土曜日は久しぶりにアウスタで
セレッソ戦。
前半早々に元紀の素晴らしいクロスから伸二のゴールが決まり、その後も清水が押し気味にゲームを進める。新加入のDFであるキャラはボランチでいきなりスタメン出場し、序盤こそ危なっかしかったが、次第に懐の深さとフィジカルの強さを見せる。セレッソのクルピ監督が「清水はフィジカル的な強さを前面に出したヨーロッパスタイル」と評したのは、おそらくキャラのプレーを指しているのではないか(そういう意味での“強さ”が際立っていたのはキャラぐらいだったような…)。一方のセレッソは同じくクルピ監督曰く「しっかりパスをつないで」というよりも、とにかくしつこくサイド(及びボランチのサイドスペース)の裏を狙う長いボールが多かったように思う。まあ、それは現時点での対清水戦の常套手段なのだから仕方がない。
それでも、清水はこの日も大宮戦のように辛抱強くディフェンスしていた。
後半セレッソの攻勢が続き、展開も膠着してきた時点でアフシンはアレックス、岩下とボールを回せるプレーヤーを投入し、残り15分の段階でクロージングに入った。この選手交代はまったく妥当ではないかと思う。
しかし問題は岩下を投入した直後に起こる。
それまでも不可解なレフリングを繰り返していた主審松尾がついにセレッソにPKを与えてしまう。
アディショナルタイムを含めて、これから約20分間はまるでジェットコースターのような展開になった。
PKを取られてしまったエディは失点後のキックオフを過ぎても目に見えて明らかに切り替えができておらず、一分後には逆転ゴールを許してしまい、すっかり
アウスタは意気消沈してしまう。しかしその3分後、トシがリーグ初ゴールとなるミドルを決めて同点。
アウスタ炎上。7分後に播戸に15分でハットトリックなる怪記録を作られ、再逆転。
アウスタも再び意気消沈。しかし後半44分に高原が魂のヘッドで同点ゴールを決める。
アウスタ発狂。
こういうときのアウスタは本当に怖い。というか、ホームチームへの猛烈な後押し感とアウエイチームへの凄まじい悪意。
歓声と怒号がゴール裏だけではなくスタジアム全体から間近のピッチへ向けて巻き起こる。ホームチームである清水のプレーヤーならばともかく、セレッソのプレーヤーはもちろんのこと(セレッソの上本はスタンドの客とやり合ったという情報もあったけれども)、この怒涛の展開のきっかけを作り、ゲームコントロールすらままならなくなった松尾には相当のプレッシャーがかかったことだろう。しかし改めて思ったのだけれども、観客がわずか1万2000人で、この雰囲気はアウスタ以外ではなかなか作れないと思う。ゲームはそのまま3-3のドローで終了。
ピッチ中央で握手が交わされている間、メインスタンド中央のオレの周辺にもAゾーンだかゴール裏だか知らないが、スタンドにいた若い衆が集まってきた。松尾と副審2人(また連中の判断も実に酷かったのだ)がスタンドに下がろうとメインスタンドに向かって歩いてきた瞬間に再び凄まじい怒号と罵声が巻き起こる。
というか、私も当然「松尾ォォォォォ!(以下略)」とは怒鳴ったんですが。いや、当然。
本当にサッカーのスタジアムというのは悪意の坩堝ですね、まったく(アウエイチームとレフリーにとっては)。
一方、もちろん結果は残念だけれども最後までファイトして同点に追いついたオレたちのプレーヤーは熱烈な拍手で迎えた。
本当にサッカーのスタジアムというのは実に爽やかなのである(ホームチームにとっては)。
今、アフシン率いる清水エスパルスは新しいサイクルの始まりとチャレンジの最中にいる。以前も書いたけれども清水のサポーターというのは、ホームで神戸に1-5でボロ負けしたって拍手を送ったのである。つまりオレたちは、そこで、それでも支えることを表明したのではないか。もちろん分析と批評は続けられるべきだと思うけれども、それは長いチャレンジの最中にいることを前提にしなければならない。0-4の3連敗で凹み、発狂する気持ちもわからないでもないけれども、目先の結果でスタッフをコロコロ変えていたらどこかの中位~下位クラブみたいになっちゃうぞ。
明日、中3日で水曜日にはアウエイで山形戦。
とんでもないスケジュールの中、アフシンとプレーヤーたちのチャレンジは続くのである。