徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

2010年が終わらない

2011-01-13 04:49:39 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
ドラスティックな変革を迎えた清水。12日、ついに健太エスパルスを支えた両翼の移籍が発表された。
早い時期から噂が出ていた淳吾、12月に入って名前が挙がり、まさかとは思っていた兵働、そしてこの一週間ほどで急に具体的になった一樹。まず一樹の場合はこの変革(チャレンジ)の時に、この決断をするというのがまったく意味不明で、理解に苦しみ、呆れもしている。
淳吾は……天皇杯決勝後にゴール裏と口論をする姿をYOU TUBEで観てこれも呆れてしまった。いくら理由があったとはいえ、ちょっとお話にならない。
問題は昨季のキャプテンを務めた兵働だ。スポーツ紙の移籍報道に対して「ガセ」と話したという情報もあり、天皇杯の勝ち上がりで、そして決勝前後のコメントでも残留のニュアンスを残していた。しかし移籍コメントやブログを読む限りでは予想以上に早い段階で決断していたようで、決勝直後(しかも終了直後だ)の報道で感じたように、キャプテンからしてこれではゲーム前からチームはすでにバラバラだったのではないかと改めて思ってしまう。フロントの問題を指摘する声もあるが(そして憶測の域は出ないが、それは何となく理解できる)。

定型文でいくらでも綺麗事は言える。彼らはコメントで揃いも揃って<成長>を口にしている。
しかし彼らはリーダーだった健太の下で、最後まで紳士だったフローデの下で、寡黙な兄貴分だったテルの下で、西部の下で、そして圧倒的なスターだった伸二の下で、このチームで求められていたような<成長>はできなかったのか。これは他サポが煽り気味に言う<逃亡>ではない。自分が本当にチームの矢面に立たなければならない局面で無責任にも<逃げた>としか思えないのだ。現時点では。もちろん彼らにも、清水エスパルスで何も成し遂げられなかった挫折感はあるだろう。健太がチームを去るという、チームのひとつのサイクルの終わりも自覚しているだろう。しかし、それにしても、である。特に兵働については(半ば覚悟していたとはいえ)予想外だったし、残念としかいいようがない。
今週中にSの極みで彼のインタビューが掲載されるらしい。移籍話はまたそれを読んでから改めて。
2010年シーズンはまだ終わらないなァ…。

藤本淳吾選手 名古屋グランパスへ完全移籍決定のお知らせ
兵働昭弘選手 柏レイソルへ完全移籍決定のお知らせ
原一樹選手 浦和レッズへ完全移籍決定のお知らせ

ちなみに彼らが去った後の戦力についてはまったく悲観はしてません。悪しからず。

(1月14日追記)
Sの極みのインタビューを読んだ。
イチやテル、西部の話をするならば、要するに「清水というクラブを支える気がない」ということだろう。
君は一体清水で本当に「成長」してきたのか、訊きたいものである。

金の話をするならば、スポンサーに限界がある以上、やはりこのチームはタイトル(賞金)を獲るしかなかったのだ。「優勝を目指すがギャラが上がるので優勝しない方針」はかつて強化部長の口から漏れた、悩ましい清水の現状なのだけれども(これはこれで、サポやファンを馬鹿にした実に腹立たしい方針なのだが)、少なくとも、タイトルを獲ったのならばクラブと交渉する資格はある。夏過ぎから交渉を始め、12月の柏からのオファーを受けるまで悩み続けても仕方がない。しかしタイトルは獲れなかったのだ。
君はプロスポーツの世界に生きる男ではなく、結局サラリーマンだったのか?
とても「ありがとう」等と言える心境にはなれない。流行りの0円移籍で、この男は何も残さずチームを去る。

タイトルを獲り続けることで、勝ち続けることで、賞金を稼ぎ続けることで、チーム、そしてクラブの求心力を維持し続ける鹿島アントラーズは本当に素晴らしいクラブだと思う。いや、マジで。
健太のチームもそうなるべきだった(なれる可能性はあったと思う)。
そうなっていたら、こんな呆れた事態にもならなかっただろうし、情けない話を聞くこともなかっただろう。
今季、ゴトビ監督が率いる清水は本当にチャレンジするチームに「変わる」だろうよ。
このチームが一番「成長」できて、「チャレンジ」できるチームだと信じている。
そして、そこで、本物の男(プロ)が育ってくれることを願っている。

あ、具体的には書かないけど静岡県の抱えている危険性を理由に移籍を決断したのならば兵働さんに謝罪する用意はありますよ(笑)。

季節の終わり/天皇杯決勝・鹿島戦

2011-01-03 04:59:02 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「やっぱり一人ではなかなかできない。やっぱりチームがしっかりとした協力者がいないと勝てるチームはなかなか作れないなという風に思いましたし、いろんな意味で監督業はホントの意味で孤独なんだなということも、この6年間でつくづく思い知らされましたし、仲間うちで「楽しい」っていうわけじゃないですけど、協力して、みんなでという想いもありましたけど、やっぱり責任は自分は取らなければいけない。自分自身がしっかりしなければいけないという中で、やらなきゃいけない職業だなと、厳しさというところをこの6年間で思い知らされましたし、ホントに勝つということになれば、なんでしょうね、別にクラブのせいに……逃げるつもりは全くないですけど、ただやっぱり現場といろんな意味で一体になって戦わないとやっぱりタイトルというのは転がってこないんだなという想いはあります」(Sの極み 1月1日付)

元旦は天皇杯決勝戦、鹿島アントラーズ戦

結局家を出たのは8時を過ぎてしまったが、12番ゲートの上に場所をキープした。周囲も声を出す人たちが多かったので心強く、最後まで声を枯らした。

ゲームが終了後、松葉杖の兵働がゴール裏に姿を見せ、ひとりひとりと抱き合う。その印象的な姿を見送ってからは、しばらくは声も出なかった。前列とプレーヤーや関係者がトラブルを起こしたという情報もあるが(YOU TUBEに動画も公開されていた)、もはやそれも瑣末なことである。驚くほど心の動きがなかったのは、この「強い」チームが結局何も残せないまま終わってしまったからであり、その「強さ」すら儚いものだったことを実感してしまったからだ。
ゲーム終了後に飛び込んできたニュースには耳(目)を疑ったほど、余りにもサポーターには残酷なものだった。本当にこのチームはひとつにまとまっていたのか、結局バラバラだったのではないか。実に寒々しい思いがした。
この件も含めて移籍選手情報は公式に発表されるまでは信じ難いが、タクに「この」アントラーズに行って欲しくはない。

兵働「頼むから勝ってくれと思いながら、優勝して今シーズンを締めくくれれば、良い形でみんな送り出せると思ってみてました。(中略)準優勝で悔しい思いをしたので、来シーズンもまた頑張れるだろうと、また頑張ろうと言いました」(J'sGOAL 1月1日付

兵働のコメントの真意はよくわからないが、他サポはこの状況を「チーム崩壊」と呼ぶ。
ある程度の情報と状況を知る清水サポにとっては、個々の事情や報道のニュアンスに違和感を感じるので一概に「崩壊」とは思えないのだが、他人の不幸が大好物のマスコミのフィルターを通して見てしまえば、確かにそう見えても仕方がないような状況ではある。
かつてのヴェルディやジュビロのように、栄光を背負った主力が離脱することでチームを崩壊させるということもなく、タイトルを獲り続けることで強さを維持し続けたアントラーズ。一方チームが「高く評価」されながらも、結局何のタイトルを獲れずに終わってしまったエスパルス。
天皇杯優勝によってACL出場権を得るという、これ以上ない「タイトル」を決勝のモチベーションに変えたアントラーズ。「このチーム、このメンバー」という余りにも儚いモチベーションで勝ち上がったエスパルス。
準決勝で、三連覇という「おまけ」のようなモチベーションで挑んできたガンバ相手に準ホームのエコパで対戦するという状況で、エスパルスが「このチームらしさ」を発揮した、思い通りの快勝を果たすことができたのも、それはそれで納得できる。このチームはノンタイトルの、フラットな状況であれば実に素晴らしいゲームを魅せる「強い」チームだった。個々のプレーヤーのクオリティがアントラーズに劣っているとは絶対に思えない。むしろクリエリティブでは勝っていただろうと思う。しかしプレーヤーを突き動かすモチベーションやリーダーシップを得ることはついにできなかった。

アントラーズとエスパルスは実に対照的であると言える。それは紙一重とも言えるし、彼岸にあるとも言える。まあ「アントラーズに学べ」とは思わないけれども。
ただひとつ、今大転換の過程にあるチームが「アントラーズになれた可能性」はあった。
例えば2008年のナビスコカップ、2009年、そして2010年のリーグ戦、そして2度の天皇杯決勝。タイトルがひとつでも獲れていれば、このチームの未来は大きく変わっていただろうと思う。タイトルを獲ることで強い個性が強い絆を保ち続けるアントラーズのように。

しかしこのエスパルスの大転換が単なる一クラブだけの転換ではない可能性もある。
清水の場合、移籍ルールの変更に加えて、報道されているプレーヤーの多くが今シーズンでの契約満了を迎えてしまったがゆえに過剰な混乱を引き起こしているが、移籍ルールの変更と元旦の読売新聞が報じたニュースを併せて見れば、この状況は今後、他クラブでも起こる可能性が間違いなく、ある。プレーヤーの意識の変化、クラブ運営が見直されようとしている。他クラブが「(現在の)エスパルスになる可能性」もあるわけだ。

<2013年シーズンからJリーグに導入される毎年の資格審査、クラブライセンス制度の概要が31日、明らかになった。 3年連続で赤字を出したクラブはJ1からJ2に降格させる方向で調整されている。公式参加条件を明確にすることで、リーグの価値向上を目指す。(中略)赤字については緊急の選手補強などで発生する可能性のある単年度の赤字は容認するが、3年連続は認めない。 Jリーグ関係者は「財務でもフェアプレーを求めていく」と話している。(中略)審査基準は、J1はJ2より厳しくすることが検討されている。2012年6月にはライセンス申請を締め切る見込みで、今年は試行期間として仮の手続きを進める予定だ。>
読売新聞 1月1日より

この決勝戦で6年間を振り返るのは重過ぎる。
この6年間、あまりにも無邪気に一喜一憂してきた。

淳吾「格好良くいえば、このチームの次に進むときが来たと思うので、そういうタイミングじゃないかと思います」(J'sGOAL 1月1日付

お前が言うな…とは思わないでもないが。
淳吾の言うとおり、個々のプレーヤーだけではなく、チームは次の段階へ進む時期に来ていたのは間違いない。健太体制と同時に加入した兵働は6年、淳吾にしても5年、選手寿命が短い大卒プレーヤーという意味でも、彼らがエスパルスで過ごした時間は決して短くはないし、重くもあるだろう。それでも彼らに失望してしまうのはほとんど感情的な部分でしかなく(しかしそれが大きいんだな、これが)、プレーヤーとしての判断はそれなりに尊重できる。自己プロデュースとしてはあまり良い判断とは思えないけどね…。

5年前の元旦、オレたちは「チーム」に確信を抱いた。最後まで残留争いをしたこのシーズンの終わりに、このチームは強くなると確信した。そして、それは「ほぼ」間違いなかったと今でも強く思う。「浦議」のキャッチコピーではないが、Jリーグの中で「健太エスパルスほど熱く語れる対象はな」かったのだ。それは自信を持って言える。
しかし、その5年後の元日の国立競技場で<心血を注いだものが破壊されるのを見て>しまった。
それでもオレたちは<腰をかがめてそれを拾い、古い道具で再建する>の見守るしかないのよね。

ひとまず今月中には陣容が固まる。もちろんオレも腹は括った。
どんなカテゴリーであってもプレーヤーはチームによって変わる。そしてチームを変えるのは監督であり、フロントである。
あまり…というか、この冬はほとんど良いニュースがないのだけれども、個人的には意外と今季を楽しみにしている。残るプレーヤーたちが、本当にこのチームを「オレのチーム」と呼べる、戦えるチームに変わっていくことを願う。そして、また清水エスパルスを熱く語れる季節がやってきてくれることを祈る。

岩下「(清水は)力のあるチームだと思うし、タイトルを取ることによって、それぞれの選手たちの自信にもつながって、違うチームになれるぐらいの刺激とかきっかけにもなるので、タイトルが本当に欲しかったですね。だから、取れなかったのはすごく悔しいし、まだまだ力不足だと思います」
J'sGOAL 1月1日付

真希「いや、勝ちたかった……サッカー人生で一番泣いたかも知れない(中略)(Q来季はマサキが中心でやるぐらいのつもりで?) そうっすね。ホント気持ちはそのぐらいで、やらなければいけないと思いますし、やりたいっすね」

宏介「心機一転、また気持ちも切り替えて、全員ゼロからのスタートなんで、また勉強になることも多いだろうし、そん中でポジション争いに勝って、来季はずっと出続けられるように頑張ります」
(以上、Sの極み 1月1日付)


健太ありがとう。どうしたって清水との縁が切れるわけじゃないんだし、また第二次体制の時期がやってくることを願っている。今季を最後にチームを離れる健太チルドレンたちありがとう(鹿島はもちろん、個人的にクズクラブに認定した名古屋と柏は絶対に負けられねェけど)。
そしてバーケンさんありがとう。あなたのお陰で密度の濃い6年間を過ごせたと思うよ。あなたは本当に大事な場面で去ってしまったけれども、エスパルスの戦いはまだ続いていく。
この6年間はJの歴史には残らなかったけれども、オレの心の中には歓喜と失望がはっきりと刻まれた熱い季節だった。

今季のプレイバックと愚痴と恨み節は今季の陣容が固まり次第…たぶん。
変わるのは楽しみ、だが、さすがにフロントもサポを生殺し状態にするのはいい加減にして頂きたい。
本当、どうすんの? 今年のカレンダー。グルーポンの謹製おせち詐欺じゃないんだから…。

(1月3日追記)
何か煽られたようなので追記しておく。
Twitterにも指摘があったし、サポも認識しているはずだけれども、このブログのスタンスも以前から「エスパルスの選手層はリーグトップレベルの厚さ」と主張してきた。ということで「ひとつのサイクル」が終わった時点で「選手層」が見直され、大改革が断行されるのは当然である。
もちろん6年という時間を共に過ごし、「清水の顔」とも思えるプレーヤーにまで噂が立っていることは残念だし、寂しいことでもあるけれども、清水の厚過ぎる選手層を前提に考えた場合、心ないマスコミや他サポのいうような「崩壊」というニュアンスには違和感があることを表明しておく。「崩壊」した方がマスコミや他サポには都合のいい話のタネになるのはわかるけれども、そういう安直な話題作りには徹底的に抵抗する。
井原のCMじゃないが、「メンバーが足りません」みたいな状況だったらわかるがw
オフィシャルの情報が少なすぎるためにフロントのスタンスは実にわかりずらいのだけれども、現イラン代表監督のゴトビ氏を招聘する以上、残留争いの危険性も秘める賭けとはいえ、何のヴィジョンもないとは思えない。ゴトビ氏については昨年の年末に書いた。
あとは陣容が固まってから振り返りたい。

勝利の時も、敗北の時も、再び

2011-01-01 03:19:23 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
もし周囲の人がみな度を失って あなたを非難しても 落着きを失うことがないなら
もしみんなの者があなたを疑っても 自分に確信を持ち 人の疑いを思いやることができるなら
もしあなたが待つことができ 待ちくたびれることがないなら
もし偽りを言われても 偽りを返さないなら
そして善人ぶったり りこうぶったりしないなら

もし夢を持っても その夢に振り回されないなら
もしよい思いが浮かんでも それを最後の目標としないなら
もし勝利を得ても 敗北をなめても 勝利に酔わず 敗北にくじけないなら
勝利と敗北のふたりの詐欺師を同じように扱えるなら
もしあなたの語った真理のことばが 無頼の徒によって
愚か者をとらえるわなとしてゆがめられるのを聞いても 耐えることができるなら
もし心血を注いだものが破壊されるのを見て 腰をかがめてそれを拾い 古い道具で再建するなら
(中略)
地はあなたのもの そこにあるすべてのものもあなたのもの
--私の子よ もうあなたは一人前だ
(ラドヤード・キップリング「もし」/『人生の訓練 新版』V・レイモンド・エドマン/海老沢良雄・翻訳/いのちのことば社)

<自分としては、サッカーの試合の結果などにできるだけ影響されないようなふりをしています。しかも本当はふりをするのではなく、実際そういうことに影響されないよう心がけたいと思います。キップリングの有名な詩があります。

あなたがそれら二人のペテン師とうまくつきあうことができれば、
勝利と時も敗北の時も
あなたがそれら二人のペテン師と同じようにつきあうことができれば
あなたは男なのです

しかし現実はそう簡単なものではありません。私はまだサッカーを生きているからです。>
(『勝利の時も、敗北の時も』オスヴァルド・アルディレス/鍋田郁郎・構成/NHK出版)

決戦直前

2011-01-01 02:48:39 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「すべてをこの試合にぶつけたいと思います。それは何かといったら、一口では答えられないですよね。もちろん、(試合への)持って行き方にしても、6年間いろいろ試行錯誤して、チームをどう作るのかとか、どういう形でというのをやってきたわけですから」

淳吾「前からアグレッシブに、裏を狙い続けるぐらいの意気込みで。あと、セーフティーなプレーだけはしないように、失点したくないなとか、決勝だからという気持ちを出さないで、平常心でできれば大丈夫だと思います」

オカ「自分は5年前の(天皇杯)決勝が初先発だったので、ちょっと運命的なものを感じるけど、そこはあまり気にはしないです。僕らは失うものはないので、みんなと最後に一緒にやれるという気持ちですかね」

イチ「僕のエスパルスでのプロ生活は、天皇杯で始まっているので、最後にこういう決勝という舞台で終われるので、エスパルスでのプロ生活を最後に良い形で締めくくりたいです」
(以上、J'sGOAL 12月31日付

イワシ「自分の価値だったり、チームの価値を上げるためにも大事な試合になると思うんで、サッカー選手として長くやって行く中で『あの試合が凄いきっかけで良くなれたな』という風に思えるような試合にしたいと思いますけどね」

宏介「(2008年ナビスコ決勝)ちょうどそれ、車停めて車のナビ(テレビ)で観てたんっすよ。(笑)『いいなぁー』とか思って。ホント『清水に来て良かったな』と思いますね
(以上、Sの極み 12月31日付)

イビツァ・オシム「監督ではなくて去年まではやはりブラジル人の問題があったんじゃないでしょうか、このチーム(エスパルス)は。でまあすごく有名な選手とかがいて、周りの期待が大きかったんじゃないでしょうか。清水は今回監督が決めて、若い選手を多用しているということで、そういう意味では優勝するとかそういうことじゃなくて、やはり清水のクラブとしてのプランによって、そういう風に若い選手を使い続けることによって、今シーズンが終った頃には若い選手が一人前の選手になっているんじゃないでしょうか。そういう意味では『清水というのは若い選手がたくさんいるよ』という一つの方向性が生まれるということでも良いことではないでしょうか。
あとはまあそれで、どうゆう結果になるかっていうことですけど。まあただ、やはりこの自分たちの地方の選手が良いプレーをしたときにはやはり良いものですよね。」(Sの極み 2005年4月23日付)

最高のクライマックス、へ/天皇杯準決勝・ガンバ戦

2010-12-30 14:32:27 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
昨日はエコパで天皇杯準決勝・ガンバ戦
寝過ごしてしまい予定よりは出発が遅くなってしまったけれどもキックオフの約1時間前には愛野に到着。ゴール裏に適当な場所をキープ。どうせ座りゃしないんだから席などはどうでもよろしい。
ゲームは今季前半のエスパルスを思い出させるような圧倒的な展開になった。
やはり準々決勝の苦しい内容はこのゲームに生かされていたと思うし、12月4日のガンバ戦の「完敗」をそのままお返ししたような内容にサポの溜飲も下がったことだろう。

兵働「今日に関しては、早い段階で点が取れて、リードした状況で試合を運べたので、そうなるとこっちもしっかりバランスをとりながらダブルボランチ気味にするということもできたと思います」

タク「みんなシンプルに出して動いて、出して動いての繰り返しをすごくやっていたので、それがシンプルにゴールに直結していたと思います。あとは、相手のサイドバックの背後を狙っていこうという狙いがあって、そこは今日はよくできていたと思います」

フローデ「今日は本当に選手たちがシャープによく動いていたと思うし、自分自身もそんなに疲れたという感覚はないです」

(以上、J'sGOAL 12月29日付

叩き2戦目の内容は上々で、時間をおかずわずか中2日での元日決勝も勢いを考えれば悪くはない。
そして決勝の相手は鹿島。健太エスパルスが「トップを目指す」ために乗り越えるべき仮想的としてきたのは、浦和、ガンバ、そして鹿島だった。
ガンバ、浦和には割合早い時期から五分以上の戦績を収めるようになったように思うけれども、一年目、二年目の鹿島戦は惨憺たるものだった。目の前で大逆転優勝を見せ付けられたこともあった。
そして6年前と同じように鹿島は変わらずリーグの強豪でい続ける。また決勝戦はACL出場権を争う戦いになる。

口の悪い連中は「健太の思い出作り」なんて書いているが、とんでもない。ひとつのチームが長いサイクルの中で到達したのが、元日の決勝戦なのだ。一体清水以外のどこのクラブが、6年間という時間の中でひとつの方向性でチーム作りを進めることができただろうか。
健太が去る来季以降清水がどんなチームに変貌していくのかはまだわからないけれども、清水が優勝してACLに出場するということは、このチームが「継続」していくということを意味する。
それは来季、大幅な「リセット」が行われ、このチームがどんなチームになろうとも、だ。

また口の悪い連中は、健太のチーム作りを指して毎年「リセット、リセット」と揶揄していたが、「リセット」も毎年続けていれば、それは「勝つ(タイトルの)ためのトライ」に他ならず、それは批判のための批判としか読めなかった。
作り続けるということは常に変わり続けていくっていくことになんだよ。浦和に、ガンバに、そして鹿島に勝つために。フットボールを勝つためには変わり続けなくっちゃいけない。

思えば清水の絶対的象徴だったノボリを送り出したのは健太だった。そしてその年のリーグ最終戦の相手も鹿島だった。結果はドローだったが終了のホイッスルが吹かれた瞬間に和道を始め何人ものプレーヤーがピッチに倒れこんだ姿を今でも思い出すことができる(あの時、「ノボリのために」チームは死力を尽くして戦った)。
それは確実に変化で、チームの変革だった。健太の終わりの年に、ノボリほどではないとはいえ、またしても象徴的な存在であるテルとイチが去っていくのも皮肉なものだ。また暗黒期の“静岡・清水”の悪弊を破壊した健太が去って再び“静岡・清水”が集結するのも…それは、それがサイクルと言うしかない。
そしてまた最後の相手が鹿島だということも。

テウクもマルキもJJも西澤も山西もヤジも和道も純平も、6年の間に去っていった数多くのプレーヤーやスタッフも観ていて欲しい。これが君たちが関わってくれた、健太の作ったチーム(君たちのチームであり、オレたちのチーム)が最後に迎えた最高のクライマックスの舞台なのだ。
ただ、絶対勝って欲しい…とは思いつつも、正直勝っても負けても構わないとも思っている。それが現実なのだし、どちらに転ぼうが、その瞬間にオレたちのチームには終わりと始まりが交錯するんだから。
前を向いて笑っていられるようなゲームになって欲しいと願う。

どんな結果になろうとも、もう何にも怖くない。
『勝利の時も、敗北の時も』の中でオジーが言ってたじゃないか。
目先の事柄に振り回されるのは確かに楽しい場合もある。
しかし、オレたちもそろそろ<一人前>になるべきだぜ。


俺がお前でお前が俺で/天皇杯準々決勝・山形戦

2010-12-27 03:06:15 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
土曜、三週間ぶりのアウスタで天皇杯準々決勝・山形戦
静岡駅からシャトルバスに乗ったのだけれども(時間帯もあったのかもしれないけれども)見回せばほとんどがモンテサポ。強風で時化る駿河湾に目をやり、海岸を抜けた後、澄んだ空気に映える富士山が見えた瞬間に携帯で写真を撮り始める初老サポたち(若者も)。「いや、スタジアムからでも撮れますよ。てかスタジアムから撮った方が綺麗だから!」と言おうとも思ったが止めておいた。
相手がいくら呑気で穏やかな人たちとはいえ、負けるわけにはいかないゲームなのである。
いくら呑気で穏やかな人たちとはいえ、奴らは清水が負けることを願っているのである(被害妄想)。

今季リーグ戦ではホームもアウエイも3-0で勝利している山形相手。しかもアウスタ開催で清水にとっては完全にホーム状態…ではあったが、三週間のブレイクがあったということもあり、しっかり準備し、対策を講じてきた山形にも期するものがあった模様。特に前半は概ね清水ペースでゲームが進んでいたとは思うが、問題はペースを握ることではなくて間隙を突いていくことなのだから、目先の清水のポゼッションはあまり意味がない。という内容で延長、PKまでもつれ込む。
それにしても田代の先制点の後にそれほど間を置かず同点弾をエディが決めたのは大きい。
11月以降、清水を出汁に使ったマスコミの意図的な移籍報道が続いている。しかも他クラブも状況からお構いなしに揺さぶってくる(これを遺恨発生と呼ぶ)。
それを含めてフットボールであり、それを含めてゲームであるのは確かなのだけれども、あまりにも情報が多すぎると単にスタジアムへ行ってゲームを目の前にしても集中できない自分もいる。
これはもう、ゴールか、結果でしか解消できない。
だからエディのゴールは単に追い付いたということ以上の意味がある。

PKでは声を枯らせて祈るように観た。イチの順番では去年のエコパの光景が甦ったが。
トーナメントは結果がすべてである。山形は連敗中の相手に対してエディの同点ゴールまでは9分9厘プラン通りの素晴らしいゲームをしたと思うが、どんな内容でも勝たなければ意味がない。清水はどんな内容でも勝てばいいのである。
このチームはまだ続く。次は中3日、29日にエコパで準決勝・ガンバ戦。
この日の山形がそうだったように、勇気を持って今月4日に「完敗」したガンバに挑んで欲しい。

ゲーム終了後、テルとイチの「エスパルス栄誉賞」の授与セレモニーが行われた。
いまだにテルとイチのいないエスパルスはイメージできないけどね。



今朝は改めて兵働のニュースが報知に掲載された。本人は記事内容を否定したそうだが、事態はまだ流動的だろう。他のプレーヤーの動向も含めて、天皇杯の結果も動向に大きく影響する可能性は、まだ、ある。
このゲームを観て(ちょっとだけ)確信した。

しかし、早くて29日まで、遅くとも一週間後には、この愛すべきチームは解散する。
アングラ情報ともいえる不可思議な報道が繰り返されるプレーヤーも含め、公式に発表されたイチ、テル、アオ、フローデ、西部らプレーヤーはそれぞれの道を歩む。
しかし彼らのプレーヤー人生はまだまだ続くわけだが、健太を中心にして6年間で作り上げたこのチームで彼らが一緒にプレーすることは、おそらく、もう二度とない。このチームでゲームができるのは、あと、多くても2つ。
だからこそ、このチームが「自分のチーム」であることを証明して欲しい。そして、このチームが「自分のチーム」であった証しを遺して欲しい。
PKを決めた兵働が咆哮して、岩下がエンブレムを掴んでゴール裏にアピールした時は感動したんだからさ。おそらくあの時、彼らは言葉にならない何かを表現していたと思う。
そして、あの姿はオレ、オレたちなんだから。「俺がお前でお前が俺で」という…。

こういう状況になると、やはりサポも「プレーヤー」であることを改めて実感する。
こういうサポの陶酔や妄想を嫌う人もいるのはわかるが、仕方が無いじゃない。
サポは「移籍のできないプレーヤー」なんだから。
どうしたって結局サポはチームやクラブを映す鏡なんだ。
だからもうそろそろ仲良しサークルごっこなんてやってないで、もっと声出せよ、と思う。
「自分のチーム」ならば。



Ne'er looked back, never feared, never cried

we make history together

2010-12-11 01:30:36 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
<清水の来季新監督に現イラン代表監督のアフシン・ゴトビ氏(46)が就任することが9日、明らかになった。(中略)新監督の契約は年俸5000万円(推定)の単年契約だが、期間についてはオプションもあり、3年をめどとしている。02年日韓W杯で世界的名将ヒディンク監督の「右腕」として韓国を4強に導いたゴトビ新監督は「清水でアジアNo.1のチームを目指す」と宣言しているという。>(日刊スポーツ 12月10日付)

新監督が正式に発表された。
まあイラン代表の動向を逐一追っているわけではないのでアフシン・ゴトビというマネージャーがどの程度の仕事ができるのかは、現状としてはプロフィールや数少ないイランサッカーファンのブログ等でうかがい知るしか術はない。
ただしナショナルチームの若き代表監督を一年契約で(オプション付きとはいえ)育成程度の目的で招聘するとは考えられない。健太エスパルスの勝負とは違った意味で来季も勝負の年になる。

<Put your boots on and Join me for an unforgettable journey.>(アフシン・ゴトビ

新しいブーツを履いて(健太ゴメン)オレたちも忘れられない旅に出るんだよ。
まあこれはイラン代表とイラン国民へ向けた言葉なんだろうけど、タクが鹿にちょっかい出されて凹んでる清水サポにも早くメッセージして欲しい。
これは果敢な、ひとつの冒険が終わった後に始まる新しいチャレンジで、煮詰まった水脹れの金満チームにはできないチャレンジだよ。
淳吾にもタクにも参加して欲しい。清水エスパルスというチームが「自分のチーム」だと思えるのならば。

<アフシン・ゴトビ氏の質について私に尋ねるなら、彼はインターナショナルトップサッカーにおいて素晴らしい未来を持っているといえる。そして、彼は現在、イランにとって適切な人物だ。彼よりもよい人物は望めないだろう。ゴトビ氏は非常に高い野望を持ち、国際サッカー界での彼の道を知っている。彼は世界中にコンタクトを持っている。ゴトビ氏は間違いなく、イランをハイレベルに上げることができるだろう。(中略)ゴトビのような経験を持つコーチはアジアにはあまり多くいない。(中略)ゴトビのチームとは対戦したくない。なぜなら、彼が正確に、詳細にコーチングするのを知っているからだ。>(ディック・アドフォカート/アジアカップ2011公式サイト「カリミ、アドフォカート氏もゴトビ氏をバックアップ」

来年1月のアジアカップは日本代表以外にイラン代表にも注目だ。
合流が遅れる可能性があるのは仕方がないが、年明け早々から次期監督の采配振りをヲチできるなんて贅沢な経験は他クラブにはできないぜw
もともとイランの男気サッカーは好きだったので楽しみ。

まあ、その前に天皇杯だけど。天皇杯なんだよなァ…。

健太無残/最終節 ガンバ大阪戦

2010-12-05 13:08:36 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
アウスタで最終節ガンバ戦
ゲームの入り方は悪くなかった。あまりにも悲痛というしかない西部のアクシデントが起こるまでは。

しかし何という既視感だろうか。ガンバ相手にこの展開は観た事がある。昨年11月22日のアウスタでのガンバ戦を思い出させる完敗。アクシデント絡みで早めに失点を喰らうと、ガンバは幾分引き気味になり、しかし中盤での寄せは激しく、相手のミスを誘発させてショートカウンターでゲームを支配する。
スカパーでのインタビューでも健太が言うようにチーム力の差があったとは思えないが、3点目を決めた佐々木の投入にいたるまで西野のプランに完全に乗せられてしまった。確かに素晴らしいゲームだったと思うし、ガンバにとっては素晴らしい結果だったと思う。
しかしリーグ戦のホームラストゲーム、健太の6年間を締めくくるゲームで、この完敗はあまりにも無残すぎる。

西野朗監督「選手が自分たちで立てられる最高の目標設定を、今日このゲームで出したいということで、その目標を明確に持って、今日のゲームで実践できたんじゃないかと思います。何となくという目標ではなくて、“必ず”という全員の気持ちが伝わったゲームだったと思いますし、非常にハードワークして集中した素晴らしいゲームをやったと思います」(J'sGOAL 12月4日付

西野の言う<何となくという目標>は、ゲーム前に健太が口にした「3-0で勝ってシーズン最多得点」発言への当てこすりと取れなくもない。このゲームでの西野のアクションはそれほど激しかった。そして、やはり、それほど清水は<何となくという目標>しか持ち得なかったと思わざるを得ない。
勝利によってACL出場圏を確保するという明確な目標設定を立てるガンバに対して、前節終了時点でもはや今日勝ったとしても順位を上げ、リーグ戦でのACL出場圏に喰らい付くことも叶わない清水。11月に入って敗戦処理の報道が繰り返され、6年に及んだ健太体制のリーグ戦での、ホームでのラストマッチも、プレーヤーには「目標設定」にはなり得なかったのか。外的な目標設定ではなく、自ら目標を設定し、モチベーションを上げゲームに臨むというメンタリティをこのチームはとうとう獲得できなかったのかもしれない。
本当のところはわからないが、身体は正直だよね。

まあそれはスタジアムの雰囲気にも表れていた。つまり、どこか、もう「このチームは終わってしまうのだから誰も責められない」という雰囲気。この日も珍レフリングを繰り返したレフリーの柏原には相当罵声が浴びせられたが、もはや健太やプレーヤーに野次を飛ばす人はほとんどいない。
スタジアムにいた誰もがわかっていることで、それは、このチームは間もなく終わってしまうからだ。
それでもガンバに3点目を取られて席を立つ人たちがいた。まあ、おそらくそれには何のメッセージもなくて、単に「もうゲームは決まったからとっとと帰ろう」程度の気持ちしかなかったろうけれども、闘っているチームに対して「席を立つ」という行為そのものには何らかのメッセージがある。
しかし、この日、終わっていくチームに対して「席を立つ」というメッセージはほとんど意味がない。

この後、アウスタで天皇杯準々決勝が行われるとはいえ、天皇杯予選ではクラブによるセレモニーは行われない。
公式にこのチームを見送るのはリーグ戦最終節しかないのだ。
それは、勝とうが負けようが、である。
その雰囲気は、仕方がないとはいえ温さを生む。ゲーム終了後に行われたセレモニーでの健太やプレーヤーのさばさばとした表情を見れば、それがわかる。
だから、残念だけれどもチーム力に差がなくても完敗するのだ。それは最終節で感動的な奇跡の残留を果たした神戸と前節対戦したときに見せつけられたことじゃないか。それは<何となくという目標ではなくて、“必ず”という全員の気持ち>の違いに他ならない。あのゲームは神戸にとっても、清水にとっても実に大きな分岐点になった。チームスポーツにとって目標を失うことの恐ろしさを改めて感じる。
セレモニーで健太は苦笑いしながら挨拶をしたが、ちょっと、これは無残としかいいようがない。
綺麗な富士山が見えて、冷たく澄んだ空気に花火も映える冬のアウスタは最高なんだけれども、この6年間に行われたセレモニーの中では実に微妙で、別の意味で切ない空気が流れた。
このままで本当に天皇杯は大丈夫なのか。

健太「この1週間、色々終わったあと、何を言おうかなと考えたんですが、『まだやっぱり終われない』という想いが強くてですね、何とか天皇杯、最後の気持ちを皆さんに観てもらいたいなという風に思ってます」(Sの極み 12月4日付)

確かに「6年間、楽しかった」し、「健太、ありがとう」なんだけれども、それは本当にすべてが終わってから書くことにする。このまんまじゃ終われないよな…とサポならば思うだろう。
しかしプレーヤーがどう思っているのかは、正直わからない。これから25日の天皇杯山形戦までは三週間が空く。公式の移籍情報の類は出るだろうが、プレーヤー自身の情報は極端に減っていくだろう。彼らが改めて自らのモチベーションを上げ、果たして<何となくという目標ではなくて、“必ず”という全員の気持ち>を獲得することができるのか。考えれば考えるほど絶望的な気持ちになるが、淡い期待も捨て切れない。
西部の怪我の情報もまだ公式には出ていない。まだ「終わっていない」のに、だ。
このまま不完全燃焼で終わってしまうのか、それとも元日まで完全燃焼できるのか。はっきり書くが、この期に及んで闘えないプレーヤーはもはや必要ない。クラブ公式サイト用の空虚なスローガンも必要ない。個々のプレーヤーやクラブ関係者、サポーターの、このチームに「かける想い」が問われている。
普段ゴール裏はアウエイ専だけれども、次のアウスタ天皇杯はゴール裏へ行って精一杯声を出そう。

リーグ90勝目は、第二次健太体制で実現しよう。その日がきっとやってくることを信じている。



<日本代表としても活躍した現役時代には、これほど「勝利」が遠いと感じたことはなかった。今季J1最年少監督としてようやく1勝に届いたが、その相手は同最高齢63歳のオシム監督で、年齢差は24。「リーグ戦で勝つことが、そんな簡単なものではないと先輩方が教えてくれた。プレッシャーの中で、どうやって勝つか。勝つことの難しさをあらためて思い知らされた」。勝ち気で負けず嫌いな監督が、しみじみ言った。>
<会見でオシム監督は「気持ちというのはすごく大事です」と切り出した。「清水はメンタル的に何かを成し遂げようという準備がきちんとできていた。反面、うちは全くできておらず、実力を発揮できなかった。(中略)試合後のミーティングも約30分と長引き「今日のような戦いぶりではいつか下位に低迷する」と警鐘を鳴らした」(以上日刊スポーツ 2005年4月24日付)


セレモニーの演出は非常に良くなったと思う。
しかし泣くと思ったけど、泣けなかったな。まあ、まだやっぱり「終わってない」からなんだけど。
それにしてもスタジアムのPAは何とかならないのか。

駅南で呑んで、東京帰ってから地元でもちょっと呑んだ。
ということで店長に無理強いして地元の酒場にエスパルスのポスターを貼らせてもらうことにした。静岡・清水とはまったく関係ない土地ですが。ちょっと嫌そうな顔をしていたような気もするからポストカードにしこうかなァw
(12月6日加筆・修整)

行かない理由って?

2010-12-03 18:35:25 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
ライブでも芝居でもそうだと思うけれども、好きなくせに何だかんだとスタジアム(現場)に行かない理由を探している人間というのは一体何なんだろうか。
サポが愛情を表明するのは突き詰めていけば現場に行くってことだけなんだから、問題は行くか行かないかだけで、そこに理由は必要ない。
現場に行けばそこには何かがあるんだから、四の五の言わずにまず行けばいいのである。
アウエイでどんな嫌な目に遭ったって最終的に「行かなきゃ良かった」なんてことはないよ。

天皇杯二回戦とか仕事が終わらないとか金がないとかなら理解できる。
理解はするが、それを言い訳にする必要はない。何かを犠牲にして、無理してでも現場に行っている有志たちがいるんだから、何かを犠牲にできなかったり、金策ができなかった自分を恥じ入るだけである。ピンサポのオレでさえ、アウエイで必ず現場に来ている人たちの顔はそれなりに覚えている。どんなにクズヤローでも、目的を履き違えているような連中でも、まず彼らは尊敬に値する。
しかし信じ難いことにサポを名乗りながら、6年間という長い期間、エスパルスの指揮を執ってきた健太のラストマッチなのに行かない理由を探している人がいる。しかもホームなのに。

行かない理由を探す人は自分の愛情を疑ってみるべきだろう。マジで。

ラストマッチについては改めて。

攻撃的だった証

2010-12-02 02:59:07 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「今年のテーマであった『攻撃的に』ということで、現在(リーグトップ)のガンバ大阪の総得点62点を抜きたい気持ちがある」(現在エスパルスは総得点が60点なので3対0以上での勝利)(Sの極み 12月1日付)

確かに健太は以前から<総得点数=勝ち点>という考え方を口にしていたと思う。
実に苦しみ抜いた後半戦を考えるといかに前半戦をハイペースで得点していたかがわかる。
優勝を意識するのも当然である。オレたちはすっかり優勝するつもりでいた。

まあ仮に63得点(勝ち点)取っても名古屋には追いつけないわけですが。付け加えると、今年ホーム&アウエイでとんでもない失点を喰らっているのも名古屋戦なわけで。

総得点でトップになることは今更勲章にはならないけれども、きっと2010年の清水エスパルスの証になるんだよ。
10年後や20年後に、今年を思い出させてくれるような証を残してくれ。

敗北を受け入れるということ/第33節 神戸戦

2010-11-28 17:36:44 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10


金曜の夜に出かけて日曜の朝に帰って来ると昨日のゲームもずいぶん前のように感じる。
そして、それもなかなか趣きがある。
ゲームの敗戦とリーグとチームの敗北の徒労感と共に。

土曜はホームズスタジアムで神戸戦
神戸戦というのはどう戦っても、いつも焦れるような接戦になる。そしてこの日もいつも通りの展開になった。

開場は1時間30分前。実質1時間の間にゲーム前のセレモニーを押し込んだようなスタジアム演出には忙しさしか感じない。ビジターへのホスピタリティは良かったと思うんだけれども、正直この演出はこれまで行ったアウエイの中では悪い部類。爆音のVTRを多用してさくさく進行するのはまあいいんだけども、日本平と比べても演出に余裕がまったくないんだ。ゲーム前のウォーミングアップも他スタと比べると短い時間に忙しなく終わった感じだったし、オレ自身は初めてのホムスタで嫌な予感がしていた(スタジアム自体はカシマスタジアムに似た雰囲気があって良いスタジアムなんだけど)。
それでも気がつけばバックスタンドはかなり埋まっていて、やはりそこはホームの力を感じさせる。
そして、内容はともかく残留への強い思いがACL圏内争いを凌駕した。神戸がひとり少なくなったとはいえ、退場が後半30分という時間帯では突く穴が開くより前に、神戸の集中力が増してしまうのは仕方がない。それを考えれば辛抱強く攻め続けていたようにも見えるが、とにかく、最後の岩下のシュートが一樹の頭に当たってなければね。

健太が構築し選手層を厚くしたチームというのは、誰が何と言おうと間違いなくリーグでもトップクラスのACL仕様で、そのACL仕様のチームがACL出場を逃し続けたら、その敗北は受け入れなければならない。
リーグ上位安定というある程度の実績を積み、関係者からそれなりのリスペクトと評価を得てきた健太がそれでも監督を辞め、何人かのプレーヤーが心ならぬチームからの離脱を余儀なくされるのはそういうことである。
これは、誰ならクビにしても良くて誰はクビにしては良くないという話ではない。アウスタでもそんな声を聴くことがあるが、それは本当に甘い。オレが健太を支持し応援し続けたのも、ただでさえ豊かで、自己完結しがちな、そういう静岡とエスパルスの甘いメンタリティを破壊してくれたからである。
だから結果的に健太とそのチームの失敗が明らかになったとき、敗北は受け入れなければならない。
もちろん彼らの残した素晴らしい進化と航跡はチームを見続けた人間の心には残る。残念なのはタイトル奪取やACL出場でそれを知らない人間に伝えることができなかったことだけだ。
我武者羅さをラフプレーで表現したこの日の神戸が決して素晴らしいチームだったとは思えないし(それでも勝ったのは素晴らしい)、西村雄一はワールドカップで笛を吹いたとはとても思えない、相変わらず最低のレフリーだったが、負けは負けである。
物凄く悲しいけれども、敗北は受け入れなければならない。

だからすべてが終わり、何もなくなった12月4日のガンバとのリーグ最終節はこれまでの6年間を総括するようなゲームにして欲しい。そして残った天皇杯と共に自分たちのためだけに戦って欲しいと願う。
この一週間で出せるリリースはすべて出して欲しい。
何かが終わり、何かが始まることをこの一週間でリリースして欲しいね。

神戸から大阪へ移動して心なしか重くなった荷物を背負いながら土曜の夜で混雑した梅田を2時間ぐらい歩く。バスの時間まで呑もうと思ったんだが、結局駅ビルの中で軽く呑んだだけで、あんまり酔えなかった。
これ以上酔っ払うと絶対に泣くと思った。
この後、起こったことと併せてたぶん一生忘れない。

また大阪行きたいし、神戸には必ず残留して欲しいと思うよ。
今度は荷物を軽くして関西に行くよ。


ちなみに夜行の高速バスの件。要するに二階建ての場合、狭い臭い天井が低いのは仕方がないのだけれども足の伸ばせない一列目でなければまず無問題。読み書きは無理があるが、昼便の客と比べたら乗客全員が寝るしかないのはわかっているので車内もあっという間に静かになる。これまで静岡便以外はバスは避けてたけど、これで金欠時の関西遠征のアクセスも開拓できたなァ…金策できれば新幹線か飛行機がいいんだけど、まあ、長距離バスもやっぱし趣きありますよ。

走馬灯/第32節 広島戦

2010-11-25 02:29:27 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
そもそも今年の開幕戦で意味不明のPKで出足を挫かれたのが広島戦だった。そして6年間という長きに渡った健太エスパルスの息の根を止められてしまったのも広島戦だった(ナビスコ準決勝敗退の翌日に契約の満期終了を通告)。
何なんだ広島、コノヤロー。
という地味な遺恨を抱えつつ、火曜日はアウスタで広島戦
アウスタもフルハウスとはいかないまでも祭日らしく17000人を越えて良い雰囲気。そして前半は今季でも最高の部類に入る展開だった。直近の公式戦3戦の勢いをそのままに広島を圧倒する時間帯が続く。
コメントにもあるように、中2日とは思えないほどよく動けていたし、周囲がよく見えている。

兵働「『飛ばした』って言うよりは、良いリズムでやれてた分、若干ハイペースになってたというか…」(Sの極み 11月24日付)

こういうときは負ける気がしないものだが、アウスタの雰囲気もまた最高に良くなっている。
それは何故かと言えば、もちろん、このチームが終わりに向かっているからだ。

もう健太には野次は飛ばないし、西部にも、テルにも、市川にも辛辣な野次は飛ばない。まだ進路は明らかになっていないが淳吾にも飛ばないのだ。
ちなみにフローデには最初から飛ばない。

とにかく温かく、ある意味、もう終わりが見えているとはいえ前向きに見守っている雰囲気に満ちている。まあもちろん頓珍漢な連中も中にはいるわけだが、ほとんどいない(と思う)。この期に及んで批判しているのは間違いなくスタジアムにも来ていない連中だ。
それ以前にプレーヤーがそれに相応しいプレーを見せているのが嬉しいんだけどね。
広島もACL圏内を賭けて後半は怒涛の攻めを見せ、アウスタにスタジアムにいないと実感できないような痺れるような時間が続く。広島のプレーヤーも本当に必死だから、チュンソンあたりはブーイングを喰らいながらも素晴らしいゴールへの執着心を見せた。
後半は引き過ぎたとはいえ、それは例えば決勝まで駆け上がった2008年のナビスコカップの決勝トーナメントの日々を思い出させた。何か賭けるものがあるのならばピッチで表現して、証明すればいいのである。淳吾や西部の「現在地」を証明する素晴らしさはそれだ。兵働が魅せたゴールと元紀が表現する躍動感から見えるのは来季に賭ける意志だ。
次は明後日、中3日の土曜日に神戸戦。
神戸戦はどうなるかわからないけれども、ガンバには勝てるよ、今のホームならば。

優勝争いはもちろん、残留争いもほぼ決定して、次節神戸に引導を渡すことでガンバ戦を唯一キャッチーな話題である「ACL圏内を争う注目カード」にすることができる。最終節という「お祭り」の注目カードという形で自分たちのこれまでの/これからの価値を証明できるんだから土曜は必勝しかないのである。
健太が作ったチームをリーグで観られるのはあと2ゲームしかない。

もうね、王者の旗を歌ってるだけで6年間が走馬灯のように蘇って来る。
この日の王者の旗は本当に胸が詰まった。

しかし最終節の王者の旗はどんな気持ちで歌えってんだ?賽は投げられているんだぜ?



広島戦前夜

2010-11-23 02:25:07 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
要するにこれからのリーグ戦3ゲームはACL出場権をかけた最後のトーナメントだということで。
これまでの健太との6年間を締めくくるガンバとの最終節をどんな形でアウスタで迎えるかは大事なわけで。
負けたら終わりなんだし、情け容赦なく。

まあ、天皇杯もタイトルであると同時に同じような意味合いのトーナメントなんだけど。
6年かけて結局リーグ優勝争いではなく、その手前のACL争いで終わってしまったのは物凄く残念で、それなりの戦力だと思っていただけに切ないことなんだけど。
天皇杯優勝のために、そしてそれぞれの次のステップのために、3戦全勝で。
最後の最後にそれぞれの「かける想い」が試されてんだよ。

このZARDみたいなキャッチフレーズ、あんまり好きじゃなかったけど、そういうこと。

あと2週/第31節 仙台戦

2010-11-21 01:30:29 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
結局スカパーで仙台戦
画面からもユアスタの芝の状態が尋常ではないことがわかる。ということでいつも通り前半は苦しむかもしれないと思っていた。当然チームも伸二の替わりにテルをスタメンにしたダブルボランチで慎重な入り方を選択。序盤、グラウンダーではなく浮き玉でパス交換する時間帯がしばらく続いたときには、あまりの手探り状態に笑った(まあナイーブになりすぎるのもアレなんだが)。

しかし先制されたとはいえ、あまり時間をおかずに仙台ゴール前を決定的に崩した上にPKで追いつき(仙台DF朴柱成が一発退場)、ひとり少なくなった仙台を相手に数的優位の効果が表れ始めた前半終了間際に淳吾が2点目となる追加点をゲット、と理想的な展開でゲームを支配した。
こうなると後は3点目を狙って…ということになるのだけれども、結局朴柱成の退場後はゲーム自体に幾分まったりしたムードが漂っていたようにも思う。お互いリスクを負ってまでアグレッシヴに戦う雰囲気はなかった。
清水は水曜日の天皇杯四回戦から中2日のアウエイ、一方の仙台は残留争い…とはいえほぼ一歩手前ともいえる安全圏(といったら仙台サポに怒られるかな)。早い時間に退場者を出し、時間が経つにつれて両チームともに疲労の色が見えてくる。後半30分には天皇杯に続いてこの日も大活躍だった10番に替えて伸二を投入。3点目を狙いに行くのは当然としても、ボールを捌ける伸二が入ったことで逃げ切りの安心感も高まる。
そう、実にまったりした土曜日の午後だった。しかもテレビ観戦だったから…。

終了まで10分を切ったあたりから仙台は最後の攻勢に出た。それも何とかしのぎ切り、返す刀で元紀が無人のゴールへ3点目を流し込む(とはいえ、2人のプレーヤーがコースにスライディングしてきた難しいシュートだったが)。伸二に不可解なイエローカードが出てしまったことで来週の2ゲームには出場できないというアクシデントが起こってしまったのは残念で、ちょっとした危機感を覚えたりもするのだが、仙台戦はまったりとした完勝。

そして最終盤の過密日程も2週目に入り、中2日で次は広島戦。そして中3日でアウエイ神戸戦。
これは正真正銘、本当の正念場の2連戦になる。
ACL圏内を争う2位から6位までのチームが勝ち点5差の中でひしめいている。この日はドローだった2位鹿島以外のチームは順当に勝ち点3を積み上げた。

2 鹿島アントラーズ 56(+20)
3 ガンバ大阪    56(+19)
4 セレッソ大阪   52(+17)
5 川崎フロンターレ 52(+15)
6 清水エスパルス  51(+14)
(第31節終了現在)

他力本願であるのは仕方がないとはいえ、当該クラブとの直接対決は最終節に現在3位のガンバ戦を残しているだけの清水は、もはや連勝し続けることでしか活路は見出せない(こうなるともはやドローでも致命的)。2位から5位のクラブとの対戦が残っている湘南と京都あたりがどれぐらい頑張ってくれるのかはわからないが、終盤の過密日程では何が起こるかはわからない。鹿島、ガンバも安心できやしない。

次節の広島は清水に続く勝ち点差3の7位で、すでに天皇杯で敗退してしまっている以上、ACL圏内の争いを清水と同じように捉えていることだろう。つまり、まずは3戦全勝しかない。しかし広島というチームはナビスコカップ準決勝で、結果的に健太エスパルスの息の根を止めていただいた憎きチームである。個人的に遺恨はあると思っている。
来週末の神戸は残り1枠となったFC東京との残留争いに調子を上げて来ている。しかし、まあ、テンションの上がっている時には身体が動くと思うが、その勢いが来週末まで持つのかはわからない。神戸のピークは来週火曜日の次節大宮との残留争いの直接対決かもしれないという気もする。
それでもこの日の仙台以上に切羽詰まった戦いを挑んでくるであろう神戸戦は、いつもの対戦のように「ウノセロ上等」の、緊張感溢れる内容になるはずである。
Jリーグの2010シーズンも残り2週。今んところ神戸戦も参戦予定。

来月25日の天皇杯準々決勝の会場が去年に続いてアウスタ、準決勝もエコパに決定した。
ということで健太エスパルスのアウスタ最終戦は天皇杯準々決勝ということになるのだけれども、リーグは別物。最終節へ向かって燃え尽きますよ。


2008年12月20日にユアスタで行われた天皇杯のゲーム前、瓦斯サポによる「天皇杯開催場所に疑問!」の弾幕。まあ当日は日陰はともかく、日差しの強かった清水ゴール裏はTシャツで全然オッケーだったという…。
そしてこのゲームは健太エスパルスを支えてくれたキャプテン山西の最後のゲームになった。そんな意味も込めて、準々決勝の会場候補にユアスタの名前も挙がっていたので、いやーな予感もしていたんだけれども、アウスタでひと安心ですよ。山形サポの皆さんには悪いんだけれども負ける気なんてこれっぽっちもない。




そういえば今日、名古屋が優勝したらしい。
おーめーでーとーうーごーざーいーまーすー(棒読み)。