徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

「忍耐には限りがある」/中国×ASEAN 南シナ海領有権紛争地図

2014-05-09 03:40:46 | News Map

<南シナ海の南沙(英語名・スプラトリー)諸島にあるアユンギン(中国名・仁愛)礁をめぐり、中国とフィリピンの艦船がにらみ合いを始め、緊迫の度を増している。(中略)南沙諸島は中国やフィリピン、ベトナム、台湾など6カ国・地域が領有権を主張している。中比は昨年4月、スカボロー礁(中国名・黄岩島)で今回同様のにらみ合いの末、中国の監視船が居座り、実効支配を強めている。フィリピン軍は1999年、アユンギン礁近くで座礁した軍艦に軍部隊を駐留させ、実行支配を続けてきた。これに対し、南シナ海全体に主権があると主張する中国側は、5月上旬から軍艦や監視船を派遣して圧力を強化。(中略)フィリピン国家安全保障会議のガルシア議長は「中国と最後まで戦う」と一歩も引かない構えを見せる。>
(東京新聞2013年6月1日付 南沙諸島領有で紛争激化 中比艦船にらみ合い)


<中国とフィリピンやベトナムなどが領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島海域で2010年~12年。中国によるフィリピン漁船や探査船への妨害などのトラブルが24件発生していたことが24日、共同通信が入手したフィリピン政府の資料で分かった。1995年~2009年の7件から激増しており、中国の海洋進出の拡大ぶりがあらためて鮮明になった。(中略)中国は95年にフィリピンのEEZ(排他的経済水域)内のミスチーフ(中国名・美済)礁に進出、その後基地にした。昨年は南シナ海にある南沙とは別海域のスカボロー礁(同・黄岩島)を両国の艦船によるにらみ合いの末、実行支配。>
(東京新聞2013年7月25日付 中国とのトラブル激増 南沙諸島海域 海洋進出鮮明に)


<中国共産党の理論誌などによると、南沙諸島には各国が実効支配する島と岩礁が53ヵ所あるという。進出が遅れた中国軍は現在9箇所に駐留し、支配地域を徐々に拡大。ベトナムは29ヵ所、フィリピン9ヵ所、マレーシア5ヵ所のほか、インドネシア、ブルネイも駐留部隊を置くが、中国軍が制海力を強めつつある。(中略)中国の王毅外相は今月6日までベトナム、タイなどASEAN4カ国を歴訪。「各国と真剣に協議し、行動規範のプロセスを前進させる」と述べ、話し合いによる解決を目指すことを強調した。(中略)中国政府は、ASEANに対し平和的協議を求める一方、昨年7月には南沙と西沙(英語名パラセル)諸島、中沙諸島を行政管轄する「海南省三沙市」を設置し、支配の既成事実化も進めている。>
(東京新聞2013年8月11日付 中国、南シナ海支配強化 南沙諸島53ヵ所で争奪/ASEANとは協議継続)


<中国が南シナ海に進出してきたのは、米軍がスービック、クラーク両基地から撤退した後。「力の空白」をつくったことが中国を利する結果となった。米比軍事協力の強化の動きはこの「空白」を埋めようとするものといえる。(中略)比憲法では外国軍の駐留を禁じており、米軍の活動にもさまざまな制約をかけている。新協定は巡回や比軍基地の使用を拡大し、南シナ海で米軍の存在感を高めて中国をけん制するのが狙いだ。アジア太平洋地域で影響力を高めたい米国の利益とも一致するが国内からも憲法違反との批判が出る可能性がある。>
(東京新聞2013年8月17日付 米比 軍事協力を強化/南シナ海 中国を牽制/巡視船配備 活動拡大へ協定作り着手)

<中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の貿易促進を目的とした「中国-ASEAN博覧会」が3日、ベトナムと国境を接する中国広西チワン族自治区の南寧市で開幕した。(中略)3日の開幕式では、中国の李克強首相があいさつで10年にわたるASEANとの経済協力の成果を強調し、南シナ海問題については「中国とASEANの協力の大局に影響させるべきではない」と訴えた。(中略)だが、領有権をめぐり中国と対立するフィリピンのアキノ大統領は8月28日に出席を表明したが、翌29日に出席を取りやめると発表した。フィリピン政府関係者によると、中国側から、南シナ海問題で国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所への申し立てをしたフィリピンに、申し立てを取り下げれば出席を受け入れる、と伝えてきたという。フィリピン側はこの条件に強く反発し、訪問取りやめを決めたとみられる。>
(東京新聞2013年9月4日付 中国・ASEAN博が開幕 影落とす南シナ海問題/フィリピン大統領直前欠席)

<フィリピン国防省は3日、中国と領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)で、中国が構造物の建設に着手し始めた可能性があると発表した。(中略)海軍が撮影した航空写真から、スカボロー礁に縦60㌢程度のコンクリートブロック約30個が置かれ、付近に中国艦船3隻も確認された。>
(東京新聞2013年9月4日付 領有権争うスカボロー礁 中国、構造物を建造か フィリピン国防省が発表)


■南シナ海で中国が領有権を主張する海域
<中国の海洋の警備・取り締まりを実施する「海警局」が大型巡視船など装備の増強を進めている。(中略)海警局が所属する国家海洋局によると、一月中にいずれも4000㌧級の巡視船が南海分局(広東省)と東海分局(浙江省)でそれぞれ就航。1月中旬に開かれた「全国海洋工作会議」では、今年20隻の巡視船を建造する方針を決定した。(中略)一方、中国海洋報によると海警局とは別に、交通運輸省所属の巡視船がフィリピンやベトナムと領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)、西沙(パラセル)、中沙の3諸島を管轄する「海南省3沙市」に配備されることになった。(中略)中国は昨年7月、海洋の警備・取り締まりをめぐって、関係部局を統合する形で海警局を発足させた。各省の縦割りによる弊害を取り払うため、一元態勢の構築にも力を入れている。>
(東京新聞2014年2月7日付 中国 年内に巡視船20隻建造へ/海洋監視力強める)


■中国の石油掘削設備
<ベトナムの沿岸警備曲は7日、中国の大型監視船が南シナ海で、ベトナムの警備艇を攻撃し乗員が負傷、警備艇にも被害があったことを明らかにした。(中略)中国の海事局が3日、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で海底資源の掘削作業を始めるとベトナムに伝えた後、両国は非難の応酬を続けている。中国側は国有の大手石油企業が掘削に当たり、海警局の監視船が掘削船を護衛し、ベトナムは武装した警備艇など約30隻を現場海域に派遣。中国の監視船は体当たりしたり、高圧放水銃を発射したという。ベトナムの沿岸警備局によれば、衝突は3日と4日にも起きたが、7日の衝突が最大規模とみられる。(ベトナムの沿岸警備当局者は7日、「忍耐には限りがある。中国側がこうした行動を取り続けるなら、自衛的手段を取らざるを得なくなる」と警告。(中略)オバマ米大統領が先月末にアジア各国を訪問し、南シナ海の領有権争いに一定の歯止めがかかると期待されていた。しかし、南シナ海では中国とベトナムが早くもにらみ合いを始めたほか、フィリピン沿岸警備隊は6日、違法操業の中国漁船の船員11人を拘束するなど緊張が高まっている。>(東京新聞2014年5月8日付 中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い 乗員に負傷者)

切り札は「人殺しマシン」改め、防衛装備品共同開発マップ

2014-05-08 03:13:21 | News Map

■日本が進める主な防衛装備品共同開発
<安倍晋三首相が大型連休中に、フランスや英国など北大西洋条約機構(NATO)の加盟国を歴訪し、防衛装備品の共同開発をめぐり協力関係の強化を働きかけた。国内の武器禁輸政策転換を踏まえて、防衛産業を成長戦略の「切り札」(官邸筋」にする狙いだ。><だが、共同開発を進めた結果、「最先端の装備品」が第三国へ売却される懸念は拭えない。フランスは中東・アフリカへの武器輸出に積極的とされる。日本とフランスは輸出に関するルール作りを協議する方針だが、英国と署名済みの技術流出防止協定にまでは話が及んでいない。(中略)防衛省幹部は「きちんと歯止めをかけないと、日本の技術が拡散して各地で紛争を助長しかねない」と、「平和国家」の在り方が問われる事態になることを心配する。中でも各国の防衛当局が動向に注視するのは、日米両政府によるミサイル防衛用迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の共同開発だ。米国はポーランドとルーマニアへの配備を計画しているとされ、ロシアが「戦力バランスを崩す」と強い懸念を表明している。日本政府関係者は「日本の政策が、結果的に欧州の不安定化をもたらす一因になる可能性もある」と指摘した。>
(東京新聞2014年5月8日付 武器 首相が売り込み/欧州輸出、成長戦略の一環に/「平和主義」変質、紛争助長も)

「階級社会」を取り戻したい、らしい/タイ政治混乱の動き(2001年~2014年)

2014-05-08 02:56:36 | twitter

■タイ政治混乱の主な動き(2001年~2014年)
<インラックしを支持するタイ東北部の農民や貧困層らは、インラック氏が失職に追い込まれれば首都バンコクで大規模デモを実施すると宣言している。これまで反政府派との摩擦を避けるため、あえてバンコク進出は控えてきたが、衝突を辞さない覚悟にある。ここまで対立が激化したのは「階級闘争」的意味合いが背景にある。農村部や貧困層は政治参加を制限されてきたが、タクシン氏がそれを可能にし、生活水準も向上した。中産階級以上の反政府派は、彼らが権利意識を持ち始めたことに危機感を募らせ、タクシン氏以前の社会を取り戻そうとの機運もあるとみられる。>
(東京新聞2014年5月8日付 タイ首相失職 「司法クーデター」再び/タクシン派3代連続失脚/「階級闘争」角質根深く)

GWシリーズは終わらない/第11節 鳥栖戦、第12節 新潟戦

2014-05-07 04:20:57 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
今年のGWシリーズは鹿島戦に続いて、鳥栖戦新潟戦との上位対決にことごとく敗れ、3連敗を喫した。
しかし、まあ、今節も上位が適当に星を潰し合ったおかげで、順位は変わらず、勝ち点差もさほど開いてはいない。J1はいまだにぎゅっと詰まった大混戦である。中位に位置する清水は、ぎゅっと詰まったおかげで、まだ上位の望みもあるけれども、下位に沈む可能性もあるのだけれども。

近年では10、12年のGWぐらいしか良い思い出はないのだが、わかっちゃいながら、この過密日程をうまく切り抜けることができない。ただし両年ともに前半戦を首位争いで走っていたわけで、それを考えれば健太体制にしてもアフシン体制にしても、清水というチームは、それなりに(シーズン途中ながら)結果は出しているとも言える。共通点はチームの成熟だろう。10年は健太体制の集大成としてチームは成熟していたし、12年は伸二を中心にベテランと中堅、若手のバランスのいいチームだった。これまた、共に10年はシーズン後にチームは大崩壊、12年はシーズン途中で崩壊した。
これはどのチームにも言えるとはいえ、清水という安定した状態ならばそれなりの結果を出せるクオリテイにはある。

今日、新潟の柳下監督(元ジュビロ磐田監督)はスカパーのフラッシュインタビューで、「清水はシステムを変化させることで負けた、今日も変えて負けた」と半笑いで応えていた。
この「変化」は、今季の復帰は絶望となった駿の負傷離脱というアクシデントによって余儀なくされたものだ。
どんなチームであろうとも、まずシーズンを通したチーム構想があり、3月、4月とゲームを重ねるごとにチームは成熟していく。そして構想はさらに積み重ねられ、攻守のバリエーションは増えていく。
2月のキャンプの好調から今季構想の核となっていた駿がチームから外れたということは、そんなに過小評価するようなことなのか。勿論バリエーションを準備しておくことはマネジメントとして必要だとはいえ、今季の復帰は困難という状況はちと話が違う。
清水に「変化」は必然である。
そして、このGWシリーズは結果こそ出なかったものの、その「変化」はそれなりの内容を見せていた。
ノヴァコビッチの1トップへの起用、六平・竹内に大輔を加えた3人のCMFによる中盤構成の変化、そして今日の亜人夢1トップでノヴァのトップ下起用と、GWでの3つのゲームで、違和感なく相手チームと拮抗した内容を見せていたのは間違いない(スクランブル状態になったときに廣井のFW起用というのは奇策過ぎる気もしないでもないが)。3月にあれほど不安定だった櫛引と吉田の頼もしさはどうだろう。失点してしまったとはいえ櫛引のポジショニングは安定していたし、吉田の疾走感は河井と共に攻撃にアクセントを加えている。
鹿島戦にしても、鳥栖戦にしても、新潟戦にしても完敗だったとは微塵も思わない。
問題は3ゲームとも先行されたときのゲームマネジメントと、本来替えの利かない、問答無用のエースである元紀の不調にあるんじゃないか。

世間ではGWが終わったとはいえ、5月の過密日程は終わらず、中3日ですぐにゲームが行われる。汚名を返上するのも、屈辱を晴らすのも結局ゲームで勝つしかない。
GWシリーズの最後は広島戦である。

ちひさな群への挨拶

2014-05-05 07:35:21 | Books
あたたかい風とあたたかい家とはたいせつだ
冬は背中からぼくをこごえさせるから
冬の真むかうへでてゆくために
ぼくはちひさな微温をたちきる
をはりのない鎖 そのなかのひとつひとつの貌をわすれる
ぼくががいろへほうりだされたために
地球の脳髄は弛緩してしまふ
ぼくの苦しみぬいたことを繁殖させたいために
冬は女たちをとおざける
ぼくは何処までゆかうとも
第四級の風てん病院をでられない
ちひさなやさしい群よ
昨日までかなしかつた昨日までうれしかつたひとびとよ
冬は二つの極からぼくたちを緊めあげる
そうしてまだ生れないぼくたちの子供をけつして生れないやうにする
こわれやすい神経をもつたぼくの仲間よ
フロストの皮膜のしたで睡れ
そのあひだにぼくは立去らう
ぼくたちの味方は破れ
戦火が乾いた風にのつてやつてきさうだから
ちひさなやさしい群よ
苛酷なゆめとやさしいゆめが断ちきれるとき
ぼくは何をしたらう
ぼくの脳髄はおもたく ぼくの方は疲れてゐるから
記憶といふ記憶はうつちやらなくてはいけない
みんなのやさしさといつしょに

ぼくはでてゆく
冬の圧力の真むかうへ
ひとりつきりで耐えられないから
たくさんのひとと手をつなぐといふのは嘘だから
ひとりつきりで抗争できないから
たくさんのひとと手をつなぐといふのは卑怯だから
ぼくはでてゆく
すべての時刻がむかうかはに加担しても
ぼくたちがしはらつたものを
ずつと以前のぶんまでとりかへすために
すでにいらんくなつたものはそれを思ひしらせるために
ちひさなやさしい群よ
みんなは思ひ出のひとつひとつだ
ぼくはでてゆく
嫌悪のひとつひとつに出遇ふために
ぼくはでてゆく
無数の敵のだまん中へ
ぼくはつかれてゐるが
ぼくの瞋りは無尽蔵だ

ぼくの孤独はほとんど極限に耐えられる
ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる
ぼくがたふれたらひとつの直接性がたふれる
もたれあふことをきらつた反抗がたふれる
ぼくがたふれたら同胞はぼくの屍体を
湿つた忍従の穴へ埋めるにきまつてゐる
ぼくがたふれたら収奪者は勢ひをもりかへす

だから ちひさなやさしい群よ
みんなのひとつひとつの貌よ
さやうなら
吉本隆明『転位のための十篇』より「ちひさな群への挨拶」/昭和28年

理科各研究所、主な研究施設マップ

2014-05-02 23:59:59 | News Map

■理化学研究所の主な研究施設


■理研の歴史
<理研の発足は1917年(大正6)年。消化剤タカヂアスターゼを開発した米国在住の高峰譲吉が「欧米諸国に続々と生まれた民間研究所を日本にも」と訴え、渋沢栄一らを説得して、皇族を総裁に頂く財団法人として発足させた。中興の祖と仰がれるのは3代目所長の大河内正敏。主任研究員を中心にした自由闊達な研究を尊重し、一方で研究費を稼ぐため、多くの事業を始めた。事務機器大手のリコーや利研製薬、それに「ふえるわかめちゃん」で知られる理研ビタミンなどの民間企業が育った。戦時中は物理学者の仁科芳雄を中心に原爆の研究も行われた。戦後、財閥とみなされた理研グループは解体。理研本体は株式会社となったが、経営難に陥り、存亡のふちに。これを救ったのは田中角栄元首相だった。(中略)埼玉県和光市の一研究所だった理研が急拡大したのは、ここ10数年のことだ。>(東京新聞2014年5月2日付 理研巨大化で弊害/研究者3000人、予算830億円/STAP細胞初動に遅れ)

またもや鹿島られる…/第10節 鹿島戦

2014-05-01 02:37:30 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
アフシン「選手たちの努力を本当に誇りに思います。すばらしいスピリットを見せられたと思います。試合を多くコントロールできていたと思いますし、突破のところでしたり、チャンスを多くつくれていたと思います。」(J's GOAL 2014年4月29日付

29日はスカパーで鹿島戦
雄弁なトニーニョセレーゾと比べて、J's GOALに掲載されたこの日のアフシンはあまりにも口数が少ない。内容の手応えと同時に、あんまりな結果に失望している様子がありありと見える。
トニーニョセレーゾを始めとして、相変わらず対戦相手へのリスペクトに欠ける鹿島関係者のコメントや戦評には憤りを感じざるを得ないが、とはいえ負けてしまってはどうしようもない。清水は「放り込み」だけのチームではないし、勝ち越しゴールを決められるまでゲームは「膠着状態」だったわけでもない。ましてやヘロヘロの時間帯があったくせに「大量得点で勝てた」とコメントしたプレーヤーがいたが、それを言うのならば清水の方である。カウンターとセットプレーで凌いでいたのはむしろ鹿島であり、事実鹿島の得点はオウンゴールとセットプレーである。
とひと通り愚痴ったところで…やはり相変わらずの鹿島戦だった。

六平と竹内に加えて中盤にイーブンなボール奪取に優れた大輔を据え、中央を固めつつも六平の縦への意識と竹内のロングパスを強化したシステムは、序盤のゲームの入り方を除けば概ね成功していたと思う。オウンゴールはアンラッキーだったと思うし、勝ち越しゴールは鹿島の執念に負けた。同点ゴールから村田投入で圧力を強めていた清水に対して、まるっきり疲弊した状態でも搾り出すように闘志をむき出しにする鹿島のプレーヤーというのは、あれはあれで評価しなければならないカルチャーである。ルイス・アルベルトのゴールはしょぼくれていた鹿島のプレーヤーに残り時間を走り切り、狡猾にボールキープする(鹿島る、だ)元気を与えてしまった。

3月の時点ではウィークポイントですらあった櫛引と吉田が見間違うような素晴らしいプレーを続けているのは心強い。飽きることなく左サイドを駆け上がり、ノヴァとパス交換しながらゴールに迫った場面も素晴らしかったと思う。駿不在の攻撃の形はいくつか見られたのではないかと思う。
上位との勝ち点差はまだ僅かだ。またもや3月のようなつまらない負け方をしてしまったわけだが、ここで連敗しないことこそが大事になる。この日の内容ならばどのクラブと対戦してもまだ大丈夫だろう。
次は3日、ホームで鳥栖戦。チケットはそれなりに売れているようだ。

ゲームの評価については、まったくセレーゾのコメントには同意することはできないが、この日の会見では(スカパーのインタビューでも)人種差別に対抗するダニエウ・アウベスのパフォーマンスに呼応するようにバナナを食べたという。
この島国のフットボールが世界と繋がっていることを他の監督やプレーヤーも(それからサポーターも)示して欲しい。
バナナを食べるだけなんだから簡単なことさ。