ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「ミネルヴァの梟」 20230404(20221015)

2023-04-04 | Weblog

 

 

 

世界に発情している
呪われているでもいい

四六時中、発情した心が世界を描き出す

妄想、たわ言、バカ話、絵空事、物語、神話
ファンタジー、ロマネスク、白鳥の歌

すべては発情に由来する

ニーチェは「力への意志」というコトバ
だれかは「欲望」という概念をそれに充てた

中軸に「性」があることは疑えない
「リビドー」(フロイト)
動物と共有する生の本質から抜け出ることはできない

  どんな動物も出産の欲情に駆られるとき
  みなすさまじい状態になる(ディオティマ)

例外はない、生命が生命であるかぎり
命がけの基底が日々を動かしている

としても、その拡張された人間的生のバリアント

形而上、形而下、全域にわたるコトバの浸透
変幻する発情対象、色づく世界の無限性

すべてに織り込まれたコトバが示し動かす
固有の価値配列、意味連関として姿を現わす世界

ひとりひとり、それぞれに描き出された世界の姿に
欲情はエロスの中心を見つけてフォーカスを結ぶ

恋愛、革命、芸術、真理、理想、正義、信仰
自己、他者、モノ、カネ、友愛、享楽、物語

この集合的展開において最大の主題が浮上する

あらゆる闘争の理由、解けないアポリア
関係の地平が差し出す「共生のかたち」という主題

       *

  ミネルヴァの梟は、夕暮れの訪れとともに、
  ようやく飛びはじめるのである。
        ──ヘーゲル『法の哲学』上妻他訳

世界に欲情しながら、少しだけ欲情がゆるみ
少しだけ世界への着生から浮き上がる時刻

「ふくろうは日没から飛びはじめる」

起きたこと起こるかもしれないこと
取り戻せるもの取り戻せないもの
可能であること可能ではないこと
あるべきことあってはならないこと

欲情がみずからを振り返る時刻

出来事を仕分けして総点検する
この作業はつねに事後に動きだす

なんのためか

人間的発情がその本質をよりよく展開するために
おそらく、その条件と根拠を探索するために

世界と直列した真昼の闘争にスキマを開き
なにかをつけ加えることが許された時刻

ふくろうが羽ばたく時間は限られている
しかし夜明けまでにできることはある

 

 

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