平成23年の大会から 1区を走る菅(興譲館)、木村(筑紫女学園)
いよいよ、大会まであと2日と迫ってきました。関係者の皆さん、選手の皆さんは相当にプレッシャーがかかっていることでしょう。特に3年生にとっては最後の晴れ舞台です。体調には十分気をつけて、当日は万全の態勢で普段通りの力を発揮されることを願ってやみません。(敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから‘駅伝’を選択ください)
そういう選手の皆さんや監督さんには申し訳ないのですが、駅伝ファンとして、どこの高校が優勝するのか予想をすることも、楽しみのひとつです。誠に勝手ながら本年度のデータ、特に最近の大会の結果から優勝校を予想してみたいと思います。
予想するに当たって、何がその重要なポイントになるか、考えてみました。以下、その要素順に並べてみました。
(1)3000mの平均タイム
平均値をみることによって、チーム全体の基礎力を見ることができます。
(個人の本年度ベストタイムより)
豊川高校 9.12
立命館宇治高校 9.16
薫英女学院高校 9.16
山梨学院大附属 9.21
興譲館高校 9.23
青森山田高校 9.23
荏田高校 9.24
筑紫女学園高校 9.24
須磨学園高校 9.25
(2)各都道府県の予選会、地方大会の駅伝の記録
一番わかりやすい指標ですが、コースの形状、当日の天気などで一概に、そのタイムだけで判断はできません。たまたま故障者がいたり、他の大会に出ていたりすることもあって、必ずしもベストメンバーでないことも十分に考えられます。例えば、本番で予選会を2分以上も上回ることもめずらしくありません。昨年優勝の立命館宇治高校、予選では全国10位以下でしたが、結果は優勝でした。
都道府県大会、地区大会の記録(記録順)
1.07.29 興譲館高校(岡山)
1.07.45 山梨学院大附属(山梨)地区大会成績
1.08.14 豊川高校(愛知)
1.08.16 須磨学園高校(兵庫)
1.08.23 荏田高校(神奈川)
1.08.23 常盤高校(群馬)地区大会成績
1.08.25 青森山田高校(青森)
1.08.48 神村学園高校(鹿児島)地区大会成績
1.08.53 白鳳女子高校(神奈川)地区大会成績
1.09.28 薫英女学院高校(大阪)
1.09.36 鹿児島女子高校(鹿児島)地区大会成績
1.09.42 北九州市立(福岡)地区大会成績
1.09.44 立命館宇治高校(京都)
1.09.49 柏日体高校(千葉)
(3)ランキング上位者の存在
各校のエースが集う最長区間の1区、スピードランナーがしのぎを削る花の2区、3区、4区を繋いで、5区で逃げるというパターンが多いように、1区、2区で勝負が決まるといっても過言ではありません。この波に乗り遅れると、後半苦しい展開となります。
特に1区は重要です。そこで、他校に負けない実力を持った選手がいるといないとでは、順位に大きな差がでます。昨年の筑紫女学園高校の由水沙季選手のように、最後の400mでギアチェンジし、他を大きく引き離す、そのような力が必要です。
例えば、優勝を狙うなら3000mでは、9分10秒を上回るタイム、5000mでは、15分台で走れる選手の存在が必要です。また逆に、一人でもタイムの悪い選手がいると、折角好位置につけていてもあっという間に順位を落とすことになりますので、これは逆に大きなリスクとなります。
≪3000m≫
○豊川高校3名 関根花観(9.06.97)、鷲見梓沙(9.07.11)、加治屋ななこ(9.09.12)
○青森山田高校2名 Rワンジル(8.49.32)、西沢果穂(9.8.82)
○薫英女学院高校2名 高松望ムセンビ(9.8.22)、松田瑞生(9.8.23)
○筑紫女学園高校1名 由水沙季(9.05.20)
○須磨学園高校1名 太田琴菜(9.09.39)
≪5000m≫
○山梨学院大附属高校5名 斎藤暁(15.42.16)、畠山実弓(15.44.79)、青葉愛(15.49.63)、高橋真以(15.57.10)、坂口真子(15.58.28)
○興譲館高校4名 足立知世(15.43.72)、奥野舞子(15.45.66)、大森巴菜(15.57.28)、宝田彩香(15.59.64)
○青森山田高校1名 R.ワンジル(15.30.41)
○立命館宇治高校1名 関紅葉(15.42.36)
○荏田高校1名 森田詩織(15.44.10)
(4)チームの勢いと故障者の存在
駅伝は、メンタルなスポーツです。チームワークは特に大切です。チームの輪がどうなのか、上昇志向はどうかが力になります。また、メンバーに故障者がいて、代役が走るとなると結果的に力の差が出ます。
(5)過去の実績と監督の経験年数
何回も出場している伝統校には、底力があります。それらの監督は、直前の選手の状態をみて、控えの選手と入れ替えをし、コースに合った適格な布陣を決めることができます。またコースを熟知しポイントなどを十分にアドバイスできます。日頃から大会や記録会に参加させ、経験を積むことによって、本番では動じない精神力も養っています。また選手の特性を見込んで大抜擢という冒険をすることもあります。当たることもありますが、当たらなければ大きなリスクとなります。
以上の5つの要素を総合的に判断して、今年の上位校の中から優勝校を予測してみました。
○優勝 豊川高校
圧倒的な平均タイム、すべてのポイントにおいて他校を圧倒または上位にランクしています。層が厚く、直前に故障者が出てもさほど影響はありません。アクシデントがなければ、優勝は間違いないと思われます。
森安彦監督は、過去最高のレベルのベストファイブと自己評価しています。9分12秒はチーム歴代2位の高記録です。鷲見梓沙がどの程度復調しているかがポイントだと思います。
(つづく)
駅伝には欠かせない白バイの先導