徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

去年の今頃/第30節 甲府戦

2011-10-25 01:45:15 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
日曜日は静岡。
ちょっと行けるような状況ではなかったのだけれども、フルハウスに近いチケット販売、そして伸二、タカ、フレディの初共演が観られる可能性が高いとあっては行かないわけにはいかないのである。呑みにいけない程度の最低限の金だけ持って、朝イチの高速バスに乗って静岡に向かう(辛い)。
東名はかなりスムーズで予定よりも早く到着したので新しぞーかセンター改め、セノバを覗いてみた。



規模はまだ小さいとはいえ、東京以外の初ハンズ。模型・プラモ王国であるしぞーかには実にぴったりなテナントだと思う。
しかし数十年前の「センター」時代の記憶がまだ残っているんで、ちょっと驚くようなファッションビルに建て替わっていた。これでしばらくは、109と合わせてこのエリアが静岡の中心になるんだろうなァ…これは七間町あたりが太刀打ちできる相手じゃないと思った。もちろんまだ「劇場」は残すべきだとは思っているし、何度でも書くが、あの劇場だけは建て替え不可能だから(とはいえ、東宝、東映が大劇場を閉じた時点で、この流れは決定的だったんだろうけれども)。



そしてアウスタで甲府戦
ゴールシーンはいずれも素晴らしく、ボールをキープするフレディが併走していた元紀と壁パス、そのまま元紀はDFの裏へ全力疾走、フレディからパスをもらった伸二は元紀の動きに合わせてスルーパス、走り抜けた元紀がゴールを決めた3点目などはウイイレ並みの感動ですらあった。
といってもトシのゴールが決まるまでの展開はポゼッションこそ高かったものの甲府を崩し切れずにいたし、3点目を決めたあともカウンターの仕掛け合いに付き合ってしまい止めを刺し切れなかったのはいただけない。
勿論スコア通りの完勝には違いないし、タカ、アレックス、元紀のディフェンスはアグレッシヴで素晴らしかった(平岡の位置が下がり気味だったのと翔の不完全燃焼っぷりが残念だったが)。しかしキャラが出場停止だったとはいえ、ここまでメンバーが揃うと、このチームはどこまでできるんだろうという欲ばかりが出てくる。
比較的中心メンバーにベテランが多いことはあるのだけれども、これはシーズン最後の2ヶ月に向けて期待と希望ばかりが拡がるゲームだったのである。やっぱし無理しても来て良かったなァ…と、泣きそうになった。
去年の今頃はチーム崩壊が始まっていたたわけだしね。ほとんどフルハウスのアウスタは今年も素晴らしかった。
残りのホームゲームは絶対優勝阻止の柏戦と、柏と名古屋に優勝されるぐらいなら優勝して欲しい最終節ガンバ戦(最終節の前に決めて頂きたい)、これもフルハウス間違いないところだろう。必ず行く。

スタンドでは何人かガナーズファンも見かけたのだけれども、彼らもきっと満足してくれたんじゃないかな。
日本一の素晴らしいピッチと共に。

ということで勝ちロコまで見届けて静岡にすぐ帰る。そしてまた再び高速バスで東京に戻る。
別の意味で泣きそうになったわ。

次節はアウエイで降格決定の福岡戦。福岡の衆にもあの素晴らしいサッカーを見せつけてやって欲しいものである。

この熱い魂を伝えたいんや…/Rally for a Nuke-Free World in Japan10.22

2011-10-24 22:50:30 | News


土曜日はRally for a Nuke-Free World in Japan(原発のない世界を求める大行進)に参加。
当日は直前まで雨模様だったこともあって、首都圏反原発連合(Act 311 Japan、安心・安全な未来を子供たちにオーケストラ、TwitNoNukes、NO NONUKES MORE HEARTS、野菜にも一言いわせて!原発さよならデモ、エネルギーシフトパレード、たんぽぽ舎といった、現在の東京のデモをリードする主要な非団体系グループ)が共同で呼びかけたわりには集会の人数は少なかった。
それでも集会では雨は上がった。
また今回もデモがスタートしてからも途中参加も少なくなかったようだ。
警備はちょっと驚くほど多かった。渋谷で参加したデモでは一番密度が高かった印象はあるがプレッシャーはほとんどない(むしろスピーカーで「弾圧」を訴える市民団体を名乗るオヤジの方がうるさかったのだが)。

で、周囲にいた人たちには申し訳なかったような気もするのだけれども、近くにトラメガのリードもなく、また後ろの兄さんも同じように大声を出していたのが心強かったので、ドラム隊のリズムが変わる瞬間を除いてスタートからゴールまでぶっ通しで、コールはほとんど「原発いらない」で通した。微妙なリズムは聴き取れなくても前方の手の動きでだいたいのリズムは読み取れる。そのリズムに併せて、とにかくひたすら「原発いらない」。
オレはこの言葉の連呼をリズムとして伝えたいわけで、何度でも書くが、理屈はプラカードや立ち止まって語り合うべきだと思っている。オレはドラムは叩かないが(叩いたっていいんだけど)「怒りのドラムデモ」のドラムやジャンベやタンバリンや鍋やスプーンのようにこの言葉を連呼しているのである。
ドラムのリズムと同じように、シンプルな言葉の反復はグルーヴになって必ず巻き込む力になる。
この熱い魂を伝えたいんや」ということで。

これが、誰でも、いつでも入れる、そして一番シンプルな最大公約数のコールなのだから、それでいいのである(と思う)(でよくない?)。



<あなたたちの闘いは私たちの闘いです。/あなたたちの苦しみは私たちの苦しみです。/私たちは常に、あなたたちと一緒に立っています。/団結しましょう。/核のない世界のために。>(アメリカからの連帯声明

この言葉

2011-10-17 15:27:50 | News
<我々がする仕事は、東京の片隅で起きていてもグローバルなコミュニケーションの中にある。>(佐賀町という<片隅>

この、今や当たり前のように聞こえる言葉に、やっぱし、いまだに凹んだり、励まされたりしていると思うんだよ。
愛するクラブのサポートだって、デモだって同じことさ。

いつもの、あの/第29節 神戸戦

2011-10-17 13:46:54 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
スカパーで神戸戦。
去年の健太エスパルス終戦の日といい、今年春のアフシンエスパルス玉砕の日といい、ここのところの神戸戦は、“あの”神戸戦らしからぬ派手な(負け)ゲームが続いていたのだけれども、“この”神戸戦はいつもながらの悪い意味での渋いゲームに戻った。
つまり、ロースコアでひたすら消耗するような展開が続く、“あの”神戸戦ということである。
流れから言えば、セットプレーで先制したところで確実にゲームの流れは清水に来ていたし、ウノゼロで押し切れそうな雰囲気は充分あったのだが、わけのわからないレフリングによってキャラの退場でまたもや形勢は逆転してしまった(2枚目のカードは仕方がないかもしれないが)。
もう、こうなると、いつもの神戸戦である。
追い込まれても限界までファイトする神戸というチームは決して嫌いじゃないのだけれども、巻き込まれた方はたまったもんじゃない。昨日のラジオで敬輔は「ドローは妥当」と話していたが、それでもやはり勝ち点2を逃した感は否めない。

実にもったいない。
タカが戻ってきたとはいえ故障明けで、前節名古屋戦で素晴らしい働きを見せたフレディ、アレックス不在。次節はキャラが欠場する。なんとか伸二が出場を続けているとはいえ、2011年のエスパルスが誇る大駒が揃うことは、なかなかない。
大駒が揃わないのも、ゲームコントロールに波があるのも、今年スタートを切ったばかりのチームだからと庇えないこともないが、5節を残して安定できないのも悩ましいところではある(今年の成績はハナから度外視なのだけれども)。

ウノゼロで逃げ切れないのならば、あくまでもゴールを狙い続けるしかない。
大駒が揃わないのならば若い世代に求めるのはその一点しかない。

アフシン「彼らがファールをもらうには、本当に強く当たられた時にしかもらえません。逆に外国籍選手が「くしゃみ」をしても、それがファールになってしまう、イエローカードになってしまう」(Sの極み 10月15日付)

カオスのリズム、言葉のリズム/怒りのドラムデモ#1(10.9)

2011-10-10 22:40:32 | News


そして昨日は渋谷で怒りのドラムデモ
参加者はジャンベやスネアといった「ドラム」の他に、タンバリン、カスタネットからペットボトル、スプーン(本当にいた)等それぞれ鳴り物を用意して集まっていた。プラカード、手ぶらでも参加OKということなのでオレはいつものプラカードを持って参加。楽器だらけのパレードで予想通りプラカードが少なかったので(しかもスタート時間が遅かったので、街の灯りがあるとは言え)、これではやはり何に対しての「怒り」なのか正直わからないんじゃないかと感じた。先頭のパフォーマンスがアピールしていたとはいえ、通り過ぎていく「風景」でしかないデモを歩行者が最初から最後まで注意深く見るなんてことは期待できないわけだし、「言葉」がないだけにプラカードのアピールはもっと必要かもしれない。

勿論パフォーマンスとしては新鮮で良かったと思うし、所謂イベントならともかくデモでのDJによるサウンドカーの出動にオレはイマイチ懐疑的なんだけれども、このドラムデモは本来の意味で正しい「サウンドデモ」になったと思う。普段のデモで声を出しにくい人でも「ビート」や「リズム」ならば主張できるという手法は正しいと思うし、リズムを刻むだけで参加できるという敷居の低さを提示できたのは素晴らしいことだと思う(手を叩くだけでも)。
ただし、ちょうど出発時に公園に到着したので最後方からついていって渋谷駅前あたりまでに先頭付近まで追いついて雰囲気を感じてみたのだけれども、やはりトラメガのリードにあたるような、サンバ隊で言えばスルドのようなベースになるリズムをキープする役割がもっといればよかったと思う。
まあ、リズムのカオスはカオスで味はあるんだけれどもね。

とはいえ、おそらく、1000人の「リズム隊」が基本的に刻んでいたのは「原発いらない」のリズムだったと思う。だからこそ、プラカード組のオレはもっと声を出すべきだったとは反省してもいる。
リズムに「言葉」があったとはいえ、それは参加者の共通認識の話で、やはり外に向かって何が足りなかったかといえば、やはり人間の言葉なんだと思う。
それが加われば最高のデモになる。

調子に乗って歩行者を指差して挑発していた酔っ払いホイッスルオヤジは除く。

赤レンガ

2011-10-10 18:22:01 | Music


8日は中野重夫(SHIGEO ROLLOVER)さんの誘いで横浜・赤レンガ倉庫で開催されている横浜オクトーバーフェスト。先月末から16日(日)まで開催しているのだが、よりによって三連休の初日ということであまりにも人出が多かったので会場内には入らず、結局先に入っていたSHIGEOさんにビールを買ってきてもらい会場の外で呑む。ちょうど会場ではライブも行われていて、完全に野外フェスのような勢いで、酔っ払った観客の野太い声が赤レンガに響いていた。
2時間ほど芝生で呑んでからタクシーで野毛に移動して焼き鳥。初めて行ったけどなかなか趣きのある飲み屋街だったなァ…。

10月9日(日)のつぶやき

2011-10-10 01:47:47 | twitter
11:20 from web
RT @dai_onojima: 雑誌に限らず、デジタル化できるものは、すべて同じ問題を抱えている。長いタームで見れば、デジタル化できるコンテンツは、すべて無料が原則になっていくと思う。そこからどうやってお金を発生させていくか。
11:27 from web
RT @kentarotakahash: その通りです。水素爆発の影響は小さい。日本列島を大きく汚染したのは1~3号機のベント(とりわけ2号機)。QT @RTKN いまだにベントすれば爆発はなく、大規模な放射能漏れもないかのように言われている。建屋の爆発などより格納容器か ...
11:29 from web
RT @copelkun: 原発を爆発させた以上、もはや議論の余地など最初からない。最低限の義務すら果たさない東電はすぐ潰し、幹部はみな収監。全国の原発は全廃。原発を推進した議員、官僚は余さず戦犯として収監。天下り全廃。公務員宿舎など論外、プレハブで十分。こんなこと、幼稚 ...
11:34 from web
フクシマの18歳以下の甲状腺検査開始って、どっちにしたって核マフィアのデータ収集の為の実験道具だろ。観てるだけで痛々しいわ。
11:57 from web
地味なテーマが問題なんかじゃなくて、伝わりにくいのが問題なんだろ。バンド名じゃねえんだから…。
12:43 from web
農業だけの問題じゃないとはいえ、TPP交渉参加とフクシマはつながってるような気はするな…。
13:05 from Echofon
結局3.11に同じようなテーマを見つけて喰いただけだよなァ…運動マニアとして新しい動きに嫉妬してるだけだと思うな。 RT @kdxn: @nekomanko いまもめごとを起こしてるのは、「以前から慰安婦問題だの南京問題だのを排外主義だのを趣味としてきた」サヨクだけです。
13:09 from web
10.22にたんぽぽ舎が参加してるのは率直に嬉しいよ。
13:14 from web
今日夕方の怒りのドラムデモ、16:45分出発で4.3キロコースってことはゴールは19時ぐらいになるんじゃないか。ま、その後呑みに行くには丁度いいけどw http://t.co/YlcVEMHu
14:22 from web
RT @marihoshikawa: 『「僕は大人になれますか。がんになったら死んじゃう」福島の子どもら手紙』 http://t.co/fIjVJAAq
14:25 from web
RT @nhk_n_sp: 【今夜のNスペ】シリーズ東日本大震災「“帰宅困難1400万人”の警告」。あの日首都圏で何が起きたのか?秘蔵映像満載。特に外国人観光客の映像・視点は、「よくぞこんなところを」と衝撃的。「帰宅困難」を体験した家族や学校が取り組み始めた「震災時のルー ...
14:25 from web
21時には帰った方がいいか…。
15:23 from web
そろそろリアルサウンドデモに参加するために恵比寿へ向かう。オレは基本、声。
15:25 from web
あ、落ちてるペットボトルは拾って叩くかもしれん。
16:29 from Echofon
うう、スタートぎりぎりになりそうだ…後ろに追いつくか…。
18:21 from Echofon
ドラムデモ、近寄ってきた缶チューハイ片手の酔っ払いホイッスルオヤジが実にウザく、微妙な雰囲気を醸し出していた。やっぱし鳴り物オンリーてのは個人的には微妙かなァ…それだけで発散しちゃうとこあるしさ。
18:22 from Echofon
言いたい事がわかんねーよw
18:25 from Echofon
勿論ヴィジュアル的にはいいと思うけどね…。
18:28 from Echofon
そうっすねー。たぶん余計に何なのかよくわからなかったかもしれんですね。 RT @akikotak: 夜だからってのもあるかもしれませんね。 RT ドラムデモ
19:52 from Echofon
確かに打楽器のパワーに負けて声出すタイミングがなかったのが我ながら情けない…。RT そういえばさっき渋谷でデモ?やってた。原発反対とかなんか思い思いのカード持った人たちが打楽器とか鍋とか叩きながら。たぶん100人以上はいたのでとにかく耳が痛かった。
19:56 from Echofon
公園で「さよならゲンパツ」缶バッチくれたお姉さん、ありがとー。みんな、自発的に作ってんだよ。凄いね。てことで、地元で呑む。 http://t.co/VgY5ZLIo
20:03 from Echofon
ありがとうごさいます! ホッピー呑みながらしみじみ尊敬してました。オレも何か作りたいなァ…。RT @6850013: あら、お疲れ様でした。お小遣いで作ってます。 RT @公園で「さよならゲンパツ」缶バッチくれたお姉さん、ありがとー。 http://t.co/VgY5ZLIo
20:18 from Echofon
神戸には丸さんという大物がいるらしい…。
20:29 from Echofon
キャベツのお通しの上に乗せて写真撮ったあと、すぐに外しましたから大丈夫です。たぶん。キャベツ全部食べちゃいました。心強いアイテムありがとうございました。 RT @6850013 あ!インクジェットなので雨に濡れると裏から水分がしみてにじみます。お気をつけください。
20:32 from Echofon (Re: @6850013
@6850013 是非是非。もうちょっとお話ししたかったです。
by vibrajive on Twitter

一触即発的な…

2011-10-07 05:00:58 | Music


一昨日はSHIGEO ROLLOVERこと中野重夫さんの誘いで、高円寺・ショウボートの<October Wind>を観に行く。出演は中野重夫withながはら元(per) 、MINIE MYME TRAIN(永潟三貴生vo.g、大谷レイブンg)、澄田健(Moto-Psycho R&R Service)、佐藤周造(sexperience)。

澄田さんのギターが凄く良くて、中でも「スージーQ」をソロで聴けたのは良かった。あのリフが大好きで、オレもギターを持つとまず必ず弾く、本当にロック史に残るご機嫌なリフなんだけども、出だしの一発目を聴いて「お!…やるか」と思い、スリリングな展開に嬉しくなってしまった。

SHIGEOさんはながはら元さんとのユニット。
「ジャンベと演ってみたかった」ということで、アコースティックユニットとしては、この日が初めてのチャレンジだという。
ながはら(永原)さんは、彼が本田竹広さんのThe PUREのドラマーで活動していた頃にずいぶん見ていた。あの頃も充分威圧されるような雰囲気があったのだけれども、ステージも緊張感に溢れていた。モニターの調子が良くなかったということもあるのだろうけれども(MINIE MYME TRAINの時もレイブンさんがしきりに指示を送っていた)一触即発的な雰囲気すら感じた。SHIGEOさんのキャラクターから言ってステージが壊れるようなことはないだろうとは思っていたんだけれども、最初のステージ、手探りのセッション、PAの不調、ちと怖かった(まあ、それが面白い)。この先どうなるんだろう、このユニット…という印象は捨て切れませんがw

<それで気がついたんや。マーシャルのボリュームはベースのコントロールも兼ねてるんだって。でも、最近ライブハウスで『ギターの音を下げて』といわれなくなった。以前はどこへ行っても『小さくしろ』っていわれて結構フラストレーションになっとったんやけど。(中略)ロールオーバーはジミ・ヘンを演っているので音が大きくて当たり前という先入観があるからか、あまり最近は音の大きさを言われなくなった。でも、あれは単に音の大きさだけじゃなくて、トーンが問題なんやと思う。おいしいところがどれだけ出ているかということ。無闇に音を小さくするということは、おいしいところも削ってしまうことにもなるわけだから注意せなアカン。特にマーシャルはそう。ボリュームはマスター・トーンでもあるワケ。だから、音量を変えるということはトーンを変えるということを意味するワケや。(中略)そう。キャパが小さいところでは本当のトーンが出せやんからね。トーンを追求しているものにはちょっと辛いものがあるな。>(Marshall Blog: 中野重夫、マーシャルを語る

このブログ・インタビューでSHIGEOさんはエレキとマーシャルについて語っているわけだが興味深いです。

彼等には大人になる必要がなかった/「天使のウインク」

2011-10-05 00:01:32 | Osamu Hashimoto
<バブルの時期に日本人が見失った最大のものは、“人間関係”である。それまでの、貧しさから脱却出来ないでいた日本人を支えていた最大のものは、相互依存の人間関係だった。一億総中流の平均化を生んだもの、この相互依存を可能にする“人間関係”というパイプがあったればこそだろうが、すべて金で処理されるバブルの時期には、これがあっさりとなくなった。既に人間関係を持っていて、それを「煩わしい」と思っていた大人ならそれでもよかっただろう。しかし、これから人間関係を作っていかなければならない若い人間には、この欠落が最悪の方向に機能する。(中略)
 バブルの時期には、孤立した若者が多かった。しかし金だけは世の中に余っていたから、彼等の多くは生活に困らなかった。(中略)彼らは孤立し自己完結して、欲望だけは充足されていた。彼等には大人になる必要がなかった。どうみても不健康だが、生活に困らない以上、この不健康は「不健康」として自覚されない。世の中から金が潮のように引いていって、生活というものが思い通りにならなくなった段階で、やっとこの「不健康」は「不快」として自覚される。
 彼等は不健康で不快である。バブルの時期に「自分は満たされていてしかるべきだ」という状態に慣らされてしまった彼等に、「その責任は自分にある」という発想は生まれにくい。「この不快の責任は他人にある」と考える人間が多く生まれても当然だろう。だからバブル以後は、肥大したエゴの処理に誤った結果の犯罪が続発する。>
(橋本治『天使のウインク』中央公論新社刊2000「神戸自動連続殺傷事件で思うこと」より)

<殺人の理由の多くは、怨恨である。恨んでいるから殺す--この殺人を回避する方法は、ただ一つ、「怨恨を生じさせる相手との関係を絶つ」だけである。その相手を無視する、その相手から離れる、その相手に対する恨みを捨てる。しかし、これがなかなか簡単にはできない。なぜかと言えば、怨恨というのは、「こっちがなにも悪いことをしていないのに、相手が一方的にいやなことを仕掛けてくる」というのが、その前提にあるからだ。(中略)怨恨による殺人事件の裁判では「どちらがどのくらい悪かったのか」が争われるけれど、この殺人の前提に「人間関係の破綻」があるは明らかである。(中略)
 「関係」と言ったっていろいろある。(中略)「自分の外側にいる人間となんらかの関係を持ちたい」という欲望と、まだなんの関係もない他人に対して、「自分とあの人間との間には、もう当然、関係があってしかるべきだ」と思い込む“妄想”とは、明らかに違う。「自分の外側にいる人間となんらかの関係を持ちたい」という欲望が、そのまま“妄想”に変わって、「あの人間と自分との間には関係があってしかるべきなのにない--それが悔しい」になって、「だから殺す」になったらおしまいである。快楽殺人というのは、「他人との関係が持てない人間が、“関係”を暗示するような他人の存在に触発されて起こす、怨恨殺人」なのである。これを防止する方法は、「人と仲良くなれないからといって、それでヤケクソになって人に危害を与えてはいけない。そんなことをしたら、ますます他人と仲良くなれなくなる」と教えることである。(中略)人間関係の重要さを忘れた人間は、その「当たり前の一言」を忘れた。「当たり前の一言」が忘れられたら、事態はとんでもなくいびつで醜悪なものになる--ただそれだけのことだろう。>
(橋本治『天使のウインク』中央公論新社刊2000「それをするのは子供だけだ」より)


天使のウインク
<恐怖を克服しなくてなんの人間か。酒鬼薔薇聖斗から新潟監禁事件まで。世紀末の闇を超ド級のポップセンスで解読し、“天使が目くばせするような”方向へ私たちを導くハシモトの問題作。><恐怖を克服しなくて、なんの人間か。酒鬼薔薇聖斗から新潟監禁事件まで、世紀末の闇を超ド級のポップセンスで解読する。『中央公論』連載エッセイの単行本化。>

登録情報
単行本:302ページ
出版社:中央公論新社 (2000/04)
ISBN-10:4120030008
ISBN-13:978-4120030000
発売日:2000/04
商品の寸法:19.4 x 13.4 x 2.4 cm

さらばオリオン~七間町最後の日

2011-10-04 22:56:49 | 静岡・七間町で映画を観る会


日曜日は名古屋戦のような歓喜があった一方で、静岡で悲しい出来事もあった。
前々から気になっていたのだけれども、スタジアムに行く前に七間町に寄ってみたら、何とこの日が静活が運営する七間町の映画館4館の最終日だった(もちろん閉鎖になるというニュースは読んでいたのだけれども)。
何というデスティニー。

もう20年以上前に静岡から離れた人間ではあるのだけれども、70年代から80年代にかけて静岡の映画少年だった人間としては、こんなに悲しいことはない(もちろん映画街の全盛期は50年代から60年代…ということはオレの親世代だが)。勉強もせずに映画館行って、ポスター屋と輸入盤屋に寄るというパターンで小中時代を過ごした。80年代の半ばになると一時期映画も面白くなくなったこともあって、その頃には興味の中心が音楽に傾いて行ったけれども、それでも七間町の映画街というのは、間違いなく現在の自分を作った重要な記憶ではある。

ひと通り映画街を歩いたあと、青葉公園で煙草を吸っていたら猛烈な焦燥感に襲われた。もはや何もできないことに対して、そして守るために何もしなかったことに対する後悔に居ても立ってもいられない、ということである。



もちろんこのご時勢に、そして静岡の街の中心が変わろうとしている現在、繁華街の外れになってしまった七間町の映画街が、新しい街の中心にシネコンとして再起を図ろうとするのは、仕方がないが理解できる。
しかし日本平(アウスタ)というスタジアムが清水エスパルスとサポーターの記憶をいつまでも留めていくのと同じように、七間町の映画館という劇場は観る者の記憶を貯める場所である。
しかも劇場というものは一度壊したら、おそらく、二度と、建たない。特に静岡オリオン座というクラスの劇場の再建は、地方の場合ほとんど無理だろう。
「場」がなくなるというのは記憶をリセットしてしまう悲しさが伴う。
それはある意味「死」と同じである。



もはや何の劇場で、どの作品が、ということはないんだが、個人的に静岡の記憶がなくなっていくのは悲しい。
街の財産として、失われたものは小さくはない。

しかし、「七間町で映画を観る会」とかカテゴリーを作りながら結局1回しか行ってないことに後悔している。



アウスタから静岡駅に戻ってから酒を呑んだ。しかしおでん街あたりで酒を呑むとセンチメンタルになりそうだったので駅南で呑んだ。マジ泣きしそうだったからなァ…。

2011年の100%/第28節 名古屋戦

2011-10-04 21:42:57 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
アフシン「皆さんご察しの通り、私は良いムードです。今日はエスパルスの素晴らしいサッカーを見ることができました。エスパルスの将来の、我々のビジョンに近い姿が出せていたと思います」(J's GOALニュース 10月2日付

日曜日は久しぶりにアウスタで名古屋戦
もちろん水曜日にあまりにも不甲斐なく新潟に逆転負けを喰らってナビスコカップ準々決勝進出を逃してしまったこともあるだろうし、久しぶりにリーグ戦でのアウスタ(しかもほぼフルハウス!)ということもあったのだろう。タイムアップまで集中力が途切れることなく走り続け、身体を張ってシュートを止める姿は、結果を抜きにしても感動的ですらあった。
結果は2-0だったとはいえ、これまで100%のパス、100%のシュートをプレーヤーに求めていたアフシンのチームのシュート数が23本というのはちょっと信じられない数字である(名古屋は4本)。もちろん100%のパス、100%のシュートを実現するためには、それだけポジショニングと運動量と闘争心のクオリティが求められる。それを完全とはいえないまでも、彼らは2011年秋の現状で最高の形で表現した。

このゲームでは小野、フレディの同時起用が実現し、しかもアフシンは彼らをほぼ90分使い続け、選手交代を時間稼ぎにしか使わなかった。これもまたナビスコカップの早期敗退によって今後のスケジュールが比較的緩くなることも影響していることだろう。
しかし何よりも、やはりタカがチームから離脱した場合の新しい形が見えてきたのが素晴らしかった。タカを最前線に置いたポイントにしたアウエイ浦和戦をひとつの最高の形だとするならば、タカ不在の中で伸二、フレディ、アレックスによる3つのポイントがゲームマネジメントに余裕を与え、元紀・トシの両翼を「自由」にさせた新しい形。もちろんタカが出場していればもっと点が獲れた可能性はあっただろうが、最高のピッチ状態であるアウスタでのホームゲーム、またここのところ調子が上がらない名古屋相手とはいえ、90分間をほぼ圧倒し続けた。
何てったって去年から今年初めにかけてチームが崩壊しかかり、建て直し中のチームと去年のチャンピオン(しかも今年も優勝争いをしている)チームの対戦である。健太時代にはフルハウスのゲームにいまいち弱かった(つまり勝負弱い)チームが、チャンピオンチームを相手に、2万人を超える観客を前にこれだけのゲームをしたことにも価値がある。
オレたちはもっと成長できる。

土曜日の天皇杯2回戦(岐阜戦)を挟んでリーグ戦の次節は15日神戸戦。
この調子で鹿島と柏にも爆勝したいものである。



ちなみに松尾は松尾、淳吾はやはり淳吾であった。
松尾はともかく、淳吾も「この場所」で成長すべきだったと思うのだが(ブーイングしといて言うのも何なんですが)。

(追記メモ)
終了後の挨拶で敬輔がスパイクをスタンドに投げ入れた。
一応メモとして書いておく。