徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

取ってからから早いか、取られてから早いか/第15節 鳥栖戦

2012-06-25 21:24:28 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
土曜日はスカパーで鳥栖戦
これでリーグ4戦勝ちなしということでネガティブな意見が少なくないけれども、テレビで観る限りチームが戦っていないとは感じられなかったし、むしろ連敗を阻止したいという鳥栖の意気込みとコレクティブなサッカーが緊張感を感じさせる好ゲームだったのではないかと思う。アフシンの言う通り、75分間「自分たちのサッカー」はさせてもらえなかったのかもしれないが、前節の新潟戦のように、圧倒的に攻め込みながらも打つ手なしの状況に比べたら、面白いゲームだったし、ストレスの少ない、スリリングな展開だったと思う。それほど鳥栖はいいチームだったと思う。これが、「ボールを取ってからが早いサッカー」と「ボールを取られてからが早いサッカー」の戦いである。

今シーズンの前半戦、あれほどドローのなかったチームがなかなか勝てないでいる。
もちろん勝てなかったことは残念だけれども、いや、しかし、まだそんなに悲観的には思っていないのだけれどもね。


両輪/6.24 そうだ、船橋行こう。電車でGO!野田退治デモ

2012-06-25 19:34:53 | News
日曜日は船橋デモに参加。おそらく右デモ以来の船橋でのデモだ。
この一ヶ月ほどは怒涛の官邸前抗議で、何か久々にデモらしいデモに参加したような気がする。到着したのがスタート時間を10分ほど過ぎていて、サウンドカーの姿も見えず、ちょうど共産党の志位さんグループを見送ったあたりで合流した。ということで脱原発杉並主催とはいえ、サブカル臭さは感じられず、慣れたデモの雰囲気で約4キロのロングコースを歩いた。
官邸前の行動は「相手」と直接対面する抗議だとはいえ、やはり「建物」に向かって叫び続けることに他ならず、直接レスポンスがあるわけではない(今日、野田首相は「聞こえている」とコメントしたらしいが)。その点、町でのデモは抗議という激しさはないものの、文字通りのデモンストレーションとして普通の人たち(今回は野田の地元・船橋の人たち)のレスポンスを良くも悪くも感じることができる。駅前は比較的冷ややかな反応という感じもしないこともなかったが、住宅街では手を振る人たちも少なくなく、久々にデモの浸透も実感できた。
やはり、デモと抗議は両輪だな、と思うのである。直接抗議の熱さも、普通の人たちに向けてアピールする熱さもやはり行動する人間には必要なんじゃないか。個人的にも、たぶん、それがないとバランスが取れない。
参加できてよかったと思う。



このデモは今日の東京新聞の一面では官邸前抗議を上回る大きさで取り上げられた。
もちろん野田首相の地元で、共産党の志位さんが参加して、さらに先日亡くなられたジャーナリストの日隅さんの遺言デモ(野田政権倒閣デモを!)というバリューもあり、取り上げやすかったのだと思う。しかし記事の内容は、何かニュアンスが違うような気がしてならない。脱原発杉並は所謂“Twitter発”というよりもそれなりにもともと「組織化された組織」で、アイデアの集積や情報の拡散こそTwitterが大きな役割を果たしている(情報のやりとりでTwitterを利用するなんてのは当たり前である)とはいえ、デモとTwitterをくっつけるにはちと記事に誇張ありという感じがする。
今の反原発の流れの中で、Twitterから発生し、全国に波及する“個人のネットワーク”を実現しているのは、どう考えたって、やっぱしTwitNoNukesだと思うんである。それは、何者でもない、自覚した当事者(個人)たちの集合体、という表明である。名乗りさえすれば誰もがTwitNoNukesである。そんなふうに理解している。


ギリギリまでもう一回/6.22首相官邸前抗議

2012-06-23 17:22:01 | News


昨夜は金曜日の官邸前抗議。18時過ぎに到着するとすでに国会議事堂駅出口周辺の歩道はほとんど埋め尽くされ、まだ未整理で1列3、4人ほどで並んだ抗議の列は六本木通りまで延び切っていた。最後尾に辿り着くまでに1キロほど歩いた。
最後尾まで歩きながら「再稼動反対」と声を上げる。コールすれば、何人かはレスポンスする。せっかく声を上げるために来たのに誘導を待っている間、突っ立っているだけではつまらないものね。そしてまた一番後ろに並んでから改めてコールを始める。
最後方と言っても、その後から参加者が続々と集まりさらに列は延びて行く。
先週の1万2000人から一気に4万5000人に参加者は激増した。

人数が増えれば増えるほど「いろんな人」も増えるわけで終了後は勢いで目についたことを愚痴ったりもしてしまったのだが(勢いで書いちゃったんで許してください)、デモと同じようにも、万単位を越えてしまうと、もはや抗議行動の全体像も見えるはずもない。前方でどんな風にスピーチが行われていたのかは一切わからない。
子供の数がとても多くて、彼らは大声あげるオレの顔を不思議そうな顔でじっと見ていた。きっと大きくなったら「あの時、親に連れられて官邸前に行った」とかエラソーに語るんだろうな。その思い出の中にオレはいるんだろうか。それでも、あんなに酷い人ごみの中でもなぜか泣いているような子供は見なかった。坂の途中でドラム集団は勝手に盛り上がっていて、「数」に興奮した真面目そうなおじさんがトラメガで調子(リズム)外れのコールをがなり立てていた。目に余るので何回も彼に声をかけた。キヨシローの歌を爆音で流し続ける連中もいた。興醒めするようなことをするんじゃない。そんなことするぐらいなら声を出せ。
スピーチエリアからは遠く離れた後方集団は、シュプレヒコールと手拍子と不規則なドラムでそれぞれに「声」を上げながら、それでも時間をかけてじりじりと官邸前に向かって坂道を登っていった。
抗議開始前に登場した在特会の〝カウンター〟は文字通りの「前座」となり、上に書いたような個人的な〝ディテール〟もエピソード以上の意味はなく、4万人を超える集団はプロテストの塊となる。

大阪の関電本店前には1500人の参加者が集まったという。
大飯は福島と同じように、大阪と東京は二重写しになっている。東京が変わらなければ日本(福島)は変わらないとは思うけれども、同じように大阪が変わらなければ大飯は変わらない。電力供給という意味では大飯が供給者(入口)で大阪・関西が消費者(出口)という構図にはなっているのだけれども、カネの流れで言えばその入口と出口は逆になる。
大阪(東京)・大飯(福島)それぞれに入口があり、出口がある。
〝恩恵〟を享受するだけの出口は当事者意識を希薄にしてしまうけれども、やはり都会(消費地)にも、原発立地にも「入口という地元」がある以上、当事者としてそこで行動する意味はとても重く、大きい。
原発立地での「地元」抗議を否定するわけではないけれども、オレらはそれぞれの「地元」をもっと意識するべきじゃないか。だからオレは東京で声を上げる。
やっぱり東京と同じように大阪にも万単位の参加者が必要なのだよね。

運営のアナウンスで20時で「抗議」は一応終了する。4万5000人(以上?)の参加者を動員しながら、大きな混乱もなく参加者は徐々に帰路に着くわけだが、それでも後ろにいた参加者は終了時間後も官邸前に向かって坂を登り続ける。「再稼動反対」のコールを続けながら。また列を離れて帰路に着きながら声を上げる人たちもいる。
正式な抗議が終了してもぎりぎりまで声を上げ続ける。ぎりぎりがどこまでなのかはわからない。この行動がまた継続されるように、そして運営スタッフに最大限の感謝を捧げつつ、それでもオレもぎりぎりまで声を上げ続けたいと思う。

No Name/6.15首相官邸前抗議

2012-06-16 17:56:38 | News


昨夜は首相官邸前抗議。ついに参加者は延べ11000人と、これまでとはケタ違いの大台に乗った。
これは団体が動員されるようなイベントとは違うのだ。昨年冬から年明けにかけてデモから抗議へと行動のフェーズを移した頃を考えれば驚くべき数字である。
また実行有志の運営とともに、また、ほぼ連日のように官邸前や霞ヶ関で不断の抗議を続けてきた方々の努力があることも記憶に留めておきたい。主張や手法にニュアンスの違いや違和感を感じるときもあるとはいえ、最終的には「原発いらない」「再稼動反対」であるのだから、やはり彼らの存在も大きい。

ということでこの日も抗議の列の後方で「再稼動反対」だけを1時間以上叫び続けた。
当日「トラメガまじいらない」というツイートをしたのだけれども、誤解されるといけないので、念のために書いておく。スピーチエリアのトラメガというのは「抗議行動」をコントロールする上で絶対必要だと思う。

参加者は官邸前で何を叫びに来たのか。
もちろん「子供を守れ」「未来を守れ」という感情に訴える言葉も大事なときもあるけれども、本来ならば、抗議の途中から来た人でも、いつでも入れる(いつでも休める)、なぜここに来たのか、そして何を抗議しに来たのかはっきりと確認できる、叫びやすくわかりやすい「ひとつの言葉」だけが必要なわけだ。
それは「再稼動反対(やめろ)」という言葉に他ならない。
事実、どの動画を見ても「再稼動反対」の声のトーンが一番大きい。となると、坂の途中でのトラメガのリードというのはほとんど必要ない。何てったって、後方の集団は「ひとつの言葉」で完全にグルーヴしていたのだから。リードはコールが「飽きられる」ことを心配するよりも、「ひとつの言葉」が途切れないように意識するべきだと思うし、トラメガを持つならその覚悟を持つべきだと思うのだ。大事なのは、その言葉を途切れさせないことだけなのだから。

正直言って個人的には、もうスピーチにはそれほど興味を持ってはいない。これまで回数を重ね、毎回言葉を重ね続けることで、もはや誰が何を言おうと内容はルーチンになるしかない(そして個々の内容のニュアンスに齟齬も生じる)。もちろん有名無名を問わずスピーチしたい人はいて、政治家にマイクを持たせる意味もあるのだから、スピーチそのものを否定するつもりはないのだけれども、まあ、要するに「集会」にそれほど興味はないのである。
それならば抗議行動として、無名の「頭数」になってコールし続けた方が余程「伝わる」だろうと思う。コールをし続ければし続けるほど、オレたちは無名になって、誰でもない、透明な存在になっていく。もっと、そういうプロテストの「塊」になればいいと思う。
まあ、メディアは“スター”のいない、見出しにならない「無名の集団」を取り上げるのはどうにも苦手で、事実ニュースには取り上げられなかったわけですが…それは日本製の(自称)ジャーナリズムの限界としか言いようがない。

今日午前、政府の大飯原発再稼動正式決定が発表された。
今、政治問題として着々と進められ、そのように語られるこの問題が、生活問題であり、生存問題であることをもう一度再確認したい。生活、そして生存が問われているのならば、この抗議の動きがたった2基の再稼動決定で止まるわけがないのである。
燃料はまた投下された。

2003年6月 空のあなたの道へ/レイ・ブラッドベリ「火星年代記」

2012-06-11 00:19:37 | Books
<車が動き出した。「さようなら、ティースさん」
「でなきゃ<ドライ・ボーンズ>か」
「さようなら、旦那様!」
「勝手にしやがれ、ロケットが爆発したって知らねえぞ!」
車は誇りを巻きあげた。少年は立ちあがり、両手をメガホンのように口にあてて、ティースに最後のことばを叫んだ。「ティースさん、ティースさん、これから毎晩何をするんですか。毎晩何をするんですか、ティースさん」
静寂。車は道の彼方に消えた。見えなくなった。「ありゃどういうことだ」とティースは考えこんだ。「おれが毎晩何をするかって?」
(中略)それは見事な質問だった。ティースは胸がむかつき、心はからっぽだった。そう。本当におれたちは毎晩何をしたらいいんだろう、とティースは思った。やつらがいなくなった今、何をしたらいいのか。心は完全にからっぽで、手足は萎えたようだった。>
(レイ・ブラッドベリ/小笠原豊樹・訳『火星年代記』「2003年6月 空のあなたの道へ」より)

駅南酒場にて

2012-06-10 19:59:09 | 素日記


土曜日に静岡に行ったのは大宮戦に加えて、もうひとつ目的があった。
アウスタの帰りによく寄っている駅南酒場のO君が今月で店を辞めて奈良の実家へ帰るということで店に顔を出すことにした。最後の出勤は20日あたりなのだそうだが、次節はアウエイの新潟戦、次のホームゲームは23日なので、この日に静岡へ行かないとタイミングが合わないのでどうしても行くことにしたのだ。
最近は中途半端な時間だと駅南の数少ないカウンター席がすぐに埋まってしまうこともあり、なかなか顔を出せなかったのだが、この日は13時キックオフでカウンター確保には都合がいい。M君(制服が似合ってない)からは「予約してください」って言われたけど、カウンター1席を予約するってのもなあ…。ゲームが終わって、16時過ぎには静岡駅に着いた。
先月行ったときにはいつもなら夜の宴会準備で忙しい厨房もずいぶんまったりしていたけれども、この日はいつも通りカウンター客とトークする暇もないぐらい忙しそうだった。居酒屋の厨房ってのはこうでなくちゃいけない。
過度に忙しくて、気配りはしながらも適当に放っておいてくれる酒場のカウンターは実に心地いい。
駅南酒場のカウンターが、チェーン展開している経営的に本当は必要あるのかないのかわからない。ボックス席は建物の見た目以上に多いのだが、それにしてはカウンターは席数が少ないし。しかし健太体制の時代からスタジアムの帰りはだいたい寄っているのだが、駅前にあって、入りやすくて、酒が安くて、居酒屋料理をひとりでも頼めて、さくっと呑める雰囲気があるのは本当に助かっている。健太体制最後のガンバ戦の後もこのカウンターで泣いた(普通の居酒屋で情念爆発してますが…)。
そこにO君がいたのも大きかったのだと思う。しみじみとトークするよりも厨房が忙しくて良かったよ。

アウスタで買ったグッズを渡しつつ「しぞーか忘れんなよ」と一言。
真面目な男だし、奴はいずれ静岡で自分の店を持つと思っていたんだが、まあいろいろあったんだろう(訊いてない)。
帰り際にハグして別れた。いつかまた。


しかし、まあ、桜海老はやっぱし冷凍じゃなくて生だな。

循環/ヤマザキナビスコカップ第6節 大宮戦

2012-06-10 19:11:33 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
土曜日はアウスタで大宮戦。水曜日の札幌戦に勝利したことで予選リーグの勝ち抜けをほぼ確定させていたとはいえ、きっちり勝って決勝トーナメント進出に勢いをつけたいところ。まあこの日行かなければ次のホームゲームは23日までお預けということもあったので、前夜に急遽行くことにした(もちろんシーチケなのでチケットは確保済みだが)。リーグ戦ではないので観客が少ないのは仕方がないとはいえ、大宮サポーターはちょっと危険すぎる少なさで、まるでJ2かJFLかと思った。


ほとんど寝ずにアウスタへ行ったので正直途中眠くなるような展開もあったものの、概ね安定感のある勝ちっぷりだった。先制されても慌てることなくセットプレーで前半のうちに追いつき、後半最初の大宮の攻勢も徐々に押し返し、突き放していく展開にはちょっと負ける気がしないぐらいの雰囲気がスタジアムに満ちていたと思う。
特に浩太が投入されたあとの安定感(大輔と浩太の関係はまるでかつてのテルとエダの関係ように見えた)はチームの新しい形を見せていた。この日の浩太や石毛、白崎のように、今季のナビスコカップはリーグ戦で使われていない戦力や若手を中心に、ニューヒーロー賞狙いのようなチーム構成で戦ってきた中で、5連勝で予選突破というのは実に前向きになれる大会になっている。ナビスコカップなんて大したことないという意見もわからないでもないが、その「大したことない」実戦をいかにチーム力アップに活用できるかというチーム(クラブ)の総合力が問われているのだと思う。
その意味で、来週再開するリーグ戦に向けても、素晴らしい循環を見せている。

これで清水のいるグループBは最終節を残して清水と鹿島の決勝トーナメント進出が決定した。
そして最終節はその鹿島戦。形としてはトレーニングマッチのようになってしまったが、前回の対戦ではボロ負けしただけに、鹿島はセレッソや浦和のような勝負に徹したようなつまらない戦い方は選ばないと思うのだが(希望)。
消化ゲームでしかない最終節だが、意外と期待しちゃったりしているのだが。もちろんカシマへ行く。

その「一言」だけを叫び続ける/6.8首相官邸前抗議

2012-06-09 01:57:52 | News
18時から首相官邸前で抗議行動。
19時から最終予選のヨルダン戦があるとはいえ、まずはこちらが最優先である。幸い心配された雨も降らず(同時刻に関電本社への抗議が行われた大阪は降ったようだが)、参加者はついに4000人を数えたそうだ。「まだ少ない」という意見もあるだろうけれども、この2週間での増え方は尋常ではない。ましてやあの場所はそもそも1000人ですら人が集まるような(集まれるような)キャパのある場所ではない。それでも多くの「個人」が自発的に抗議に参加した。これは決して「少ない」などという数ではない。
同時刻に野田首相が大飯原発再稼動に関する会見を行い、スピーカーからその音声が流された。その最中、抗議の列のあちこちから怒りの声が上がり、「再稼動反対」のコールがしばらく続いた。
野田首相の会見を受けてボールは福井に投げられた。この再稼動への動きは来週にかけて加速していくだろう。
平日の夜に、金曜日の夜に、ワールドカップ最終予選の夜に、4000人が参加したというのは、それぐらいの危機感なのである。
これ以上増えるとしたらイベント(化)ぐらいしかない。

開始から1時間を過ぎたあたりで3番出口付近から最後列へ移動。
国会議事堂横の坂道を下り切ったあたりまで抗議参加者の列は延々と続いていた。ところどころでトラメガを持ったコールリーダーがリードを続けていたのだけれども、さすがに最後列ともなると、スピーチなどはまったく聴こない。コールはひたすら「再稼動反対」の一言のみ。先頭集団の抗議が終了しつつある中で、ゆっくりと官邸前を目指し坂道を登りながら「再稼動反対(やめろ)」だけをコールし続けた。

これは1年前のTwitNoNukesを思い出すような、久々にプリミティブな体験だったのは言うまでもない。
あのときも同じように「原発いらない(いらねえ)」だけを叫び続けた。そしてあのときと同じように、今回もデモのようにゆっくりと移動しながら、デモのように同じ言葉をずっとコールし続けた。結局人を突き動かすのは他人を組み伏せるようなロジックではなく、「その一言」なのだとずっと思っている。

オレと同じように、トラメガではなく生声でコールをキープし続けたお兄さんが近くにいたのも心強かった。
最後列付近では「せっかく来たんだから官邸前まで行って見たい」そんな声も聞こえた。行った事のない人には信じられないだろうが、前回も書いたように官邸前抗議というのは、抗議であっても参加者は相手(建物)を目の前にしているのではなく、一直線の隊列になって見えない相手に声を上げ続けているのだ。
後方集団が「官邸前の歩道」に到着した頃には、すっかり主催の抗議は終了していたのだけれども、それでもしばらく生声でのコールとプラカードの掲示は続いた。
それは、まったく正しい抗議行動だと思った。
やはり意識、無意識は別として、どこかに「この動きをニュースにしなければいけない」という危機感があるわけだ。
もちろんはそれは、あくまでも「合法的」に、である。

そんな抗議の後に官邸前の歩道の「工事の案内」というのは、まったく合法的で、悪い冗談に思えるけれども。

2700個の点と線/6.1首相官邸前抗議

2012-06-02 16:20:37 | News


昨夜は反原連主催の首相官邸前抗議。主催者発表で参加者は2700人にも上った。
現場に行ってみればわかると思うのだけれども、「官邸前」と言ってもそこは「官邸前の道路を挟んだ歩道」でしかなく、通常ならばとても人が集まる「場所」とは言い難い。「官邸前の道路を挟んだ歩道」を先頭に国会議事堂横の歩道の坂道にひたすら参加者の列が長く伸びる。かつて「道路は広場ではない」という言葉があったけれども、ここは文字通りの歩道である(警備方針としての「歩道」についてひとまず置いておくけれども)。
そんな場所に、雨混じりの平日の夜に2700人もの人間が整然と立つというのは数字以上にすごいことだ。
2700人が「面」になればどんなに壮観だろうと思うけれども、オレたちは塊になることを許されず、それでも可能な限り歩道に拡がりながら、緩やかな「線」になって声を上げ続ける。それぞれが一個の「点」になって「線」をつないでいる。

それぐらい再稼動に向けた状況は切迫している。

18時の抗議開始からしばらく、誰がリードするわけでもなく延々と「再稼動反対」のコールだけが続く。それだけを言いに来たのだから、それでいいのである。抗議の「線」はデモの隊列のように延び、オレたちはデモのように同じフレーズを繰り返しコールする。抗議の場が集会やイベントになることは断固拒否するが、この夜の抗議は「デモ」になっていたと思う。
たとえ最悪の決断が下されたとしても、この動きはまだ続く。

官邸前終了後、経産省前に向かう。またテツさんは火の玉になってたなァ。
官邸前の運営が、警備とぎりぎりのレベルで折衝しているのは理解している。システムとして塊になれないのならば、テツさんみたいに、または早川義夫さんみたいに「点は爆発する」というぐらいまで個々のテンションを持ち上げたいところではある…。