徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

恐怖とは何か/マイケル・クライトン「恐怖の存在」

2008-03-31 00:00:33 | Books
<西側社会の文明がいかに驚くべきものであるか--いままでそれに思い当たったことはないか? 工業化諸国は自国の市民に前例のない安全、健康、快適さを手に入れさせた。平均寿命はこの一世紀で五〇パーセントも伸びておる。そのくせ、現代人は絶望的な恐怖ととなりあわせで生きておるじゃろう。見知らぬものを恐れ、病気を恐れ、犯罪を恐れ、環境を恐れ、自分たちが住む家を恐れ、自分たちが食う食いものを恐れ、自分たちのまわりにあふれるテクノロジーを恐れ--とりわけパニックを起こしやすいものが、目に見えないもの相手の恐怖じゃ。病原菌、化学物質、添加物、汚染物質。現代人はいつもなにかに怯え、神経質になり、いらだち、抑圧されておる。さらに驚くべきは、自分たちの住むこの惑星全体の環境が破壊されつつあると信じ込んでおることだ。あきれてものもいえんわい! 魔法を信じるのとまるっきり変わらん。(中略)いかにしてこんな世界観が人々の心に浸透したのか? それはな、人間はべつべつの国に住んでいると思い込んでおるが(中略)じっさいのところは、おなじ国に住んでおるいからなんじゃよ、すなわち≪恐怖の国(ステイト・オブ・フィアー)≫にな。>(マイケル・クライトン/酒井昭伸訳『恐怖の存在』上・下巻 早川書房/下巻p219)

地球温暖化、とまでいかなくても、似たようなファナティックな人たちが(意識、無意識を問わず)作り出す状況はどこにでもある。やはり日本も「恐怖の国」。

盗難楽器の発見にご協力下さい

2008-03-29 17:58:46 | News
盗難楽器の発見にご協力下さい

<機材車の車両盗難が発生し、積み荷の仲井戸麗市の機材も併せて盗難されました。早期の換金売買の可能性が高いと思われる為、些細な情報でも構いませんので、心当たりが有る方は是非ご連絡、ご協力をお願いいたします。>(up-down.com)

元RC仲井戸麗市の愛用ギター盗難(日刊スポーツ 3月29日付



博多取材その1

2008-03-28 04:45:51 | LB中洲通信2004~2010
朝のJAL便で福岡に向かう。春休みということもあって羽田は激混み。
まずは11時過ぎから岩田屋コミュニティカレッジで、全日本作法会のビジネスマナーインストラクターの蓑毛彩さんの取材。続いてホワイトデイ発祥の店である石村萬盛堂の石村一枝さんの取材。夕方にはひとまず取材も本日の取材は終了。

天神のホテルに荷物を置き、確認したいことがあったのでものすごく久しぶりに鶴さんに電話。相変わらずというか(やっぱり相変わらずだな)世界を股にかける踊るマネージャー、改め踊るポエマー。その他アポ、打ち合わせ少々。

SIONさんつながりということで、今日はふとっぱら本店でとりあえずサワーと晩御飯。20日に博多でオープンしたばかりだというアントニオ猪木酒場で店内のあちこちで鳴り響く「1・2・3、ダーッ!」の叫び声を聴きながらサワー。そしてリンドバーグへ。ちと待機が長くなりそうなので、途中中抜けして人形小路を歩いていると記念撮影をしていたカナダで和風居酒屋を経営するというKさん夫妻と遭遇。ツーショットを撮影してくれと頼まれるが、これは本職のカメラマンの大甲君にお願いした方がよかろうと話を振ると、15秒で大甲君と意気投合したKさんに誘われて、人形小路のあんたいとるで1時間ほど焼酎。再びリンドバーグへ戻り、2時過ぎに今日最後の撮影。何とか希望のカットは押さえられた。激辛ラーメンで〆。

坊主になるブラジル人、王様なブラジル人

2008-03-27 03:20:04 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
柱谷「選手たちには『もう練習しかないぞ』って話はしてます。新しい武器がもらえたら最高ですけども、やっぱりそこは会社が決めることなんで、我々としては今持ってる選手でトレーニングによってそのシュートの決定力を上げていくしかない」(Sの極み 3月23日付)

という闘将のメッセージが伝わったのか、オジェック解任を越えるビッグニュースが発表された。

フッキ選手との契約について(川崎フロンターレ公式 3月26日付

まあだからといってヴェルディと再契約するだとか(これはヴェルディにとっては、せっかく闘将が進めているチーム作りにとっては両刃の剣になりかねないが)、いつものブラジル流のパターンでアラブの彼の国へ移籍するだとかというような情報はない。しかし川崎にとって状況を一時的に好転させる可能性もある。この一大事が関塚氏のマネジメントの問題でなければ、だが。
ただしフッキの復帰は(賢明なるJファンには予想通り←ここ強調)チームバランスを崩すような事態を引き起こしたが、やはり優勝争いするためには致命的な層の薄さ、そして中盤以降のバランスの悪さは置き去りにされたままなのだから、一歩下がって二歩進む…とまでは簡単にはいかないだろうなと思う。まあこのままだったら、優勝予想で川崎を筆頭に挙げた頓珍漢な方々のエクスキューズになるだけだろうけれども。

どちらにしてもブラジル流と付き合うのは大変ですな。ウチの若きブラジル人は、何を思ったのか坊主にしたらしいですけど(真面目で、良い奴…)。
ストイックなブラジル人、王様なブラジル人、果たしてFWとしてはどちらが正しいのか。早いとこ正解出してくれよ、アウレリオ。

時代は回る/ナビスコカップ予選グループB第2節東京ヴェルディ戦

2008-03-24 20:30:03 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「リーグ戦のヴェルディの戦い方見たら、このぐらいやるというのは十分承知の上で今日戦ってましたんで、勝ち点1アウェイで持って帰れるということを素直に……まあ受け入れたいという風に思ってます。」

Q 渋い試合だったね
西部「疲れましたよ、ホントに(苦笑)」(以上Sの極み 3月23日付)

日曜日は今季初の味スタでナビスコカップ予選グループB第2節・東京ヴェルディ戦。オレンジ色が膨張色ということもあるんだろうけれども、スタンドを一瞥するだけで動員はダブルスコアで清水の方が多いんじゃないかというくらいのホーム状態。前節であまりにも鮮やかな西澤のポストぶりを見聞きして期待してやってきた関東サポも多いのだろう。しかし西澤は土屋、服部あたりにネチネチとマークされ前節ほど機能はせず、互いのビッグチャンスも決めきれず、西部も言うとおり我慢比べのような渋いゲームになった(ゴールの決まらない「撃ち合い」ともいえる)。「あのシュートが決まっていれば」とはお互い思っていることだろうけれども、決まってないものは仕方がない。また別の意味で言えば、組織的でディフェンシヴなチーム同士の対戦でもあるので、こういうゲームになるのも仕方がない。ひとまず何とか勝ち点を伸ばしてグループ1位なので、これで上等。今年の清水もまだまだ、これからだ。
それにしても川崎、鹿島相手にある程度対等にファイトできていたヴェルディが本物だということはよーくわかった。京都のカトQさんも、柱谷さんも痛い目に遭ってから、ずいぶんいいチームを作り始めている。ヴェルディ没落からほぼ10年、近年の浦和、ガンバといった黎明期“お荷物クラブ”の勃興という時代を経て、清水も含めてモダンな形での古豪復活、ヴェルディの逆襲という流れが再び生まれてきたのかもしれない。さすがにリーグ設立から15年、浦和、ガンバ勃興から約5年も経てば、時代が再び動き出してもおかしくない。

柱谷「選手たちには『もう練習しかないぞ』って話はしてます。新しい武器がもらえたら最高ですけども、やっぱりそこは会社が決めることなんで、我々としては今持ってる選手でトレーニングによってそのシュートの決定力を上げていくしかない」(Sの極み 3月23日付)

サポが我慢できれば本当にヴェルディ復活も近いんじゃないかな。清水もそうだったけれども、ヴェルディサポなら、今彼らを観にスタジアムへ行かなければ意味ないですよ。
どんなことでも、時代は巡り、喜び悲しみ繰り返して、そんな時代もあったねといつか笑える時が来たりして、ついでに今日は別れた恋人たちも生まれ変わってまた巡り逢ったりなんかする。今、(自分たちの)時代を動かそうとする彼らを応援(サポート)することが重要だ。幻想を捨て、闘将のヴィジョンを信じてついていくべきだろう。
まあ、清水はもう昔みたいに負けませんけど。

で、味スタでゲーム終了後、久々に斎藤君ん家で京都対浦和戦広島対水戸戦を観ながら酒。どちらも酒の肴には最高のバカゲーム。何か、浦和って本当に「オレの好きな、あの浦和」に戻ってきちゃったかなあ…という感じがしないでもない。これも時代が再び動き始めているからかもよ。

IOWA STYLE/スポーツ・ドキュメントO.E.Z.

2008-03-23 06:17:00 | Documentary
Jスポーツの「スポーツ・ドキュメントO.E.Z.」。
アイオワ大学レスリング部の2001年から2002年シーズンを描くドキュメントを観る。アイオワ大学は過去27年間で20回全米大学王者になったという、カレッジスポーツの強豪校で、登場する若者たちもクラブの中での競争に勝ち抜いてきたエリート選手たち。コーチは言う。
<選手が勝つにはどうしたらいいのか。×××になって、○○○で自己中心的で、意地悪になるべきなんだ。別人になることだ。生き残るためにはね。>
そして選手も言う。
<レスリングはいい。誰かの肉体と精神をたたきのめし別人に変えられる>
自身も全米王者だった実績を持つヘッドコーチを始め、選手の口から出る言葉は凶暴そのものの、剥き出しのアメリカンスピリッツ。そもそもアメリカンスポーツというものはそういうものなのだろうが、特に田舎者のタフな人たちが嫌というほど登場する。
<単純明快で正当な教えを学ぶのだ。英雄〈Hero)か悲嘆(Heartbreak)か、中間は何もない。〈中略)これがレスリング。アイオワだ。>

しかしディレクターの当初の意図だったのかどうかはわからないけれども、物語は時間が進むうちに、どんどん過去の栄光を引っ剥がしていくような沢木耕太郎風の<敗れざる者たち>になっていく。誇り高く、アメリカン・スピリットの塊だった彼らも徹底的に挫折を味わう。そして、それでも彼らはそれぞれの道に向かって再び立ち上がっていく(らしい)。名門も、強豪も、伝統も(そして例えば“サッカーどころ”も)、同じような悩みやプレッシャーを抱えながら、それでも前に進んでいかなければならない。
<恐怖があるなら、皆を失望させることへの恐れだ。それが時には自分を抑えるんだよ。>

調べてみたらジョン・アーヴィングもアイオワ大学出身だった(現役時代はピッツバーグ大学)。「ガープの世界」でレスリングがフィーチャーされているのも、やはりレスリングが“そういうもの”の象徴なのだからだろう。

戦いに敗れクラブを去ったものの、それなりの幸せを見つけたジョシュ・バドキ君はともかく、再び立ち上がるマイク・ザディック君とスティーブ・モッコ君は、その後どうなったんでしょうか。ほろ苦い感じが、なかなか味わい深いスポーツドキュメントでした。

それにしても、レスリングの全米大学選手権もいいのだけれども、Jスポもどうせなら実在が噂されている全米川下り選手権を早く中継してくれないか思ったりして。

男西澤/ナビスコカップ予選グループB第1節FC東京戦

2008-03-22 02:26:01 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
和道「監督も『1位で突破して鹿島と当たって、鹿島叩いて行こう』みたいな話をしてたんで、しっかり1位で通過していきたいなと思う」(Sの極み 3月20日付)

木曜日は日本平でナビスコカップ予選グループB第1節FC東京戦。この日はなんと言っても、いよいよ、そしてとうとうスタメンの西澤が見所である。
その効果なのか、キックオフ直後にいきなり矢島がコントロールされたシュートを決める。その後もポスト役を完璧に務めた西澤の効果で、これまでの2戦には足りなかったメリハリのある攻撃を見ることができた(しかも90分間!)。
このまま順調に西澤が復活を遂げてくれたら、おそらく某サッカーマスコミが安直に妄想したジェジン離脱の影響はなくなるだろう(もともと西澤復活とその効果は予想では折り込み済みなので、この日の活躍は予想通りでもある)。健太のメッセージである「清水最強の記憶」を持つ男であり、昨年来チームメイトにも影響を与え始めている西澤がピッチ上でその存在感を表現する意味は大きい。
またパウロのフィットに時間がかかり開幕以来スタメンのホンタク、市川の離脱、戸田の復帰の遅れもあり、急遽スタメンに抜擢された辻尾と、新入団選手がすんなりチームにフィットしたのも大きい。4年目のチームではあるが、新しい戦力は次々と登場してきている。これを本当の意味での選手層の厚さと言わずに何と言うのだろうか。

これにフィットに時間がかかっているアウレリオ、ヨーロッパ遠征中の大前が加わったらどんなケミストリーが起こるだろうか。マジで、これからどんなふうにチームがバリエーションを増やし、変わっていくのか期待は大きい。
これでまず予選リーグは1勝。グループBは決して「混戦」などではなく、間違いなく清水が1位で突破するよ。和道(健太)のコメント通り、待ってろ、鹿島!がナビスコ予選の当面のテーマである。
次は明日23日、味スタでナビスコ予選第二節・東京ヴェルディ戦。清水はゲームを重ねるごとに観る価値のあるチームになっている。予想通り無意味な独占中継を続けるフジ739は中継しない模様なので、東京周辺の皆さんもスタジアムにこぞって観に来るように。

#3 フランク・ザッパ

2008-03-19 00:38:28 | 今日のお言葉
●ソングライティング・チームのジェイ・リヴィングストン&レイ・エヴァンス(『モナリザ』、『ケセラセラ』等の作者)に話を聞いたのですが、彼らはここ30年くらい優れたメロディーは書かれていないと言っていました。
--それはおそらく正しいね。と言うのも、今日の音楽を動かしているのがダンス・ミュージックだからだ。特に、リズムというものに対する概念が恐ろしく偏狭なアメリカ人にとって。アメリカ人を踊らせる典型的なダンス・リズムは、ほとんど行進曲のリズムと言って構わない。いっち、にぃ、いっち、にぃ…………。それ以上複雑になるとアメリカ人の足はこんがらがってしまうのさ。
 つまり基本となる国粋主義的行進曲のビートの上に、平行5度か何かを(ヘヴィメタルにしたければ)ちりばめ、メロディーには8分音符より短い音は使わない。そして曲を通じて、何度も同じことを繰り返すことを忘れずに。だって尻を上げたり下げたりしながら半ば行進しているような状態の人間が、5つ以上の音のメロディーを理解できるわけがないじゃないか。
 ここ最近で最も売れた曲を統計的に分析してみるがいいよ。使われている音数はあくまでも少なく、驚かされるコードは使われておらず、ビートはいっち、にぃ、いっち、にぃのはずだ。それをやって大金持ちになりたいというのなら、そう難しいことではないだろう。でも、優れたアメリカン・チューンを書きたいのだとしたら、その前に不動産免許を取っておけ、と俺は言うよ。
(中略)
●あなたは膨大な数の作品を発表しており、それらは今後も残っていくわけですよね。そのことに満足を感じますか?
--君が思うのとは違う意味でね。多分、俺が捉えているよりも多少ロマンティックに捉えているだろうから、君は。
●あなたはどのように捉えているのですか?
--例えば、社会的なトピックを扱った曲は、その当時、口にして語られるべきことだった。そこで述べられていたことは、今も真実ではあるし、今後もアメリカに出来損ないの政府と無知な宗教がはびこる限り、真実であり続けるだろう。そういう意味で、俺と似た視点を持つ人々を励ます社会的機能を果たすと思うんだ。
(フランク・ザッパ 1987年/『INSPIRATION! インスピレーション』ポール・ソロ/丸山京子・訳/アミューズ・ブックス刊2001年)

また一歩/第2節 千葉戦

2008-03-16 05:04:03 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「勝つためには仕掛けて勝てるようになってかないと、やっぱり昨シーズンの成績を上回ることはできないと思いますし、そういう意味では先週できなかったことを今週やれたっていうのは、非常に大きかったんじゃないかなという風に思ってます」
Sの極み 3月15日付)

フクアリで「ジェフ千葉対清水エスパルス」。
現場で観た時には概ね清水ペースだと感じていたが、スカパーで観直してみたら前半の後半から後半の前半(要するに30分から70分ぐらい)にかけては、どう観ても“千葉の時間帯”だった。まあ余程力差がない限り、自分たちのペースで90分間ゲームができるクラブはほとんどないわけで(ましてや今日はアウエイだし、千葉のホーム開幕戦だし、千葉は負けない闘いをしたガンバ戦と打って変わってアグレッシヴだったし)、未だに決して万全とはいえない状況で、ここまで粘り強く闘い、勝ち抜いたことは高く評価できるのではないだろうか。

やけにパスミスは多発したが、弛むことのほとんどない、緊張感溢るるゲーム展開で、最終的に勝敗の分かれ目になるのは個人技ということで、開幕戦で強く指摘したように、アグレッシヴで素晴らしいミドルシュート2本がゲームを決めた。淳吾と岡ちゃん(!)のミドルは今節のベストゴール間違いなしだろう。
確かに“千葉の時間帯”はあった。ポストに助けられ、シュートシーンで連続空振りで助けられたかもしれない。しかしボールをポストに当てたら0・5点になるわけでも、シュートの空振りを20回したら1点になるわけでもない。ボールをしっかり振り抜いて、ゴールマウスにボールを叩き込んだ方が勝ちなのである。
そしてそのシュートはエゴイスティックなまでに美しい方が記憶に残る。

岡崎「淳吾さんが(左)横に走ってるのを見て、自分で行こうっていう選択が良かったというか」(Sの極み 3月15日付)

確かにゴール前の選択肢はたくさんあった方がいい。コンビネーションの熟成とはそういうものだろう。しかし「自分が撃つ(決める)」「自分が決める(撃つ)ためにはどう走るべきか」ということが、最も大事な選択肢だと思うのだ。結果だけではなく、内容としてもとても意味深い好ゲームを観られた。岡ちゃんの個人応援歌も聴けたしね。
開幕直前からの淳吾と岡ちゃんの調子の良さは確かに本物で、ホンタクや辻尾もチームのポテンシャルを下げることなく、充分戦力になることを証明した。チームの状態も先週より今週、今週よりも来週(20日)の方がいいチームになっていくであろう確信は持つことができた。
もちろん去年の12月からわかっていたことだが、ジェジンがいなくなったことで明らかに清水の戦い方は変化を余儀なくされている。しかしクラブチームの戦いは永久革命である。サポーターは好きなクラブを変えることはできないが、チームはどうしたって、嫌でも、変わり続けなければならない(もちろんベースには決して揺らぐことのないコンセプトがなければならないが)。
今日のゲームが今、また変わり始めた健太と若いチームの第一歩である。次は20日、日本平でナビスコカップ予選・FC東京戦。

それにしても何でフクアリの千葉戦は清水のイエローが多くなるのか。去年のフクアリもカードが乱れ飛ぶケンカサッカーになったわけだが、今節も不可解なイエローが4枚も出た(今回のPKも確かにシュート態勢に入った谷澤に対して淳吾が身体を併せたということなのだろうけれども、正直アレでは厳しいと思う)。フクアリでは両チームのアグレッシヴさが剥き出しになるということだろうけれども。

これで安心して原稿に突入できます。

ハ・メ

2008-03-14 23:51:56 | 素日記
昨夜から2年ぶりに烈しい歯痛に襲われ、まったく集中できないので仕事もできず、かといって眠れず、泣きながら疲れて寝る。翌朝、即抜歯。

これってどう考えてもハ・メ・マラのハだよなあ。
最初の2つが明らかに衰えて始めているのがわかる。最後のは10代維持のつもりなんですが…。

敗者復活

2008-03-13 23:09:53 | LB中洲通信2004~2010
高田馬場にあるビッグイシュー日本版東京事務所でスタッフの佐野未来さんに話を伺う。2003年に創刊、今年9月で4年目となるストリート・ペーパー。ホームレスが販売員となり、その売り上げによって自立を応援(支援)するという、日本では珍しいメディアなのである。明確な目的がありながら、施しではなく、編集も販売員も購読者も、それぞれが対等なコミュニケーションの上に成り立っているのが、まずいい。そのビッグイシュー日本も、昨年にはいよいよ基金を立ち上げ、新しい展開を見せている。
ということで、5月号でレポート予定。

たつや

2008-03-12 13:00:55 | LB中洲通信2004~2010
コの字取材で恵比寿のたつやさん。本店は朝8時から翌5時までという21時間営業で、15時に行ったのだけれども、すでに店内はほぼ満員という人気店。ご主人に話を伺っている途中、ヴェルディのプレーヤーのサインを発見したのだけれども誰だかわかんねっす。

その後、北野さんの奥さんが発見したという新大久保のコの字酒場を経由して池袋(千登里さんは休みだった…)とハシゴして終了。

ブレイク、改めPMA/第1節 大分戦

2008-03-09 21:59:13 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「ボールの動かし方というのは非常に良い動かし方したという風に思いますけど、ただ……フィニッシュがそれに比べて少なかったと。まあボール保持率というのは圧倒したという風に思いますけど、やっぱりフィニッシュが少なかったかなと。やっぱシュート打たないと入らない」

シャムスカ「守備の面で言うと、まず清水とやるときに清水の中盤から前線にかけての全ての選手のポジションチェンジっていうのがホントに多彩で、ホントにいろんなところに入ってくる。それに対してやっぱり我々は頻繁にコミュニケーションを取る必要性があったということ。(中略)そこがホントにうまく機能したと思います。それとうちの得点の時間帯もホントに理想的な時間帯に取れたと思います。(中略)まあその時間帯のタイミングもホントに完璧だったと」

枝村「まあまだ1戦終わっただけですし、あと33戦で上位に入れれば良いと思います」
(以上Sの極み 3月8日付)

土曜日は日本平で開幕戦「清水エスパルス対大分トリニータ」。
しかし、思えばフェルへのファウルをスルーされた瞬間に難しいゲームになると思った。主審の扇谷は、開幕戦の開始直後のPKはゲームの演出的によろしくない、と主観的に判断してしまったのではないか。いや、きっとそうだと思う。昨シーズンの最終節鹿島戦といい、この開幕戦といい、相変わらず主審の演出的判断には苦しまされる。その直後にウェズレイに見事なシュートを決められてしまったのだから皮肉なものである。
その後は概ね清水がゲームを支配しながらフィニッシュまでに至らず、じりじりとした展開が続く。後半開始直後にも、健太が最も懸念していたセットプレーからの失点を喫してしまい、これで大分の戦い方はより明確になる。

とにかくシュートを撃てない(撃たない)のでは何も始まらない。途中投入された枝村は低い弾道で鋭いミドルを決めてみせた。そういうことだ。とにかく撃て、それから何かが起こる。ブレイクというのはそういうことだ。多少無理目でも魂のこもったミドルを撃っていた兵働の不在を強く再認識してしまった次第。
しかし内容的にはまったく悲観的になる必要はない。ホンタク、辻尾のデビューも上々で、チームもゲームを積み重ねることで総力戦を戦い抜ける体力がついてくるだろう。
結果的には負けてしまったが、まあ開幕戦が難しくなるのはどこも同じで、鹿島を除いて川崎を含めた昨季の上位陣はすべて勝てなかった。まだまだこれから。次は15日、千葉戦。

とはいえ悔しいことは悔しいので帰りに買ったワインを飲んで、実家でフテ寝。

(追記)
去年よりもPMAのダンマクが増えていた。清水って今、KEMURIブームなんだろうか?
確かにPMA(positive mental attitude=肯定的精神姿勢)という言葉は、今の清水サポにはぴったりな言葉なんだけれども…。

(3月16日追記)
大分が今日も勝って2連勝を決めた。これが、主力の離脱によって限られた戦力の中で開幕に合わせて準備し、現時点での完成度を高めてきたシャムスカの力量ということだろう。恐るべしシャムスカ。まさかこの先、優勝戦線に残るような戦いとは思えないが残留争いには大きなアドバンテージになる。清水が圧倒的にゲームを支配しながらも負けたのも仕方がないのかもしれない(と自分を慰めてみる)。

第二章、開幕前夜

2008-03-08 00:09:45 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
これは決してジャーナリズムの世界の話ではない。狂暴で冷酷なマーケティング、ビジネスの世界の話だ。オレがここで書き連ねているような、ロマンチックで甘っちょろい「物語」などは木っ端微塵になるかもしれない。

大きな物語を否定し、日本全国に小さな物語を同時多発させることで、日本に革命的なスポーツ文化の旗を掲げたはずのJリーグは、しかし一方でマスメディアを通して「代表」というグローバルで、世界規模の大きな物語と比較され、対峙しなければならないという矛盾を孕んでいる。それは主従関係といってもいい。マスメディアの評価軸がより「大きな物語」である代表=代表選手に偏重してしまうのも、そんなわけだ。15年経っても所詮、変わらないものは何も変わらない。

しかし、やはりオレたちも、もうそろそろ「オレたちは強い」というゲーフラを掲げるべきなのだ。数年前の川崎サポのように「オレたちを認めろ」という声を挙げるべきなのだ(すっかり自他共に認める、強くなった川崎サポの彼は、明日もそのゲーフラを掲げるだろうか)。
リバイブの3年間を経た健太と若いチームが、リジョイスのために、さらにこれからどんな成長を遂げていくのか、楽しみでならない。そこには専門誌(紙)が謳い上げるわかりやすくて、薄っぺらいゴミのようなキャッチコピーを超える、骨太で本物の物語があるからだ。

ある女性が、オレの質問に胸を張ってこう答えた(今までインタビューした中でも特に感銘を受けたインタビューイのひとりだ)。
<我々がする仕事は、東京の片隅で起きていてもグローバルなコミュニケーションの中にある。>
<東京の片隅>という言葉を<静岡の片隅>と言い替えてもいい。清水で、静岡で起こる小さな物語であっても、それは確実に大きな物語へ、世界へとつながっている。マーケティングやビジネスなどという、目先の「小さな問題」ではないのだ。

明日の日本平は最高のスタジアムになるよ。
健太と若いチームのために「王者の旗」を謳おう。