マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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長滝町の座分け

2010年11月05日 07時46分58秒 | 天理市へ
昨夜から降り出した雨は止む気配はない。

昼前には本降りになりだした天理市長滝町。山間にある集落だ。

鬱蒼とした林のなかに鎮座するのが九頭神社。

早朝に集まってきた宮本衆と当家、それに世話方の役目を担う行司たち。

ヤダケ(矢竹であろう)と呼ばれる竹を使って御幣を作る。

それを神社に奉って神事が執り行われる。

それらを終えて社務所で直会が始まった。

パック詰め料理の膳を囲んだ直会だ。

お神酒を注ぎ回るのは本当屋と受け当屋の二人。かいがいしく動き回る。

所外では当屋の奥さんが酒を澗している。

始まって1時間半。座は「座分け」の式典に入った。

中央の席に座った二人の行司。

昭和44年10月12日調の「座中連名簿」を差し出し座員の名を確認する。

座中名にはここで生まれた長男と認められた婿養子。

いずれも宮本株を買った55人の座中だ。

その人たちを振り分けるのが座分け。

明日の宵宮に際してオオト-ヤ(大当屋)とコトーヤ(小当屋)の家で会食をよばれる人たちを振り分けるのだ。

逆の言い方をすれば行き先の接待家を決めるのだ。

本来であれば一カ所で総員が会食するのだが、人数が多いことから二カ所に分けている。

それを決めるのが座分けである。

座中名簿は誕生日の順。

最長老は一番でオオト-ヤの家。

2番目はコトーヤの家。

次はオオト-ヤ。その次はコトーヤとなる。

簡単に言えば奇数番がオオト-ヤで偶数番がコトーヤだ。

ここに但し書きがつく。

世話役の行司は二手に分かれなくてはならない。

宮本衆の意見や協議を経てどちらの家に入るかを決断する。



決まった座中は二つに折った半紙に名前を記す。

そして洩れなどがないか名前を呼び出して宮本衆が承認する。

采配しない行司は名ばかり、長老のご意見を伺い決めていく。

行司の役目はこれで終わったわけではない。

集合時間や祭り提灯の出発時間など、今日中に決まったことを1軒、1軒回って通知していくのだ。

(H22.10. 9 EOS40D撮影)


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