徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

金の成る木

2009-06-30 02:04:05 | Music
MTVで追悼ビデオクリップ集を観たのでマイケルのことを書く。
90年代以降はもうまったく、いろんな意味で別次元のスターだったし、リアルタイムでは圧倒的に(現在も)プリンス派だったので思い入れがある人ではなかったけれども、最近では(それでも2003年だけれども)『Number Ones』を買ったぐらいの過去の人であった。ちなみに『Number Ones』に収録されていた当時の新曲「One More Chance」は全米83位、全英5位だった(レコード会社のプロモーションがほとんどなかったようだが)。ミュージシャンとしては、日本だけではなく本国でもそういうことだったのだろうと思う。
それでも、今でもマイケルを聴くとMTVからライブエイドの頃あたりまで、リアルタイムの80年代がまざまざと甦って来る。

少年への性的虐待疑惑が日本でも話題になっていた頃、某社の編集部にいたのだけれども、社内の若い連中が異様に盛り上がっていたのをよく覚えている。彼女たちが何で盛り上がっているのか、さっぱり理解できなかったけれども、やはりマイケルは世界中の玩具だったのだと思う。
そしてよく知られているようにマイケルは金の成る木だった。『漣流』にもマイケルが登場するエピソードを書いたのだけれども、マイケル自身が85年に金の成る木を手に入れている。著作権ビジネスというのは、良くも悪くも余程強い意志を持たなければ怖いビジネスになる。マイケルという金の成る木がビートルズという、もっと金の成る枝を接木してしまったのだから、これは世界最強の金の成る木である。亡者が沸いて寄ってくるのは当然。こうなると話はThrillerで、マイケルはLeave Me AloneやYou Are Not Aloneみたいな気分になって、終いにはGhostsになってしまう。最後がOne More Chanceってのは出来すぎた話ではあるが。

それにしてもマイケルには名作が多い。
ファンの皆さん、誤解しないように。これは別の意味で、愛されていた証拠である。
こんなスターはもう二度と出てこないかもしれない。

出直し…/第15節東京戦

2009-06-28 00:50:29 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「負け惜しみを言えば、(F東京との)ここ3戦必ずPKを取られてしまう。でも、うちの方も必ずPKを取っているんですが、今日のゲームはPKを取ってくれなかったなと」(J'sGOAL 6月27日付

国立でFC東京対清水。キックオフ直前に一部緩衝帯を開放するぐらい、客がよく入った。日中は暑かったしちょっと蒸したが、スタンドには涼しい風が吹いていた。

で……。
デジャヴじゃなかったようです。東京サポの皆さん、悪い。
ナオの絶好調は嫌んなるぐらい本物だった。あの難しいシュートをねじ込んで決めてしまうのが何よりも、その証明。今季のベストゴールにノミネートされるべき美しいゴールだった。若いプレーヤーが多くなったというチーム状況もあるのだろうけれども、ぐんと成長している気がする。まあ今すぐ代表云々は別の話だろうが…。
フローデの同点ゴールが決まった直後だっただけに鮮烈に残るわな。
で……。
予想通り白熱した攻防になったと思うし、贔屓目ではなくてなかなか面白いゲームになったと思うのだが、序盤に安易なPKを与えるというのはゲームの趨勢に実に大きな影響を与えるわけで、もっと慎重になっていただきたい。これはプレーヤーというよりも、レフリーに言いたいわけだ。ナビスコ予選最終節のわけのわからないレフリングに続いてちょっと水を差されてしまったような気がする。
まあ、ちょっとどうかと思うぐらいのケアレスミスはあったし、もっとできるはずなのに動けていなかったプレーヤーも何人かいたと思うのだが、それでもこれだけの攻防ができたんだから内容はまったく悲観的なものではないと思う。健太も決して「アウエイの戦い方」をしたわけではなくて、最後まで「勝ち点3を獲る戦い方」をしていた。久々に大声出して腹筋疲れたわ……。

更なる極みを目指すためには、勢いがつききらない現状でもちょっと勢いがある程度の東京相手にこういうゲームをしているわけにはいかないのだが、さまざまな意味で今シーズンの山場である7月8月を戦い切るためにもう一回出直しですな。次は7月4日、アウスタでもはや連敗はできない京都戦。
鹿島が予想以上に独走しているだけに、ここで置いていかれると去年以上にキツくなる。

デジャヴ…

2009-06-27 05:50:42 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
その勢いは本物になってきた。(J'sGOAL 2008年10月3日)

ここで連勝を飾ることが出来れば、必ずチームは勢いに乗る。(J'sGOAL 6月26日)




リーグ再開を快勝し、調子を上げつつある両チーム。どちらのチームの調子が本物なのか。石川の絶好調は本当に本物なのか。オカは現代表の実力をあの人に見せ付けることができるのか。あの人は本当に中の人が変わったのか。そしてアオはカードを貰わずにゲームをフィニッシュできるのか。

それともやっぱりデジャヴなのか。
デジャヴだよ。

完全な消化ゲームのムードになってしまったナビスコ予選最終節では、いいようにやられてしまった雪辱のFC東京戦。誰もあれが本当の実力差などとはまったく思っていないので、いろんな意味で面白いゲームになると思う。
せっかく国立なんだから都民は観に行くように。本日19時キックオフ。

絡むと怪我するキャラクター

2009-06-26 22:38:37 | LB中洲通信2004~2010
恵比寿で島崎俊郎さんの取材。
アダモステ誕生から25年。その25周年記念DVDの中で共演したダチョウ倶楽部の上島竜平から「絡むと“怪我”するキャラクター」と評されるアダモステこと島崎俊郎。芸人殺しとも言える危険なキャラクターなのである。90年代に始まるリアクション芸人の歴史はまっちゃん、ダチョウから始まるわけだが、(ビートたけしとガンバルマンは別として)その前史としての島崎俊郎はもっと語られるべき……か、どうかわからない。しかし、芸能界の王道ともいえるキャリアを歩んできた島崎さんにとって、その分岐点にアダモステは誕生した。
9月号に掲載予定。もちろんアダモちゃんにもなってもらいました。

何だか半分ぐらいサッカーの話になってしまったが……。

エスパルスの夏/第14節山形戦

2009-06-21 01:55:06 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
一樹「代表でもプレッシャーすごいと思うんすけど、やっぱ帰って来たらまた静岡の人たちのプレッシャーもすごいあったと思うんすけど、そん中であれだけ良いプレーできるのは確実に技術もあるし、また代表での経験をものにしてんだなーっていうのをすごい感じます。(中略)でもオカ帰って来て、まあ自分ここでダメだったらまたFWで出れなくもなるし、まあ結構分岐点でもあると思ったし(中略)継続しなくてはいけないっていう気持ちも強い中試合に臨んで、まあチームがホント勝てたことが一番嬉しいし、そん中で自分も少しはチームの勝利に貢献できたことが良かったなと思います」(Sの極み 6月20日付)

約一ヶ月ぶりにリーグ再開ということで、アウスタで清水対山形

以前からサポの魂の琴線に触れるようなコメントを吐くことの多い一樹だが(たぶん漫画の読みすぎだろう…)、確かにキックオフ直後から気持ちの入ったプレーを繰り返す。そしてそれは5分で結果を生んだ。良くも悪くも前のめりのプレーが多い一樹だが、相手DFのミスを見逃さすシュートを叩き込む。
序盤からこうなるとアウスタ全体が興奮状態になる。これは相手クラブにとっては怖いと思う。ここから15分まで山形は混乱する。オウンゴールも必然である。
この勢いで前半のうちにゲームを決めるチャンスは何度となくあったと思うが、その後は山形の中盤の緩さが影響したのか、詰めの甘さが目立った。で、後半いきなり失点。しかしその5分後に岩下のフィードをオカがほとんど完璧なトラップで豪快なシュートを決める。

本来ならば、この日の一樹のような、無理やりボールをねじ込むようなゴールを決めるのがオカで、オカのようなゴールを決めるのがスピードスターの一樹ではなかったか。お互いのプレースタイルに呼応しながら、刺激を与え合いながら、ふたりは成長している。
フローデはDFに潰されながらも、いかにも、らしいゴールを決めた。前半は慎重だったイチは後半は飛ばしまくった。途中交代で出場した淳吾は実に決定的なサイドチェンジでスタンドを唸らせた。淳吾が入った途端、本当に別のチームになったようにギアチェンジする。彼らが本物に戻って、永井や真希が復帰してくる頃には例年通りのエスパルスの夏がやって来ているはずだ。
まあ、まだ6月ですが。

獲るべきプレーヤーがゴールを決めた。そして大量得点でもゴーラーは全員違う。これが清水エスパルスだぜ。つまらない失点さえなければ本当の完勝。

Q:あの角度からのシュートは、自分の中でも得意と言える?
オカ「得意というか、あれだけ裏へ抜け出せたら決めないといけないので」(J'sGOAL 6月20日付

オカのキャラ、変わってないすか?

#50 まだ死にたくない和田さん

2009-06-17 18:43:36 | 暴言・失言・珍言備忘録
「まだ死にたくない」――ゲーム開発を手掛けるマーベラスエンターテインメントの幹部が、Wii用RPG「王様物語」(9月3日発売)の開発者ブログで、切実な思いを吐露している。(ITmedia 6月17日

魂の叫び、切なる願い(王様物語クリエイターズblog)

良いものは売れるべきだとは思うが、良いものが必ず売れるとは限らない。
かといって売れるものがすべて良いものというわけでもない。
和田さん、仮にそんなこと思ってても言葉にして書いちゃいけない。
泣き言言わずにしぶとく続けようよ。
バカみたいに、良いものを作ってるって確信している人たちだけが何かを続けられるんだよ。

ということで、「漣流」「LB中洲通信」も買って下さい。
これも結構いいですから。

ビンジョーしてみました。

言霊/ナビスコカップ予選リーグ第7節東京戦

2009-06-14 02:56:16 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
一樹「出場は決まっていたし、一人退場になっても冷静にプレーしようと思っていたが、相手にうまくゲームをコントロールされてしまった」(J'sGOA 6月13日付

ナビスコカップ予選最終節「東京対清水」。
勝って決勝トーナメント進出を決めたい東京と、他チームに先がけて前節で決勝トーナメント進出を決めた清水。
どんなことでもそうだと思うけれども、(どうしても)勝ちたいチームと(できれば)勝ちたいチームが対戦すれば、より勝ちたいチームがやはり勝つものである。
勝ちたいから勝つ。何てシンプルな真理だろうか。
「たまに優勝するぐらいでいい」では、優勝争いすらできないのと同じである。
言葉で仕事してるからってわけじゃないけれども、言霊はわりと信じます。

前節から久しぶりに一週間開いたとはいえ、陽射しも強くお互いにあまり良いコンディションとは言えなかったようだが、そうなるといかにモチベーションを高く保って身体を動かせるかということになる。内容的には決してスコアほど悲観的になるようなものではなかったと思うが、結果に対する執着心にはスコア以上の差があったようだ。
それにしても終盤は予想通りの西村雄一劇場。カードでしかゲームをコントロールできないレフリーって一体どうなのよ。まあこの人の場合、カードの代わりに発した「して!」という言葉が、聞く人によっては「死ね!」に聞こえたりする珍しい人らしいんだが。これも言霊の仕業だと思う。

一樹「上を目指すなら、どこが相手でも倒していくしかない。1位でも2位でも、それは変わらない」(J'sGOA 6月13日付

準々決勝の相手は浦和。第一戦7月15日(埼玉)、第二戦7月29日(アウスタ)、さらに8月2日にはリーグで浦和戦(埼玉)。埼玉尽くしの夏か…。
その前に、来週からはようやくリーグ再開。アウスタで山形戦。さらに2週間後には国立で東京と再戦。いみじくもナビスコ予選で敗戦を喫した2クラブとの対戦が続く。アオは山形戦には出られないが、今度が本気で、本番だよ。

清水港周辺

2009-06-12 19:19:58 | LB中洲通信2004~2010
木曜日。
清水のフェルケール博物館エスパルスドリームプラザ周辺を取材。雨は降っていたものの東京を出る前から空はだいぶ明るかったので、静岡に到着した時点で天候はかなり回復し、取材を始める頃には、もうほぼ晴天。あんまり暑かったのでエスパルスドリームハウスでポロシャツを買う。
体感的に、実はもう梅雨の後半なんじゃないかと思う。

白木やカメラマンの大甲君と水上バスで清水駅まで帰り、静岡で出田さんと合流。駅南酒場から青葉おでん街の幸多路へ。

鏡雨

2009-06-10 19:07:44 | Music
バグ・ミュージックからSIONの新譜『鏡雨~kagamiame~』。相変わらずオレの背中を蹴飛ばすようなSIONの世界。The Cat Scratch Comboと共にソリッドだった『住人 ~Jyunin~』に比べると、メロウな楽曲も多い。ネット、ライブ会場限定だった異色作『Naked Tracks~光へ~』で既に発表されている楽曲もアレンジされて収録されているので、併せて聴くとSIONとThe MOGAMI、The Cat Scratch Comboの豊潤な世界がよーくわかります。
久々に何かやりたいっすね。

『鏡雨~kagamiame~』は7月15日リリース。8月8日は恒例のSION-YAON(一週間後には何とRISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 in EZO出演!)。

哲也さん

2009-06-10 18:55:53 | LB中洲通信2004~2010
火曜日。
つつじヶ丘でアルルカン洋菓子店の明川哲也さん取材。なぜピエロ=アルルカンなのか。とても複雑な心の有り様を実にわかりやすく説明してくれる人である。
ここのところ、いろいろと考えるところ大だったのだけれども、話を訊いていたら何だか気が楽になった。

想田監督の『精神』とアルルカン洋菓子店の哲也さんの話はどこかつながっているように思う。ということで8月号特集です。