゃいますか?
映画のラストが「新死亡遊戯/7人のカンフー」のワールドプレミア(!)で終わる、という映画なんですけど。
私もこれまで何宗道(黎小龍)の主演映画は殆ど観て来たつもりなんですが、この「猛龍傳奇 First Dragon Story」だけは観た事が無いんです。
もしこの「猛龍傳奇」という映画が本当に存在するなら、「新死亡遊戯~」の巨大看板が劇中に登場する「唐山截拳道」とはまた別の意味で貴重な作品だと思うのですが・・・。
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改めて「<映画秘宝>激動の20年史」を読んで。

2016-09-19 10:55:39 | その他
去年だったか「映画秘宝」から発売時に送られて来たのを、最近また読み返しています。「<映画秘宝>激動の20年史」です。
確かこの本の発売前に「映画秘宝」編集部から「龍熱さんが小誌で行ったジミー・ウォングとノラ・ミャオのインタビューを再録してもよろしいですか?」と連絡が来たので「いいですよ」と答えた記憶がありますが、本書には私が知らない事が色々書いてありましたね。
例えば、私が当時発行していた香港クンフー映画専門同人誌「龍熱」の存在を誰が町山智浩さんに最初に教えたとか、私もこの本を読んで初めて知りました。
それにしても、町山さんは最初に会った時から今日まで、私に対する評価を変えないでいてくれる人で、この本の中でも町山さんが私の事を高く評価してくれているのが本当に嬉しいです(^_^)。
また町山さんや「映画秘宝」とは機会があったら、是非良いお仕事ができたらと思っています。
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独裁者の狂気に満ちた少年時代!ブラディ・コーベット監督「シークレット・オブ・モンスター」11月公開。

2016-09-17 20:44:50 | 作品レビュー
さて、昨日は都内某所でブラディ・コーベット監督、トム・スウィート主演「シークレット・オブ・モンスター」(15)を試写で観て来ました。
この映画を単なる我儘な少年の奇妙な日常とその両親の苦悩を描いた家族映画として見るか。
または後に国の独裁者となる男性の狂気に満ちた少年時代の姿を描いたサスペンス・ミステリー映画として見るか。何とも評価が別れる映画だと思います。
1918年、ヴェルサイユ条約締結を使命にフランスに派遣されたアメリカ政府高官(リアム・カニンガム)とそのドイツ人の妻(ベレ二ス・ベジョ)には、まるで少女のような面影を持つ美少年の息子プレスコット(トム・スウィート)がいました。
一際感受性が強いプレスコットは、自分を理解してくれない両親や周囲に対して意味不明の行動を取り始め、他人に意味なく投石をしたり、家庭教師の女性の胸を触ったり、父親の会議の場に全裸で現れたりと、その奇行は次第にエスカレートしていきます。
やがてただ1人だけ自分に優しくしてくれた家政婦の老婆を母親がクビにした時、その怒りと悲しみは頂点に達し、何かがプレスコットの中で壊れていきます。
そしてヴェルサイユ条約が調印された事を祝い、父親の屋敷で盛大なパーティーが開かれた場で、遂にプレスコットの内面に巣食っていたモンスターが解き放たれます・・・!!

監督のブラディ・コーベットはプレスコット少年の異様な行動を詳細に描く事で、後にヒットラーやムッソリーニを彷彿させる独裁者として君臨するプレスコットを観客に予感させるストーリーに仕上げたのでしょうが、私はプレスコット少年の数々の奇行と、後にプレスコットが独裁者へと変貌するプロセスがどうしても結びつきませんでした。
あとスコット・ウォーカーの奏でる音楽もホラー映画としてなら素晴らしい効果を発揮したと思いますが、この映画には余りにもハード過ぎて、私は聴いていてちょっと辛かったですね。
映画としては決して悪い出来ではないと思いますし、プレスコット役のトム・スウィートも天才的な表現力を披露しています。
ただそれでもこの家族の愛情に飢えていただけの可憐な少年が何故独裁者になるのか?その核心部分が最後まで私たち観客に届く事がなかったのが何とも惜しい、と思いました。
この「シークレット・オブ・モンスター」は、11月にTOHOシネマズシャンテ他にてロードショー公開との事です。
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