徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

国家戦略特区マップ(第1弾・6地域)

2014-03-29 23:59:59 | News Map

■国家戦略特区の対象地域
<政府は28日、首相官邸で「国家戦略特区諮問会議」(議長・安倍晋三首相)を開き、戦略特区の対象地域に(中略)6地域を選んだ。(中略)新藤義孝総務相は会議後の会見で「地域のやる気や先進的な取り組みをする自治体を選んだ」と選定理由を語った。今回の選定から漏れた自治体についても「中身の詰まった追加提案があれば、第二弾で指定もあり得る」と述べた。>
(東京新聞2014年3月29日付 国家戦略特区に6地域 経済政策の試金石に/東京圏・関西圏・沖縄など)

中間貯蔵施設計画地図

2014-03-27 23:59:59 | News Map

■中間貯蔵施設計画
<東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、政府は26日、国の特殊会社「日本環境安全事業」(JESCO)の関連法を改正し、同社が施設の運営を担当、30年以内に福島県外で最終処分すると明記する方針を固めた。(中略)中間貯蔵示唆悦をめぐっては、候補地の双葉、大熊2町などでは、なし崩し的に最終処分地にされるとの不信感が強く、福島県は県外最終処分の法制化を強く要求していた。(中略)法制化について政府内では当初、除染について定めた放射性物質汚染対処特措法や福島復興再生特措法の改正を検討したが、法律を所管する環境省と復興庁の間で協議が難航。国が全額出資して環境省が監督するJESCOの事業目的を定めた日本環境安全事業株式会社法を改正し、県外最終処分などを明記することに方針を転換した。>
(東京新聞2014年3月27日付 福島・中間貯蔵 県外最終処分を明記/政府方針 国特殊会社が運営)

背中を押す言葉/第4節 浦和戦

2014-03-25 01:03:27 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


日曜日はスカパーでJ史上初の無観客試合(ゲーム)となった浦和戦。この注目の一戦でボランチに起用されたのは浩太でもタクでもなく、ミッドウィークのナビスコカップ予選の仙台戦で切れのある動きを見せていた六平と竹内。後半はペトロヴィッチの2枚交替で猛烈に押し込まれたとはいえ、六平はこの一週間で今後の中盤のポジション争いに名乗りを上げた(最後を決めていれば…六平のオヤジも出てきたかも)。ということで…。

無観客ゲームでなければ浦和の同点弾となった後半31分のチュンソンのラグビータックルは見逃されていただろうか(J's Goalのレポートにある通り、あれは、まさにチュンソンが「ゴールをこじ開けた」)。
無観客ゲームなければ、終盤に(関根と)原口に押し込まれまくり、PKを取られてもおかしくなかった豊の危ないファウルは見逃されただろうか。
勿論、それはわからない。わからないけれども、ゴールの歓喜もなくずっと神妙な顔つきでプレイし続けたプレーヤーと比べて、この日のゲームに「緊張感」がなかったとするならば、それはストレスフリーの飯田淳平氏だっただろう。なぜならばサポーターは、チームのチャントを歌ったり、プレーヤーを鼓舞するコールだけではなく、ピッチ上の「フェア」を強烈に求めるものなのだ。

ドローという結果は今回のようなエクストラの状況では無難な結果だったということになるのだろう。勿論“巻き込まれた”形の清水としては納得するわけにはいかないのだけれども、そんなことは浦和のプレーヤーも同じ事で、今回の件はあくまてもチームの問題ではなく、スタンドとクラブの問題である。

ある著名ブロガーによると「浦和はよくやった」のだという。彼によるとクラブのイメージも向上したらしい。差別表現の問題やスタンドの問題はそんなに簡単に払拭されるものなのか。「無関係な」プレーヤーたちにSports for PeaceのTシャツを着せて、メッセージを読み上げさせれば済む話ではない(何故清水のプレーヤーにも呼びかけなかったのか…まったく)。
報道を見る限り「無観客」ばかりに注目が集まり、プレーヤーの神妙なコメントを引用して幕引きに仕立て上げる報道も少なくない。しかし現時点で浦和は全カテゴリでの横断幕、旗の使用を無期限自粛、ゴール裏の全席指定席化も言及している。これは問題がまったく収拾しておらず、見通しが付いていないと見るのが正しいだろう。
しかし本当にプレーヤーは無関係なのか。この問題にはコアサポーターグループの根深い「嫌韓意識」があることは当初から指摘されてきたし、「Japanese only」のダンマク以前に、クラブの調査でもそれは具体的に触れていたはずだ。これはチュンソンが結果を出せばいいだけという話ではないだろう。
また浦和で噴出した問題が他クラブと無縁とは思えない。2ちゃんねるのドメサカ板のようなネット掲示板では、10年前と変わらず差別的な言葉が日常的に使用され、サポーター同士の「挑発」を超えたヘイトスピーチが繰り返されている。それは決してスタンドで既得権を叫ぶ強面の兄ちゃんばかりでなく、普通の人々の間で交わされている。

今回の無観客ゲームに対して、清水のフロントは、IAI日本平スタジアムを開放し、自主的にパブリックビューイングを開催した。PVの開催費用に関して浦和フロントから負担の申し出があったそうだが、浦和に対する今回の処分による全体の負担を考慮し断わったという。
清水というクラブも、昨シーズンはフロントとサポーターの衝突が続いた。去年の今頃など、大敗が続き、そのたびに選手バスが囲まれ、監督と強化部長が直接説明に追われるなど、その関係は最悪に近い状況だった。また秋の静岡ダービーでの一件で、フロントは大量のコアを出禁処分にし、スタンドでのダンマク掲示禁止の処分さえ下した。個人的にはまったく処分は理不尽だと思ったし、トラブルの経緯は納得できるものではなかったし、これは春のトラブルに対するフロントの意趣返しだとすら感じた。
オレは今でもサポーターはフロントに管理されるべきではないと思うけれども、それでもやはり信頼関係は必要だろう。
この日のゲームのハーフタイムには日本平で声を上げ続けるサポーターの様子がプレーヤーたちに伝えられたという。
今回のようなエクストラな状況で、サポーターの信頼を得た清水フロントの措置は、それこそ、「よくやった」と思うのだ。
「Japanese only」のような問題が起こった時、徹底管理ーー横断幕を全面禁止し、全席指定席にすることが正しいやり方とは思えない。「それ」が起きてしまった時、必要なのはフロントの毅然とした適切な対処であり、決してマニュアルで対応する管理ではないと思うのだ。

サポーターがピッチ上のフェアを要求するように、一人ひとりが勇気を持ってスタンド内の「フェア」をも強く要求するようになれば素晴らしい。
その背中を押してくれるのは、やはり、結局は明快で、力強い、こんな「言葉」なのだ。

<まず、今回何が起こったかについて話をしなくてはいけないと思います。人種差別というものは、パスポートも何もあったものではなく、社会の病気だと思っています。それが次の世代へ、親から子へと移っていっていると思います。我々にはサッカーという美しいゲームがあります。この美しいものに色はなく、すべての国際色を持っているものです。(中略)人と人には違いがあり、だからこそ世界というものは美しい場所であると思っています。私がサッカーを始めたころ、サッカーボールは白と黒でした。今、我々が使っているボールには様々な色が使われています。エスパルスには9カ国の国籍の人たちがいます。カナダ、韓国、スロベニア、オランダ、スタッフにはドイツ人、ブラジル人、そして、私はもうどこから来たのか分かりません(笑)。(中略)今日の試合を楽しむことはできませんでした。ファンがいなかったから楽しめませんでした。声がなく、美しいオレンジ、美しい赤の戦いがありませんでした。内容に関しては良い時間帯と悪い時間帯がありましたが、それはファンから得られるパワーやエネルギーが足りなかったからだと思います。無観客試合になるのは、これが最後になることを願っています。1つになっていきましょう。>(アフシン・ゴトビ/J's GOAL 3月23日付

このゲームの両監督が雄弁な外国人監督だったのは象徴的だった。
ちなみにアフシンと浦和のペトロヴィッチ監督は、ゲームに関しては毎回子供っぽい「挑発」を繰り返す。それが差別でも、単なる罵倒でもなく、実に「フットボール的」なのは言うまでもない。
アフシンが「楽しくなかった」というのは、比喩でも何でもなく、本音だっただろうと思う。

中国の少数民族抵抗運動マップ

2014-03-24 23:59:59 | News Map

■少数民族の分布


■中国の少数民族問題をめぐる主な動き
<中国で少数民族の抵抗運動がやまない。漢族と55民族からなるこの多民族国家は「民族は平等であり、国家は少数民族の権利と利益を保障する」と憲法に明記、中国政府は「世界で最も成功した民族政策」と胸を張る。だが根強い抵抗運動は、建前と実態の間に大きな乖離があることを雄弁に物語っている。(中略)まずは中国の民族の概況を見ておこう。最大多数の漢族は12億2500万人で、人口の90%以上を占める。少数民族はチワン族の1690万人を筆頭に回族、満州族、ウイグル族と1000万人を超える民族が4つあり、人口の絶対数が少ないわけではない。しかも少数民族の居住地は中国全土の64%に及ぶ。少数民族の中で抵抗運動が際立つのはチベットとウイグル、モンゴルの各民族だ。いずれも固有の言語や文化、生活様式、宗教に基づく世界観を保持することが、中華世界の価値観と衝突する要因となっている。>
<89年の天安門事件、それに続く冷戦終結で世界の枠組みは激変し、ソ連崩壊や中央アジア諸国の独立、モンゴルの民主化などが、中国の少数民族の権利意識を大きく刺激する。また改革開放の結果、沿岸地域が豊かになる一方で、少数民族が住む辺境地域との格差が拡大。不満が一層募っていく。80年代以降、少数民族の抵抗運動やデモが相次いだのはこうした背景がある。(中略)力による制圧は運動の過激化を招く。88年にチベット独立を放棄し「高度な自治」を目指す方向に舵を切ったチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世に対し、独立を求める「チベット青年会議」が反発。近年のチベット族の騒乱は急進派主導とみられ、内部で亀裂が深まる。新疆ウイグル自治区では90年代、独立派組織「東トルキスタン・イスラム運動」の襲撃が頻発した。ところが2001年の米中枢同時テロ後、中国はイスラム教徒のウイグル族の抵抗運動一掃を国際的反テロ戦の一環と位置づけ、ウイグル族の孤立化を図る。昨年6月、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席は本紙に「問題の平和解決の道は閉ざされた」と切羽詰った現状を訴えた。>
(東京新聞2014年3月24日付 ニュースがわかるA to Z 中国の少数民族抵抗運動/中華の価値観と衝突/不満封じ込めに強硬策)

クリミア半島ウクライナ軍施設占拠マップ/ウクライナ軍事介入問題

2014-03-24 23:59:59 | News Map

■ロシア軍に支配されたウクライナ軍施設
<ウクライナ南部クリミア半島のセバストポリで19日、親ロシア派の数百人が、ウクライナ海軍施設に侵入し、施設の一部を占拠した。(中略)親ロシア派は近くで集会を開いた後、壁を壊して施設内に入り、ウクライナ国旗を降ろして、ロシア国旗を掲げた。ウクライナ軍側はバリケードを築いて対抗したが、住民らが武装していなかったため、銃撃などはしなかった。その後、ロシア軍関係者が施設を訪れ、交渉の結果、ウクライナ兵士約30人が施設を出たという。>
(東京新聞2014年3月20日付 クリミア半島 親ロ派 海軍施設占拠/ウクライナ、銃撃せず)


<ウクライナのメディアによると、ベルベク空軍基地の制圧により、クリミア半島内のウクライナ軍主要軍事施設はロシア側にほぼ制圧された。ロシア国防省は23日、クリミア半島の189のウクライナ軍施設で、ロシア国旗が掲げられたと明らかにした。(中略)ロシアがクリミア半島に軍事介入して以来、約3週間で半島全域を軍事的に支配化に置いたことになる。>
(東京新聞2014年3月24日付 ロシア軍 半島の軍事施設掌握/クリミア 空軍基地を制圧)

番組史上最も真剣に観覧を希望した人たち/ANTIFAアルタ裏抗議(3.21)

2014-03-21 22:13:46 | News


20日の昼過ぎからTLにある情報が流れ始める。
翌日、春分の日に生放送される「笑っていいとも!」のトークゲストとして安倍晋三首相が出演する。
この日「笑っていいとも!」にゲスト出演していたのは小沢健二。「オザケンの野郎!」と呪詛のツイートが飛び出す。その家系には芸術の血だけではなく、重厚な思想的バックグラウンドもあり、今なお圧倒的富裕層であるオザケン。90年代に日本で音楽を聴いて来たのならば、その影響は避けては通れない男のひとりだが、よりによって安倍を紹介しやがったのか。

というのは勘違いで、現在の「笑っていいとも!」のお友達紹介システムというのは、以前ような出演者当人の紹介制ではなく、番組が選んでいるらしい(しかも長い番組の歴史からしても、まったく最近の話だ)。もはや「友達の友達はみな友達だ、世界に広げよう友達の輪!」ではなく、臆面もなく局の都合で「輪」は決められてしまう。何とも世知辛い番組である(だから終わる、たぶん)。
その「裏側」は直後からネットに流れ、それはそれで納得いった。NHKのみならず民放からも「反安倍政権」の解説・コメンテーターが排除され、政権寄りのメディア体制ができつつあると報道されたばかりだが、それがフジテレビだったとしても、今更としかいいようがない。

普段よりも視聴者が増えるであろう祝日に、今月グランドフィナーレを迎える「国民的バラエティ番組」に、祝日とはいえ国会会期中に現役首相が出演するわけである。良くも悪くも、このタイミングに目ざとさを感じる人は多かっただろう。好感を持って迎えた人ばかりではない。現在、首相の支持率は50%を前後している程度である。少なくとも日本人の半分は安倍政権を支持しているわけではないのだ。
そして国民の「半分」の不支持のひとりであるオレにとって、フジテレビはともかく、「笑っていいとも!」はともかく、タモリはともかく、問題は安倍と直接対峙、である。

思えば3.11以降の直接行動は突発的なリアクションの連続であったと思う。
勿論デモンストレーションの多くはスケジュールに組み込まれたものであったものの、2011年秋以降は半ばフラッシュモブ的な、突発的なアクションも少なくなかった。一部で今回と同じように語られた、2011年12月17日の新橋駅前SL広場で行われる予定だった野田佳彦首相(当時)の街宣もそうだったし(金正日死去で急遽中止にされた)、その流れは2012年6月から7月にかけて首相官邸前で高揚した再稼動反対運動にも繋がっている。
現在も金曜日の首相官邸前抗議は続いている。
しかし安倍首相は、首相を名乗りながらいまだに首相公邸の住民ではない。
“そこ”にいなければ、姿を現す“その”場所に行くまでである。
しかも“その”場所は、平日とはいえ真昼間に全国放送で告知されたわけだ。19時から20時にかけて個人レベルでアルタ参戦を表明する者が現れ、TOKYO DEMOCRACY CREW(@TOKYO DEMOCRACY)がプラカードデザインを作成して煽る形で、当日深夜になって、行動を疑問視する者、諌める者も含めてTLは久々に沸騰した。
このスピード感には2011年の瞬発力の記憶が蘇った。

当日、11時過ぎに新宿に着いた。
11時前後にはゲストはスタジオ入りするという情報もあったが、さすがに首相がそんな時間にスタジオ入りするとは思えない。喫煙所で情報交換しながらタイミングを待つ。アルタ正面の東口公園に集合している人たちも少なくなかったようだったが、警備が集中していたアルタ裏口へ向かう。すでに抗議とは知らない人たちも含めて50人ほどは集まっていただろうか。間もなく抗議場所を巡って警備と激しくやり合う。
わけもわからずその場にいた人も少なくないようで、あれほど注目のニュースになっていたにも関わらず、この日の「ゲスト」を知らない人もいた。世間とはそういうものである。
最後まで場所を動かず残っていたオレたちが警備によって3、4メートルほど後退させられると、「安倍辞めろ」「再稼動反対」「ファシスト帰れ」といったシュプレヒコールが断続的に巻き起こる。2011年と違ってイシューはそれぞれだが、状況は違っても目的はひとつだ。
懸念されていた“小旗”の人たちもネトウヨの姿はなかった。ただ、いかにも柔道部出身といった感じの、頬の赤い、従順そうな、そして融通がまったく利かなさそうな若い警官数人が目の前に立っていた。
正午を20分ほど過ぎた頃、意外にも安倍首相は歩いて関係者入口に向かってきた。状況は一瞬だけ沸騰する。
そして再び彼が姿を現す20分か30分ほどの間、途切れなくシュプレヒコールは続いた。

出演が終了した安倍首相が、アルタの裏口を出て靖国通りに停めている公用車に向かう間、オレは並行した裏道を走った。
靖国通りは思ったほどの警備体制ではなかったけれども、当然のように、すでに人だかりが出来ていて、まったく近づくことができなかった。その人だかりは、ほんの1ブロック先で激しく怒りをぶつけていたプロテスターの集団ではなく、まったく、「テレビで顔を見たことのある人の姿」を見たことを嬉しそうに語る人たちだった。
プロテスターの怒りに直面して少し顔を強張らせた安倍は、その無邪気に触れて上機嫌で帰って行ったことだろう。
しかし、また、これからが始まりだ。そうなって欲しいと思う。

夕方は「人種差別撤廃のための渋谷デモ」で渋谷の街を久しぶりに歩いた。
今日、3月21日は国際人種差別撤廃デーである。昨年12月のネルソン・マンデラの死去に際して安倍首相は「信念の人」と追悼したわけだが、この日、一瞬でも彼に思いを馳せただろうか。
明日は全世界でこの日に合わせたアクションが行われる。

両者イエローカードの行方/排外デモカウンター行動(3.16)

2014-03-19 23:30:05 | News
13日、浦和レッズの「Japanese only」問題に対して、リーグは初の無観客試合の処分を下した。
その週末の日曜日、池袋では「春のザイトク祭りReturn~勇気をもって日韓断交。叫ぼう」なるヘイトデモが行われた。

豊島公会堂前の公園にも到着した時には、すでに多くのカウンターが集結し、時折通り過ぎるレイシストや公会堂のロビーに顔を表すレイシストに罵声を浴びせかける。公会堂内ではヘイトデモに先駆けて、「3.16秘密保護法の活用と発展を目指す国民集会」という、意味不明な集会が開催されていた。
そしてカウンター側も、久々にC.R.A.C.や男組といった主要カウンターグループが大規模行動を呼びかけていた。年明けにも板橋区・大山でのヘイト街宣に対するカウンターが合同で行われたが、ここまでの規模は昨年の9.8以来だろうか。
デモのスタートは16時30分。15時を過ぎたあたりからカウンターは公園から離れ、デモの「出口」となる明治通り周辺に集結し始める。

お馴染みのプラカード、ダンマクに加え、レッズの差別事件を受けて、ACLで横浜Fマリノスサポーターが掲げた「Show Racism the Red Card」の文言や「STOP RACISM NOW」と謳ったゲートフラッグが登場した。また、その中にはレッズのマフラーを手にしたカウンターも何人か見られた。
「Japanese only」問題発覚後の一週間は、ほぼこの話題で埋め尽くされ、Jリーグ、浦和レッズの当事者のみならず、多くのサポーターもこの問題に素早く反応した。その直後に行われたヘイトデモに対して、この問題が反映されないわけがない。皮肉にも昨年春以降から今までの間で、メディアがもっとも具体的に、「差別」について時間を費やした一週間だったともいえる(勿論、今回のデモでレイシストたちはここぞとばかりに「~only」のプラカードを何枚も掲げた)。
一般的には、一方の当事者であるはずのチュンソンが前面にフィーチャーされることもなく、当事者(被害者)がいるのかいないのか、よくわからないまま、「(差別)言葉の問題」で終始してしまった感も否めないのだけれども、それでもいまだにヘイトスピーチにピンとこない日本においては珍しく「差別」について語られる一週間であったことは間違いがない。

100~120名ほどのレイシストたちは、スタート前に豊島公会堂前に勢ぞろいすると、デモタイトル通り、「日韓国交断絶しよう」なる巨大なダンマクを掲げ、公園に残っていたカウンターに誇示し、挑発を繰り返した(この醜悪な光景を豊島区役所は見ていただろうか)。目の前にはバリケードに加え、二重、三重の機動隊員がレイシストを守る。そして在特会の親玉である高田誠を先頭に、奇声を上げながらレイシストの「パレード」はスタートした。
カウンターは歩道を埋め尽くし、レイシスト共を追走する。

今回は良くも悪くも追走が比較的容易だったこともあり、所々で歩道のカウンターと機動隊の揉み合いが続く。その姿を見て、またレイシストはカウンターを挑発する。珍しくカウンターに詰め寄るレイシストもいたようだ。ある者はカウンターの胸ぐらに掴みかかり、ある者(オサム)はカウンターの腹を殴る。デモの帰り際に近くにいた警備に対して「今日、奴ら挑発しすぎじゃないですか?」と訊ねると、「警察がいるから」と答えた。
それでも正式にデモ申請し、公安委員会の許可を得たレイシストのパレードは止まらない。彼らがそのことで逮捕されることはない。なぜなら許可を得たデモは必ず実施させる。これは何が何でも、だ。
ちなみにこの日、レイシストからではなく、高田の側にずっと寄り添っていた警備から、止める振りをして膝蹴りを入れられそうになったのだが、それはそれとして、このところのデモ警備には目に余るものがある。

ヘイトデモの警備とは、両者に対してイエローカードを手にしたレフリーである。カウンターには常にカードが突きつけられているといってもいいだろう。デモ中のレイシストには形ばかりのカードが掲示されている(体面上)。
挑発行為は許さない。報復行為も許さない。そしてカードを出す準備はいつでもある。それがデモの現場で警備というレフリーがカウンターに対するスタンスだ。
しかし自ら中立を自称する、「どっちもどっち」なレフリーこそ徹底的にフェアでなければならない。
カウンターに対して胸ぐらを掴んだレイシストを引き離そうとした人はコートのボタンが引きちぎられた。それを警備に訴えたところ、「この程度では逮捕できない」と言ったという。しかし一方では「ボタンが取れた」とレイシストが騒いだだけで逮捕されたカウンターがいる。
何なのだろう、このアンフェアは。

サッカーの世界には「プロフェッショナルファウル」という言葉がある。これは、失点確実な局面であえてカード覚悟で相手を止めに行くプレイを指す。
アンフェアな状況の中でのカウンター行動というのは、やはりこのプロフェッショナルファウルに近い行動なのだと、つくづく思う。
(勿論プラカードやダンマクを掲げて抗議の意志を示すぶんには何の問題もありません)

https://twitter.com/gonoi/status/445232972174594048
<激昂してカウンター側の男性の胸ぐらを掴むレイシスト。さすがに直接暴力だったので、警察とともに彼を引き剥がしていたら私のコートのボタンがちぎれた。これは普通にまずいんじゃないですかと警察の方に聞くと、この程度では逮捕できないとのこと。 pic.twitter.com/N6jTrDZXhn >

福島県原発関連死地図(2013年度)

2014-03-10 23:59:59 | News Map

■原発関連死のあった福島県の自治体
<東京電略福島第一原発事故に伴う避難で体調が悪化し死亡した事例などを、本紙が独自に「原発関連死」と定義し、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも1048人に上ることが分かった。昨年3月の調査では789人で、この一年間で259人増えた。事故から3年がたっても被害は拡大し続けている。>
(東京新聞2014年3月10日付 原発関連死1000人超す/福島、1年で259人増 避難長期化続く被害 本紙集計)

オレたちに世界を体感させるもの/「JAPANESE ONLY」問題

2014-03-10 22:09:37 | Sports/Football
何を通して「世界」を見るか。
本であったり、音楽であったり、演劇であったり、映画であったり、アートであったり。それがサッカーのようなスポーツである人も多いだろう。当然のことながら、世界を見つめる“接点”が多ければ多いほどオレたちの「世界」は拡がり、よりクリアに見えてくる。見えるというのは大げさかもしれないけれども、少なくともオレたちは世界を意識する。
思考に言葉のハードルはあっても国境のハードルはない。
オレたちがサッカーで見ているものは「世界」の豊かさだ。

「JAPANESE ONLY」問題。
すでに開幕戦で特定のプレーヤーに対して人種差別的なブーイングが起きたという話も出回っていた。土曜日は日本平に行って負けてヤケ酒を呑んでいたので、それどころじゃなかったのだが、日付に変わったあたりで事件を伝えるニュースを目にした。
「JAPANESE ONLY」という横断幕が意味するものはレイシズム以外にないのは多くの記事やブログで指摘されている通りだし、世界中のメディアに拡散されている現状では、この件に関していくら言い繕っても無駄としか言いようがない。10日の報道ではダンマクの提出者は浦和フロントの聞き取り調査に対して「差別の意図はない」と答えているようだが(またメディアでは、ヘイトスピーチ擁護とも取れるような様々な“意訳”を交えて報道しているが)、日本の、そして世界中のレイシストが使う、この言葉を選んだ時点でアウトなのだ。
すでにレイシズムを監視する市民の会によって、Jリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)宛てた、<差別的横断幕 "JAPANESE ONLY" を出したサポーターおよびこれを放置した浦和レッドダイヤモンズ株式会社に対する断固たる処置を求める署名>も行われている。これはJリーグの中の話だけでは済まない。

JAPANESE ONLY(『オシムの伝言』公式ブログ)
「外国人お断り」-浦和レッズのゴール裏に差別主義横断幕(清義明/連載.jp)

Jではアジア枠が設けられているように、アジア系のプレーヤー、特に日中と共に東北アジアの3強リーグである韓国出身プレーヤーの獲得、起用はもはや特別なものではない。むしろ外国人枠3名とは別に有望な“外国人”が取れるのだから、多くのクラブはこれを有効活用するし、ほとんどのサポーターもそれを歓迎する(たぶん)。スタジアムレベルでは、Jリーグは少なくとも人種差別的な行為は皆無で、健全なリーグだと言える。
しかしJサポのアングラサイトでもある2ちゃんねるのドメサカ板では、半島出身者や在日を獲得すると必ず揶揄する書き込みが現れる。エスパルスならば「チョンパルス」といった具合に。主催者の系列団体に問題があったとはいえ、健太体制時代に韓国で開催されたピースカップに参加したときも中傷が酷かった。さすがにネトウヨの巣窟である。サポの文化(ネタ化)の少なくない部分は2ちゃんねる経由で行われ、熟成される。2ちゃんねるの最大勢力のひとつであり、現実にも決して“アジア枠”を使おうとしなかったレッズの姿勢は少々特殊ではあった。

月刊浦和レッズマガジン3月号に掲載されている「浦和ウルトラ師弟問答」なる企画で、URAWA BOYSの元リーダーである相良純真氏が、こうコメントしている。
<浦和のウルトラは韓国が嫌いだからね。ウチの歴史にはないことだから、最初はいろいろな反応が渦巻くと思う。昔はチョウ(・キジェ)さんがいたけれど、今ほど嫌韓の雰囲気はなかったからね。クラブのスタッフが本人には伝えているそうだけど、本人が相当の覚悟を持って浦和に来ていることは僕も感じるんだよね。そういう選手に対して、僕は頭ごなしに『でもダメだ』とは思えない。>
問題は「クラブのスタッフが本人には伝えている」という部分だ。これはクラブがレイシストの存在を明らかに認めているということだろう。ダンマク提出者の責任やコアサポ周辺の問題だけではなく、フロントがレイシストを看過してきたと言わざるを得ないのではないか。
浦和レッズやJリーグが国内完結型の方向性を持っているならともかく、出自を理由にした排除を求めるレイシズムは、サッカーというスポーツとJリーグのベクトルとは明らかに真逆なのだから、リーグやクラブの処分は適正に行われることを求めたい。

まあ、しかし正直なところ、浦和のフロントやリーグがどのような「処分」を下すのかは現時点では疑問ではある。
去年の清水エスパルスに対するサポーターの軟禁事件、選手バス襲撃事件に対するリーグ、フロントの処分は激甘だったという印象は否めない。さらに「差別事案」といえば、2011年5月のゴトビ核爆弾横断幕事件でのリーグの見解はあまりにも甘かった。浦和フロントは勿論、これまでトラブルに対するリーグの姿勢はほとんど事なかれ主義に近いものだったと言える。それはいかにも「差別に無自覚」な日本らしい立ち振る舞いだった。今回の件に関しても、リーグは「どのようなものであるかは分からないが、万一差別的行為であるならば看過はできない」とコメントしている。「どのようなものであるかは分からないが」ではない。レイシストのメッセージは明らかろう。
これはホームタウン、サポーターといった言葉で、これまで20年に渡ってサッカーを通して日本人の意識に変革を起こしてきたはずのJの理念に反するものといわざるを得ない。
ヘイト行為は一瞬にして多くの人を傷つける。そして残念ながら、「差別の意図はなかった」と安易に言い訳して取り下げることができる。ヘイトダンマクは簡単に降ろすことができるのだ(実際には信じられないことにゲーム終了まで降ろされなかったらしいが…)。実に簡単な話だ。
でも“そのダンマク”を降ろせば話は終わるのか。

日曜日には、またひとつサポーターの行動について残念なニュースがあった。千葉サポーターがゲームに勝ったにもかかわらず、また唯一の得点を挙げたプレーヤーにも関わらず、そのプレーヤーが「ライバルクラブからの期限付き移籍」というだけで、ライバルクラブを中傷するタオルマフラーを手渡してゴール裏でスピーチさせたという事件だ(また悪いことにチームカラーが同色なのだ)。
何て陰湿で、残酷なんだろう。何て男らしくないんだろうと思う。

勿論ゴール裏同士を口汚く罵り、煽り合うことはサポーターの習い性で、ある意味でエンタテイメントとも言える。
そんな煽り合いにも“社会”のルールはある。オレたちはサッカーを通して世界を、そしてオレたちが生きている社会(コミュニティ)を体感する。これは出自や年齢、性別を超えて、自分の愛するクラブの勝利のみを願い、サポートすることを共有する、シングルイシューの社会だ。それを逸脱するような行為は許されるべきではないだろう。そんなものを“相手”として認められるだろうか。
オレたちがスタジアムで争うのはサッカーへの理解、自分たちのクラブへの愛情の深さと熱さだ。
浦和レッズは、10年前の2004年に優勝したというだけで「サポーターだけ」を特集した前代未聞のMOOKが作られるようなクラブだ。こんなクラブは今のところレッズ以外、日本にない。愛情の深さも熱さも認めざるを得ない。
しかし、こんな事件はあまりにもセコ過ぎて、なんて男らしくないんだろうと思う。
そして、こんなことを繰り返すのは、レッズだけではなく、サッカーへの裏切り行為とも言えるものだ。ダンマク首謀者の“彼”は誰と、何を戦っているのか。
最後に、ある浦和サポーターの言葉を引用する。

<僕は、最後まで、サッカーに対してだけは裏切っちゃいけない、と固く誓っている。なぜならば、サッカーは僕のことを決して裏切らないからなんです。>

ヘイトダンマクは降ろされても、サッカーは一生続く。スタジアムのヘイト問題は適正な処分が下ることを願うし、サッカーに興味のない人たちや去年一年ヘイトスピーチと闘ってきた人たちにまでロックオンされてしまった以上は、これまでのような処分では済まされないことは確実だろう。
次の浦和のホームゲームはオレたち、清水戦である。今回の件で心を痛め、署名活動などに動いている浦和サポーターの皆さんには申し訳ないが、オレたちは違うところを見せてやろうぜ(やっぱし煽っておく)。

つまらない連中に四角四面に仕切られる前に、煽り合いながら一緒に前に進むんだよ。



サッカーとレイシズムの問題については、昨年7月に清義明さん主催のイベントが行われたので、こちらも参考に。
挑発と憎悪/サッカーと愛国-フットボールvsレイシズム-(1)
「憎悪」だけでサッカーは楽しめるのか/サッカーと愛国-フットボールvsレイシズム-(2)

【追記】
(当事者ブログ)サガン鳥栖戦における埼スタゴール裏ゲートでの人種差別的弾幕について。(「想像力はベッドルームと路上から」2014年3月9日付)
史上初の勝ち点剥奪か無観客試合 浦和にJが厳罰検討(中日スポーツ 2014年3月12日付)
横断幕 村井チェアマン「差別と認識」(デイリースポーツ 2004年3月12日付)

五野井郁夫 サッカーファンの名誉を挽回する(上)――人種差別に立ち向かった浦和レッズのサポーターたち(WEB RONZA 2014年03月21日)
五野井郁夫 サッカーファンの名誉を挽回する(下)――スポーツが持つ自浄能力(WEB RONZA 2014年03月22日)

横浜のゲーム/第2節 横浜FM戦

2014-03-10 01:16:46 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


土曜日は日本平でホーム開幕戦、横浜Fマリノス戦
大チャンスの後にあっさりカウンターを決められて、横浜にだらだらとスカされて、逃げ切られたという展開。終盤に怒涛の攻防があったとはいえ、 確かにACLを含めた連戦を控えている横浜に「流された」と言ってしまっても仕方がない展開ではある。樋口監督のコメントにもあるスカウティング、早めの先制点で容易になったゲームコントロールという意味では、どこをどう見ても横浜のゲームだったことは間違いがない。ホーム開幕戦なのに。

アブシンが全幅の信頼を置いているプレーヤーとはいえ大輔と浩太を組ませるとこうなるのも仕方がないとか、駿が中途半端にポストに徹していたのを見るにつけ、前半のうちにもっとシンプルに長いボールを試してみるのもいいんじゃないかとは思った。「ハイタワー」がまだ絶対的に機能する武器でない今、もっとチャレンジしてほしかったと思う。トシや村田の機動力やスピードも、その大きな展開の中で活きてくるだろう。
まあ、その中でも元紀は相変わらず高いテンションで自分の能力を発揮し続けるプレーヤーだと改めて思った。

そして指摘したいのはレフリーの問題である。
開幕前に出回った良記事<古参マリノスサポーターの「長く続けるサポ講座(全11回)」>では、レフリングに関しては「審判を理解する」としているのだが、こればかりは納得できない。負けたから言うわけてまはないが、今回は改めてレフリーについて書いておく。
レフリーというのは、要するに「どっちもどっち」の人である。彼らは、味方と敵しかいないスタジアムのビッチの中で、公平中立でなければならない存在である。その立場には同情するとはいえ、オレは彼らには公平中立であることに厳しく要求する。
プレーヤーは文句を言えないのだから(それ自体、カードを貰いかねないのだから表立って批判はできない)、“12番目のプレーヤー”はもっと文句を言うべきだと思うのだ。
この日、ゲームを担当した中村さんにもオレは要求した。ゲーム後だって文句を言った。俊輔にFK蹴らせたいからファウル取ってんのか、このヤローてな具合に。
終ってしまえばこれもエンタテイメントの一部で、「審判を理解する(楽しむ)」も理解できなくもないのだけれども、ゲームのフェアネスを保つためにも、やはりスタンドはしっかり要求した方がいいのではないかと思う。

この流れならば発狂寸前にヒートアップするのが日本平というスタジアムだったはずなのだが、開幕戦でありながら、ピッチに対してスタンドの圧力がいまいち感じられなかったのもちと残念だった(Aゾーンの野次オヤジ軍団は今年も健在だった…)。
大量の出禁者を出した去年のアウエイダービーの一件から、去年までゴール裏を引っ張ってきた2000年代以降のコアはどういう変化をしていくのだろうか。
次は15日、アウエイでセレッソ“フォルラン”大阪戦。

レッズの差別的弾幕の件は改めて。

3年経つということ/NO NUKES DAY 原発ゼロ★大統一行動&Peace On Earth

2014-03-10 00:21:34 | News


0309NO NUKES DAY 原発ゼロ★大統一行動の請願デモに参加した後、Peace On Earthが行われている日比谷公園へ向かった。
公園のステージ前に着いたとき、ちょうどBRAHMANのステージが始まろうとしていた。とりあえず、できるだけ前に進む。

最後の一曲を前に、TOSHI-LOWの“最後の長いMC”が始まった。
3年経って、オレは変わったのか? オレは成長したのか?日本の社会は変わるのか? 原発は止まるのか?
TOSHI-LOWは言う。SUGIZOがハイスタの曲をやったり、楽屋に教授がいて談笑している。楽屋では3年前には想像もできなかったことが起きている。これが3年経ったということ。3年経って、これが“最後”ではなく、ここからまたスタートですること。ステージ、ステージ脇、そしてステージの前に集まって支えてくれた人たちがいたこと。
3年後に何らかの結果を求めるよりも、3年という月日が過ぎて、3.11前には思いもよらなかった関係が生まれていたことの方が余程重要なことだろうと思う。



3.11を風化させないためと言い、被災者に聴いてもいないラジオを聴かせてドキュメンタリーを作った演出家がいる。風化はなぜ起こるのか。演出家は風化させないためと言って、よりわかりやすく、聴いてもいないラジオを聴かせて被災者への共感と感動を演出するわけだが、それは被災者を固定化させる予定調和に過ぎない。
「風化を防ぐ」というのならば、共感や感動を演出してフィルムに刻み込むよりも、どうしたって変わり続ける、今を伝え続けるしかない。

誰だって変わらないわけがないのだ。オレも3年前と同じように、請願デモの最後尾で歩いたけれども、そこでは3年前と違う風景が見え、年月が経ったことを実感させた。何が変わって、何が変わらなかったのか。そんなことを考えながら歩いた。
3.11以降、反原発からいくつかのイシューが生まれ、いくつもの新しい関係が生まれた。それは3年前には考えられないことだった。いくつものイシューと関係を積み重ねながら、この日のデモを歩きながら見えてきた風景は、2014年の「3.11」としか言えないものだったと思う。たとえ「変わった」としても、しかし、それは風化とは違う。

ます、あれから3年経った、そのことを噛み締めている人には見えているはずだ。
今、立ち向かうべき先は見えている。



BRAHMANのライブが終った後、彼らのタオルマフラーを求める人たちの長い列ができていた。それが反原発や被災地復興のためのデモの隊列につながっていくことを想像した。そうなってくれたら嬉しい。

新冷戦危機/ウクライナ軍事介入問題(2014年2月20日~)

2014-03-06 23:59:59 | News Map

■ウクライナ反政権デモの流れ(2013年11月21日~2014年2月18日)
<野党勢力は昨年11月のデモ開始以降、市中心の独立広場に土のうなどでバリケードを築き、活動の拠点としてきた。政権は18日の衝突で警官が銃撃を受けて死亡したことなどを受け、デモ隊の排除に着手。装甲車や放水車を動員し、19日朝までに広場の半分程度を制圧し、デモ隊とのにらみ合いを続けている。政権の実力行使に野党勢力は反発。野党「ウダル」のクリチコ党首は「ここは自由の国だ。守らなければいけない」と抗戦を呼びかけたほか、野党第一党「連合野党・祖国」幹部のヤツェニュク氏は警官隊を撤収させない限り、ヤヌコビッチ大統領とは対話しないと姿勢を硬化させた。大統領は野党勢力が武力闘争を呼びかけていると非難。デモ隊にいる極右過激派が広場に銃器を持ち込んでいると指摘し「犯罪者」は司法の裁きを受けるべきだと訴えた。(中略)反省家インデモは、昨年11月に大統領が欧州連合(EU)との関係を強化する連合協定の署名を見送ったのが発端。>
(東京新聞2014年2月20日付 政権、首都に軍投入へ ウクライナ、衝突激化も)


■ウクライナでの反省権デモ活発化の経緯(1991年~2014年2月20日)
<野党連合・祖国、ウダル、自由の野党三党を中心としたデモ隊は首都キエフ中心の独立広場を占拠。12月1日以降は周辺の数棟の政府庁舎も占拠し、大統領の退陣や選挙の早期実施、大統領権限を縮小する憲法改正などを求めた。最大規模だった昨年12月のデモには30万人もの市民が参加したとされる広範な支持のの背景には(中略)政権の汚職体質への怒りがある。(中略)武力での政権打倒を公言する極右連合組織「右派セクター」が野党の統制を受け入れずに闘争を過激化させていることも手伝い暴力が拡大している。>(東京新聞2014年2月22日付 ウクライナ消えぬ分裂危機/対立の発端 ロシア、EU綱引き/暴力の拡大 統制きかず過激化/今後の展望 欧米が介入を強化)


■ウクライナの政治情勢
<ヤヌコビッチ大統領の即時退陣を求めるウクライナの反政府デモ隊は22日、実力行使を続け、首都キエフの大統領府など政権中枢
の施設を掌握。中央で政権を崩壊に追い込んでいる。ヤヌコビッチ氏は22日に入ってから、公式の場に姿を現していないが、辞任を否定する発言が地元テレビで伝えられた。地盤の国内東部を拠点に大統領派が巻き返しを図れば、依然として内戦や国家分裂の恐れは残る>>(東京新聞2014年2月23日付 ウクライナ緊迫 大統領抵抗なら泥沼化/大統領府に市民続々と「国分裂を防ぐ必要」)

<「われわれロシア人の歴史と権利が侵されている」ロシアの「独立新聞」や政府系「ロシア新聞」は、クリミア最大都市セバストポリでロシア系住民が23日に開いた集会に約3万人が集まったと報道。多くのロシア国旗がはためく会場ではヤヌコビッチ政権が制定した「ロシア語公用語法」を政変後に最高会議が撤廃したことへの不満が飛び交ったという。(中略)クリミアの中でも特にロシア人の割合が高いセバストポリには、ロシア黒海艦隊の軍港があり、ロシアにとっては南方への出口となる要衝。ヤヌコビッチ政権は艦隊の駐留延長を2042年まで認めることでロシアと合意している。政権交代で権益が損なわれる事態を防ぐため、ロシアは神経を尖らせている。
(東京新聞2014年2月26日付 ウクライナ南部クリミア「ロシア帰属を」活発化/ヤヌコビッチ氏邸宅 乗馬や射撃場、私設動物園も)


<ロシアのプーチン大統領は1日、ウクライナでの軍事作戦の実施を議会上院に提案し、同意を求めた。上院は全会一致で承認し、作戦の遂行が可能となった。大統領府の声明によると、ウクライナ国内のロシア系住民の保護が理由とされ、社会と政治が正常化するまで軍事作戦を行うとしている。>(東京新聞2014年3月2日付 ロシア軍事介入へ/対ウクライナ クリミア緊迫)


■ウクライナ情勢の経過(2013年11月21日~2014年3月1日)
<(ウクライナの)トゥルチノフ氏は、2008年のグルジア紛争をへて、ロシアがグルジアからの独立を承認したアブハジア自治共和国と南オセアチアに言及。挑発で紛争状態をつくり出し、ロシア住民保護の名目で軍事進出して領土を分割したグルジア紛争での手法は、クリミアをめぐるロシアの行動と同じだと批判した。(中略)クリミアでは、反政府デモの圧力で崩壊した親ロシアのヤヌコビッチ政権を依然として支持するロシア系住民と、欧州への統合を目指す新政権支持のウクライナ人や少数民族クリミア・タタール人との間で緊張が走っている。

(東京新聞2014年3月2日付 ウクライナ、ロシアを非難「衝突 領土分割狙い」)


■ウクライナをめぐる欧米とロシア
<米国防省が4日、発表した「4年ごとの国防戦略見直し」(QDR)。中国の海洋進出を警戒し、海軍艦船をアジア太平洋地域に重点配備する方針を示したことが焦点だが、治安安定を理由にウクライナへの軍事介入を正当化するロシアとの全面対決は前提としていない。米ロ緊張は強まり、世界は「新たな冷戦」の危機に直面している。>
(東京新聞2014年3月6日付 迫る「新冷戦」危機 米国防省戦略見直し/対ロ協調路線 情勢とズレ/Wポスト「オバマ外交は幻想」)