徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

第16節 時を待つ

2006-07-30 05:07:07 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
市川「マリノス戦からずっと調子良くやってこれてるのが今の自信になってるし、ホントに気持ち良いっすね、今やっててサッカーが。」(Sの極み 7月30日付け)

エコパで静岡ダービー。ほぼ危なげなくジュビロを退けた。
これで公式戦5試合(2年)負けなしだと言うことなのだけれども、この2、3年というのは清水としては【雌伏の時期】だったのであまり「負けなし」の印象はない。オレたちはずーーーーっと、雄飛の時を待ち、雌伏して時の至るを待っていたのだ。それでも「負けていなかった」というのが、またダービーのダービーたる所以なのだろうけれども(確かにアントン爺ちゃんが監督をやっていた頃のダービーでの、太田のゴールにジャンプして喜ぶ爺ちゃんの姿は忘れられない)。ダービーはまだ通過点、オレたちの雄飛の時はまだ先だろう。こんなところでは止まっていられない。

それにしても、最近は好調な若手に押されて出番が少なくなっていた高木純平が「頭で」決め、U21代表候補にも選出された枝村が持ち味を発揮し、多少強引なドリブルからミドルシュートを決めた。これもまた獲るべき人が獲ったということで喜ばしい。チームは「藤本」だけのチームではなく、「JJやマルキーニョス」だけのチームでもない。
リーグ再開後の4ゲームで3勝1敗。京都、福岡戦のアウエイの消耗戦も糧にして連戦を上々でクリアした。しかしこれで、またもやリーグは2週間ほど中断する。ちともったいない気もするが、しっかり休んで調整してもらいたい。
枝村、青山、平岡はU21合宿へ。枝村のコメントではないが、彼らの力からすればば上に行けるはずだ。期待している。

パン屋さん

2006-07-28 19:17:23 | Works
11時から南船橋のTOKYO BAYららぽーとの1Fにある“国内唯一のパンのフードテーマパーク”「東京パン屋ストリート」を取材・撮影。佐世保バーガー、カレーパン、サンドイッチなど等、小さな店舗が軒を並べるパン屋さんの商店街だ。ゲートをくぐった瞬間からパンの香りでいっぱいになった。コンセプト的にはお台場の台場一丁目商店街に似た雰囲気で、子供向けの細かい仕掛けもたくさんある。ということで、家族連れやカップルが来るわ来るわ。撮影後は施設内で買い込んだパンを試食。ホットクロスのハッピーチキンカレー(チキン付きのカレーパン)、リンデのクロワッサンは気にいった。

くるり+RIP SLYME『Juice/ラヴぃ』購入。

汲めども尽きぬ道楽の泉

2006-07-28 00:49:38 | LB中洲通信2004~2010
10月号の制作も始まり、まずは恵比寿で河崎実監督を取材。『ヅラ刑事』に続き、文豪・筒井康隆先生の名パロディ『日本以外全部沈没』の映画版公開も待たれる、たぶん現在、日本一忙しい映画監督。自分を忙しくさせるヴァイタリティもまた才能。熱っぽく語る反面、根底には対象への深い知識とリスペクトとクールな視点があり、かつまたそれを笑いに転化してしまうという、もう天才ですな。河崎監督自ら「監督は神!」発言も飛び出したので、そういうことである。監督の弾け方は非常に共感してしまいます。
秋には竹書房から『河崎実大全』なる書籍の刊行も予定されているそうで、やはりインタビューは「時代がやってきましたね、カントク!」という感じで進める(あっさりといなされたが)。

ストーンズのLPのライナーにはいつもこのコピーがあった。

ストーンズ。奴等がくたばったら俺……。(内田裕也)
汲めども尽きぬロック・スピリットの泉。(中村とうよう)
ストーンズを嫌いな奴は信じない。世界中の誰だって。(加藤和彦)

汲めども尽きぬ、というのは河崎監督の頭の中のことを言うのだろう。
ちなみに監督は中洲通信をお買い上げいただいたことがあるそうだ。それは「王貞治」特集だったという……。
インタビューは10月号掲載予定。

板橋文夫さん

2006-07-28 00:18:26 | LB中洲通信2004~2010
昨夜は袴田さんと共に、中目黒の楽屋で、ジャズピアニストの板橋文夫さんの取材。本田さんのアクシデントでやむなく終了した連載を復活。ジャズの現場で活動しているプレイヤーのインタビュー連載にしていくつもり。その第一回目に登場していただくのが板橋さん。話の流れとしては本田さんの話題を抜きには語れないのだけれども、永遠の野生児ならではの熱い話が聞けたと思う。
ライブはお馴染みの林栄一Asさんとのデュオ。

『板橋文夫アンソロジーwatarase』、『板橋文夫ピアノソロNorth Wind』、『“俺の原点 渡良瀬・本田竹広”』購入。

Our Face

2006-07-27 23:54:47 | LB中洲通信2004~2010
<「our face」は、同時代に暮らす人々のドキュメントから始まった。 様々な職業に就く人々やグループで活動する人々の現場を訪ね、話を聞きながら撮影した肖像の数々をまとめていくうちに、それぞれの集団ごとに全員の肖像を重ね合わせることで、同居するひとつのイメージとしてのポートレートが浮かび上がってきた。>(「Ken Kitano‘Our Face’」インフォメーションより)

8月発売の9月号から「コの字居酒屋」の連載が始まる写真家の北野謙さんの個展「Ken Kitano‘Our Face’」が、8月1日(火)~12日(土)、芝浦のフォト・ギャラリー・インターナショナル(港区芝浦4-12-32 JR田町駅東口より徒歩10分)で開催される。お近くに寄る際は是非是非。芝浦はインクスティックなき後はずいぶんご無沙汰。1日に掲載号が事務所に到着していたら持っていこう。
※画像は個展のインフォメーションポストカードより

てくてくしない方のテル

2006-07-26 02:42:25 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
エスパルスニュース8月号が到着。今月のレポートはテル。あまり語らない男だからか、テルの父親のコメントがやけに多い。もしかしたらテルよりもヴォリュームが多いかもしれない。それだけにライターの白瀬まゆ美さんの苦労が伺えるし、これまでのレポートの中でも出来がいいんでないかい。扉の写真も素晴らしいと思う。

99年は鉄人サントス抜きには語れなかった。
現在のエスパルスもテル抜きには語れない。冗談抜きで代表に呼ばれても不思議ではないくらい31歳(8月で32歳)になった伊東輝悦は素晴らしい。
99年以降、エスパルスが下降線を辿っていった原因のひとつにサントスの後継者がいなかったことが挙げられる。テルにサントスを重ね合わせるサポーターも多いことだろう。現在、テルには杉山浩太、枝村匠馬(五輪代表候補)という後継者候補がいる。限界まで現役を続けて、今度こそ彼らに上手くバトンを渡してもらいたいものだと思う。明日の福岡戦でテルは通算350試合出場を達成する。
思えばテルと中田英寿は似ているようで対照的だ。今月号は永久保存版ですな。

水上

2006-07-26 02:11:34 | Works
飯田橋駅近くのお堀にある、東京水上倶楽部CANAL CAFE(カナルカフェ)を取材。中央線や総武線を利用している人ならば誰もが見かけたことがあるだろう有名店なのだけれども、実際に行くのは初めてだ。今年で10周年。意外と新しいスポットなのだ。行ってみてわかったのは、その広さ。デッキサイドを含めると300人以上は座れるようだ。さすがにお値段はそれなりなのだけれども、かなり利便性が高いことを知って、とても気に入った。ここは使えるですよ。
そしてもうひとつ、世の中どんな趣味趣向・思想をお持ちの方がいるのかわからないので、ここには書かないけれども、個人的にとても嬉しく心強く思ったことがある。「オープンエアーのカフェっていいよなあ、ここ千代田区?」……というようなことで、わかる人にはわかるだろうか。
残念ながら神宮の花火大会は見えないそうだけれども、お堀の桜は、それはきれいなのだという。

WATER UNDER THE BRIDGE/本田竹広『BOOGIE-BOGA-BOO』

2006-07-26 00:43:26 | Music
ようやく本田竹広(竹曠)さんの『BOOGIE-BOGA-BOO』を入手。全編フェンダーローズでファンキーだけれども、どこを切ってもメロディアス。本田さんのコンポーザーとしての力量が存分に発揮されている好盤だ。というか、まずTHE PUREのラストライブでハーピストの今出宏が、それはそれは感動的に吹いた「WATER UNDER THE BRIDGE」のスタジオヴァージョンを聴きたかったのです。やっぱりこれは良いです。

静と動/ハシケン『青い月』『LIVE~the best of best~』

2006-07-26 00:33:29 | Music
ハシケンさんから新しいアルバム『青い月』とライブアルバム『LIVE~the best of best~』が届く。パーカッションにホーン隊にペダルスチールギター、ヴァイオリンまで入ったフルバンドは熱く、アコースティックなセットも感動的だ。レビューとしてはこういう振幅の激しい人を表現する時に“静と動”という表現を使ってお茶を濁してしまいがちなのだけれども、この人の場合は“動と、もっと動”と言った感じで、ひたすらエモーショナルだ。ライブのタイトルが「the best of best」という「四の五の言わずに俺の歌を聴け!」というくらいの勢いのタイトルなので、聴かなきゃ損です。
8月2日は渋谷のDUO music exchange、フルバンドでレコ発ライブ。

明日は、ライブアルバムにも収録されているけれども、ハシケンさんとも共演したジャズピアニストの板橋文夫さんを取材。

忘れまじ

2006-07-25 23:46:36 | Sports/Football
ドイツへ行った子から手作り感溢れまくりなお土産を送ってもらう。先月のワールドカップが甦りますな。追加のお土産待ってるよー。

そういえばジダンにFIFAの裁定が下った日、古舘伊知郎氏が報道ステーションで、「イタリアの優勝は忘れると思いますが、ジダンの頭突きは絶対忘れないと思います」てな、ちょっとどうかと思うようなコメントをしていた。なんだ、それ。

イタリアの優勝を忘れるな

名曲ヅラ/「ヅラ刑事」

2006-07-25 23:25:28 | Movie/Theater
『ヅラ刑事』を観る。いつもながら、痒いところまで手が届きすぎる河崎実の濃厚な世界。インターミッションで挿入されているモトさんの熱唱の主題歌『悲しみはヅラで飛ばせ』はしみじみ名曲。歌詞が深すぎます。
『ヅラ刑事』のエンディングテーマ。どこかで聴いたことがあるようなファンキーな楽曲だと思って聴いていたら、横山剣作詞・作曲、イクラム・ファンキー・スタイルの『恋は焦らず』。『悲しみはヅラで飛ばせ』とこの曲が入ってたらサントラは買いですな。

第14節 皮算用だった…

2006-07-23 22:29:47 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
ハイ、皮算用でした。そして清水を現状で再び「強豪」と言うのはまだまだ早い(当たり前だよ)。

整った環境の中でしか発揮できないフィジカルではまだまだ本物とは言えないのだろう。雨の中、全体を通して見れば、パスレベルで非常にミスの多かった京都と比較すれば、ある程度優位には立っていたと思うが、球際の奪い合いという意味ではまだ軽い。そしてスピードのある外国人を前線に置いて、基本的にディフェンシブにゴール前を固めた下位相手のラインを崩して得点するにはきれいに攻め過ぎる。これは良くも悪くも99年以前からの清水の特徴だったけれども。しかしそれを「決定力(不足)」とは言いたくない。
これからまた中2日で2連戦。修整できるのはダービー後。とにかく突っ走っていただきたい。

気を取り直して、MUSIC ON TVで放送されている、5月4日の野音「風のラプソディ~Harmony with the Earth」のドキュメントを観る。出演は忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS、押尾コータロー、河口恭吾、ナチュラル ハイ、一青窈、PE'Z。番組の中でコメントしている清志の声が印象とだいぶ変わっていたのだけれども、この頃から変調はあったのだろうか。

第13節 皮算用

2006-07-22 23:21:42 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
枝村「出足でやっぱ勝ってましたね、相手より。まあ相手があんだけ遅いとは思わなかったですけど、まあそういう意味でホントに良かったですね。」(Sの極み 7月20日付)

中断明けの仕上がりの良さで圧倒したホームでの横浜戦。S極の戦評で大場氏は、相変らずの決定力について指摘していたけれども、それはタラレバで久保のシュートを云々するのと同じぐらい、ほとんど意味がない。永遠の決定力不足、それはJリーグのデフォルトなのだ。もしかしたら、ロスタイムでの得点での劇的勝利とはいえ、拍子抜けするぐらい仕上がりが良かったので、大場氏も書くことがなかったのかと思った。
これからは、ダービーに向けて、下位2クラブとの対戦できっちり勝ち点を稼いでいくこと。アウェイでの連戦とはいえ、横浜戦で見せたような、安定したフィジカルで戦うことができれば、多少は皮算用してもいいのではないかとさえ思う。前半戦のベストゲームのひとつである、大分戦のような戦い方希望。

明日の京都戦はBS1で全国中継。強豪らしいところを見せて欲しいものだ(いつから「強豪」に復活したんだ?)。

クラブチームの存在証明/欽ちゃん球団に思う

2006-07-19 22:28:29 | Sports/Football
「やると言ってもやめると言っても迷惑がかかる。ずっと悩んだ」(毎日新聞 7月19日付け

この際、軍団山本の件は置いといて。
萩本欽一は何を考えているのだろうか。彼にとって「クラブチーム」とは何だったのだろうか。所詮はプレーヤーや地元不在の、監督がすべてを決める歪な「クラブチーム」だったのだろうか。ゴールデンゴールズが一体どういう組織形態になっていたのか、今はわからないけれども、これは、何も生み出さない最悪の決断ではないか。

「やると言ってもやめると言っても迷惑がかかる」のならば、「やる」べきだろう。
止めるのは簡単だ。夭折できなかった、天才ではなかったオヤジたちにとって、続けることにだけに存在証明の意味がある。

(7月20日追記)
「クラブチームは全国で280ぐらいあるが、企業の野球部とは違い、みんなボランティアでやっている。気持ちでやっているわけです。やる気を失うとパッとやめてしまう、思いが消えてしまうことがある」江本孟紀(ZAKZAK 7月20日付け

ことごとくコメントが頓珍漢なのはなぜなのか。
江本氏は「クラブチーム」の意味を履き違えているのではないか。大事なのは「ボランティアでやっている」ということではなく、「野球が好きでクラブチームをやっているということ」なのではないか。規模が草野球レベルになったとしても「クラブチーム」が存続することはできる。欽ちゃんやチームに関係する「芸能人」がマイクパフォーマンスをし、もっとも大事なものである「野球=スポーツ」よりも何らかの「効果」を期待している人たちにとっては、「スポーツ」よりも「ボランティア」の方が重く見えてくるのだろうが。

ZAKZAKには、江本孟紀(京都ファイアーバーズ監督)のほかに、千葉熱血MAKINGの総監督を務める森田健作も同じようなコメントを寄せている。彼らは何らかの見返りが欲しくて「クラブチーム」に関係しているのだろうか。そんな生々しいことは「裏の人間」が必死になってやればいいことで、表で「理想」を語るべき人間が現実にコミットするような発言をする意味はないのではないかと思う。