未熟なカメラマン さてものひとりごと

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京都の桜 日本庭園を巡る旅 花園周辺を歩くその1

2012-04-18 20:56:48 | 庭園

待賢門院桜が満開の極楽浄土庭園 法金剛院

4月15日(日)、桜を見に京都に出かけました。今回の訪問先は、京都新聞HPの直前の開花情報で期待が持てそうな花園周辺に決めました。自宅を朝7時半出発、福山駅からのぞみを利用し、京都には10時過ぎに着きました。そのままJR在来線に乗り換え、花園駅で降ります。ここを起点に、花の寺「法金剛院」、日本庭園が素晴らしい「妙心寺塔頭・退蔵院」、世界遺産「仁和寺」、石庭にかかる枝垂れ桜が美しい「龍安寺」を巡ります。

法金剛院は、昨年もこの時期に訪ねました。花園駅前の陸橋を渡ったところにあるお寺で、関西花の寺第十三番となっています。有名なのが、このお寺を再興した、待賢門院璋子(しょうし/たまこ)にちなんだ枝垂れ桜で、その名も待賢門院桜といいます。NHKの大河ドラマ「平清盛」で、「檀れい」が演じた、鳥羽天皇の中宮「璋子(たまこ)」です。ドラマ終了直後に紹介のある物語ゆかりの地で、この法金剛院が出たのには驚きました。

他にも約60種類と云われるハス、めずらしい黒椿などの椿類も有名です。境内に入り、受付を過ぎるとすぐに目に飛び込んでくるのが、この枝垂れ桜です。見事に満開でした。「なんと美しい!」お寺の建物や周囲にうまく溶け込んでいます。境内には、小さいながらも池があり、池泉回遊式庭園となっています。池の端から、借景となる山を一体的に見ると、ところどころに山桜も見え、まさに春爛漫「極楽浄土」という感じです。境内のソメイヨシノはすでに散りかけていましたが、若葉の出始めが少し赤っぽくて、それらがいい感じで景色となっています。桜を堪能したあとは、重要文化財に指定されている平安・鎌倉時代の仏像に対面、特に十一面観音像の美しさと装飾には魅了されます。訪問客がそう多くないので、ゆっくり鑑賞ができ、京都観光の穴場と云えるのではないでしょうか。

次に向かったのが、妙心寺塔頭・退蔵院です。法金剛院から、歩いて7・8分のところにあります。私は今までこのお寺のことはまったく知りませんでした。開花情報で見ごろとあり、近いので行ってみることにしたのです。妙心寺道から妙心寺南総門を潜ると、紅くて巨大な山門が見えますが、退蔵院はちょうど、その左側に位置します。門に「只今、紅しだれ桜、見頃です」と張り紙がありました。妙心寺は、臨済宗妙心寺派大本山で、塔頭の数は46ケ寺院あり、退蔵院は、中でも一番古く、一番広い敷地を持っているようです。

境内には、二つの庭園がありました。ひとつは、「元信の庭」といい、室町時代の画聖狩野元信による枯山水の庭園です。パンフレットには、絵画的手法で作庭されたとあります。わずかなスペースですが、庭園と枝垂れ桜とのコントラストは素晴らしく、まさに絵になるカットでした。もう一つの庭園は、「余香苑(よこうえん)」といい、昭和の小堀遠州といわれる造園家中根金作作庭とありました。
確かに、サツキを大胆にカットする手法は、小堀遠州の代表作と云われる、岡山県高梁市「頼久寺」の大刈り込みを彷彿させるものがあります。日本の近世の作庭家というと、平安神宮神苑を設計した「7代目小川治兵衛」、東福寺方丈庭園、松尾大社庭園を作庭した、我が岡山県出身の「重森三玲」などが有名です。現在、アメリカの日本庭園専門誌のランキングで堂々毎年1位を獲得しているのが、白砂青松で知られる足立美術館庭園ですが、その庭園を作庭したのが、この退蔵院・余香苑を作庭した、中根金作というから驚きです。季節の花々が咲き乱れ、アクセントに滝や茅葺の東屋を配置した庭園、スロープ状になって、奥行きを感じさせる、まさに完成された庭園という気がします。
一番奥まったところに庭園観賞のスポットがあって、多くのカメラマンが撮影をしていました。(つづく)



現代を代表する名庭園 退蔵院・余香苑
コメント
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