ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「自己修正的」20210818

2021-08-18 | 参照

 


G.ベイトソン「目的心対自然」(『精神の生態学』佐藤・高橋訳)

「文明のプロセス、人間の行動、人間の作る組織、
そしてすべての生物学的システムがそうであるわけですが、
それらの議論や評価においてわれわれが前にしているのは、
自己修正的システムであることが理解されるに至っています。
基本的にこれらのシステムはつねに保守的です」

「すなわち、現状(ステイタス・クウォ)を構成するある要素を守るために
──言いかえれば、現状を記述した命題のあるものが「真」であり続けるように
──変化が起こるのです。……
しかし同時により高いレベルで「生存」とよばれる複雑な変数を
一定に保つために種を変化させることもできるのです」

「人間は動揺に対して自己修正的に働く。
どんな明白なことであっても、それが内的動揺なしに受けいれられないものであれば、
自己修正のメカニズムが働いてそれをわきにそらせたり、隠したり、
きょくたんなばあいには必要におうじて目を閉じてしまったり、
知覚プロセスのある部分を停止してしまったりします」

「しかも何が「邪魔物」であるかということの決定は、
システム自体の理解にもとづいて行われるのです。
この決定機構──すなわち動揺をひきおこすだろうものをはじき出す前提──
がまた、学習によって獲得され、しっかりと保持されていく性格のものであります」

 

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