徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

悪が勝つ/ポップス・イン・ジャパン

2010-10-26 23:49:14 | VIBE RHYME
「この危機感を、どうしてみんなはもっと世界的なレヴェルで感じないんだろう。地球的な環境がどうこうじゃなく、ぼくたちのミクロコスモス、つまり内面的な部分でのエントロピーがすごく増大してるんだってことをね。でも、エントロピーの増大は絶対阻止できないから。もしかしたら共産主義ってのは、そういう増大するエントロピーに対する最後の歯止めだったかもしれないよね」
--でも、その共産主義が、今、ある意味で敗北しつつある。
「うん、力の論理の方が正しいってことの証明だと思う。ぼくたちは、最終的に悪が勝つ、ヤクザが勝つってことを前提にこれから物事を考えていかなければならないところにまですでに追い込まれてる。にもかかわらず、なんかやっぱり最終的には正義が勝つんじゃないかという、曖昧な、全然根拠のない理想をぼんやり信じながら暮らしてるわけだよね。(中略)これだけの文化を作ってきた人間が滅びるときに、どういう形で滅びるべきかってことを、捨て鉢にならずに見せていかなきゃならない。たぶん今、若い世代の黒人たちは本能的にそういう闘いを続けているんだと思う」
--それがヒップホップ最大のメッセージ?
「うん。つまり、現実はもう動かしようがないとして、でも、現実がこうだからしょうがないじゃないかって降りるんじゃなく、その中でも素晴らしい何かを生み出していく、と」(1989年11月)
(近田春夫×萩原健太「ポップス・イン・ジャパン」新潮文庫より)

何で落ちたのかわからない/第27節 山形戦

2010-10-24 21:24:23 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「グラウンドが少し固めだったというところで、非常にボールが弾むような状況が続いて、両チームともそこになかなかアジャストできないような状況が続いたと思いますが、前半の途中ぐらいからだいぶサイドで起点が作れるようになってきて、サイドバックが上がれるようになってきて、少しずつ山形のゴール前に迫るシーンが増えてきたのかなと」(J'sGOAL 10月23日付

スカパーで山形戦
スカパーの実況を聞いていたら山形の小林監督は「何で落ちたのかわからない」と言ったという。
「サッカー関係者の誰もが戦力の充実と戦術の浸透を認め、事実、前半戦首位だった清水が何で落ちたのかわからない」ということである。
2ちゃんあたりで揶揄されようが、サポはもちろん、多くのサッカー関係者や慧眼の持ち主は清水の実力がわかっているはずだ(言い切ってやる)。だから「何で落ちたのかわからない」。
そんなものがわかれば世話はないのであるが、確かに運不運は勿論、戦術的なものだけでも割り切れるような失速ではない。首位に立った途端に未勝利が続いた昨年と比較して、まだ運が良かったのはリカバリーする時間があったことぐらいだろう。優勝するにはとんでもないミラクルが起こらないと難しいのは確かだが、あと7ゲームあると考えればACL圏内、2位までは充分に狙える位置に(まだ)いる。
もちろん失速がたったひとつの原因で起こるとは思えない。そんなものだけで解決するならウイイレである。サカつくである。何かを槍玉に挙げて批判している連中はウイイレやってろ、と心底思う。
疲労、負傷によるプレーヤーの離脱、プレッシャー等による心理的要因…さまざまな要素はあるのだろうけれども、今季のアウエイの成績を考えるとやはりピッチの問題もあるんじゃないだろうか。
このところ関東圏ぐらいしかアウエイはいけないのだけれども、日本平(アウスタ)以上のピッチにはお目にかかったことがない。この日のNDスタもテレビの画面で見てもそれほど良い状態とは言えないように見えた。

これまでの対戦成績が3戦全敗ながらホームである山形は序盤から激しくプレッシャーをかけて、清水のパスワークはまったく見るも無残なものだった。先制点までの30分はまさに圧倒された…というか、それはやはりプレーがピッチに影響したのかボールがまったく足についていないように見えた。
結果的には中押し、駄目押しが決まり、先制点以降は完勝と言ってもいい内容になったのだが、ダメダメな時間帯とそれ以降のゲーム運びが鮮明だっただけに、やはりピッチ状態に慣れるまでの30分間は気になった。
この辺りはシーズン終了後の総括で…て、そんな季節になったんだなあ。一年が早いよ。

そしてこのゲームでは移籍(オファー)報道があった淳吾がゴールを決めた。
これからは一戦一戦、スタンドの淳吾を見る目は厳しくなっていくことだろう。ゴールを決めれば惜しまれ(愛しまれ)、ミスをすればさらに厳しい声が飛ぶ。
まあ、それでも自分の価値をゴールで証明してくれたことは本当に嬉しい。
名古屋やマリノス程度のクラブへ行くようなプレーヤーではないことを残り7ゲームでさらに証明して欲しいものだ。

次節今月30日は、本当に降格危機が迫りつつあるFC東京戦。新潟あたりと並んで、ここ数回の対戦では煮え湯を飲まされて来た天敵、さらにこの時期に降格危機の相手ほど難しいのは確かだが、それだけにホームできっちり叩かなければ今回の快勝に意味がなくなる。
まずは自分たちでミラクルを起こそうぜ。

四半世紀/SION-YAON 2010 with THE MOGAMI

2010-10-24 19:57:31 | Music
土曜日は山形戦の終了のホイッスルと同時に部屋を出て、約30分後には野音到着。
デビュー25周年のSION-YAON 2010 with THE MOGAMI。前回ナカスで特集を組んだのが20周年。ロフトのライブの真っ最中にバグ・ミュージックさんのご好意で販売スペースを提供していただいた。ライブが終わった後、打ち上げ中にお邪魔して読プレ用にサイン貰ったよなあ、とか。今回は鶴さんとは会えなかったがお元気だろうか。あの特集は鶴さんなしにはできなかったからね。博多のNOIS/NOIZのtoshさんに取材で出会ったのもこの特集で…まあSIONがつないでくれた縁というのがある。
ということでそれからまた5年が過ぎた。25年、四半世紀である。
その四半世紀耐え続けて、変わらない良さはSIONの声や言葉である。

また、この人、同じようなことをやって来ているようでいて(オリジナルアルバムを20枚以上作りながら)近作や新作が名作だったりすることが多い。まだ最新作は聴いていないのだけれども、「SORRY BABY」や「コンクリート・リバー」に負けない楽曲を作り続けている。
四半世紀という歳月を背負ったミュージシャンはメモリーに負けちゃうことが多いから。ファンも“それ”を求めることが多い。そして、それは本当につまらないことだと思う。正直、そんな感傷的なメモリーはカラオケで歌っとけ、と思う。
でもSIONは負けてないのである。それがこの男の凄いところである。

大人なんで席でおとなしく観ていたのだけれども85年の「新宿の片隅から」で腰が浮き、2007年の「マイナスを脱ぎ捨てる」で前に走った。『燦燦と』からの楽曲も「マイナスを脱ぎ捨てる」のように特別な歌になっていくのだろう。
25周年ではあったが、いつも通りの「そのまま」のSIONだった。
それがいいよ。

01.光へ
02.住人
03.SORRY BABY
04.薄紫
05.コンクリート・リバー
06.石塊のプライド
07.勝たなくてもいいのさ
08.カラスとビール
09.狂い花を胸に
10.ちいさな君の手は
11.遊ぼうよ
12.砂の城
13.どんなに離れてたって傍にいるから
14.鏡雨
15.Hallelujah
16.新宿の片隅から
17.マイナスを脱ぎ捨てる
enc1
18.お前の空まで曇らせてたまるか
19.からっぽのZEROから
20.燦燦と
enc2
21.彼女少々疲れぎみ
22.そして あ・り・が・と・う
23.たまには自分を褒めてやろう
24.このままが

教育の問題/カレーズの会「アフガニスタンの平穏は」

2010-10-19 03:06:21 | 素日記
日曜日は静岡県総合福祉会館でカレーズの会主催の常岡浩介さんの講演会に参加した。
カレーズの会とは、現理事長であるカンダハール生まれで静岡県島田市在住のレシャード・カレッド医師を中心に<アフガニスタンの復興支援を「医療」と「教育」の分野を目的に2002年4月に発足>した団体で、アフガニスタン政府からNGO登録を受けた。レシャード氏は現在、島田市医師会会長。
すごいな、これ。尊敬するぐらいの地域密着。
今回はアフガニスタンで拘束、誘拐され先月解放されたジャーナリストの常岡浩介さんをゲストに迎え、講演会(基調報告)、そしてレシャード氏との対談が行われた。

前日のアウスタでの京都戦がナイトゲームということもあって、実家に一晩泊まらざるを得ないことになったので、Twitterで偶然目にした情報を頼りに急遽参加を決めた次第。すみません、動機が不純で。

まあ、もちろん興味がないわけではない。
常岡さんのアカウントもフォローしているし。
いつもの常岡さんのTwitterノリのトークにはならないとは思ったし。
ぶっちゃけ、あのノリはどうも好きになれんけどね。
まあ、ジャーナリストも音楽家と一緒で人間性(キャラ)よりも仕事(作品)が重要なので、そんなことはどうでもいいのだが。だから前から言ってるでしょ。政治的行動と作品は別だって。こういう原則論はわかんないだろうな、例の運動マニアのオヤジには…。

常岡さん自らが解説した誘拐から解放までの経緯、実行したヒズビ・イスラミという組織の実情はまさに魑魅魍魎というしかない。カルザイ政権は崩壊の過程にあるのだろうし、常岡さんの言う通り「まだ少しマシ」だったタリバンが再び彼の地を制圧する日も近いのだろう。実に生々しい解説だった。笑えるほどに。いや本当に。
「崩壊」というのは、まさにカレーズの会が復興支援の柱として掲げている「教育」に他ならない。
自らもイスラム教徒である常岡さんは「イスラムに関する常識も失われた」という。兵士たちは『ランボー』のスタローンを観て「中国人か?」と訊いたそうだ。闘っているはずのアメリカ人や中国人のイメージすらできていないという。
こんな当たり前のことを言いたくはないけれども、教育って大事だよね。
自分の主張を相手に伝える術を学び、自分の身を守ってくれるのが教育だ。
無益な戦争など起こさずに済ますのが教育だし、幻の領土問題で隣人に喧嘩を売りまくるような真似をせずに済ますのも教育なんだよ。

そして日本がアフガニスタンに果たす役割。
アナリストがよく言う言葉で、この日の常岡さんも言っていたけれども、中東・アジアの紛争地域で日本が「信頼」されている大きなアドバンテージがある。それは「日本は直接、戦争をしていない」ということだ。
「戦争をしない」という選択、そして「第三者(仲介者・支援者)」でい続けるというのは本当に重要な役割なんだよ。これは本当に、日本人だからこそ受けられる高度な「教育」に他ならないんだよね。
まあ、今の政権を見ていると下手したら木偶の坊の傍観者になりかねないんだけど。

講演、対談の後に質問してみた。
本当は以前、常岡さんがTwitterで池上彰のアフガン解説を批判していたことについてメディアの問題について訊いてみたかったのだけど、危険地帯へ赴くジャーナリスト、ボランティアに対する一部の日本人の冷淡な姿勢について。
2004年に「自己責任」ブームがあった。オレはあの時から首相を先頭に日本人に馬鹿が増加したと確信したんだけど、常岡さんは今回に関しては思ったほどバッシングは多くなかったと答えた(あの頃、「3バカ」だの「自己責任」だの連呼していた連中の興味が中国脅威論や尖閣諸島の方に行っちゃったんじゃないかなとも思うが…)。

当日の講演会会場にはアフガニスタンで復興支援を続け、2008年に殺害された「ペシャワール会」の伊藤和也さんのご両親もいらしていたという。
そこに求められているものがあるのならば、そこに伝えなければならないことがあるのならば、紛争地帯だろうが危険地帯だろうが行くボランティアやジャーナリストはいるんだよ。
まあ、それが人情ってもんじゃねえか。そう思う。

日本でアフガンのことを考えるのにはそれなりに高い壁があると思うのだが、日本という国が、日本人が紛争地帯の人々から求められているものがあるのならば、それを知ることも大事な教育だろう。
それが最少不幸という空寒いスローガンの国に住む国民に求められる。
言葉は適当ではないかもしれないけれども、面白い講演会でした。もっと来ればいいのに、静岡の衆。

で、ついさっきNスペの「貧者の兵器とロボット兵器」を観た。
昨日のリアルタイムの放送はちょうど帰路の途中だったので観られなかったのだ。
そして、これも教育の問題だと思った。
「貧者の兵器」の実行者たちは洗脳されているという。
洗脳って、要するに教育だもの。
そして20世紀という戦争の世紀に、完全に揺るぎのない戦争ビジネスを築き上げてしまったアメリカだって、絵に描いたような<ゲーム感覚>で人間を殺すことを厭わない兵士たちの笑顔のコメントも、そりゃモラルを失った教育の問題だもの。
モラル以前の問題か。

そんな酷いことしちゃいけない。

ナカスがうまい具合に復活したらレシャード氏に話を訊いてみたいな。

(追記)
よく考えたら<闘っているはずのアメリカ人のイメージすらできていない>アフガン人が日本を<直接戦争していないから信頼している>というのは矛盾したような書き方だな。
世界の認識というのは難しいですね…。

カウンターの餌食/第26節 京都戦

2010-10-18 02:50:28 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「ああいう1-0で緊迫した状況の中で、スパッと踏ん切りがつかなかったというか、なかなか動けなかったのは事実ですね。(中略)もう少し楽な状況であれば、切れる選手はいたと思います。たが、あの状況の中で、中盤でプレッシャーをかけられている中で、フレッシュとはいえ、あの状況をガラッと変えられる選手というのが、今回はベンチで思いつかなかったなと。もう頑張ってもらうしかないという思いで見ていました」(J'sGOAL 10月16日付

土曜日はアウスタで京都戦
9月は辛いロードばかりでナビスコ準決勝と天皇杯三回戦があったのでリーグ戦としてはずいぶん久しぶりのアウスタになる。
リーグの現状・展開を考えても、この日のゲームの状況を考えても、もはや内容よりも結果、である。
だからこそ難しいゲームになってしまった。

75分を過ぎたあたりからは顕著だったと思うが、膠着した状況が続いた後半、スタンドにいたほとんどの人間はいつ健太が動くのかという点に集中していたと思う。しかし結局ほとんど最後まで健太は動かなかった。
誰の目にも一樹の疲労は明らかだったし、兵働はずっと狙われていた。逃げ切るにせよ、追加点を狙うにせよ、カードを切るのは当然だと思った。
動かなかったのか、それとも動けなかったのか。
結論から言えば、やはりコメントの通り、動くに動けなかったのだと思う。
本来ならばスタメン級でもある新、タク、真希、ボスナーという逃げ切り要員の大駒を欠いたスタベンは、揃いも揃ってほとんどが攻撃的なプレーヤーで、悪く言えばディフェンスに難がある。これが(考えたくもないが)0-1、もしくは0-0の状況であればカードは切りやすい。得点しなければ勝てないのだから攻撃的なカードを切っていくのは当然だ。しかも巡り会わせが悪いとしか思えないが、天皇杯の水戸戦は別として、ここのところ鹿島戦やナビスコ広島戦のような遮二無二ゴールを狙わなければならないゲームが続いていた。
スタッフはこの京都戦でどんなヴィジョンを描いていたのか。想像するに1-0で勝つというようなイメージはなかったのではないか。
しかしこのゲームは、京都の鋭いカウンターに悩まされながらも後半89分まで耐えていた。
ウノセロで。
しかしリスクを考えれば有効的に切れるカードはない。
ならば極力リスクを排して、ベストな現状維持で勝負を賭ける。
勝負師というのはそういうことを言う(我ながら苦しいな…)。

ピッチ上のプレーヤーがセーフティーを選択したのか(結果的に京都の気迫にミスを招いて、カウンターの餌食になった)、それでも追加点を狙いに行ったのか(結果的にシュートまで持ち込めず、カウンターの餌食になった)、またいつ健太がこのまま逃げ切ろうと決意したのかはわからない(結果的に切れるカードがなく、カウンターの餌食になった)。
わからないが結果的にはすべてが中途半端になってしまった。そしてディエゴにボールを集めながら前線の3、4人で鋭いカウンターを見せる京都にゴール前を脅かされ続ける。
ロスタイムに元紀、翔を立て続けに投入したのも、あまりにも付け焼刃的な印象しか残らなかった。
そしてゲーム終了後は健太の印象ばかりが悪くなる。

負けたのならともかく、終了間際に同点ゴールでドローというのも、また中途半端ではある。もちろん負けていいはずはないが、この日は今季のアウスタ一番のブーイングが轟いた。
しかしスタンドもまたプレーヤーたちに追加点を煽り過ぎた、という印象もある。いくら東城があまりにもいつもの東城で、レフリングで観客を煽ったとはいえ、である。
個人的には残り15分、10分あたりで、もはやウノセロしかないとは思ったのだがね。ましてや残り5分になったときには「キープ!」としか叫べなかった。
内容より結果というのはそういうことである。
健太やプレーヤーを野次るよりもやるべきことはある。王国清水のスタンドの観客ならば。

まあ、オレは健太を絶対支持するし、徹底擁護しますが。

しかし今回ばかりは帰ってからも呑んだなあ…台所事情は言い張れるが、さすがにヤバいなあって。

1995年9月4日・沖縄

2010-10-15 03:00:23 | Music


一部に「変節した」と言われるのは仕方がない。
喜納昌吉は、ある良心を背負って沖縄を託されてしまったのだから。
しかし、40年近く「同じ歌」を歌い続けてきた人間が1、2年で変節してしまうものなのだろうか。
確かに顔は変わったかもしれない。
確かに太った。
政治が彼を太らせたのだろうか(いや、それは年齢のせいだと思うが)。
しかし2009年のアースデイのライブを観て、顔よりもトークが変わったんじゃないかと思った。
確かにあれは政治家風のトークだ。

20年前のライブビデオと比較するのは酷な話だが、「ニライカナイ」の中で、彼は実に漲るような確信に満ちた表情で、オーディエンスに優しく語りかけた。
<まずは東京の無意識を破壊すること。何も怖いものではない。東京の下には莫大なるスピリットの実がある>
これは現在も間違っていない認識だと思う。
そう言った喜納昌吉は「踊れ」とは言わなかったが、チャンプルーズはソリッドでタイトな「ハイサイおじさん」でオーディエンスを躍らせ、熱狂させた。
しかし政治の世界の人間や野暮な連中には、残念ながらこんな言葉は通じない。
<東京の無意識>の中で、楽器と唄という武器のない喜納昌吉は徒手空拳で闘わなければならない。
東京が変わらなきゃ沖縄が変わるわけがない。
オレらはそれぞれがそれぞれの場所で、同じ目的で闘うべきなのだ(アケミの受け売り風だけど)。

喜納昌吉を批判している多くのおじさん、おばさんは同じ時代を過ごしてきた人たちだからこそ、尚更厳しい見方をしているのかもしれない。しかしステージの上で完全武装の喜納昌吉と同じ闘い方を、そのまま政治の世界で求めるのは、それはそれで酷だと思うのだ。少なくとも何も成し遂げていない彼の足を引っ張るようなことはすべきではないんじゃないか。

彼は闘ってると思うけどな。それは葛藤なのかもしれないけれども。

クレーム

2010-10-14 04:47:18 | Works
今日はもうひとつ。

とある所からクレームが入った。
まあクレームというほどのことではないのだろうけれども、先方の担当さんの申し出は実に真摯で、こちらもその提言にはまったく納得できた。
もちろんこちらの問題ということではないのだけれども、芸能マスコミ的な状況が不信感を生んだということ。
オレらはそんな姿勢では取材していないつもりでも、状況によっては取材対象にはそう映る。
どこかの誰かさんのように、対象はいつものメンバーで、ズブズブで馴れ合いの予定調和の取材というのは面白くも何ともないと思うが、取材者と対象(スタッフ)の真摯な関係作りというのは、やはりどんな状況でも必要なのだと思う。
いや、キレイ事じゃなくてね。

気を紛らわす

2010-10-14 04:15:55 | Works
今回も状況は急展開した。
ナビスコの広島戦がどうにもやり切れなくて、久々にナカスの作業で気を紛らわすかと思っていたんだ…が、今日の天皇杯の勝利で気が紛れちゃいました。今チームに一番必要なのは勝利なんだから、内容はともかく勝ったという事実だけがあればいい。

ということで。
昨日、今日は他にやる作業もあったのでもう少し早めに言ってもらえたら良かったんだが…まあちょっとの間、棚上げにしていた企画でもまとめるか。都合がいいって言えば都合がいい。今週は預かっているゲラも読もう。
まあ、そういう意味ではやることあるんだから、まだいい。

ここのところ煙草のペースがまた元に戻り始めているのが実によろしくない。
止める気はさらさらないし、むしろ何を言われようが絶対に止める気はないのだが、減らす必要はある。
ホントにゴールデンバットにでもシフトしていこうかな。

30周年パーティー

2010-10-06 18:33:05 | Works
昨夜は帝国ホテル孔雀の間で、中洲通信30周年パーティー(&河出の「親子三代ママ稼業」出版記念)…で、念のために14時から現場には行ったんだが、予想通り、結局事前には動けず、ツー・スリーのスタッフと合流。16時で良かったな、これ。
会は文字通り入り切らないぐらいの人が集まり、ちょっとどうかと思うぐらいの盛況。我々は人を掻き分け著名人のコメント取り。正直、残念ながらあまりにも人が多くて、コメントを貰うべき方々なのに掴まえ切れなかった方も多かったと思うのだけれども、浅葉克己さん、針すなおさんなど古くからリンドバーグ、中洲通信に関わって下さった方々、小林亜星さんや奥田瑛二さんなど特集に登場して頂いた著名人の方々のコメントをget。そんな中に混じってホリエモンのコメントも。まあ彼は地元だし、藤堂さんとリンドバーグと縁深いそうなのでコメントを頂けて良かったと思う。まあ本誌にも登場して欲しいぐらいだけどなあ。

さらに今朝、改めて帝国ホテルで藤堂さんに話を伺い、これから<リニュアル速報号>の制作に入ります。
いつものように特急です。

勝利という薬/第25節 鹿島戦

2010-10-04 04:34:25 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
土曜日は鹿島スタジアムで鹿島戦。
いつ来てもアウエイ鹿島戦のゴール裏というのは雰囲気がいい。見やすいし、声も出しやすい。アクセスについては遠い、不便と文句は言うものの、鹿島サッカースタジアムはハコとしては日本有数の、とてもいいスタジアムだと思う(芝は論外、この日もワールドカップスタジアムとしては話にならない状態)。同じアウエイとはいえ浦和戦あたりとは雲泥の差である。浦和が、というよりも、これはスタジアムの構造の問題。鹿島には妨害PAはないしね。またイージーなお客さんが気軽に来れるほどアクセスも良くないということも言える。
まあ、生き残りを賭けた決戦なのである。せめて前後半90分ぐらいは真剣に観て貰わなきゃ困るのである。

ホンタク「ここで負けてしまうと優勝の望みがなくなってしまう状況だった。選手たちはみんな気持ちが入っていたと思う」(清水エスパルス公式

結果はドロー。終了のホイッスルが鳴った瞬間に何人かの両チームのプレーヤーが座り込んだことからもわかるように激闘であったことは確かだった。あれを観てブーイングはできない。もちろんナビスコカップ準決勝のアウエイ広島戦から中2日でのアウエイ鹿島戦というのがそもそも厳しい状況であるのは確かで、いくらここのところ勝ちゲームがないと言っても、何でもそれは割り引いて評価するべきだろう。
しかしポイントはいくつかある。清水の態勢が整わない中でのリ・リスタートで鹿島の抜け目のなさが発揮された失点の場面。正直汚いプレースタイルはともかく、この小笠原が見せた抜け目のなさは実に素晴らしいし、本気で学ぶ必要がある。ギリギリのタイミングでプレーしているプロは、相手のミスか隙を狙わなければどうしたってゴールは奪えない。

岩政「(得点シーンは?)ミツ(小笠原)と僕しかわからない感覚です。ミツはつねに隙を狙っている。これまでも、何度かあとタイミングで取ったことがある。あのタイミングにまわりが合わせないといけないと思います」(J'sGOAL 10月2日付

そしてフローデがまったくボールキープができなくなっている状況。再びシュートを打たなく/打てなくなっているメンタリティ。かつてフランスW杯後にサカマガが<善戦の時代は終わった>と表紙に打っていたが、清水ももはや「内容は良かった」では済まない事態に陥っている。3大タイトルのうち、これでリーグタイトルはかなり厳しい状況になった。現実問題として奇跡的に現状から好転して、前半戦のように全勝するぐらいの勢いを取り戻さなければ、到底名古屋には追いつけない。さらに首位との間には4クラブもいるのだ。セレッソ、ガンバとは直接対決が残っているとはいえ、状況としては厳しい。
ということで、好転の可能性を高めるには、とにかくまずナビスコカップの決勝に進出するしかないだろうと思う。10日、広島との準決勝第二戦。無失点勝利、もしくは1失点に抑えた上で3得点以上の勝利で決勝進出が決定する。
もはや勝利しか薬はないのである。

オズワルドオリヴェイラ監督「サッカーというのは複雑というか、そこがおもしろい部分なんだと思います。内容が良いからと言って、必ずしも勝てるわけではないですし、内容が悪くても勝てる時があります。そうしたおもしろみがあると思います」(J'sGOAL 10月2日付

そして日曜日の広島戦も含めて、本当に「勝たなければならないゲーム」「負けたらオシマイ、ドローでもオシマイ」というのは、16日からの、ホーム京都戦から始まる下位との対戦だ(天皇杯の対戦があるとは言え、ハードなスケジュールも京都戦以降は落ち着く)。
残留争いをしている下位というのは実に厄介な相手だが、勿論本来の実力から考えれば勝てない相手ではない。また間にはセレッソ、東京、広島という本来の実力差を越えた難敵が控えているとは言え、これらも決して勝てない相手ではない。そして最終節のホームガンバ戦をどんな状況で迎えることができるか。
残っている対戦カードを考えれば、目標を修正する必要はまったくない。

伸二「今日の試合はとにかく勝つ以外に浮上する望みがなかった。(中略)勝てなかったことは残念だけれども、またすぐに試合が来る。集中して臨みたい」
清水エスパルス公式

健太「9月はエスパルスにとって厳しい月になりましたけど、気持ちを切り替えてリーグ戦もまだまだ上位が狙える位置にいると思いますので、なんとかここから巻き返していきたいと思っていますし、来週はカップ戦があるので、ホームで良い結果を出して次の決勝戦に進めるように全員で準備をしていきたいと思います」(J'sGOAL 10月2日付

ようやくアラタの安定感も戻ってきた感触もあったし、まああと2ヶ月、無駄にネガティブになることもないと思うのである。
それにしても帰りの成田線で大声で語ってた鹿のジジイがウザかったなあ…。

行程

2010-10-01 23:03:02 | 素日記
毎度毎度、丁度いい時間帯に鹿島サッカースタジアム駅に到着する電車がまったくない。明日はゲームがある日なのでタイムテーブルも変わるのだろうけれども、一本乗り過ごしただけで油断ならないのだ、鹿島までの行程は。
専用駅があるのに、まったく不便にもほどがある。

って八重洲からバスで行っちゃうのが一番ストレスないんだろうな…渋滞とか抜きで。まあ、アウエイの割には結構な回数行っているんだから、いい加減に慣れろって話だが。