10月も、すっきりと晴れた日が少なく、どんよりとした曇り空の週明け。
先週末から、東証は、荒れ模様のようで、週明けの今日は、前日終値より423円、-1.87%減
今週は、更に大荒れか、今夜のニュー・ヨーク市場が気になるところです。
・・・と言う訳で、波乱の週明けなのに、午前中から、相方と映画。
まず、驚いたのは、こんな?月曜日の午前中なのに、一番大きな上映室の7割が、埋まっていて、そして、圧倒的に、高齢の女性客で、占められているということでした。
殆どが、65歳以上(と思われる)の女性グループ。
シネマ歌舞伎のときもそうですが、彼女達のきゃぴきゃぴと楽しそうなさまは、女子中高生と大差ないな・・・と思います。
平日の月曜の午前中から・・・です・・・そこんとこは、女子中高生とは、違いますが・・・。
茶道のお話ということで、相方曰く。
『茶道という括りの中で、どういう物語を映像化するのか見てみたい。』
茶道といえば・・・千利休ですが、この映画では、茶道教室の看板にその流派の名前が刻まれているのと、一期一会の話で、少し出てくるくらいで、あとは、黒木華演じる、結局、なにをしたいのかわからないまま、淡々と、殆ど、波風がなく、穏やかな生活の中で、四半世紀、お茶のお稽古を続けた女性の・・・自分探しを続けた果てに、幸せとか、喜びは、四季の流れ、移ろいの微妙な変化を、五感を通して、感じとることである・・・と達観する(だけの)物語でした。
おだやかな平穏さが、緩やかで、美しい四季折々の風景、茶道具、和菓子に映し出されます。
茶道の物語といえば、私は、宮尾登美子の『松風の家』あたりを即座に思い出すのですが、こちらは、御茶道の家に生まれた宿命とその家を継ぐためのドロドロの人間関係、そして、厳しい修行、矜持などがテーマとなっておりましたが、この映画は、そういうの一切無し。
そして、男性が、殆ど出演してないことが、少し異質と言えば、異質かもしれません。
主人公のお父さんの穏やかさは、妙に女性的で、これほど、波風の立たない家庭も珍しいような気がします(逆に言えば、ドラマには、なりにくい、稀有な、幸せな家庭で、主人公は、育ったのだろうと思います)。
御茶の師匠役を演じる樹木希林は、若い頃、老け役で、沢田研二のポスターの前で、『ジュリ~~~』と言って、悶えるおばあさんの役が、印象に残っています。
その頃は、悠木千帆と言っていたような気がしますが、この名前を、売った?なんて話があったような?
その後、全身癌という病いの中での遺作となりました。
全体的に、樹木希林演じるショットのひとつひとつが、かなり短く、つぎはぎ的感じは、否めませんが、病身であるため、長いショットを演じるのは、無理だったのかもしれません。
御茶ひとつ喫するのに、こうも細かい決まりごとの多い・・・ひとつの芸道を極めるには、やはり、時間を累積する以外、道は、ないのかもしれません。