四つ辻の処に昔ながらの風情をもつ店屋があることは知っていた。
十日ほど前に通りがかった桜井市箸中から芝へ抜ける旧街道に、である。
そのお店のガラス張り「七月19日 土用入 土用餅」の文字で書いてあった貼り紙があった。
「土用餅」についてはついこの前に聞いた「ハラワタモチ」の名もある。
地域によってはそう呼ぶようで、2カ所、2行事にその名のモチが登場する地域が判った。
ひとつは平成23年7月9日に取材した田原本町多の観音堂行事。
観音講の人たちが朝から作る御供にアンツケモチがあった。
このモチは別名にハラワタモチの名がある。
かつてはシオアンのモチだったというのが興味を惹く。
もう一つは未だ取材ができてない大和高田市の天道御供。
旧町名の元町二丁目・太神宮で行われる行事は土用入りの日。
そこで供えられるモチがハラワタモチとも呼んでいる土用餅であるが、どのようなモチなのか判らないが、やはりシオアンで包んだモチのようだ。
多の観音講が作って食べるハラワタモチは「ハラモチが良くて、腹痛を起こさない予防の意味がある」と話していた。
今年の土用の入りの日は7月19日。
例年であれば7月20日である。
ハゲッショの日もそうだったが、今年は暦の関係で一日早い。
特定の固定日ではなく暦の土用の入りの日に「土用餅」を食べる風習に和菓子屋さんがその餅を販売するのである。
前述したように多の観音講が作って食べるハラワタモチは自家製。
昔はどの地域でも家で作って食べるモチであったようやに、聞く。
ハラワタモチの名ではないが、どうしても食べたくなって街道沿いにあった和菓子屋さんの「北橋清月堂」のドアを開けた。
奥から店主が出てこられたので「どうしても食べたくなった」と告げた。
土用餅は1個が税込の130円。
かーさんと二人で食べる量は数個。
10個入りでは食べきれんと思って5個入りを買った。
店主が云うには、「昔から箸中の住民が買っていく」そうだ。
買っていくといっても毎年注文される予約販売。
予め注文があった個数の土用餅を作って販売している。
注文する家は和菓子屋さんがある下垣内の他、JR桜井線の線路を越えた東側の中垣内や車谷垣内の人たちになるそうだ。
作る餅はそれ以上に作って残りをお店で店頭販売。
売り切れはザラにあるようようやに話すから胸をなでおろす。
土用餅は仕入れたモチゴメで作る。
餡は小豆のこしあん。
しっとりした舌触りで、滑らかに喉を通る。
大きさは手ごろというか、やや小さ目。
波を打っているような感じの作りは味も同じようにと思ったお伊勢さんで有名な赤福餅。
そのような味とよく似ています、と店主は云った。
まさにその通りであった。
家に持ち帰ったらあっというまになくなった。
食べやすくて美味しいと云ったかーさん。
店主が作る土用餅は日持ちしない。
スーパーや最近はコンビニでも売っている土用餅はどちらかといえば数日間の日持ちがする。
後日の土用の丑の日にも通りがかったら「土用餅」の貼り紙がなかった。
まさにその日限りの販売の土用(入りの)餅である。
お盆の8月14日には「どさくさもち」を作って売っているという店主。
お盆に帰省する家族に墓参りをともにする親族らでごったがえす箸中のお盆。
家人はそれほどに忙しい。
忙しい合間をぬって食べることから「どさくさもち」の名がついたのか・・・。
お爺さんの代に和歌山から奈良に移った。
そのときからお店を構えている和菓子屋さんは親父さんの後を継いで云十年。
三代目になるという。
土用餅は食べる「民俗」。
かつて箸中で聞いていたダイジングサン行事を教えてもらう。
和菓子屋と行事の関係はお供えである。
もしかとすればダイジングサンに供える御供にモチがあるのでは、と思ったからだ。
箸中は大きく分けて下垣内、中垣内に車谷垣内の地区に別れている。
和菓子屋さんが建つ地区は下垣内。
その下垣内にダイジングさんがある。
光背に三輪山を配した処に建つ石塔の一つが大神宮。
そこでは7月16日にダイジングサンが行われている。
同月の24日は地蔵さんがある。
忌竹を二本立てて、そこに水平にした竹をもう一本。
時間ともなれば会所に保管していた提灯をぶら下げる。
北橋清月堂が作った餅などの御供を供えてお参りをする。
設営などは当番の班がこれらを担う。
下垣内の組は5班。
5年に一度の廻りになる。
そう話してくれた店主。
地蔵盆は下垣内よりも軒数が多い班、大字芝の方が賑やかになるらしい。
ちなみに箸中は和菓子屋さんがある通り付近、JR桜井線より西側が下垣内。
線路から東側が中垣内。
そこより山麓寄りが車谷垣内になるそうだ。
(H28. 7.19 EOS40D撮影)
十日ほど前に通りがかった桜井市箸中から芝へ抜ける旧街道に、である。
そのお店のガラス張り「七月19日 土用入 土用餅」の文字で書いてあった貼り紙があった。
「土用餅」についてはついこの前に聞いた「ハラワタモチ」の名もある。
地域によってはそう呼ぶようで、2カ所、2行事にその名のモチが登場する地域が判った。
ひとつは平成23年7月9日に取材した田原本町多の観音堂行事。
観音講の人たちが朝から作る御供にアンツケモチがあった。
このモチは別名にハラワタモチの名がある。
かつてはシオアンのモチだったというのが興味を惹く。
もう一つは未だ取材ができてない大和高田市の天道御供。
旧町名の元町二丁目・太神宮で行われる行事は土用入りの日。
そこで供えられるモチがハラワタモチとも呼んでいる土用餅であるが、どのようなモチなのか判らないが、やはりシオアンで包んだモチのようだ。
多の観音講が作って食べるハラワタモチは「ハラモチが良くて、腹痛を起こさない予防の意味がある」と話していた。
今年の土用の入りの日は7月19日。
例年であれば7月20日である。
ハゲッショの日もそうだったが、今年は暦の関係で一日早い。
特定の固定日ではなく暦の土用の入りの日に「土用餅」を食べる風習に和菓子屋さんがその餅を販売するのである。
前述したように多の観音講が作って食べるハラワタモチは自家製。
昔はどの地域でも家で作って食べるモチであったようやに、聞く。
ハラワタモチの名ではないが、どうしても食べたくなって街道沿いにあった和菓子屋さんの「北橋清月堂」のドアを開けた。
奥から店主が出てこられたので「どうしても食べたくなった」と告げた。
土用餅は1個が税込の130円。
かーさんと二人で食べる量は数個。
10個入りでは食べきれんと思って5個入りを買った。
店主が云うには、「昔から箸中の住民が買っていく」そうだ。
買っていくといっても毎年注文される予約販売。
予め注文があった個数の土用餅を作って販売している。
注文する家は和菓子屋さんがある下垣内の他、JR桜井線の線路を越えた東側の中垣内や車谷垣内の人たちになるそうだ。
作る餅はそれ以上に作って残りをお店で店頭販売。
売り切れはザラにあるようようやに話すから胸をなでおろす。
土用餅は仕入れたモチゴメで作る。
餡は小豆のこしあん。
しっとりした舌触りで、滑らかに喉を通る。
大きさは手ごろというか、やや小さ目。
波を打っているような感じの作りは味も同じようにと思ったお伊勢さんで有名な赤福餅。
そのような味とよく似ています、と店主は云った。
まさにその通りであった。
家に持ち帰ったらあっというまになくなった。
食べやすくて美味しいと云ったかーさん。
店主が作る土用餅は日持ちしない。
スーパーや最近はコンビニでも売っている土用餅はどちらかといえば数日間の日持ちがする。
後日の土用の丑の日にも通りがかったら「土用餅」の貼り紙がなかった。
まさにその日限りの販売の土用(入りの)餅である。
お盆の8月14日には「どさくさもち」を作って売っているという店主。
お盆に帰省する家族に墓参りをともにする親族らでごったがえす箸中のお盆。
家人はそれほどに忙しい。
忙しい合間をぬって食べることから「どさくさもち」の名がついたのか・・・。
お爺さんの代に和歌山から奈良に移った。
そのときからお店を構えている和菓子屋さんは親父さんの後を継いで云十年。
三代目になるという。
土用餅は食べる「民俗」。
かつて箸中で聞いていたダイジングサン行事を教えてもらう。
和菓子屋と行事の関係はお供えである。
もしかとすればダイジングサンに供える御供にモチがあるのでは、と思ったからだ。
箸中は大きく分けて下垣内、中垣内に車谷垣内の地区に別れている。
和菓子屋さんが建つ地区は下垣内。
その下垣内にダイジングさんがある。
光背に三輪山を配した処に建つ石塔の一つが大神宮。
そこでは7月16日にダイジングサンが行われている。
同月の24日は地蔵さんがある。
忌竹を二本立てて、そこに水平にした竹をもう一本。
時間ともなれば会所に保管していた提灯をぶら下げる。
北橋清月堂が作った餅などの御供を供えてお参りをする。
設営などは当番の班がこれらを担う。
下垣内の組は5班。
5年に一度の廻りになる。
そう話してくれた店主。
地蔵盆は下垣内よりも軒数が多い班、大字芝の方が賑やかになるらしい。
ちなみに箸中は和菓子屋さんがある通り付近、JR桜井線より西側が下垣内。
線路から東側が中垣内。
そこより山麓寄りが車谷垣内になるそうだ。
(H28. 7.19 EOS40D撮影)