徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ホーム、再び/TwitNoNukes#12(8.26)

2012-08-28 22:16:57 | News


日曜日は渋谷で3ヶ月ぶりのTwitNoNukesデモ。
金曜日恒例となった官邸前抗議が掲げるシングルイシューの原点はTwitNoNukesにある。
TwitNoNukesが掲げている“旗”は「原発反対(いらない)」――それだけである。ひとつ、もしくは限定された言葉しか掲げないからと言ってそれ以外に何も言っていないわけではない。また逆に多くの言葉を積み重なることで何を言いたいのかわからなくなるなんてことはいくらでもある。運動界隈では、いまだに行動論や方法論である(でしかない?)シングルイシューを曲解・誤解し、嫌悪・憎悪し続ける人たちも少なくないわけだが、この器が一年の間にどれほどの成果を上げてきたのかと考えてみれば、曲解や誤解がいかに頓珍漢なものであったのかわかるというものだ。ましてや、それをイズムと曲解する輩には呆れるほかない。
集団の中に入ってしまえば、そこにはコールやプラカードを通して様々な主張や意見があることがわかるはずだ。
これは動員の器であると、同時に思考の器でもあり、ここに思考のスタートがあり、ゴールがある。
TwitNoNukesも参加する反原連が、6月以降の行動の高揚を8月22日の首相対面という一応の形で結実した直後にホームに戻ってきたことは素直に素晴らしいタイミングだったと思う。

参加者数は結果的に中断前ともそれほど増えたわけでも減ったわけでもないようだが(それが等身大というものだよね)、以前とまったく変わることなく混じりっ気なしのシンプルでストレートなアピールをしながら渋谷、青山、原宿を歩いた。
オレにとってはホームであり、慣れ親しんだコースでもあるので、今回はトピックなどは特にないのだけれども(表参道あたりにいたという、ひとりカウンターデモの子連れママの姿は残念ながら確認できなかった…)、いつも通り、熱くアピールできたことは良かったんじゃないかと思う。まあ、要するに自分がどれぐらいその場で燃焼できるかという話ですから…。
さすがに陽が落ちると涼しくなるものの、それでも替えTシャツを持っていって良かったぐらいの汗をかいた。8月の官邸前は辛かった、酷かった…。

今日28日は政府・推進サイドから物凄い燃料が投下された。
まずは「第三回 国民的議論に関する検証会合」では政府が募集したパブリックコメント、そして主催した「意見聴取会」で大きな割合を占めたゼロシナリオの意見を矮小化する会合が行われた。前日の野田首相による「偏っていて適正じゃない」という重大発言を受けた、都合の悪い意見の火消し作業ともいえる専門家会議で、この茶番会議が明日どう報道されるのか見物である。
また夕方には、保安院が「断層」があったとしてもても原発を運転継続させる「新たな安全評価基準」の導入を検討しているというニュースがTLに流れてきた。
この期に及んであまりにも露骨なルール変更を誰が納得するというのだろう。彼らがゼニカネや命を盾に、恫喝気味にルール変更を強要しようとしても、オレたちは「そんなのインチキじゃん」と言い続けるだけの話である。
インチキなのは誰の目にも明らかなはずだ。
彼らは自壊しつつあるのかもしれない。

ドラマチックは続かない/第23節 浦和戦

2012-08-26 05:48:28 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
スカパーで浦和戦
今回は吉沢康一さん主催の定期飲み会に参加。つまりチームはホームでゲームするってのに、オレの態勢としては完全アウエイ。まあ「アウエイ浦和」というのはJを代表する醍醐味で、オレも大好物なのでまったく構わないのだが、心配するまでもなく大人の飲み会である(まあ飲み会というかサッカーナイトか)。場所は浦和の砂時計



夕陽が綺麗なキックオフの時間に、目的地の浦和駅のひと駅手前の南浦和駅に到着。電車に乗る前に郵便局に寄っていったぶんだけ、きっかり遅刻である(よく考えたら宇都宮線で行けば充分間に合った…)。
完全にパブリックビューイング態勢で客がモニターに向かっている浦和の名所・酒蔵力を横目に通り過ぎてすぐ、キックオフから10分ほど過ぎたところで砂時計に到着。挨拶もそこそこに奥に通されると、まだスコアは動いていない…と思って安心してビールを口につけたあたりでいきなり失点した。

この日のチームは今季一番というぐらいのスクランブル状態で、岩下の移籍後(まあ、実質的には移籍前からだが)DFの要であるキャラとプレースキッカーのキジェが出場停止、代わりに村松がDFに下がり、犬飼がSBに入った。もともとDFとして加入し、ボランチとしてもリーグ随一のボール奪取力を見せる村松にそれほど不安はなかったものの、さすがに犬飼には荷が重過ぎたか。直後のPK失点は微妙なジャッジだったとは思うけれども、これから後半にかけて、とにかく先制点がすべてといった、5月の(本当の)アウエイと似たようなゲーム展開になっていく。
失点は前半10分、20分という比較的早い時間だったにもかかわらず、清水のアタッカーは拙攻を繰り返してしまう。それが若さといってしまうのは簡単な話なのだが、あまりにもPA付近で冷静さを失っていたとしか思えない。
前節こそ、あの鳥栖に走り勝ってウノセロで終えたわけだが、思えば名古屋戦2ゲーム、広島戦と、7月下旬から8月にかけて、チームはドラマチックな逆転劇という極めて強度の高いゲームを続けてきた(ホームで圧倒的な強さを見せていた鳥栖から今季ホーム2敗目を奪った)。その結果が2ヶ月にわたる勝ちなしロードからの公式戦4連勝だったわけだが、そのドラマチックさも、結局裏を返せばゲームコントロールについて、決定的に安定感が欠けていたということなのだろう。ドラマチックで勝ち続けられるほどサッカーは甘くない。“幸運”が2度や3度も続くわけがないのである(4度は続いたが)。
キャラ、キジェはそれでも攻守に渡って確実にチームの安定を支えていたピースなわけで、彼らが欠場している以上、安定感が損なわれる上に、2点のビハインドを跳ね返す“ドラマチック”な可能性もかなり低くなっていた。まあ、そんな危うい可能性をアテにするのは間違っているのだが。
また、そもそもレッズが“こんな”戦いをしてくるのは事前に、そして充分わかっていたことではないのか。

双方の監督の口論を呼んだ前回のアウエイ戦に続いて、同じようなディフェンシブな戦いを選択した浦和。
参加者の皆さんは(たぶん)ほとんどレッズの(後半の)内容には納得していなくて、それだけがオレを慰めた。もちろんあの場に甘えて、負けたチームの人間がディフェンシブに勝ったレッズ批判をするほど野暮なことはないので、それなりに同調しつつもおとなしくしていたのだけれども、リアリズムといってしまえば通りはいいが、やっぱりあれはちょっとなァ…。
このゲームの浦和を指して「質実剛健な組織サッカー」と評する某評論家(ヒゲ)もいるわけだが、後半の戦いぶりを観る限り、実によくコントロールされた、「組織」的らしきものはうかがえるものの、どこが「質実剛健」とまでいえるのか。
この日もゲーム後に吉沢さんはギドレッズへの思いを熱く語っていたわけだが、あのチームもディフェンシブなチームではあったが、文字通りの「質実剛健」な、圧倒的な強さがあった。

清水対浦和戦のあとに鳥栖対神戸戦の後半残り15分ぐらいをモニターでヲチしたのだが、これが盛り上がった。フォアチェックのショートカウンターとガチムチディフェンスのカウンターの応酬なのだから、質はともかく、清水対浦和戦のあとに観るゲームとしては面白くないわけがない。

おそらく清水のゲームは観ていないであろうレッズの皆さんに(まあ、大抵サポーターなどというものはホームチームのゲームしか観ていないものである)若きゴトビエスパルスの本物の躍動を観ていただきたかったんだが、実に残念な内容になってしまった。これは二重の敗北感である。
ちなみにゲーム後に「ゴトビでいいのか」というようなことを言われたけれども、マネージャーとして、またメッセンジャー、アジテーターとしてのアフシンをオレは高く評価しているので、この程度のことではまったく信頼は揺るぎようがない。移籍制度の変化を経て、クラブライセンス制度の導入を控えて、そしてポスト健太時代の真っ只中でチームは今も変化の中にある。
目先の話は、要するに元紀が、トシが、アレックスが決めるべきところで決めていればいい話である。
タカや伸二の話も出たが、



その後は浦和、埼玉のユース年代サッカーのディープで、超ローカルなトークが続いた。さすがに…サッカー王国…。



↑は吉沢さんが経営しているショップLUCKY&Beautiful Life浦和炎上)のサプリ「マカ」。
今日のデモに行く前に飲んでくか…。

ドラムのように声を上げる/8.24首相官邸前抗議

2012-08-25 14:07:16 | News
22日の反原連と野田首相の直接会談(意見交換か…)を受けて恒例の官邸前抗議。今月に入ってからはさすがに時季的なものもあるのだろうけれども、参加者は7月と比較すると明らかに減ってはいるのだが、TLには「初めて来た人が増えた」というツイートを見かけた。それは22日の意味があったということだろう。
実感として“減って”はいるものの、現状でも普通に官邸前へ行くことは当然できないので、この日も国会正門前付近へ行く。しかし前回も書いたけれどもトラメガでレスポンスする行為は論外だとしても、ファミリーエリア付近はトラメガを弄ぶようなコールの応酬が続いていて、ちょっと近寄る気になれない状況だと思った。

ということでドラム隊の到着を待つ。いまや国会正門前エリアで警備に一番警戒されているのはドラム隊のスポット以外なく、「官邸前」の状況がどうなっているのかは正確にはわからないのだけれども、霞ヶ関分散化以降に最も6月、7月の「熱さ」をキープし続けているのは移動し続けるドラム隊エリアであることはたぶん間違いない。いつも通り後方で声を上げる。
しかし熱いのはいいのだが、ドラム(リズム)というのは問答無用にTogetherするもので、プレイヤーも参加者も楽しくなってしまうのは仕方がないものなのだけれども、それは同時に参加者をオーディエンスにしてしまう危険性を孕んでいる。それはまったくもって本末転倒だと思うので、オレはドラムに呼応するようにコールを途切れらせないように声を上げ続ける。
オレがいつもトラメガについて文句ばかり書いているのも、本来参加者に自発を喚起したり、鼓舞したりするものであるはずのトラメガやドラムが参加者の自発性を奪う――オーディエンス化させてはまったく意味がないと思うからなのだ。またフライパンやペットボトルのような“怒りのドラム”の趣旨に沿った「打ち、叩くもの」ならばともかく、ホイッスルとか意味のわからない鳴り物は本気で勘弁して欲しい。ああいう鳴り物はトラメガ同様、省力で簡単に人の声を消してしまう。



「官邸前」終了後、抗議が予定されていた民主党本部へ向かう途中で中止のツイートを読んだ…ので急遽ノイホイさんが主催した自民党前抗議に参加。相変らずノイホイさんのスピーチにはキレがある。途中某街宣右翼の邪魔が入ったものの21時ぎりぎりまで抗議は続いた。

明日、日曜日には久しぶりのTwitNoNukesのデモがある。
コールを喚起させてくれるパーカッショニストと一緒に歩けたら嬉しいと思う。

もうひとつの目的/8.22首相官邸前(内)抗議

2012-08-24 00:18:00 | News


22日は急遽発表された野田首相と反原連スタッフとの対面に併せて、官邸前に駆けつける。
会談内容は双方から公表されていたし、予定されていた時間はわずか20分でしかなく、これでは申し入れのセレモニー以上の意味合いも時間的な余裕もないだろうと思っていた。まあ、反原連としては野田首相と同じ土俵に登り、これまで通りの姿勢を示せればそれで充分なわけだ。自分にできることは、そんなセレモニーをモニター越しで見ることではなく、彼らが官邸内で交わす言葉と同じ言葉を官邸前で声にして叫ぶことでしかない。こんなに「官邸前」に近づいたのはおそらく大飯の再稼動当夜以来の約2ヶ月ぶりか。この日は100人程度は集まった模様。
列の一番後ろで声を上げる。
しかし壁際の日陰以外は殺人的な陽射しを避ける術もなく、オレも日なたで大声を出しているだけで汗が噴き出し、コールの声も最後は息切れし始め、あまりに強い陽射しに視野が狭まり、風景の色合いがビビッドに見えてきた瞬間には熱中症手前を自覚した。全体的にあんまし声が出てないなあとは思っていたが、こればかりは気合いで何とかなるもんじゃない。それでも、か細くとも参加者の生声は消しちゃいけないと思い、「トラメガでレスポンスしないでくれ」と最前線に注文つけに行ったのはオレです(アイドル、スマン)。たった1時間30分でかなり疲弊した。さすがに年じゃのう…。



それにしても警備は警戒し過ぎだろう…彼らは官邸内抗議に呼応して官邸前にももっと人が集まると思っていたに違いない。まあ22日の会談に対する“参加できなかった参加者”のレスポンスはいつも通り、金曜日の官邸前抗議で行われるだろう。
そして日曜日には久しぶりに渋谷のTwitNoNukesのデモが行われる。
5月以降、「官邸前抗議」は毎月月末がクライマックスといえるような状況になっているわけだが、個人的にこの8月のクライマックスはTwitNoNukesになることは、おそらく間違いがない。「官邸前」の原点はどう考えたって、その理念を体現しているTwitNoNukesの一連の行動なのだから、それが実に久しぶりに行われるという意味は大きい。
よくこの絶妙なタイミングで開催することになったなあ、とつくづく思う。平野君は何か、「持っている」奴なんだろう。
「官邸前」で抗議で声を上げることの「気持ち良さ」を感じた人は是非町でも同じように声を上げてみることを勧めたい。それは官邸前や霞ヶ関で声を上げるのと同じ、今ならばそれよりももっと意義を感じられるんじゃないか。
もうひとつの目的である「空気を変える」ってのはそういうことだと思う。

オレたちは消費者ではない

2012-08-18 14:17:35 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


<(略)著書「ネットと愛国」で、ネットを通じた“愛国心”の高まりを分析したジャーナリスト安田浩一さんは「ネット発のデモや集会が、企業にとって大きな脅威になっているのは間違いない」と話す。(中略)「ネットでは短絡的で過激な情報ほど人気を呼ぶ。いかに荒唐無稽な理由でも、参加者は真剣。デモには子連れ女性の姿も目立ち、政治デモというより消費者運動になっている」と分析する。(中略)「企業は誤解を解くために反論すべきだが、イメージダウンを気にして自粛に走る。毅然とした態度をとるべきなのに」 ロンドン五輪の男子サッカーでは、韓国の朴鍾佑選手が竹島の領有権を主張するメッセージを掲げて、問題になった。Jリーグの清水エスパルスが、韓国の五輪代表、金賢聖選手の獲得を十四日に発表すると、抗議の声が寄せられた。エスパルスの担当者は「問題の選手とは別人。これで獲得をやめるということはない。むしろ、政治とは関係ないのがスポーツで、政治的理由で選手を差別するのはスポーツマンシップに反する」と話した。>(東京新聞8月17日付け「こちら特捜部」より)

コメントしているのが強化部長の原さんなのか広報担当者なのかはわからないけれども、この件に関するエスパルス、またサポーターのスタンスというのは赤字の部分に尽きると思う。感情論としてならば反発も想像に難くないけれども、個人事業主としてのプレーヤー、または一個人として属性を持って差別するのはサッカーの理念、そしてスポーツの理念に反するものだ。
サポーターは、クラブの恩人であるオジー(オズワルド・アルディレス)を思い出してみるべきだと思う。スパーズ時代にフォークランド紛争が起こり、一時的であれ不遇を囲ったオジーだが、それでも彼はフェアな精神を持ち続け、スパーズに愛された。もちろんそのフェアなメッセージはエスパルスに今も残っていると信じる。
サポーターとして、クラブと共に生きていくのならば目先の感情で動くべきではない。

オレたちは「消費者」ではないのだから。

ベビィフェイス、そしてヒールとの別れ/第21節 名古屋戦

2012-08-17 02:06:41 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
最近全然更新できていないが久々に書く。
“先週”の土曜日は久しぶりの静岡、久しぶりのホーム・アウスタで名古屋戦



前節広島戦の劇的勝利でチームはようやく未勝利ロードを脱し、さらにミッドウィークのナビスコカップ準々決勝・名古屋戦では広島戦を凌駕する、アディショナルタイムの逆転劇で準決勝へ進出した。いくらなんでもこんなゲームを続けていたらチームもサポーターも身が持たないので、健太時代のような“ウノセロ”が見たいところではあった。
そしてこの3週間で3回目の名古屋戦。ナビスコカップ敗退の雪辱戦という名古屋の目先のモチベーションも理解できなくもないが、こちとらは開幕戦での痛恨のPK負けのリベンジに尽きるのである。

もう6、7年の付き合いであるシーチケのご近所さんのおじさんはこの日は欠席で、隣にはゲーム中でも途切れることなく話し続ける解説屋の兄ちゃんが彼女を連れてゲーム観戦という実に悩ましい環境になった(何で解説したがりの連中ってのは2ちゃんあたりで仕入れたような中途半端な知識を自慢気に話すんだろうか…)。とはいえ、いつも以上にオレも吼えましたが(吼えるような席じゃないんですが)。何しろ主審は、去年の夏にアウスタ発狂のセレッソ戦を“演出”した松尾一氏だった。

ゲームは開始早々、名古屋のオウンゴールで始まった。すぐに同点に追いつかれたものの、概ねゲームを支配していたのは清水で、中でもジミーの動きは出色だったと思う。移籍の噂は流れていたものの、同時にここのところのコンディションの良さは記事やネットで読んでいたのだけれども、確かにそれを裏付けるような動きだった。
またトシと元紀が揃ってゴールを決めた。これは「自信を取り戻した」と言ってもいいような見事なゴールだった。
残念ながらジミーは今回もゴールを決められなかったが、ゲーム終了後の勝ちロコが終わってもしばらくひとりゴール前に立ち、涙を流しながらサポーターに挨拶し続けた。あまりの独壇場っぷりに「早くゴール決めろよ!」とは叫んだものの、そのときは、これが本当にジミーの最後とは思わなかった。
その日のTwitterでジミーは移籍をつぶやいた。
決して満足できるような結果を残したプレーヤーではなかったし、個人的にはそれほど感傷的になることもなく、正直記憶に残るのかも定かではないプレーヤーなのだが、あの夜のジミーは間違いなくアウスタ最高のスターだったのは間違いない。
いや、“いい人”なのかもしれないけれども、プレーヤーってそういうものじゃないし。

本来ならば移籍に発表されるたびにブログにも書くべきだったのだろうけれども、この夏はヴェルディに移籍したジミーの他にも岩下、枝村、辻尾らが移籍(レンタル含む)していった。
特に健太時代に、次代のエスパルスを背負う2005年組として加入した岩下、枝村が、年齢的にもこれからというときに移籍していったことは残念でならない。しかしアフシンの構想外になりかけていた枝村はともかく、岩下に関しては直前のプレーがあまりにも不安定過ぎた印象は否めず、移籍やむなしの雰囲気が漂っていたのは確かだろう。岩下はチームの魂になるべきプレーヤーだったと思うが、あれではどうしたって擁護のしようがない。
岩下はジミーとは違い、チームのヒールを自任していたのだから、それでも踏ん張って欲しかったと今でも思うけれども(移籍後にチームの状態が上向いて、自信を取り戻すってのはどんだけ皮肉なことだろう)。

一方でナビスコカップでも短い時間で結果を出した大学生の瀬沼(彼は本当に“持っている”のかもしれない)や六平など、来季正式加入予定のプレーヤーも徐々に決定し始めている。
選手ヲタの皆さんには気の毒だけれども、チームってのはやはり永久革命なんだよね。

次節はホームで実に素晴らしい戦い振りを見せてくれた鳥栖戦。決して楽な戦いになるとは思えないが、自信を取り戻したチームが鳥栖戦、そして後半戦をきっちり戦い抜いて結果を出してくれることを祈っている。



終了後は清水シャトルが予想以上に時間がかかってしまったので日帰りは諦め静岡で呑み(良く考えたら呑み代で新幹線に乗ればいい話なんだが)。久々におでん街に行って幸多郎のお母さんのところにも顔を出し、五輪サッカーの決勝を観る。良く考えたら去年の女子ワールドカップも静岡のネカフェで観たんだった。というわけで今回もネカフェで始発まで。

ゲームプランは狂う/第20節 広島戦

2012-08-05 04:13:13 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
アフシン「ここ2ヶ月間、美しいサッカーを表現できてはいたが、その中で結果を出すことができていませんでした。ただ、私たちは(自分たちを)信じ続け、団結して勝利をつかみました。人数が少ない中でも勝利できたことが嬉しい。この先もしっかりと闘っていければいい、と思っています」(J's GOAL 8月4日付

アウエイ広島戦で2ヶ月ぶりの勝利。
いつもならばいくら負けが込んでいてもゲーム当日になればモチベーションも上がるものなのだけれども、今朝は岩下の移籍という実に胸糞の悪くなるようなニュースが入ってきたのでゲームを観るのもなかなかテンションが上がらなかった。
まったく何てタイミングだと思った。

しかしキジェの退場はきっかけになったのかもしれないと思う。
またゲーム開始早々、前半2分で失点。それは「絶対に勝たなければならない」清水にとっては痛恨の失点であったと思うけれども、広島にとっても微妙にゲームプランを狂わせたのではないか。何よりも、攻め続けるしかない清水に対して、広島はホームでカウンターを徹底した、重心の重いゲーム運びをしたにも関わらず、結局、前半2分以降追加点を奪うことができなかった。
開始早々の得点(失点)など後生大事に守るような得点(失点)ではない。“実質90分間無失点”というのはあながちジョークでもないのである。

後半11分のキジェの退場はチームに悲壮感すら漂わせた。正直ほとんど諦めかけた(さすがに)。しかしタカとトシの投入にFC東京戦を思い出したのも確かだ。圧倒的不利な状況はチームのミッションをさらに明確にさせる。ここまでチームに負荷をかけて追い込まれないと結果が出ないのは悩ましいところではあるのだけれども。

元紀「首位に立つためには首位のチームに勝たなければいけないので、勝てて良かった」(清水エスパルス公式 8月4日付

楽観主義者、と言う意味ではなく、元紀の言葉を支持したい気分ではある。何てったって2ヶ月勝ちなしのチームが、首位にアウエイで勝ったんだぜ(今晩だけは言わせてもらう)。今週はミッドウィークに瑞穂で名古屋戦、さらに週末にはホームでまたしても名古屋戦がある。今日の勝利が本物のきっかけになることを祈る。

新しいコールが生まれるとき/8.3首相官邸前抗議

2012-08-04 23:47:57 | News
金曜日は官邸前抗議。この夜は久々に「コール」について思うところがあった。

今週は反原連の「対話」中継に関連して原子力規制委員会の人事案に関するツイートがTLに溢れ、当日にはコール案も流れ始めた。そして素早く、新しいプラカードもネットプリントにupされた。提案したところで耳慣れない言葉はなかなか浸透しない。それを補完するのがプラカードだ。もうこれで準備万端である。素晴らしい手際の良さ、DIYである。プラカード職人の皆さんに感謝。これまでただひたすら「原発反対(いらない)「再稼動反対(撤回)」をコールの基調にしてきた官邸前抗議をアップデートする形で、新しいコールが生まれようとしている。

国会正門前では「原子力規制委員会人事案撤回」がさかんにコールされていた。言いたいことはわかるし、その方が「正確」なのだけれども、しかしこの言葉選びはいかがなものか。
他人に声を上げさせる「言葉」というのは正しければ何でもいいというわけではない。
コールというのはコーラーの自己満足でやっているわけではなくて(仲間内だけでトラメガを弄ぶようなコールをしている輩もいるが)、できるだけ多くの人に声を出してもらい、合わせてもらうのが目的なのだからショートコールは極力息切れしない、ひと息で言い切れる短い言葉を選ぶべきだろう。「原発反対(いらない)」「再稼動反対(撤回)」が官邸前のみならず全国のデモ・抗議行動で浸透し切ったというのは、言葉のリズムに完全にハマったということに他ならない。ハマったということは、叫ぶ人にある種の「気持ち良さ」を感じさせるわけで、それがコールのグルーヴを生む。もう別に気合いの入った兄ちゃんやおじさんじゃなくても、そこにいる誰もが自然に「再稼動反対」と声に出す(つぶやく)。
やはりここは「人事案撤回(反対)」でいいのではないか。というか浸透を考えるならばそうすべきだと思う。

と、妙なイントネーションで、強引な節回しのコールを聴きながら「何だか違うなあ…」と思いつつ、議事堂前を離れドラム隊に合流すると、ここでは「再稼動反対」がひたすら叫ばれた。もう完全に「サイカドウハンタイ」がドラムと同等のリズムとビートを刻んでいる(個人的には「人事案撤回(反対)」も混ぜてみようかと思ったがドラム本隊に近過ぎてちとそんな雰囲気でもなかった…)。ここで20時の終了まで。
官邸前終了後、自然発生的に歩きながら「サイカドウハンタイ」コール。新橋・日比谷方面に向かう多くの人が経産省前のテントひろばに寄って行く。

この夜は官邸前と並んで本丸だったのが道路を挟んで経産省の真横にある合同庁舎内の環境省だ。
すでに多くの人が抗議の声を上げていた。ここではマルチなコールの中に、「原子力規制委員会人事案撤回」ではなく、はっきりと「人事案撤回」が叫ばれていた(しかし現在省庁前抗議をしている彼らのコールは、良くも悪くも火炎瓶テツさんの影響が明らかに大きいと思う)。
やっぱり、この夜「ジンジアンテッカイ」を叫ぶのはここだと見定めて、ひたすらコールする。
30、40分と「人事案撤回」だけをコールし続けた。
抗議の声の塊が建物に響く。時折窓際に職員の人影は見えたものの、しばらくすると建物の中ほどの階に5、6人の職員の人影が見え、無防備にも(明らかに)こちらを「観察」している様子が覗えた。勿論表情などはわかるはずもないが、その動きが何だか「経産省や文科省だけじゃないのか」という雰囲気すら感じられた。再稼動だけではなく人事案という次元に踏み込むこと、それは抗議の対象が経産省(文科省)だけではなく本格的に他省庁に向けられた夜になったのではないか。
抗議の声は合同庁舎の建物に反響して帝国ホテル近くにまで鳴り響いていた。

この夜の国会正門前の鉄柵は太い綱で固く結束されていた。どう見ても7月29日の夜のような「なし崩しの車道開放」は許さないという警備の意志が感じられた。
もはや真っ暗な国会議事堂にそれほど拘りはない。モニュメントに拘るよりも、「官邸前」も全国に波及する抗議行動のようにもっと「拡がり続ける」べきなんじゃないかと改めて思った。
そして、そのための「今」の基調は「サイカドウハンタイ」と共に「ジンジアンテッカイ」なのだと思う。