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鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

宇都宮美術館/ジョルジュ・ルオー展

2018-07-08 12:11:10 | 藝術

曇りがちでも、暑さ復活・・・のようです。



(一昨日・6日の続き・・・)

午前中、私鉄駅前のレトロな映画館で、ジモッティ映画を鑑賞後、私鉄駅デパートの駐車場に留め置いた車で、宇都宮美術館へ。

この美術館は、相方のお気に入りの美術館でもあって。

美術館併設のランチと企画展が目的です。

まずは、ランチ(このレストランは、企画展に因んだアートなランチも楽しめるようです)。

よく手入れされた山林を眺めながら、ランチできます・・・。

この日(6日)は、最高気温20℃前後で、連日の猛暑から一変・・・寒いくらいでしたので、温かいお料理が食べたかったのですが・・・。
時期的にも、スープは、冷製・・・寒い・・・(サラダも冷え冷えの・・・グリーンサラダ・・・当然か・・・)。

メインは、グリルでしたが、ソースは、冷製・・・。

そして、県人嗜好の塩味の強い調味。


相方ひとこと・・・。

『過去のトラウマ再現だねぇ・・・。真夏日の中に、ぽつんと寒い日があって、供される料理が、全部冷製で、温かいものは、食後の珈琲だけだったという・・・ワタシのお誕生日会のあの食事・・・。』


やっぱり、映画『キスできる餃子』を鑑賞したあとは、ギョーザ・ラーメンにすべきだった・・・!市内には、それなりのお店が多々あったのに。

食事の温度は、大切です。


さて。
食事のあとは、ルオー展です。



今回のルオー展は、汐留パナソニックミュージアムの所有で、以前、ギュスターヴ・モローと抱き合わせで、相方と鑑賞に行ったのですが、再見。


私的には、ルオーは、二の次で、やはりモローの方が好きなのです。
対照的なルオーとモローのタッチですが・・・。

相方曰く・・・。

『そうなんだよね~。一見、小学生でも・・・って感じの絵なんだけどさ。何かが違うっていうか・・・。』

宗教画という点では、ルオー、モローともにテーマが一緒なのです。

幻のように美しいモローとは、対照的なルオーの色使いはインパクトがあります。
原色の赤、青のうつくしさは、際立っていました(実は、汐留パナソニックミュージアムでのモロー・ルオー展では、私は、モローにばかり目が、いってしまい、ルオーは、ぶっちゃけ、どうでもヨカッタんですが、改めて焦点を当てると違う感じ方になりました)。


企画展のあとは、常設展で、こちらは、いつものシャガールがお出迎え。
地元出身の画家、芸術家の作品をメインに展示されています。

ミュージアムショップで、相方は、大好きな陶器に目がいってしまい、ショップの職員さんと陶器談義にはいってしまいましたので、私は、絵葉書等購入。

ピカソの『鳩』シリーズ。






美術館を後に、木立が、傘がわりで、梅雨のようなシトシト雨でも、傘をささずに、駐車場迄。

森の中の美術館梅雨(梅雨明け宣言でちゃったケド、戻り梅雨のようで?)編。






藝術探訪?陶芸の里・笠間へ

2017-08-12 19:45:45 | 藝術

数日前の殺人的?猛暑は、翳りを見せ始めました。

朝方などは、20℃少し越えるくらいの・・・幾分、秋めいたお盆前の週末。


本日は、相方と朝から、笠間市へ。

相方とは、3週間ぶり。
いろいろと忙しいようですが、お盆休暇中なので、何処かへ行きましょう・・・ということでしたが、定番の日光・那須などは、多分・・・渋滞というか、まあ、お盆中は、いずこも混雑しております。

では。
それ程、遠くなく、それ程、渋滞もなさそうな・・・???

相方の好きな陶芸作家さんのいらっしゃる笠間市にでも、行きましょうかね・・・ランチも兼ねて。

・・・ということで。

笠間市と言えば、笠間焼。

市内には、陶芸関係の窯元、陶磁器の販売店が、軒を連ねておりまして、そして、かの日動美術館も。

我が居住地から、東へ東へ・・・国道をまっすぐ。

日動美術館の開館9:30分に到着。

企画展、常設展、そして、彫刻が並ぶ、庭園美術館を散策。

私は、コレで、4回目でしたが、楽しみにしていたアンティーク・ドールの展示は、ありませんでした(常設展示では、ないようです)。

途中のカフェのテラス席をお借りして、相方持参の珈琲を御馳走になり、2時間と少し過ごしました。

そのあとは、今日一番のお楽しみ、フレンチ・ランチです。

アミューズの充実感は、半端なく・・・。
野菜たっぷり。
メイン、デザートとも、ボリュームのある献立でした。

座席もほぼ満席状態。
市内の人気店のようでした。


お腹が一杯になり、眠たいところですが、次へ移動です。

日本の陶芸家で、たぶん、一番?有名な人は、『北大路魯山人』ではないか・・・と思います。
陶芸をはじめ、書画、漆芸などを極めた藝術家です。
美食家としても名高く、料理を盛る器などを作り、料亭・星岡茶寮にて会員制美食倶楽部の顧問を務めたひとでもありました。

その魯山人の鎌倉での住まいを、笠間市へ、移築したのが、今日訪れた春風萬里荘です。
日動美術館より車で10分くらい走行した高台にあります。


江戸時代初期の豪商の茅葺屋根の建物で、里山のような風情の庭園、睡蓮を湛えた池など、見どころが一杯です。



(↓茶室から枯山水を臨む)




(↓早、初秋の趣を見せる庭園)




(↓睡蓮の池・・・シーズンは終焉を迎えたようです。)








蝉しぐれの中、涼風が、庭園を渡っていきます。


次は、笠間市内の相方贔屓の笠間焼の陶芸家さんの作品を展示販売しているお店へ。

新作が出ていたようで、相方は、お店のオバさんと作品談義。


そんなこんなしているうちに、16時を回り、帰宅の途につきました。

この国道は、海に向かう道です。
夏場の週末は、海水浴のお客さんで、込み合う道路ですが、特に、渋滞もなく、1時間と少し。

久々(12日ぶり)に外出したので、歩き疲れましたが、スマートフォンの歩数計で、2500歩・・・。

美術館や庭園など・・・結構、歩いたような気がしたのですが・・・。

そして、ワタクシ・・・早々と、筋肉痛のようです。













































STAR WARS展 & 第34回目の観月会 

2016-10-16 22:45:50 | 藝術

秋晴れに恵まれた週末。
昨日(15日)は、午後から、相方と『STAR WARS』展へ。
夕刻より、月例の観月会。


アメリカ映画『STAR WARS』は、一番最初の公開が、1977年ということで、今年の12月に、新しい作品が、公開予定ということで、まだ続編が製作されているようである。

私は、1977年の第一作しかみていないので、その後のストーリーの展開を知らないけれど、ルークとレイア姫が兄妹だったとか、ダースベイダーが、父親だったとか・・・39年を経て、宇宙の戦争?は、続いているようであった。

今回の展覧会は、『STAR WARS』をモチーフにした絵画作品よりも、むしろ、撮影で使われた衣装、小道具、そのレプリカやシリーズ毎に特徴のあるセットのミニチュア、更に、シリーズ毎、展示品にまつわる映像を見ることが出来て、このシーンは、覚えている・・・そうそう・・・コレだった・・・なんていう、自分自身の記憶を再生させて楽しむことができる。

企画展ということで、いつものように、展示室1、展示室2と分かれていて、展示室2には、この作品には、欠かせないキャラクターC3PO、R2-D2の実物代のロボットの展示も。
C3POは、吹き替え版では、故・野沢那智さんがアフレコを担当されていたような気がするけれど・・・記憶違いかな・・・。
砂漠の中でのユニークなロボット達の活躍もこの映画ならでは。

一応、美術館なので、美術関連のネタも書かないとな。
岸田劉生の『麗子像』は、ヨーダに似てるのよね〜〜。
逆か…ヨーダが、麗子像に、にてるのか?

期間中には、『STAR WARS』の仮装を競うイベント(←終了)、またホールでのテーマ音楽のコンサートなども企画されているようで、美術と映画娯楽のコラボレーションが楽しめる。
地方では、なかなか斬新なプランの展示会でもあるようだ。

ミュージアムショップでは、映画一色。
ライトセイバーやキャラクターグッズ盛り沢山。
閉館時間間際まで、賑わっていた。

その後は、第34回目となる観月会。
久しぶりの満月が、東の空からのぼっていくのを眺めながら、秋をテーマにしたお料理を頂く。
季節を先取り・・・というのが、このお店のコンセプトのようで、早くも椀物に御餅が登場。
寒くなってきて、お正月ももうすぐ?ですよ・・・と言われているみたいで。

今回は、八寸の出来が、よくて、もう御碗ものとコレだけで・・・。
酢の物が、バランスよく配されて、さっぱりといただいた。

沖天の月に照らされて・・・このところ、全く月の見えない観月会が続いて、やっとこ満月の日と観月会が、マッチした秋の一日。


E・ガレの展覧会~ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉

2016-05-18 21:56:23 | 藝術

昨日とは、全く正反対の乾いた夏日。


(昨日の続き)

雨の中、御老人達の集いの場・午前中の映画館で、まったり映画を見た後、お昼になったので、隣接のショッピングモールで、ランチ。

リーズナブルな和食を供してくれるお店は、ランチタイムとあって、10組待ち。

当初の予定では、森林公園だったけれど、強雨と寒さのため、予定変更で、午前中、映画をみて、さて、午後は、どうしようか・・・という作戦タイム?も兼ねている。

アボガドとサーモンを乗せたご飯で、最後は、だし汁をかけてお茶漬け風にして食べるメニューを注文。

雨いまだ止まず。

屋外には、行きたくないないから、美術館か博物館にしようか・・・。
スマートフォンで検索。

『博物館のテーマ展は、カニみたいですが・・・カニ・・・じゃあねぇ・・?蟹ってどうですかね。』

『食べるならいいけど。蟹の展示ねぇ。』

『美術館は、ガレ展だね。こっちにしよ。』



但し、美術館は、駐車場から、かなり歩く・・・。

雨は、午後3時には、上がる時間予報。

美術館の駐車場で、雨の勢いが弱まるまで、少し待っていたら、眠くなってしまった。

最近は、食事をするとすぐに眠たくなってしまう。

『ちょっとお昼寝してからね。』

雨の音を聞きながら、お昼寝タイム。
美術館の駐車場は、平日にも関わらず、来館者達の楽しそうな会話が聞こえている。

予報通り、午後3時前には、雨が上がった。

初々しい緑が一杯の美術館への歩道を歩きながら、ここへ来るのは、5回目になるのだろうか?

企画展は、長野の北沢美術館からの貸出品がほとんど(・・・というわけで、あの有名な『ひとよ茸』ランプは、貸してもらえなかったようだ)。

それでも、100年の時を隔てて、毀れずに現存する珠玉のアールヌーボーの作品群。

ガラスのもつ美しさを芸術の域に高めたエミール・ガレやドーム兄弟の作り出す色と輝き。

展示品のランプ類には、灯りをともして欲しかった。
数点のランプは、電球をつけての展示だったけれど。

他の作品もライトの当て方によっては、様々な美しさを堪能できただろうに・・・と少し残念に思う。

エミール・ガレは、宝飾品も手掛けたけれど、こちらは、宝飾品というよりは、オブジェとしての価値の方が高いのか・・・。

ガレが、好んだテーマが、蜻蛉(とんぼ)と、ひとよ茸など、野原に在る普通の小さな昆虫や植物で、蜻蛉を象ったテーブルの脚などは、仮面ライダーっぽさもあったりで、ちょっとユニークな展示品も。

アールヌーボー独特の曲線と繊細な花々の象嵌の家具類も特徴のひとつなのだろう。




早春の両毛路-鍋島と伊万里の美術館(2)

2016-02-29 22:29:29 | 藝術
普通の年より、1日多い閏年の調整の日は、夕刻より雨・・・。


勾配のある広い山林の中に立つ収蔵品1万点という陶磁器の栗田美術館。

個人の収蔵で、数の多さでは、稀な美術館なのだと思う。

名称だけは、知っていたけれど、コレ程とは・・・。
まだ冬の残る寒い早春で、土曜日の午後3時少し前。
お客さんは、数える程。

花々の盛りには、まだ少し時間のあるゆるりとした土曜日。

伊万里は、輸出品で、鎖国当時の日本が唯一交易をしていた長崎に近い。
意匠は、日本由来の草花などが多いけれど、オランダ人を模した蘭人の絵付けは、カステラのパッケージを連想させるので、私達は、カステラ・デザインと呼んでいる。カステラは、スペインのお菓子だけれど、南蛮・・・ヨーロッパの風情が、エキゾチックな・・・そして、なんともレトロな感じ。


職員の方々も、閉館時間には、まだ少し間があるし、ギャラリーは、いないし・・・ということで、御片付けの時間らしかった。巨大な1メートルを超える現代の有田焼の大壺の展示フロアーでは、カーペットに掃除機をかけていた・・・。

大壺は、5点くらいの位置から、てぐす糸で固定してあるものの、触ろうと思えば、触れる・・・ガラスのケースの中の収蔵品ではない・・・そこで、掃除機などかけて、万一、なにかのアクシデントで、ぶつかったりしたら、割れるんじゃないだろうか・・・といらぬ心配をしてしまう。
一事が万事、ガサツなワタシなら、間違いなく、掃除機をぶつけてしまうだろう・・・それくらいマジかにある展示品。

私達が入館したので、折角始めたお掃除を中断させるハメになってしまった。
申し訳ない・・・と思うのは、入場料金が、1000円(インターネット割引)という安価さからで、お腹が一杯になるほどの鍋島・伊万里の陶磁器を見て、敷地内の里山風情を楽しみ、花を愛でて、館内の純粋?な日本家屋の中で、お食事が出来て(現在は、休業中)、お弁当持参でくれば、ピクニック気分にもなれるし、安価に、そして教養や審美眼を高められるには、絶好の場所である。
これから春の花盛りを迎えて、歴史の街でもある足利は、花の街でもある。



資料館の6階からは、真向かいに、藤の名所・あしかがフラワーパークを臨むことができる。
小高い山林からの展望は、両毛の平野を眺めながらも、足許には、可憐な福寿草が、小さな明るい黄色の花を咲かせていた。

閉館マジか。ゲート隣接の阿蘭陀館で、普段使いの陶磁器や、ちょっと手が出ない高額な商品なども見て回り、ご飯茶碗を購入。

高台は、明るい緑色に白い花の意匠。
中には、うさぎ。
そして、伏せてみると高台のうらにも、跳ね飛ぶうさぎの絵付け。

970円(税込)也。







早春の両毛路-鍋島と伊万里の美術館

2016-02-28 16:24:12 | 藝術
 
陽光春めくも、吹く風は、まだ冷たい。

今日も昼前から、強風。


昨日(27日)は、午前9時から、相方の事務所で、会計処理のアルバイト。

4時間の半日仕事で、午後から、県南西の両毛路迄、ドライヴ。
少し強くなってきた日差しの中、国道を西へ。

以前から、相方は、鍋島・伊万里の陶磁器コレクションの収蔵品が多数あるという栗田美術館を訪れたかったらしい。
相方は、マイセンなどの西洋磁器などが大好きで、自分でも十数点?くらいの蒐集があるらしいけれど、伊万里にも目がない。都内などへ行くと、デパートの陶磁器売り場を見て回る。

私も西洋磁器は、好きだけれど、鍋島・伊万里などは、よくわからない。
古九谷などもあの派手?な絵付けはちょっとな・・・と思う。
かといって、地元の益子や笠間なども、何処がよいのか・・・というくらいで、まったく造詣が薄い。

美術館の敷地は、今は、梅が盛り。
美術館のゲートの前の広い駐車場に車をパークさせたときから、梅の香り。
敷地3万坪。少し傾斜のキツイ坂を上っていくと高台に、いくつもの建物が点在する。
あと1ヶ月もすれば自生するカタクリの花が満開になるだろう。



起伏のある里山の中に、その美術館はある。




テーマ毎に、本館、資料館、テーマ館、ミュージアムショップ館などが配置され、奥には、現代の陶工さんたちの住まわれる工房、登り窯なども見られる。

300年くらい前の鍋島・伊万里がメイン。

現在の有田焼のルーツなのだろう。

豪華絢爛の伊万里完成に至る前の鍋島焼の美しいこと。

色は、まだ、青と赤くらいで、草花の上品な絵付けのものが気に入った。
日本的な植物、紅葉や撫子の意匠の文様は、特に美しかった。
名もない草花を、花綱や唐草様にデザインして、陶磁器の上に配されたものは、アールヌーボーよりも時期が早い。

相方も、伊万里より、鍋島が好みだと言った。

青磁などもあの薄い緑色を均一に出すのが難しいそう。

中国や朝鮮の窯から出土した破片なども展示してあり、完成される以前の伊万里のルーツをここにみることが出来る。





展覧会の絵~美術館で働くひと。

2016-01-12 17:36:40 | 藝術

底冷えのする灰色の雪雲。

美術館には、学芸員という職業のひとがいる。

展覧会の企画や作品のレイアウト、展示資料の作成など美術品に関するエキスパートな職業だと思う。そして、もうひとつの職業として、展示物の監視員という仕事もあるようだ。
コレは、学芸員の仕事なのか、或いは、パートタイムやアルバイトなのか・・・そのへんのところは、よくわかないけれど、決まった時間、部屋の隅の椅子に座っている職業だ。

・・・たぶん・・・ものすごく、退屈だろうと思う。
展示品などに関する質問などもあるだろうから、知識も必要になってくるから、事前の研修などもあるのかも?

そして、たぶん、私には、絶対に勤まらない職業だと思っている。

美術館などで、騒ぐのは、せいぜい小学校の低学年くらいだろうし、美術館は、本来、静かなものだから、たぶん15分くらい座っていたら、眠くなるに決まっている。

以前、東京芸術大学に併設されている美術館を訪れたことがあるが、一緒に同行した家人は、ガムを噛んでいた。
監視員の方は、ティッシュペーパーを差出し、口の中のガムを撤去するよう注意をした。不届きなギャラリーが、作品にガムや飴などを付着させることもあったのだろう。

収蔵品が、ガラスケースの中にある場合には、問題ないが、直に見られる展示物に関しては、神経を使うところだろう。
ボールペン、万年筆などの持ち込みは、ご遠慮下さいとチケットの裏面に記載されているから、模写などは、館員の許可がいるのかもしれない。

作品をガードする・・・作品毀損の抑止力という意味で・・・という点からも、この監視員の職業は不可欠なものなのだろうけれど。

私は、どうも、見られているようで、イヤなのだ(こういうところが、自意識過剰なのね。見てないよ。アンタのことなんか・・・みたいな顔をされているような気がする)

ギャラリーが、同行者にちょっと冗談を言っても、聞いていないふりをする。

可笑しくても顔に出さない・・・。

無表情で、空間の中にいる。

けれども、美術館の備品には、なりえない。
どうしても気になる存在で、特に、監視員の近くにある展示物を見るときには、こっちが気を使ってしまう。

一流の監視員とは、美術館の一部(或いは空気)になってしまえる人なのだと思う。
気配を消すには、忍者並みのものすごい修行が必要な職業なのだ(たぶん・・・)。

私が監視員なら、仕事始めの最初の15分は、夕食の献立を考える。
それから、買い出しの手順を考えて、それから、昼食に何を食べようかと考える・・・そして・・・他にもう考えることが無いから、ギャラリーの観察をする・・・美形のお客さんがいたら、嬉しいかもしないなんて思うあたり、もう監視員としては、失格なのだろう・・・たぶん・・・。




『ビアズリーと日本』展

2016-01-10 15:50:14 | 藝術

明け方には、氷点下。
いよいよ本格的に冷え込んできたようだ。

昨日(9日)は、午後から、相方と隣々市立美術館へ、『ビアズリーと日本』を鑑賞。



ビアズリーと言えば、19世紀末、アールヌーボーの装飾的な曲線の画風を代表する挿絵画家、イラストレーターとして名高いと思う。

その繊細な原画を直接、見ることができた。

モノクロームの美しさ。

インク(黒)と紙(白)のコントラスト。

出版技術の向上により、より繊細な線が、紙上に映し出されるようになって、ロマンティックで、幻想的な画風で、ビアズリーを知らないひとでも、彼の作品は、一度か、二度は、みたことがあると思う。

商業デザインとしても、大正・昭和の商品パッケージ、雑誌の表紙、本の装丁、ポスターなど、影響を及ぼした作風は、更に、現代の漫画家・・・山岸涼子さんとか、魔夜峰央さんの描くすらりとしたキャラクター像は、ビアズリーの影響下にあるようだ。

このオーブリー・ビアズリーの原画や出版物、ポスターなどを集めた展示室1と、日本で影響を受けた作家達の作品を集めた展示室2で、構成されている。

展示室1では、ビアズリーの原画を、満喫できる。
葛飾北斎の影響もあったのだろう。北斎漫画の展示もあった。

25歳で早逝したわりには、ビアズリーの作品の多さには、驚かされる。

彼の名を一躍有名にしたのは、ワイルドの作品『サロメ』の挿画だろうか。
ページを追う事に、妖しい美しさが、原画として、展示されている。

草花をモチーフにした装飾的デザインは、アールヌーボーの時代そのもので、アルフォンス・ミュシャなどが著名だけれど、イギリス人の若きイラストレーターは、緻密なペンとインクが描き出すモノクロームで、表現した。

展示室2では、ビアズリーの作風を取りいれた日本の作家達の作品には、懐かしい物も多い。資生堂のポスターなど、レトロな大正ロマン・・・ああ、コレは、見たことあるな・・・(といっても、現物ではなくて、何かの雑誌に記載されていたものとか・・・)懐かしさがあった。