徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

20年目の時限爆弾

2009-08-31 03:26:39 | News
日本だけに限らず、「変わる」にはとても長い時間がかかる。そして、そのための綿密な設計図以上に、その長い時間に飽きずに、死なずに、持続する意志が必要とされる。
4年前に「ぶっ壊す」と宣言したところで、すぐにぶっ壊れるわけはなく、ましてや当人は自分の手を汚すことはせず、だから4年後にようやく爆発した(そして、そのアジテーターは遁走した)。
そして変わるための16年間があった。
でも、それは何かが壊れ始めた89年に始まってると思うんだな。
小沢一郎という人は怖い人だと思う。

最低限/第24節川崎戦

2009-08-31 02:45:18 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
等々力競技場で川崎対清水。キックオフ直前になって風雨が強くなる。ホームサイドはかなり観にくいのだが(万博よりは多少マシな程度か)やっぱし屋根のあるといい感じで声が反響し、このゲームがいかに大事なものかが伝わってくる。総選挙当日で、台風が近づいているのに、この日の等々力は20000人オーバー。よく入ったと思う。

前日に鹿島が負けたので両クラブ共、最低限の結果であるドローだとはいえ首位との勝ち点差を詰められたという意味では痛し痒しの結果。しかしこの悪コンディションで、川崎相手でも抜群の安定感と調子の良さで圧倒できたと思う。十分勝てたゲームだとは思うけれども相手GKの川島を乗せてしまったことと……審判がなァ……やっぱし審判だよなァ……アレは駄目だよな。とはいえ、残念な結果ではあったけれども、京都や新潟と引き分けたのとは意味が違う。この結果が水曜日のナビスコカップ準決勝に向けていい影響があると信じている。
次は今週水曜日、アウスタでFC東京戦。

武蔵中原駅構内にあった立ち飲み屋でこの日最初の食事と酒。<三崎市場>というだけあって刺身と串揚げが予想外に旨かった。チェーン店らしいけれどもいい感じのコの字でありました。でも、どう考えてもオレ、東横線てあんまり縁がないんだよなあ。
何気なく声をかけてきた常連さんが結構熱心な名古屋サポの人で(日本平にも来るらしい…)、途中から清水サポの女の子と川崎サポでボランティアもやってるらしいお爺ちゃんも加わって、殺伐感ゼロの立ち飲みトーク。またいつか日本平で。

まだ通過点/第23節磐田戦

2009-08-25 20:50:26 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
土曜日。
アウスタで清水対磐田戦。
この日は一応取材で入ったので、開場前にアウスタに到着し広報のUさんに挨拶。この人、とても興味深いキャリアの持ち主だった(詳しくは自力で調べて下さい)。2006年からエスパルスに入社されているので、「Uさん、いい時に入社しましたよね」って言ったら何かピンと来てなかったみたいだけど、現在の躍進はその年から(正確には前年の年末から)始まっているんだから、いろんな意味で広報のし甲斐もあると思うんだけどな。オカだけじゃなくて「青山と岩下、藤本も代表に……」というのはまったく同意です。記者席には座らずいつも通り自分の席で観る。

ということで、この日の圧勝は躍進のひとつの到達点。特に圧巻だったのがイチから始まるエダの2点目で、このパスワークの美しさは圧倒的で、ウイイレ的でさえあった。今季のベストゴールのひとつとも言えるだろう。


プレーヤーもほとんどミスのないパフォーマンスを見せた。特に右サイドのイチと兵働、岩下(1ゴール2アシスト!)が素晴らしかった。岩下の視野の広さと抜け目のなさはもっとマスコミに特筆されていいものだと思う。

メインもバックも、そしてゴール裏も、ゲーム後にあんなに人が残っていた記憶はないけれども、それだけ内容も含めて、特別な勝利だったということだろう。勝ちロコでエダやテルだけじゃなくて健太まで出てきたんだもの。静岡の民の、この盛り上がりが9月2日のFC東京戦でも続くことを祈る。
Uさんも広報のし甲斐があるんじゃないかと思う。


ただし、これはまだ通過点。オレたちのチームはまだまだ、こんなもんじゃない……と証明するために次は30日、等々力で2位の川崎と決戦。

健太「貪欲にがっついて行くこと。(引き分けでも良しとせず)勝って2位を取るんだという、突き抜ける気持ちで行かないと。これは自分自身にも言い聞かせてるんだけどね(笑)」(Sの極み 8月25日付)。

静岡に戻って白木と朝まで酒。久しぶりに幸多路にも寄る。この間行ったらおでん街全体が閉まっていたから地震の影響かと思ってお母さんに訊いてみたら、まったく影響はなかったと言う。何なんだ、地震に強い静岡。

そういえば、白木は始発に乗るまで終始身体が傾いていたような気がする…まだまだショックが足りんよ、ジュビロ。

キムチ丼

2009-08-22 02:41:39 | 素日記
ネタ探しの帰りに寄った亀戸牧場に併設されている肉ニクラーメン亭のキムチ丼。店なんだから当たり前なんだけど、スーパーマーケットにあるような日本製のキムチにありがちな甘ったるい感じはなく、きっちり辛く適度に酸味もあるオレ好みのキムチ。店のお婆ちゃんがものすごく控えめに「美味しいよ」と呟きながら差し出すのもいい。
思わず写真を撮ってしまったのだが、キムチ丼の色彩のブルースを見ればわかるようにわりと濃厚なので、スープ代わりに420円のチャーシューメン(名物)と頂いてちょうどいい味わいなのであります。さすがにひとりで食べるには多過ぎるが。

ユアループ/VIBRASTONE

2009-08-22 02:11:34 | VIBE RHYME

<ユアループ>

時計ばかり見ても 過ぎ去りし日々はいつも
つきまとう傷跡 やがて色あせてきても
遊んでた時を 懐かしくなる時でも
やたらあの頃を昨日のことに思って

(流行ってる店教えてくれよ
かわいこちゃんわんさかいるよなさ
混んでてビールがつめたくってさ
低音フロアに沈むよなさ)

いっぱいいた友達も離れ離れのままで
試しにかけてみた電話も止められていた

都会の片隅でつかみ損ねた幸せ
誰のせいでもない 
自分の力のなさを 慰めてくれた 
その場限りの愛に 心揺れるたびに 
落ち込むだけになってる

(どの子が№1 日本語上手ね
値段も具合もなんでもバッチリ
あとくされないだけど味気ない
お互い五分五分give and take)

ラーメン屋のテレビから 耳障りな笑い声
スポニチ読みながら レバニラを食べながら

誰もそんなものだと
過去も今日も明日も
喜怒哀楽の狭間で
何かを求めて
生きてる それだけで
夜がまたひとつ 通り過ぎていくよ
どこに行けばいい

若干の蓄えさえ ままならぬ俺の稼ぎ
金持ちの国だと思われているらしいけど
この町で暮らす大半の人は家さえも
持てぬまま夢も捨てて馬車馬のように

(ラウドなノイズ腰にくるグルーブなら
イリーガルじゃないセイフティドラッグ
なくなりっこない いつの時代でも
止められっこない You don't stop!)

流行り歌もいつか 飽きられてしまうけれど
心に残るのは 2小節のループ

口ずさむ
このリフレイン
口ずさむ
このリフレイン

(協力:nyankuriさん)

NEVER COME BACK/VIBRASTONE

2009-08-22 02:04:15 | VIBE RHYME

<NEVER COME BACK>
バブル バブルって云うけどさ 
そんなに悪い時代だったのか?
活気あったんだよねって 今んなって 云ったっておせーんだよ
記録しとけ!!

ハマー MCハマー 
エムザか どっかでまだブレークする前 
ウォーターフロントの終わった本当の理由についての MUSIC
あのまんま続いてくれりゃよかった あのまんま 
ズーッ~!ズーッ~!ズーッ~!っと~! もしも~ 
日本があのままだったらどうなってたのか?
あとひといき ピークの直前忘れもしないトゥーリァ
なんだったんだっけ それ? 何年前? 
なにが流行ってた?その頃

バブル バブルって云うけどさ 
そんなに今と変わってないじゃないさあんまし だけど地味だよね 
パワー! プレイス エナジーのるつぼに
ダンス ダンス 2クール
何処行ったんだあんなにいたのにさぁ
DJ 191999  踊らす MUSIC

あのうわさ どのうわさ
ノストラダムスのうわさ 
カウントダウン
みっつ数えて目を開けたら 今朝の新聞の日付になってた
思い出せない そりゃないぜ KGB 
喰いっぱぐれる前に売り飛ばした情報 CIA JFK  
なんだそりゃ

バブル バブルって云うけどさ 
そんなに簡単に終わっちゃったんだ
一体いつからいつまでのこと?
って聞かれたってわかんねんだよ 調べとけ!!

BODY BODY ボディーコンシャス
一生つらぬいたところで 単に頭のおかしな人にっきゃ見えねぇ 
アッパーなMUSIC 
あのころの洋服 あのころの恋愛
巻き戻して もう一度見るVTR
昔とったきねづか お前まだ餓鬼! 
降りるのはまだ早い
はしゃいでろ
つまんねぇネタでイージーにクリスマス
本気だったんだろうけど
おんなじだよ結局
全部どぶに捨てたのとおんなじ しゃれしゃれ

バブル バブルって云うけどさ 
そんなに関係なかったな俺にゃ
きっとほとんどの人 たいしておいしかったわけじゃなかったと思うんだ
エスニック エスニック 食いもんだけは豊富だった 
思い出すのはSOUL Ⅱ SOUL
そしてジャジーB 
不思議にゴージャスなMUSIC
あの時のエクスタシー
かりそめの夜明け前のストリート
永遠 信じるほうが馬鹿 
もともと そんなのってファッションってわりきってりゃ
スポンサーもピースだったのに 俺達もピースだったのに
ちきしょう
最低これから50年 
地味なまんまらしぃぞォ!



(協力:nyankuriさん)

復活/第22節京都戦

2009-08-20 01:51:36 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
スカパーで京都対清水戦。

テレビのモニターとはいえ、淳吾のフリーキックが決まった瞬間、久々に時間が止まる瞬間というのを感じたような気がする。これをきっかけに淳吾が本格的に復活し始めてくれればと思う。
前節では妙に球離れの悪かった兵働の捌きも良かった。

次は土曜日。アウスタでいよいよダービー。
殺人的スケジュールだが、来月第一週の東京戦まで負けられない戦いが続く。

健太「前節不完全燃焼だったと思うんで、今日は兵働と淳吾に懸けようと思っていた。(藤本は)今までいろんな思いがありながらやっていたと思うので」(Sの極み 8月19日付)

訳詞家の時代

2009-08-19 03:06:22 | 漣流 sazanami-ryu

<訳詞・作詞家の音羽たかしさん(本名・牧野剛=キングレコード元常務取締役)が誤嚥性肺炎で、8月6日に亡くなっていたことが18日、分かった。84歳だった。平尾昌晃の「ダイアナ」「ミヨチャン」、ザ・ピーナッツの「情熱の花」など多くのヒット曲を手掛け、一時代を築いた。 通夜・告別式はすでに執り行われた。 >(サンスポ 8月18日付

『漣流』では巨匠・岩谷時子さん、音羽たかしさん、ホセ柴崎さんなど、漣健児と同時代の“訳詞家”の皆さんのエピソードは完全に端折り気味だった。岩谷さんは別格として、音羽さんをはじめ、多くの“訳詞家”はレコード会社や出版社の社員だったためだが…一度話を伺ってみたかったなあ。合掌。

一方、ケニアでは/中島らも「ガダラの豚」

2009-08-17 03:44:48 | Books
たまたま今朝まで『ガダラの豚』を再読していたんだけれども、やはりケニア脱出行までは時間を忘れるほどの最高のエンタテインメント。なんだけど、最後のアレは描写だけが先走っていてもったいないやね。
それはともかく『ガダラの豚』(1996年)の中で現代の呪術として、物語の大きなキイワードになっているのが<情報>と<テレビ>だった。登場人物を次々と惨殺し、主人公たちを追い詰めるスプラッターの館と化すのが<テレビ>(局)だった。らもさんにそんな意識があったのかはわからないけれども、このブログのVIBE RHYMEで近田さんの言葉(1995年)を引用しているんだが、やっぱりその当時、心ある人たちにとって<テレビは敵>だったかもしれない。<呪術的>、<呪術敵>と言ってもいいかもしれない。
それから約10年ぐらい経った。目の前の小箱がテレビに取って代わって呪術的な存在になり、ネットはテレビに替わって呪詛し続けている。いや、テレビ(に出ている人を含めて)が呪詛の対象でさえある。ついさっきまで見ていたモニターでは、全国各地のシャーマンたちが<居酒屋にワインを持ち込んで断られた某作家が、著作で店長を罵り、自分たちの人脈を誇る様>を呪っていた。まあ、呪われる方も呪われる方なんですけど(もちろん呪術は呪いや祟りだけを指すものではないが…)。
ということで『ガダラの豚』という作品は実に今現在も有効なのだった。

一方『ガダラの豚』では舞台のひとつとなった呪術の故郷、ケニアでは…。

<【ナイロビ=共同】ギネスブックに世界最高齢小学生として認定されていたケニア人男性キマニ・マルゲさん(90)が14日、胃がんのため、卒業まで2年を残して同国内で死去した。ロイター通信や地元メディアが伝えた。マルゲさんは1950年代に英国からの独立闘争を戦った秘密結社の元戦士。家庭の事情で通学できず読み書きができなかったが、ケニア政府が2003年から義務教育を無料化したため、「聖書を読みたい。お金を間違えずに計算できるようになりたい」などとして04年1月から通学を始めた。>(中日新聞 8月15日付

生前、マルゲさんは「大学を出て獣医師になるのが目標」と話していたそうだ。
それにしても、ものすごい人生だ。しかも50年代に秘密結社の戦士だったということは、その人生の半分以上はニュースには書かれていない「お金を間違えずに計算できない」人生を送っていた可能性がある。
しかし、それでも将来への夢がある。
驚くほど短い人生もある反面、太く、長い人生もアフリカにはある。

(追記)
ワインの居酒屋持ち込みはあり?(J-CASTニュース 8月17日

浮世には融通や寛容といった「糊しろ」は必要だと思う。そして、確かに某作家が愚痴っているように、そういう「糊しろ」は失われつつある。ただ失わせたのは自分かもしれない。
簡単に「絶対」とか「許さない」とか言っちゃう人、増えたね…。

攻められてはいないと思います/第21節新潟戦

2009-08-17 00:37:00 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
アウスタで清水対新潟戦。前半終了間際にジウトンが退場したとはいえ、流れから崩されて失点するような雰囲気は99%なかったし、9分9厘勝っていたゲームだと思うけれども、あまりに不運なFKからマルシオ・リシャルデスのゴールが決まり、まったく惜しいドロー。いや、確かにあのFKは見事だったけれども。
後半33分にはゲーム・バランスを考慮したとしか思えない主審(岡田さん…)の誤判断によってエダが退場。あんなんでエダが退場するなら正直言って矢野あたりだって退場していてもおかしくないし、もっとカードが出ていてもおかしくない。

しかし休み明けでドロー・ゲームが多いのは仕方がないことだし、オフェンスはどうしたって水物的なものだから攻め切れないケースがあるのも仕方がない(オカの先制点のヘディングは美しかったが)。それでも前線から最終ラインまで、球際に激しいディフェンスは中断前の7月の勢いが落ちていないことを感じさせてくれた。叩き2戦目は中2日、19日(水)にアウエイの京都というかなりハードな日程だが、ダービー、川崎戦、ナビスコ準決勝・東京戦に向けて必ず結果を残してくれると思う。

Q前半あれだけ良い戦いをしてて、後半……得点の結果はFKかもしれませんけれども、そこまでの内容というか、かなり攻められてる部分が多かったと思いますが、そこらへんの要因はどういう風に考えてますか?
健太「攻められてはいないと思います
Sの極み 8月16日付)

Q:エスパルスは、いつも以上に前から守備をしていたが
内田(新潟)「想像していたよりも、前から来られた」
J'sGOAL 8月16日付

いつも以上でも、想像していたよりも、じゃないんです。
これがいいときのエスパルスの、いつも通りなんです。
キミらは揃いも揃ってわかってないから、<プレッシャーの早さ、ボールを動かす速さがあって、前半は手も足も出ないような状態>になっちゃったんだと思う。
というか、いつも通りって何なんだ?
いつも通りってのは、チームの大事な部分を複数のガイジンに丸投げするどこかのチームのことですか?
と煽ってみたものの、しかし、きっちり勝てなかった。つくづく口惜しい…。
ロリンズ・バンドみたいなギターが弾きたい。

新幹線の終電に間に合ったので帰京。

(追記)
この日はゴール裏でずいぶん懐かしい応援歌が歌われた。
でも何が恥ずかしいのか、相変わらず無言で当て振りしているだけの人が少なくない。
それは自分たちの歌だろう?自分たちの歌なんだよ?

彼女の人生

2009-08-14 02:17:34 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
<静岡・震度6弱地震により、マンションの自宅で崩れた本の下敷きになって死亡した静岡市駿河区、会社員池本美和さん(43)は、仕事熱心でサッカー好きの女性だった。>(中日新聞 8月13日付

地震の影響は最小限だったのかもしれないが、今回ほとんど唯一の死者である池本さんは、エスパルスのサポーターで、清水商を中心にした県内サッカーを幅広く熱心にフォローするサイトの管理人だったのだという。おそらく彼女の年齢を見る限り80年代から90年代にかけての、輝かしい清水の高校サッカーを観続けてきた世代。彼女はほぼ同世代で、清水のサッカーの象徴のひとりである健太が率いる現在のエスパルスをどう見ていたのだろう。
今年、エスパルスが結果を残すことによって、きっと彼女の人生は美しく完結する……と思う。
池本さんのご冥福をお祈りします。

まあ、本棚の件にしても他人事じゃないんだが。

柿田川

2009-08-14 02:04:08 | LB中洲通信2004~2010
水曜日。
白木、カメラマンの大甲君と一緒に清水町の柿田川湧水郡(公園)を取材。嫌な天気だったが園内に入ると体感温度が2、3度は下がったような気がする。というわけで園内にいる間は気持ちよかったのだが、やっぱしトレッキングシューズで行くべきだったな。途中から嫌な汗が出てきた。
2時間ほど散策したあと三島から静岡へ移動。
ナビスコカップ準決勝のチケットとTシャツを買って着替えてから、駅で出田さんと合流。駅南酒場で飲む。地震の影響も最小限といった感じで、町の雰囲気も普段と変わりないように見えた。

ぼろぼろになりながら始発の新幹線で帰る。駿府公園の崩れた石垣を見る余裕はなかった。

あがたさん

2009-08-11 23:13:36 | LB中洲通信2004~2010
渋谷のトランスフォーマーであがた森魚さんの取材。
去年の夏に始まった「あがた森魚 惑星漂流60周年!」ツアーから今年2月22日に九段会館で行われた「あがた森魚とZIPANG BOYZ號の一夜~惑星漂流60周 in 東京~」までを追ったドキュメンタリー映画『あがた森魚ややデラックス』が10月10日(土)より公開される(渋谷・シアターNでモーニング&レイトショー公開)。

数週間前までは<ドキュメンタリーなのに全身フィクション!!>という、“全身小説家”のような宣伝コピーだったのが、いつの間にか<暴走シンガー60歳。全身全霊、迷走中!!>という身も蓋もないコピーに変更されていた。いや、しかし、コピーとしては変更後の方がしっくり来るんだな、これが。
この作品を「タカダワタル的」や「エンケン対日本武道館」と並べて評している文章を見掛けるのだが、そもそもドキュメントとしての出発点、コンセプトがまったく違うので、これは似て非なるもので、意味がない。端的に言ってしまえばこれらは音楽を聴かせるドキュメントであって(アルタミラピクチャーズの桝井プロデューサーの言葉を借りれば「『ラストワルツ』のような音楽ドキュメント」)、『あがた森魚ややデラックス』の場合は、まさに<全身全霊、迷走中!!>のシンガー、あがた森魚の60年目の旅路を描く、文字通りのドキュメントになっているからだ。
まあ、その意味で、確かに全身フィクションの全身アーティストなんだけれども。
全身アーティストが現実に苛立つのは当たり前なんだけれども。

全身全霊で表現に関しては妥協を許さないから暴走する。そしてスタッフは振り回される。旅路の途中でスタッフと口論になったあがたさんが怒鳴る。「邪魔すんなよ!おれの旅だよ、これは」「おれは生声でロックやってんだ!」
一般的な60歳としてどうかは置いておいて、表現こそすべてのアーティストとしてはまったく正しくのだから、あがたさんは正しいのだ。
そして後半、「あがた森魚とZIPANG BOYZ號の一夜~惑星漂流60周 in 東京~」では鈴木慶一やはちみつぱい、矢野顕子、緑魔子といった古くからの仲間を迎え、ドキュメントは高揚していく。静かに語りかけるようなラストの北海道での場面とあわせて次の旅への予感を残して、旅の記録はひとまず幕を降ろす。

<私は心の中で「見てろよ!」と言っています。私の兇暴を養っています。それは、自体は何であるのかと問われれば、「二十世紀の少年的ロマンティシズムと、二十世紀の少年的ストイシズムと、二十世紀の少年的ナルシズムの正当性を発露したい!」という兇暴さなのである。>(あがた森魚詩集「モリオ・アガタ1972~1989」エディション・カイエ 1989より)

これはちょうど20年前に書かれたものだけれども、あがたさんは全然変わっていないのであった。

ちなみにこれからの季節、“夏のサウンドトラック”としてあがたさんの監督作品、音楽プロデュースの映画サントラ盤『港のロキシー』は超オススメであります。

強さとは

2009-08-11 02:08:47 | 素日記
<あなたは強い人だけど、その強さが心配なんだよ。大人の日々は胃にくるね>(内外タイムス 8月10日付

胃に来るなら強くないじゃん、と。
強さと我慢強さは違うだろう、と。
この上から目線でありながら、意味不明に媚びているとしか思えないコピーに癒されるお目出度い御仁もいるそうだが、<強さ>を無理強いされるより、弱いものは弱いって言っていただいた方が余程癒されると思うんだが。
<24時間働けますか?>が形を替えて復活しただけか。

確かに広末は強いと思うけれども。