![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/ac/6d481f4bbf4b78759e49a92e3734c1f1.jpg)
31日の宵宮参りまでに作られる天理市佐保庄(さほのしょう)のカザグルマとチンマキ。
大字佐保庄は昨年に訪れたことがある。
佐保庄は四つの垣内(北垣内・南垣内・上垣内の上・下)の回り。
4年に一回の回りであるが、頭屋はその当たりの垣内から選ばれるだけに垣内の戸数によって大幅に異なるそうだ。
この日、村の公民館に集まってきたのは南垣内の人たちだ。
旧村でちゃんちゃん祭の座を営む祭具作りに出仕。
昨年は北垣内の廻りで今年は南。
来年は上垣内の下で、その次は上垣内の上となると云う。
いずれの垣内も10戸ぐらいだそうだが、農家が少なくなってサラリーマンの家ばかりなったと話す。
仕事勤めの会社は決算で忙しい時期に行われる大和神社のちゃんちゃん祭。
どうしようもなくやむなく欠席せざるを得ない戸数になったと云う。
大字が出仕する順番は大和神社の年預総代らが「ガチャガチャして振ったくじ引きで決まったこと。だれも文句は言えない。お渡りの順も同じだ」と話す。
一番クジを引いた佐保庄は先頭を勤める天狗もあるし、御輿担ぎに花笠もある。
「どない考えても人足が足らないが、なんとかする」と総代が話していた。
祭具作りの公民館は昭和32年11年7月に落成した会所である。
「古くなったが、建て替えもできないからそのままや」と云う。
会所はかつてスイカやカキの出荷場だった。
朝和小学校の教職員が入居していた時代は職員室でもあったと云う落成公民館を祝う幕が張られていた記念の写真が残されていた。
予め材料を集めておいたのは宮総代兼垣内総代、しかも年齢順に廻ってくる頭屋までのアタリ年。
当たりすぎて「農家の仕事もできん」と云いながら若い人たちに教えていく。
ご主人が若いころに親父さんが亡くなられたので、当時いた年寄りに混じって勤めていたと云うから、垣内の生き字引。
「なんでもこの人に聞いてや」と云われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/d0/301d00a8d1c3fc81633addb75308aca9.jpg)
チンマキの原材料は大量のコモグサだ。
奈良市の窪之庄から東の山手、五ケ谷付近にある池で採ってきたそうだ。
昨年の夏、土用辺りの日に出かけてカマで刈ってきた。
青味を残さなければならないコモグサは一旦、倉庫に保存して、それから天日干しをしていたそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/5f/3c426381c3b6813fb06485d99f784f4d.jpg)
コモグサは適量な本数を束ねてイグサで巻いてほどけないようにする。
イグサは日本製の畳をほぐした長いもの。
水に浸して柔らかくする。
「中国製の畳であればもっと短くて使いものにならない」と云う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/9b/92297dba0874d8bf43f3ce2dfbd72247.jpg)
昨年の見本を持ってこられたが、本体部分が茎軸。
何本かを組み合わせていた。
本来は細い先を合わせて長さを測って揃えるそうだ。
葉がある方は長さが約90cm~100cm。
見本を測ってみたら90cm、100cmだったことから特に長さの決まりはなくこれぐらいだと云う。
下部は堅めの茎軸を何本か寄せて束ねる。
40cmぐらいの長さだ。
これでしっかりとしたチンマキになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/b1/2be3e4f3b615586518c58bc665daddc4.jpg)
見本では数か所を縛るように巻きつけていたが、総代は長めのイグサで上から下へぐるぐると巻いていった。
ほどけないように止めた。
宮さんのものは「左ない」と云って垣内の人たちが同じように作っていく。
その数は20本である。
もう一方の祭具作りはカザグルマ。
正方形の色紙を折って挟みで切るのだが、4年ぶりの作業。
四角に折るのか、それとも三角なのか・・・。
「折っても切口が判らん」と云って試行錯誤される。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/49/543a01e96f6f3d0e1e4d0bf6f024976c.jpg)
ようやく「これや」と云って要領を思い出されてから捗って作業が進展する。
これらの小さいカザグルマは竹に挿してできあがるが、お旅所に持ち込まず、垣内の人たちの家に置いておく。
これは20本作る。
お旅所に供えるカザグルマはもっと大きなものである。
色画用紙を正方形に切って同じように作っていく。
残しておいた竹を見本に「こうして作るんや」と云って短冊にした色紙を貼り付ける。
カザグルマを取り付ける青竹は割いて先を尖らす。
90度に曲げる道具はローソクの火。
炙って曲げると云う。
大きなカザグルマは4本作る。
カザグルマが外れないように止める材はクロマメ。
水をふくませば膨らむ。
通しに穴を開けるクロマメは一旦膨らむが、一日経過すれば縮まって潰れてしまうことになるから、結局はドリルで開けることになると話す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/8f/4b318e66e93fa31cb7ab8bbe05c2b371.jpg)
これらの作業は昼食を済ませた午後となる。
天理の藤井で行われる旧暦閏年の庚申トアゲの取材が待っているので、佐保庄の取材はここまでだ。
できあがった佐保庄のカザグルマはお旅所で拝見したいと思って4月1日も取材することにした。
総代に聞いた話しでは、カザグルマの羽根止めに黒ダイズを使うなど製作過程は昨年に拝見している大字三昧田と同じようだった。
また、短冊を竹に巻いていく在り方も大字兵庫のハナカザリと同じ作り方であるようだ。
作業されるころには昨年にお世話になった総代も来られた。
総代の分家にあたる区長もやってきた。
話しによれば北垣内に朝日観音堂があると云う。
総代家に近い処である。
そこで行われている観音講(竹之内集落も含む)の営み。
毎月17日には8人の講中が集まってご詠歌を唱えていると云う。
7月は観音さんの大祭になるらしい。
佐保庄には庚申講もあると云う。
上垣内の上・下の2組がある。
かつてはもう一組があったようだが、20年前に解散したらしい。
解散されても掛軸は残していると話す。
さらに8軒で営む伊勢講もあると云う。
一年に一度の集まりらしいが、日程は変動するようだ。
(H26. 3.30 EOS40D撮影)
大字佐保庄は昨年に訪れたことがある。
佐保庄は四つの垣内(北垣内・南垣内・上垣内の上・下)の回り。
4年に一回の回りであるが、頭屋はその当たりの垣内から選ばれるだけに垣内の戸数によって大幅に異なるそうだ。
この日、村の公民館に集まってきたのは南垣内の人たちだ。
旧村でちゃんちゃん祭の座を営む祭具作りに出仕。
昨年は北垣内の廻りで今年は南。
来年は上垣内の下で、その次は上垣内の上となると云う。
いずれの垣内も10戸ぐらいだそうだが、農家が少なくなってサラリーマンの家ばかりなったと話す。
仕事勤めの会社は決算で忙しい時期に行われる大和神社のちゃんちゃん祭。
どうしようもなくやむなく欠席せざるを得ない戸数になったと云う。
大字が出仕する順番は大和神社の年預総代らが「ガチャガチャして振ったくじ引きで決まったこと。だれも文句は言えない。お渡りの順も同じだ」と話す。
一番クジを引いた佐保庄は先頭を勤める天狗もあるし、御輿担ぎに花笠もある。
「どない考えても人足が足らないが、なんとかする」と総代が話していた。
祭具作りの公民館は昭和32年11年7月に落成した会所である。
「古くなったが、建て替えもできないからそのままや」と云う。
会所はかつてスイカやカキの出荷場だった。
朝和小学校の教職員が入居していた時代は職員室でもあったと云う落成公民館を祝う幕が張られていた記念の写真が残されていた。
予め材料を集めておいたのは宮総代兼垣内総代、しかも年齢順に廻ってくる頭屋までのアタリ年。
当たりすぎて「農家の仕事もできん」と云いながら若い人たちに教えていく。
ご主人が若いころに親父さんが亡くなられたので、当時いた年寄りに混じって勤めていたと云うから、垣内の生き字引。
「なんでもこの人に聞いてや」と云われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/d0/301d00a8d1c3fc81633addb75308aca9.jpg)
チンマキの原材料は大量のコモグサだ。
奈良市の窪之庄から東の山手、五ケ谷付近にある池で採ってきたそうだ。
昨年の夏、土用辺りの日に出かけてカマで刈ってきた。
青味を残さなければならないコモグサは一旦、倉庫に保存して、それから天日干しをしていたそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/5f/3c426381c3b6813fb06485d99f784f4d.jpg)
コモグサは適量な本数を束ねてイグサで巻いてほどけないようにする。
イグサは日本製の畳をほぐした長いもの。
水に浸して柔らかくする。
「中国製の畳であればもっと短くて使いものにならない」と云う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/9b/92297dba0874d8bf43f3ce2dfbd72247.jpg)
昨年の見本を持ってこられたが、本体部分が茎軸。
何本かを組み合わせていた。
本来は細い先を合わせて長さを測って揃えるそうだ。
葉がある方は長さが約90cm~100cm。
見本を測ってみたら90cm、100cmだったことから特に長さの決まりはなくこれぐらいだと云う。
下部は堅めの茎軸を何本か寄せて束ねる。
40cmぐらいの長さだ。
これでしっかりとしたチンマキになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/b1/2be3e4f3b615586518c58bc665daddc4.jpg)
見本では数か所を縛るように巻きつけていたが、総代は長めのイグサで上から下へぐるぐると巻いていった。
ほどけないように止めた。
宮さんのものは「左ない」と云って垣内の人たちが同じように作っていく。
その数は20本である。
もう一方の祭具作りはカザグルマ。
正方形の色紙を折って挟みで切るのだが、4年ぶりの作業。
四角に折るのか、それとも三角なのか・・・。
「折っても切口が判らん」と云って試行錯誤される。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/49/543a01e96f6f3d0e1e4d0bf6f024976c.jpg)
ようやく「これや」と云って要領を思い出されてから捗って作業が進展する。
これらの小さいカザグルマは竹に挿してできあがるが、お旅所に持ち込まず、垣内の人たちの家に置いておく。
これは20本作る。
お旅所に供えるカザグルマはもっと大きなものである。
色画用紙を正方形に切って同じように作っていく。
残しておいた竹を見本に「こうして作るんや」と云って短冊にした色紙を貼り付ける。
カザグルマを取り付ける青竹は割いて先を尖らす。
90度に曲げる道具はローソクの火。
炙って曲げると云う。
大きなカザグルマは4本作る。
カザグルマが外れないように止める材はクロマメ。
水をふくませば膨らむ。
通しに穴を開けるクロマメは一旦膨らむが、一日経過すれば縮まって潰れてしまうことになるから、結局はドリルで開けることになると話す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/8f/4b318e66e93fa31cb7ab8bbe05c2b371.jpg)
これらの作業は昼食を済ませた午後となる。
天理の藤井で行われる旧暦閏年の庚申トアゲの取材が待っているので、佐保庄の取材はここまでだ。
できあがった佐保庄のカザグルマはお旅所で拝見したいと思って4月1日も取材することにした。
総代に聞いた話しでは、カザグルマの羽根止めに黒ダイズを使うなど製作過程は昨年に拝見している大字三昧田と同じようだった。
また、短冊を竹に巻いていく在り方も大字兵庫のハナカザリと同じ作り方であるようだ。
作業されるころには昨年にお世話になった総代も来られた。
総代の分家にあたる区長もやってきた。
話しによれば北垣内に朝日観音堂があると云う。
総代家に近い処である。
そこで行われている観音講(竹之内集落も含む)の営み。
毎月17日には8人の講中が集まってご詠歌を唱えていると云う。
7月は観音さんの大祭になるらしい。
佐保庄には庚申講もあると云う。
上垣内の上・下の2組がある。
かつてはもう一組があったようだが、20年前に解散したらしい。
解散されても掛軸は残していると話す。
さらに8軒で営む伊勢講もあると云う。
一年に一度の集まりらしいが、日程は変動するようだ。
(H26. 3.30 EOS40D撮影)