徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

snake

2007-11-28 05:03:03 | Music
年末進行なスケジュールが続々と決まり始める。今週後半から来週にかけてあんまり深く考えたくなくなるような日程になった。こんなんで土曜日に果たしてカシマに行けるのか…。

夜は関内の「上町63」で大口純一郎(p)&Rattlesnake Annie(Vo,g)。ライブ前や合間に大口さんからsnakeサンの話を聞けば聞くほど、本一冊できちゃうようなストーリーのあるシンガー。もちろん内容も素晴らしかったス。ライブの現場で音楽的な視野が広がっていくのは本当に素晴らしいことだ。snakeサンの音楽を教えてくれた大口さんに感謝(CDを聴いて改めてぶっ飛んだ)。
OMの尾崎さんもいらしていてライブ後の夜メシにもお邪魔する。本田竹広さんにも縁のある居酒屋さんだそうで、久々に本田さんの話も少々。

それにしても…もうちっと英会話勉強しとけって話だよなあ、オレ。



築地

2007-11-26 19:49:16 | Works
朝から、ナカスの特集に続いてまたもやピーター・バラカンさんをゲストに築地市場の取材。別の媒体でも取材に行ったことがあるけれども、今回の取材は水産部、青果部も含めた築地市場フルコース2時間取材。いや本当は、普通に築地市場の観光をしても2時間では終わらないのだけれども、NPOの方にガイドをしていただいて、その合間にピーターさんに話を訊いて、撮影して…の駆け足の2時間。ピーターさんも落ち着いて考えて話す暇もないほど忙しなかっただろうなァ。
画像は水産部にあるフグの除毒所。東京中の料理店からフグの毒が残らず集められるという、まさにフグのサンクチュアリ。外からしか見られなかったのが残念。

さて、さすがに何だか今年も年末進行ぽくなってきた。築地の場外がアメ横を思い起こさせたからか。

第33節 ぼくらは光の子どもだった

2007-11-25 21:26:50 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
ということで土曜は日本平でホーム最終戦のジェフ千葉戦。
結果的には清水が引き分け、レッズが負けるという、事前に考えられる可能性のうち2番目に悪い結果になってしまった。レッズはどう考えても激走後の2走ボケみたいなもんじゃないだろうか。まあまだダイジェストしか観てないからわからないのだけれども。
翻って千葉戦。言われるほど悪い内容でもなく、いつもの千葉戦らしいお互いが攻撃的なスタンスを崩さない緊張感溢るる内容だったと思う。しかし勝てたし、勝ち切るべきだった。これでACL出場権もなくなり、4位も確定してしまったわけだが、最終節の相手はついにレッズを勝ち点1差まで追い詰めた鹿島。ま、浦和・鹿島に絞られた優勝争いはもうすでにどうでもいいわけだが、鹿島がACL参戦に相応しいチームかどうかは最終節でウチが決める。決めるったら絶対決める。

そして2005年のノボリのように、最終節を残して99年戦士の久保山が引退を表明。ゲーム終了後、引退セレモニーが行なわれた。クボ、本当にお疲れ様でした。クボはこれからもきっと清水エスパルスのために力を貸してくれるだろう。

帰京する前にブックオフに寄ったらジョナサン・バーチャルの「ウルトラニッポン」があったので思わず買ってしまった。99年の清水エスパルスの戦いを軸に日本サッカー、Jリーグを描いた清水サポーター必読のノンフィクションである。彼はイングランド人でウエストハムサポーター、ちと日本サッカー、Jリーグに対して批評的なのは仕方がない。そのときガイジン(しかもイングランド人)が清水や日本をどう見ていたのか、という意味でも貴重な記録である。
清水の短かった栄光の日々を描く物語の冒頭は、1999年のJリーグ・チャンピオンシップ第二戦のキックオフを目前にした、こんな熱い一文で始まる。

<夜間照明に神々しく浮かび上がるようなオレンジとゴールドの軍団、それがぼくらだった。しんと冷えた12月の大気の下、ぼくらは躍るようなサンバのリズムに合わせ、歌い、体を揺り動かしていた。ぼくらは正統派であり、正義であり、穢れなき者たちの守護神、光の子どもたちだった。ぼくらは清水エスパルス、ぼくらのチームはいま、眼下の、芝生を敷きつめた日本平スタジアムのピッチへ繰り出してきた。
冷ややかなブルーの濃淡をまとった群衆がいる。ブルーのビニール袋を上下に波打たせ、繰り返される太鼓の音に合わせて何度も何度も歌っている。彼らは抜け目なく、ずる賢く、冷静で計算高く、ダイビングも得意なせこいやつ、邪悪なジュビロ磐田だ。
そして今夜、清水の日本平スタジアムで、戦いの火蓋が切って落とされる。>(ジョナサン・バーチャル/野間けい子・訳『ウルトラニッポン』無名舎刊)

最近はノンフィクションやドキュメントというと客観的であらねばならないというような強迫観念を持つ人が多いけれども(残念ながら同書の解説のKさんもそんなニュアンスで書いている)、そんなものははっきり言ってオレの読みたいものではない。所詮サポーターというのは主観の生き物であって、ジョナサン・バーチャル氏が日本平のスタンドで清水側に立っていたのならば、彼は(仮に意図的であっても)その主観でしかこの物語は書きようがない。そしてこの種のノンフィクション、ドキュメンタリー、レポートとしてそれは正しい。

もう一度書こう。
夜間照明に神々しく浮かび上がるようなオレンジとゴールドの軍団、それがぼくらだった。ぼくらは正統派であり、正義であり、穢れなき者たちの守護神、光の子どもたちだった--その中に久保山由清もいた。そしてこれからもいる。
来週は清水が今も<正統派であり、正義であ>ることを証明するために鹿島へ行く。

ド演歌/梶原しげる「イングリッシュ演歌」

2007-11-25 20:08:43 | Music
先月号に間に合えば紹介したかったのだけれども、梶原しげるさんの『イングリッシュ演歌』がCDで再発された。内容は1980年前後の演歌黄金時代の名曲を英語に翻訳して梶原さんが歌うという、非常に下らないものなのだけれども、それを極めて真面目にやっている。これは知性ですねえ(下らないことに自らツッコミを入れるのも、またそれも知性だけれども)。
ハワイアンで鍛えた喉を聴かせてくれます。それにしても若い。



応援団長

2007-11-25 19:57:57 | LB中洲通信2004~2010
金曜日。GATE ONEでベーシストの小杉敏さんの取材。小杉さんは静高出身の応援団長(しかも静岡の高校野球の黄金時代である)という異色の経歴を持つ。自らをサイドメンと言い切るあたりは、応援団気質なのかなァと思うが、小杉さんはそれを「静岡県民気質」と言っていた。オレも袴田さんも静岡出身なので、静岡話でも盛り上がりました。2月号か3月号で掲載予定。

この日のメンバーは大口純一郎(p)、小杉敏(b)、橋本信二(gui)、梶原まり子(vo)、金井洋平(ds)、そして向井滋春(tb)。祝日とはいえ店内はそれなりにフルハウスになって、こちらこそ盛り上がった。盛り上がった勢いでぐだぐだになって終電逃す。カメラも壊れた。まあいい。

久々に会った大口さんが今週27日(火)に横浜・上町63でライブをやる。チェロキー族の1/8というアメリカ人シンガーRattlesnake Annie(vo,gui)とのデュエットだという。面白そうなので壊れたカメラを持って観に行く予定。

第32節 レッズよ

2007-11-19 20:51:17 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「我々は勝ちに来ている。どんどん仕掛け続けて、みんなで点を取ろう」(ハーフタイムのコメント)

今季ここまで2敗という厳然たる事実を見せ付けられたように思う。またもやレッズという巨星の輝きに引き立て役になってしまったという感は否めない。期待が大きかっただけに、確かに引き分けた瞬間には崩れ落ちた。しかし決して内容的に見劣るようなことはなかったし、張り詰めた展開はスタンドの上からも良く見えた。結果的には「負けない戦い」を選択してしまったようにも見えるが、それはそれで仕方がない。その中でも岩下が確実な成長をこの大舞台で見せたのは収穫だった。これからの清水には伸びしろがないような頓珍漢なことを書く輩もいるが、一体何を見ているのか聞いてみたいものだ。

健太「0ー0の状況では(苦笑)……なかなか動け……やっぱり難しい状況では……先ほど言ったように、負けてしまったら3位というのは消滅してしまうんで、やっぱりこのアウェイの戦いの中でレッズに対してイケイケドンドンで戦うっていうのは、今日の試合の展開上は難しい展開ではあったんじゃないかなと」(Sの極み 11月18日付け※ゲーム後のコメント)

しかしレッズのプレーヤーの気迫(だからこそ引き立て役になってしまったのだが)、レッズサポーターの音圧に気圧されたのも正直なところだろう。
何回も見て、聴いているはずなのに、今回は特にすごかったように思う。何よりもあの(アウエイ側にとって)悪意の塊のようなブーイングは、アウエイプレーヤーにプレッシャーを与える(実はコール自体は慣れもあると思うけれども、それほどでもないと感じているが)。心臓に良くないし。きっといつか突然死するアウエイチームのプレーヤーが出るんじゃないかと思う。またあの音圧はテレビからは決して感じることはできないし、多くの他クラブサポーター、サッカーファンが経験するべきだと思う。だからこそレッズ戦を日本平でやることは清水サポーターのためにいいことなのだ。要するにレッズサポはサッカー界のリア・ディゾンなわけです。ヌルい日本平にやって来る静岡サッカー界の黒船ですよ。最高だよレッズ(鹿島に勝てば)、レッズ最強(鹿島に勝てば)。

だからレッズよ、頼むから死ぬ気で鹿島に勝ってくれ。横浜FCに負けてもいいから鹿島に勝ってくれ。アジアチャンピオンならホームで鹿島に勝って優勝しなきゃ駄目だよ、レッズ。とにかく勝て(鹿島だけでいいから)。

健太「やっぱりこういうタフなゲームができる、またそれをしてきてアジアのチャンピオンになったというやっぱり自信っていうのがですね、今日のゲームにもまあ所々で感じられたという風に選手たちも思いますし、まあやっぱりこういうチームを乗り越えて、また追い越して行くようなチームがないとですね、日本のサッカーが更に発展するということはないという風に思いますから、ぜひレッズにはあと2試合キッチリ勝ってもらってですね、まあ我々はやっぱりそのレッズに少しでもまた追いつけるようにですね、あと残り2試合キチッと戦っていきたいという風に思います」(Sの極み 11月18日付け)

健太の言いたいこと、わかるよね?
2位鹿島とは勝ち点差6で、鹿島の次節は浦和戦、最終節は清水との直接対決なんだ。レッズよ、最終節でACL出場を賭けてオレたちを炎上させてくれ。
お願いしますよ、チャンピオン。

しかし今回の清水のビジター席は去年ほどのヌルさは感じられず(去年はよりによってレッズを応援する親子連れやカップルが混じっていたりして呆れた)、前段はもちろんオレがいた後段にも闘っている雰囲気が感じられたのは、正直に良かったと思う。最後列付近でものすごい声量で声を潰しながらコールしてた兄ちゃんGJです。間違いなくあんたらのおかげで熱くなれたし後ろも声が出ていたと思う。
きっと来年の埼スタのレッズ戦はもっと熱くなると確信した。

さて、その前に今週土曜はこちらの方こそ、死ぬ気で勝たなければならないジェフ千葉戦。そして日本平で今年最後の「王者の旗」

現在、スタンドにいる人間はJ黎明期に生きるサポーターとして『王者の旗』を清水版のユルネバに育てなければならないのであります。
100年、クラブのオフィシャルソングを歌い継ぐというのはそれぐらい大事です。
エスパルス全肯定でトゥーマッチな歌詞、小学生でも口づさめるベタベタのメロディー、これも大事なのです。
そしてオリジナルであること、これがさらに大事です。替え歌ではありません。清水オリジナル、100%エスパルス。
いくらこっ恥ずかしくても、せめてサビの部分だけでも声を出して歌いましょう(セルティックのサポーターだって真面目に歌うのはサビだけだもんね、オレも歌詞忘れちゃうし)。清水番の記者の皆さんも、変てこなジャーナリスト魂は捨てて、このときだけは口づさんでいただきたいものです。

鹿島スタジアムで「王者の旗」、歌いたいねェ……。

象徴と悲願と機運

2007-11-16 01:01:27 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
<11年越し悲願…清水が小野獲り>(スポニチ 11月15日付

まあもうそろそろそんな時期なんだが、さらに機運を盛り上げるには悪くはないと思っている。どういう意味でスポニチが「悲願」と書いているのかはさっぱりわからないが、11年前というのは様々な問題が噴出し(小野の浦和流出はその象徴)、さらに清水が最初の(短い)黄金時代を迎えようとしていた時期で、それを考えれば、10年ひと昔、時代は変わる、Times They Are A-changinなわけで、本当に悲願なのは小野獲り(いや、またもやその象徴になるのかもしれないが)ではなく、黄金時代の再来なのである。あの頃、清水は最強で、その後アジアもすでに勝ち取っている。

妄想が許されるこの季節というのはわりと好きだったりする。

日曜日の埼スタはアジアチャンピオンに対して、清水がどういうサッカーをしてここまでやって来たか見せつける最高の舞台だ。言い訳無用の激勝を望みたい。

リンダの大きさ/ポール・マッカートニー・アンソロジー1970-2005

2007-11-15 03:06:16 | Music
『ポール・マッカートニー・アンソロジー1970-2005』到着。遅いよAmazon!DISK3に収められた『ROCK SHOW(ウィングス・オーバー・アメリカ)』のライブフィルムは、人生で一番聴いたかもしれないライブアルバムの映画版で、このフィルムも中学生か高校生の頃に1度観たきりだったと思う。完全版でないのがちょっとアレなんだけれども、涙なしには観られない。いやマジで。
ポール本人のコメンタリーも興味深い。スプリングスティーンが「心のラブソング」(SILLY LOVE SONG=バカなラブソング)を独身時代に聴いたときにはピンと来なかったのに、家族を持つようになったら改めて良い曲だと思ったとポールに言ったとか(この曲が収録されているWings at Speed of Soundは、ウイングスをポールのバンドではなく、一本立ちのバンドにしようとした全盛期ウイングスの記念碑的アルバムで、名作)。あとリンダの存在は大きすぎます。リンダ亡き後、突然の再婚、迷走の挙句に莫大な慰謝料をぶん取られて離婚じゃあ…彼女の姿を観ているだけで切ない。
コレクター、マニア的には、まだまだまだまだ不満もあるかもしれないけれども、かなりお腹いっぱいになれます。価格も『HELP!』(デラックスエディションの方)と比較したらとても良心的だ。それにしても『ヘイジュード』の大合唱を聴くとケラリーノ・サンドロヴィッチの劇中パロディソングを思い出しちゃうんだよなあ…。

え?レッズがACL優勝したって? ポール観てたよ。

取材

2007-11-13 23:15:17 | LB中洲通信2004~2010
月曜日。1月号特集の取材。
まずはTBSの周辺でピーター・バラカンさんの取材。9月に書籍用の取材をしたのだけれども、今回はかなり訊きたいことを訊いた感じである。テーマは「趣味で生きる人たち(仮)」(もちろんいい意味で)。ピーターさんにぴったりだと思うな。
夕方から渋谷で“オタク第一世代”唐沢俊一さんの取材。オタクのビジネスとオタクの老後問題について。メインテーマからはちと逸れてしまったが面白い話を聞けた。
1月号に掲載予定。

今日の午前中まではヤバかったのだけれども風邪も酷くならずに済みそうだ。さ、原稿原稿。土曜日までに全部終わらせたいなァ…。

第31節 ドアを叩く男

2007-11-12 02:07:11 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
日本平でサンフレッチェ広島戦。このゲームで鉄人・伊東輝悦がJリーグ出場400試合を達成した。これだけでも行く価値は充分だ。お子さんを抱いて入場したテルはいつものポーカーフェイス(仏頂面ともいう…)ではなく、ずっと笑顔でセレモニーをこなしていたのが印象的だった。
しかしジョージがこの祝祭空間に水を差すようなレフリングを繰り返したのは非常に残念だった。いや、最初から確かに嫌~な感じはしていたのだが、案の定、悪い意味でまったく期待を裏切らない人である。もちろん彼も彼なりに誠実にレフリングしようとしているはずだ。しかし巡り合わせはあるのだろうが、悪い星の下に生まれた人だとしか思えない。
といっても先制されてもすぐさまイチの(今年何回目かの)目の醒めるようなレーザービームも観ることができたし、終わってみれば成熟度やポテンシャルの違いは証明できたのではないかという完勝。ホーム戦は24日の千葉戦を残すのみ。今年、最後で最後の大一番、最終節の鹿島戦は満員のホームで送り出すことができればいいっスね。

テル「1999年にステージ優勝をした時と比べても、当時感じていた『負ける気がしない』という雰囲気は今も感じている。エスパルスが確実に優勝を狙える場所に来ているということは言えると思う」(11月11日サンフレッチェ広島戦マッチデープログラムより)

テル「自分たちのスタイルというか、自分たちのやろうとするサッカーをやはりピッチ内で表現することが勝利への一番の近道だと思うんで、ホントそれぞれがプレーをできるように、今度の試合に向けてまた準備をしていきたいなと思います」(Sの極み 11月11日付け)

ノボリの引退ゲームに始まり、驚愕のシステムチェンジで幕を開けた2007年シーズンもいよいよ大詰めを迎えた。浦和の引き分けで(数字上の)優勝の可能性は完全になくなってしまったけれども、これで4位以上は確定。そして残りは浦和、千葉、鹿島と、さらに高みに挑める相手が残った。この3ゲームで、長いシーズンの醍醐味が味わえると思う。

ゲーム終了後、テルはひとり場内を回り、テレビカメラがその姿を追いかけ続けていた。まるで引退みたいな光景だったけれども、テルにはまだまだチームを支え続けていってもらいたいものだ。

テル「最初の頃は(アルディレス監督に)なかなか使ってもらえなくて、今自分で思えば不思議なぐらいに何度も、何で使ってくれないんだ!とドアを叩いて監督室へ行ったことがあったんですけど(笑)。トレーニングにしても身体のケアにしても、やるべきことをやっていれば良い事があるだろうと。プレーができれば、アルディレス監督も信頼して使ってくれるようになったし、そこで少し大人になれたのかなあと思いますけどね。あの時期があったから今があると思うし」(Jリーグ31「清水エスパルス」編 2006年12月放送より)

小さい頃から清水の天才児だったテルは、大人の階段登る♪……ではなく、アルディレスの待つ監督室のドアを叩いて大人への道を歩み始めたのである。「今思えば自分でも不思議なぐらい」と照れながら言うあたりがいかにもテルらしくて微笑ましいのだが、こういうプレーヤーがずっと同じクラブにいることは素晴らしいことだ。
枝村あたりも早く大人のドアを叩くぐらい成長してもらいたいものだ。あんまり喋らないテルのドアを叩くのもありかな。まああと2、3年、テルが500試合出場を達成するまで、その背中を見ているのも彼の成長のためには悪くはないと思う。

いや、何か、本当に、あまり自己表現をしない(ように見える)テルが自らドアを叩いたという話はとても心温まる(そして勇気づけられる)話だ。人間、そうでなくっちゃね。

突きつけられた世界の果て/明川哲也「世界の果てに生まれる光」

2007-11-11 03:29:37 | Books
もう1冊。
明川哲也さんから『世界の果てに生まれる光』(角川書店)が届く。『野性時代』に掲載されていた「ジョンを背負って7000メートル」「ナッツ」、そして書き下ろしの「プリズムの記憶」の3編を収めた小説集。明川さんは、小説では本当に繊細な世界を描く。以前頂いた『カラスのジョンソン』もカラスと母子家庭を描いたファンタジーだったし、今回はデリヘル嬢が無職の男に<癌で生死の狭間を彷徨うハムスター>を預けに来る物語(「ナッツ」)やライター男とカメラマン女の不倫の物語(「プリズムの記憶」)だったりする。いや、それがまたいいんだけれども。「ジョンを背負って7000メートル」は、追悼番組で使用されたジョン・レノンの巨大なパネルを譲り受けた構成作家の男が、六本木から新宿ゴールデン街の目的地まで、巨大なパネルを歩いて運ぶという、ただそれだけの物語。しかしこういうのがオトコノコ的には響いたりする。
<世界の果て>というのは、やはりひとりひとりの居場所だったり、立ち位置だったりするんだな。最近、池袋のデパートの屋上から若い女性が飛び降り自殺して、下にいた男性会社員と直撃してふたりとも亡くなってしまったという痛ましい事件があったけれども、アレなんか本当に<世界の果て>って感じがするもの。<世界の果て>から一歩踏み出してしまった女性だけではなくて、心ならずも<世界の果て>をいきなり突きつけられてしまった男性も。
まあもちろん物語は、切ないけれども、前向きです。

チームカラー/「なぜ、未亡人は美しく見えるのか? 色のマーケティング学」

2007-11-11 03:03:30 | Books
以前所属していた会社(といってももう10年以上前だけれども)の先輩だったライターの芳原信さんの新刊『なぜ、未亡人は美しく見えるのか? 色のマーケティング学』(C&R研究所)が届く。サブタイトルにもあるように芳原さんはマーケティングの人で、インターネット以前からのPCの知的財産権に関して取り組んでいたライターで、ウェブでも書きまくっている人である。まあタイトル勝負な感じもしないでもないのだけれども(笑)、色彩に関する雑学本。
こういうのは、紹介されている簡単な色の分類をJクラブのカラーに当てはめるとわかりやすい。

青/知性、清潔、真実、冷静→自己陶酔型の攻撃サッカーでガンバ&マリノスのリアリズム。
赤/情熱、活気、愛情、興奮→これは説明不要のレッズ。
黄色/明朗、快活、躍動→走るジェフとネタのレイソル。
黒/重厚、孤独、力、男性的→旧・川勝男塾でヴィッセル…ってクラブカラー変わっちゃったけど。
そして……
オレンジ/陽気、気楽、わがまま→エスパルス、納得。

やはりチームカラーに通じるものがある。

財産

2007-11-10 15:40:48 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
佐藤寿人というストライカーはとてもゴール感覚に優れたFWだと思うが、分析力はあまりないのかもしれない。

佐藤寿人「清水は(第30節)G大阪戦のように相手にボールを持たせると強いが、天皇杯(明大戦)みたいに自分たちがボールを持つ時間が長くなると弱い」(エルゴラッソ 11月9日・10日号より)

この類の、スカウティング以前のほとんど印象批判としか思えない、頓珍漢な分析で思い出すのが、柏の南雄太のコメントだった。

南雄太「ウチのスカウティングがエスパルスは足が止まると言っていたので、後半勝負にできれば、いけるかなと思っていた」(J's GOAL 3月17日付け) 

まあこのゲーム、負けてしまったんだが。
そんなことよりも明日の日本平は、清水が誇るべき“清水のマラドーナ”が同一クラブで前人未到の記録を達成する。
<伊東輝悦リーグ通算400試合出場達成>(清水エスパルス公式サイト)
人的財産こそ、決して他クラブにはない清水が誇る財産だということをテルの偉業が象徴している。明日午後1時キックオフの広島戦には、静岡の民はこぞって日本平へ参集していただきたいものだ。

「ほかのクラブでよく見かけるチアリーダーショーや抽せん会なども全くない。付録で観客を喜ばせるのは悪いことではないと思うが、浦和には、サッカーだけがイベントという強い自信が感じられた」(望月重良のコラム「Jファイル」中日新聞より) 

ということで、清水出身の望月君も今後日本平に来るときはゲームの始まる5分前に記者席に来ればいいんじゃないかな。丁度その時間に“付録”のオレンジウェーブがダンスしていると思いますが。
純粋にサッカー(プレーヤー)だけが“イベント”なのは、実は、どう考えたって清水なのである。

(追記11月11日)
佐藤寿人「どちらかというと、引いて守って相手に回されるというのが多かったので、そこで清水にボールを動かされた部分で、ボディブローのように徐々に効いて、後半はやっぱり運動量が落ちたのかなと思う。(Q押し込まれる時間が長くなってしまったのは……)いや、わざと自分たちで押し込まれるような戦術を今日はとったので。でも、清水が相手だとミドルシュートを持っている選手がいるし、実際にそういう形で1点目を取られてしまった」(J's GOAL 11月11日付け

十条

2007-11-10 13:03:43 | LB中洲通信2004~2010
金曜日。久々にL25の原稿を一本。夕方から十条にある居酒屋「田や」さんでコの字取材・撮影。取材自体は写真家の北野さんに進めてもらっていたので、遅れて刺し盛り、あんこう鍋(茨城では黄門鍋とも言うそうだ、コウモンナベ……)など料理の撮影の手伝い。最近、吉井和哉のPV撮影でも使用されたそうで、女将さんに話を伺う(というか女将さんの方から積極的に話してくれたんだけれども)。吉井さんが地元・十条のヒーローだということはよーくわかった。この店を使った理由もよくわかった。女将さんのキャラクターは素晴らしいし、敷居が低くていい店だもの。本当にオススメ。十条に住みたくなったな~。
西が丘サッカー場まで歩いて10分らしいし、埼スタへのアクセスも悪くない。本当にヴェルディあたりはホームスタジアムを西が丘に変更した方がいいと思うですよ。スタジアムと酒場は近い方がいい。

袴田さんも久しぶりに合流し、しばらく呑んでから池袋へ移動。ジャズバーで軽く飲む。

プロフィール

2007-11-10 12:37:32 | LB中洲通信2004~2010
木曜日。原稿を一本。夜からGATE ONEで梶原まり子さんの取材。まあ今更というか、改めてと言う感じでもあるのだけれども、まり子さんに昔話をしてもらうのはCDのライナーを作ったとき以来である。改めて……意外な場所や人や、経歴が明らかになったです。
この日のライブは福田重男(p)、小杉敏(b)、井上功一(dr)、梶原まり子(vo)で、約1年ぶりに福田さんとも会った。で、福田さんや常連の石川さんとも話していて、ジャズと音楽配信って共存していけるのか、それから“ライブ”のことなど、最近思っていたことを話す。福田さんによるとジャズプレーヤーの中には10数年前からオフィシャルの「プロフィール」が止まっている人がいるそうだ(もちろんそれはプレーヤーではなく書き手側の問題)。結局、誰かに取材を申し込んで、話を聞いて、それを原稿にするという仕事は、プロフィールを更新していく仕事なんだな。誰かのプロフィールがオフィシャルサイトから簡単にコピペできてしまう(してしまう)状況ってのはかなり問題があるね。反省。