徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

第2列島線へ拡大中/中国第1・第2列島線地図

2013-08-15 06:23:50 | News Map

■中国の海洋戦略(第1・第2列島線)


■中国の国防費の推移
<本格的な空母艦隊の編成を進める中国は、10~20年後を視野に米軍と互角に戦える戦力を目指して、日本やフィリピンの周辺に当たる北西太平洋の制海権確保を狙っているとみられる。(中略)かつての中国人民解放軍は世界最大規模の陸軍が中心で、海軍は沿岸を警備・防衛する「脇役」に甘んじていた。だが、この十年の経済成長によって国外の資源・エネルギーに依存するようになり、海洋権益の重要性が飛躍的に拡大。特にマラッカ海峡を経てインド洋につながるルートは命綱と言える。このため、沖縄から台湾、フィリピンをかすめ南シナ海を含むラインを「第1列島線」として防衛圏と位置付けるとともに、小笠原諸島から米領グラム、サイパン、パプアニューギニアなどを結ぶラインを「第2列島線」と認識。制海権確保の狙いがあるとされる。中国艦艇による沖縄県・尖閣諸島周辺での活発な動きも、領有権の主張を超えた戦略的な思惑がある。(中略)戦略実現には、空母をはじめ遠洋航海に適した軍艦が不可欠だ。人民解放軍創始者の一人である朱徳の孫、朱和平空軍少将は今月3日、遼寧の青島配備について「日本を震え上がらせる効果がある」と語った。>
(東京新聞2013年3月6日 中国国防費3年連続2桁増/海軍強化権益に照準/高まる国外資源依存 米アジア戦略に対抗)


■ASEAN加盟国の南シナ海の対応をめぐる温度差
<東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が24日、ブルネイの首都バンダルスリブガワンで始まった。(中略)本誌が入手した議長声明案によると、南シナ海問題について「武力や威嚇でなく、国際法に基づく平和的解決を目指し、法的拘束力を持たせた『行動規範』の早期策定に向けて、中国との協力関係が継続されることを期待する」と、控えめな表現にとどめている。中国は関係当事者国との二国間協議による解決を求め、自国の行動を縛る規範策定には消極的。(中略)ASEANは昨年7月の外相会議で、南シナ海問題で中国と対立するフィリピンやベトナムと、中国から経済支援を受ける議長国カンボジアとの溝が埋まらず、設立以来、初めて共同声明を採択できない異例の事態となった。域内はいまだ結束できず、中国も規範策定の交渉開始を確約していない。>
(東京新聞2013年4月25日付 ASEAN首脳会議 対中国控えめ表現/議長声明「南シナ海」議論)


■中国が南シナ海で管轄権を主張する海域
<シンガポールで開かれているアジア安全保障会議で、ヘーゲル米国防長官やASEAN(東南アジア諸国連合)の一部加盟国の国防相らは、アジア太平洋地域で影響力を増す中国をあからさまにけん制した。(中略)ヘーゲル氏は1日の演説で、オバマ政権は「二正面作戦」を放棄し、アジア太平洋地域に軸足を移す「リバランス(再均衡)」の方針を堅持すると強調した。(中略)同時に「(中国は)大国として新たな責任を負っている」と指摘し、対中均衡を図りながら、中国に対して安定した地域秩序形成に協力するよう求めた。(中略)31日にはベトナムのグエン・タン・ズン首相が基調演説した。南シナ海や東シナ海で領有権問題が複雑化しつつあるとした上で「関係当事国は武力や脅しに訴えるべきではない」と主張。名指しこそ避けたものの中国を念頭に置いた発言とみられている。>
(東京新聞2013年6月2日付 アジア安全保障会議 米・ASEAN「中国包囲網」に厚み/太平洋地域影響力拡大けん制)


■中国軍の動き
<中国海軍の駆逐艦など艦艇5隻は日本海でのロシア海軍との演習後、14日に中国海軍艦艇として初めて宗谷海峡を通過し、太平洋に進出。小笠原諸島の婿島から南西に向かい、沖ノ鳥島とフィリピンの中間海域まで進出した。一方、軍用機は航空機をレーダー監視するY8早期警戒機で、24日午前、沖縄本島と宮古島の間を通過して東シナ海から太平洋へ進出。南下してきた艦艇5隻と合流し、数時間にわたって合同演習した。(中略)中国は台湾有事を想定して、米国の関与を避けるため、太平洋における接近阻止・領域拒否の能力を向上させ、「近海」の範囲を第2列島線まで広げることを目標としている。>
(東京新聞2013年7月31日付 中国軍 太平洋で初の合同演習/日本周辺通過の艦艇・航空機/第2列島線へ進出加速)

ブロック投下で対立再燃/スペイン×イギリス 英領ジブラルタル問題

2013-08-15 05:30:22 | News Map

■④英領ジブラルタル
<300年にわたりスペインが返還を求める「欧州最後の植民地」である。この地をめぐる緊張は昨年急拡大した。きっかけは2011年11月のスペイン総選挙。政権に返り咲いた右派国民党は「植民地奪還」を鮮明にした。(中略)現政権は痛みを伴う緊縮策を次々に打ち出すが、「国民の不満をそらすため領土問題を煽っている」と自国政府への怒りを隠さない。(中略)地中海の対岸のモロッコ北部にも同様の領土問題がある。モロッコが再三返還を求めるスペインの飛び地セウタやメリリャだ、02年には両国が領土を主張する無人島にモロッコ軍が上陸。緊張が高まった。(中略)「問題を起こすのはいつも、ここから遠くに住んでいる人間なんだ」漁師のゴメスさんは、マドリードの中央政府に矛先を向けた。>
(東京新聞2013年1月5日付 国境 交錯の現場④英領ジブラルタル/強硬スペイン政府に怒り 返還要求 住民冷ややか 文/野村悦芳)

<きっかけは、ジブラルタル自治政府が7月下旬、一部海域にコンクリートのブロック数十個を沈めたことにある。資源保護のためとしたが、スペイン側は漁業の妨害と猛反発。国境の検査を強化すると、車や人の往来が滞った。さらに、今月4日のスペイン紙ABCで、スペインのガルシアマルガリョ外相は、国境通過に50ユーロ(約6500円)を課す考えを表明し、「遊びの時代は終わった」とも述べた。AFP通信によると、ジブラルタル自治政府のビカード主席閣僚(首相)は「北朝鮮のようだ」と応酬。欧州委員会も仲裁を検討し始めた。>
(東京新聞2013年8月8日付 ジブラルタル対立再燃/海にブロック スペイン反発、検査強化/「主権は不変」英首相、懸念伝える)

遊びはいつまで続くのか/排外デモカウンター行動(7.14-8.6)

2013-08-09 05:23:53 | News
6月30日、2500人のカウンターが集結した、新大久保での在特会系の排外デモ<在日外国人犯罪者追放デモ in 新大久保>から、7月11日のデモ中止(延期)、更には今月11日に予定されていたデモも中止(変更)されるなど、現在新大久保周辺から排外デモは排除され続けている。

<「表現の自由もあり、不許可にはできない」「主催者側は無理に中心部を通ろうという姿勢ではない。今後は(中心部を)外した形になっていくのではないか」>(【ヘイトスピーチの現場】警察に配慮しデモコース変更 在特会など主催者 47トピックス(共同通信)8月8日付

まずしばき隊の目的は排外デモ終了後にレイシストたちによる新大久保周辺の飲食店、商店への嫌がらせ(お散歩)阻止であり、さらに6月30日をひとつのピークにした一連のカウンター行動が求めていたのは、「排外」の刃を直接突きつけられる在日、外国人が集まる新大久保でのデモ阻止であったのだから、これは完全にカウンターの勝利といえるだろう。
3月の時点で「お散歩」は実質的にしばき隊によって阻止され、さらに警備に囲まれながら駅まで誘導される「集団下校」が行なわれるようになっていたものの、「表現の自由」の名の下に新大久保のデモコースは維持され続けた。
それでも強行されるデモにはレイシストに対して執拗に直接抗議(という名の罵声、怒声)の声を上げると同時に、現場の警備にもデモの不許可を求め続けてきた。
勿論「どっちもどっち」の番人である警備にデモそのものを中止させる意思はないだろうが(有田芳生参院議員を先頭に数十人のカウンターが文字通り体を張ってデモのスタートを阻止し、中止を求めた6月30日にはその可能性があった)、デモを追走するカウンターには好都合な路地が多く、デモとカウンターによる攻防のメインストリートとなる大久保通りの狭い歩道で挑発が続くのは警備上にももはや限界があったのだろうと思う。2500人というのはそういう数である。
ひとまず新大久保からレイシストは排除された。

参院選を挟んでこの間に彼らが集団として新大久保に姿を現したのは、7月14日、新風の鈴木信行氏による新大久保駅前での街頭演説だった。これは鈴木氏が演説の中で話したように、この支持者絶無の新大久保駅前での街宣は「支持者のリクエスト」という実にふざけた理由で実施された。鈴木氏の演説の内容も、一般の通行人に広く支持を呼びかける「選挙中の候補者のそれ」ではなく、選挙演説という体裁ながら、まさにレイシストの支持者の「リクエスト」に十分応えた内容であったのは間違いない。もちろん街宣車の前に陣取った聴衆の半分はカウンターで、集まったカウンターに向かって鈴木氏は自ら中指を「リクエスト」した。それを合図に数十本の中指が鈴木氏に突きつけられた(どこからともなく飛んできた「八王子でも演説しろ!」という野次と共に)。野次を飛ばすこともなく黙って聴いていたカウンターだったが、リクエストなのだから仕方がない。

しかし新大久保から排外デモが排除されたとはいえ、参院選後も東京周辺では排外デモが繰り返し開催されている。
参院選の真っ只中の7月6日に渋谷で排外デモ<日韓国交断絶行動in帝都>を強行した主催者は、さらに参院選直後の7月29日に<反日極左と不逞外国人から川崎を護るデモ>を行なった。川崎駅東口周辺を「一周半」して、日曜日の休日で賑わう駅ビル前の広場で解散するという、実に頓珍漢なルートで、少数のカウンターに過剰警備を敷く県警に囲まれた挙句、一般人の視線に長時間晒された。
さらに今月4日に浅草で行なわれた<日本民族よ立ち上がれ! 拉致被害者全員奪還・国民大行進 IN 浅草>では、主催者のコントロールが効いていたのが、少数のプラカード以外は目立ったヘイトスピーチは行なわれなかったものの、やはり少数の問題参加者が相変わらずの行動を繰り返し、デモ終了後に中でも目立って(いつも通り)騒いでいた人物に対して当該デモの出入禁止を宣言した。

そして68年前、広島に原爆が投下された6日には広島と東京で<核武装推進デモ 支那・北朝鮮の核の脅威から我が国を守ろう!~>が強行された。慰霊式典に合わせた街宣、さらには市内でデモが行なわれる広島へは関西、中国地方のカウンターを中心に、関東からも多くのカウンターがチャーターバス(!)で広島へ乗り込んだ。
オレは東京のカウンターに参加し、東京駅から歩いて集合場所の萱場町の坂本町公園周辺へ向かう。
川崎、浅草の警備は機動隊を中心にしたかなり強固な(過剰な)警備が敷かれていたのだけれども、さすがに平日の、東京駅周辺のオフィス街ということもあるのか、今回は私服中心の警備体制。それでも20人程度のカウンターへのマンマークは川崎、浅草同様に厳しく、反対側の歩道に回り込まなければ併走はできず、同じ歩道を併走をしていたオレは、東京駅周辺ではデモ最後部がかろうじて見えるたびに、横断歩道で止められ続けることになった。
もうこうなると警備の皆さんとトークしながら追い続けるしかない。

確かに「核武装」を主張することは表現の自由なのだと思う。
それだけを取り出せば彼らの主張を支持する日本人も少なくはないだろう。しかし、やはりこの日にそれを主張するのはある種の悪意(ヘイト)を感じざるを得ない。彼らにとって核兵器でさえもレイシズムの欲求を満たすためだけのダシなのだ。「気に入らないもの、自分たちに反対するものはすべて反日、在日」と同じように、「気に入らないものを挑発する」ためだけに核武装は主張される。そしていつも通りの主張が、いつも通り繰り返される。この日も憎悪のコピペが繰り返された。
さすがに警備の方々も顔をしかめていたのは言うまでもない。
だからオレは「遊びでヘイトやってんじゃねえよ!」と叫ばずにはいられないのだよね。

広島で叫ばれた「被爆者特権」という、この日一番の醜悪なヘイトスピーチは東京ではさすがに確認できなかったという。
憎悪のコピペは絶え間なく繰り返されるのだが、いくらレイシストでもそれに付いていける人間ばかりではないだろう。
今日、長崎も68回目の夏を迎える。

ハイリスクはいつまで続くのか/第19節 新潟戦

2013-08-04 06:11:44 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
土曜日。スカパーで19節新潟戦
元ジュビロ磐田監督、現アルビレックス新潟監督の柳下先生はゲーム後の会見でこうおっしゃる。

「内容的にはエスパルスの弱いところを突いていこうと。選手は狙いを持ってやっていたし、実際にチャンスも作っていた。それは良かったと思う。(中略)(Q:攻撃の中で、最も効果があった部分は。)直接、点にはつながっていないが、清水がどういう守備しているかというところ。次、対戦するチームは今日のゲームを見たら、参考になったのではないか」(J's GOAL 8月3日付

正直ずいぶん挑発的なコメントだなあと思う。対清水への暗い情熱を感じざるを得ない。
そんな情熱の矛先はやはりほとんど正しくて、新潟のボールは高い位置をキープする清水のサイドバックの裏へ、さらに新潟の激しいチェイスに混乱するバイタルエリアへのアタックが繰り返される。
しかし、思いっきり贔屓目に見て、PKのアンラッキーは勿論、失点はほとんどミス絡みだと思っている。勿論清水のミスを誘発させる、清水のアンラッキーを呼び寄せたのが新潟の厳しいプレイ(成岡曰く「新潟らしいイケイケ」らしい…え、新潟がイケイケ?)であったのは確かなんだが、このディフェンスの問題は、やはりこの一年、チームが抱え続けているセンターバック問題と切り離せないだろう。
今日も平岡とコンビを組んだのは浩太だった。その意図は理解できる。スペシャリストよりもユーティリティを優先するアフシンにとって、浩太はCBとしての仕事と同時に、広い視野で最終ラインからゲームを組み立てることができる「攻撃的」なCBとしての仕事を求められている。
しかしよく考えれば、それは岩下がやってきた仕事なのだ。2012年シーズンの序盤、彼はそれをほとんど完璧にこなし、理想を実現しつつあった。実際に結果も出ていた。CB問題はその岩下離脱に端を発しているのだから、彼の幻影にいつまでも振り回されているともいえる。勿論浩太に今更岩下のような強さと速さを求めるのはちと酷な話であるが(そして中途半端なスイーパー=便利屋としてキャラの負担ばかりが増える)。
攻撃的でありたいという理念は理想主義者の常として理解できる。そしてオレたちのプレーヤーはそれなりのポテンシャルを持っていると信じている。しかしその理想と求めるハードル(ユーティリティ)の高さはやはり、現状ではまだハイリスクの傾向が強いと言わざるを得ない。

ラドンチッチの加入即スタメンには驚いたが、それでも彼のプレイには光明が見えた。バレーと比較すればJの実績には劣るけれども、容易に倒れないフィジカルの強さ、シンプルで堅実なポストプレイはヨンセンを髣髴とさせるものがあった。確かに3失点は不甲斐ない結果とはいえ、ゲーム序盤の混乱を除けば、新潟の激しさに十分拮抗する内容を見せていたと思う。

浩太「ラインを高くする戦術だが、自分と平岡でもう少し下げた方がいいときもあった」(J's GOAL 8月3日付

あとはアフシンの信任(?)を得ている浩太が現場で判断することだ。
チームが方向性を誤っているとはまったく思わないが、やはり実際にハイリスクの芽を摘んでいくのはピッチ上のプレーヤーの判断しかない。
クラブは過去2年に続いて今年もシーズンを通して安定した体制作りをしない。ならばプレーヤーは積極的に、自分で状況を判断していくべきだと思うのだ。きっとアフシンの求めている「成長」とはそういうものだろう。
理想主義者でありながら、一方でビジネスマン然とした現実主義者のアフシンならば、コンセプトを多少逸脱しようとも結果さえ出せば個々の判断の責任は問わないんじゃないかと思うんだが。
まず、今それができるのは浩太(とタク)しかいないだろう。

次は今週末、アイスタで湘南戦。地獄の日程は続く(この変則的で偏った日程も若いチームが乗り切れない要因だよなあ…)。

あきらめてからが東京

2013-08-04 03:48:26 | Music
金曜日。三ツ沢で大逆転負けを喰らったユースカップ準決勝の広島Y戦を観た帰り、地元の酒場で強かに酔う。
チャントを歌ったのは2ヵ月ぶりかな。
会計を終えてから店先のベンチに座ってTLに流れてきたyoutubeを観る。なぜかイヤフォンじゃなくて、周りの目も気にせずにiPhoneのスピーカーで聴く。まったく嫌な酔っ払いだぜ…いや、しかしいい歌だなあ。自己憐憫じゃないんだよ。震えた。