コロナウイルス感染拡大防止に伴う外出自粛の要請に応え、休日は残念ながらどこにも出かけられません。
例年なら、GWは世羅高原のチューリップ、島根県大根島のボタン園、和気藤公園のフジ、など1年で最も撮影意欲の湧く楽しみな季節なのですが、残念で仕方ありません。
自宅にこもり、庭木の剪定や、菜園の手入れ、撮り溜めた画像の整理に終始しようかと思っています。
さて、今年の桜ですが、シーズン前までには、今年こそ今まで行ったことのない県外の名所と考えていましたが、新型コロナウイルスの影響でそれは困難なことになりました。
結局、すでにブログで紹介済みの、鶴山公園、醍醐桜、たけべの森公園といつもの県内の名所だけとなってしまいました。
最後に、わが井原市の“井原堤”の今年の様子をお届けしたいと思います。
(4月2日 午後6時頃の井原堤)
夕日を受けて赤く染まる井原堤対岸の桜並木
太陽が沈む頃、小田川は前日の雨で増水、逆光での撮影
部分的に西日を受けて輝いています
中州から撮影する女性カメラマンのシルエット
井原堤(いばらつつみ)とは?
井原堤は、岡山県井原市井原町付近を流れる小田川の土手に、約2キロメートルにわたって続く800本のソメイヨシノの桜並木のことです。
岡山県の桜の名所としては、概ね鶴山公園に次ぐ人気となっています。
例年、市民の憩いの場として、また近県からも多くの観光客がやってきます。
夜間はぼんぼりも点灯し、昼夜を問わず楽しめますが、今年は新型コロナウイルスの影響により、例年開催される「井原桜まつり」などのイベントはすべて中止となりました。
人通りもぐっと少なく、どこか寂しい今年の井原堤でした。
土手の反対側には民家が立ち並んでいます。並木を歩いていると突然車が通ることがあり、少しむっとして睨んでしまいますが、いわゆる生活道となっているのでこれも仕方ありません。
秋には枯れ葉が舞い、桜が終わるころには、桜吹雪となって降り注ぎます。まさに並木とともに住民の暮らしがあります。
この地に最初に桜が植えられたのは、第一次世界大戦勃発の大正3(1914)年、当時の町長・原田吉平の発案により、町の将来の観光資源にしようと、郷社に植えたソメイヨシノの苗木150本を、この土手に移植したのが始まりといわれています。
そうすると当時の苗木は、すでに106年を経過したことになります。
昭和10(1935)年、山陽新報(山陽新聞の前身)が、岡山県下の名所を、広く県民に呼びかけて投票を募り、十勝十五景二十秀として選定することになりました。
ランク1 十勝
ランク2 十五景
ランク3 二十秀
その結果、井原の桜は、十勝第六位にランクイン、桜の名所としてはあの鶴山公園を上回る最上位でした。
昭和14(1939)年頃には、県内外から観光客があふれ、屋台も並び商店街も大売り出しをするなど、大層な賑わいであったと、記録されています。
全国区の井原堤
じゃらんが、全国の桜トンネル・桜並木を厳選して紹介する、日本全国の「桜トンネル&桜並木」26選!幻想的な美しい桜の空間(2020)では、たけべの森公園とともに井原堤が選ばれています。
2017年絶対見るべき!桜トンネル&桜並木12選「関西・中国・四国」にも井原堤は選ばれています。
1. 万博記念公園「大阪府吹田市」約300m
2. 海津大崎の桜「滋賀県高島市」約4km 800本 日本さくらの名所100選
3. 玉串川「大阪府八尾市」約5km 約1000本
4. 佐保川の桜「奈良県奈良市」約5km 約1000本
5. 東御崎展望台広場「兵庫県赤穂市」約1km
6. 足羽川桜並木/足羽山公園「福井県福井市」約2.2km 約600本
7. 井原堤「岡山県井原市」約2km 約800本
8. 斐伊川堤防桜並木「島根県雲南市」約2km 約800本
9. 城山公園・法勝寺川土手「鳥取県南部町」約5.3km
10. 川島堤「山口県萩市」約1.6km 約250本
11. 鏡野公園「高知県香美市」200m 園内に約600本
12. 頓田川河川敷「愛媛県今治市」1.5km 約2000本
(4月5日 午後5時半頃の井原堤)
この日は少し賑わいがありました。
上流に進むほど、道は狭くなります。
たまに車が通ることもあります。生活道でもあるので仕方ありません。
土手下の河川敷遊歩道から見上げる井原堤
井原大橋から、下流方向を見る。赤い橋は日芳橋。
新品種:ジンダイアケボノ
ソメイヨシノは、もともと人が接ぎ木して作ってきたいわゆるクローンです。成長が早く、ボリュームがあり、見栄えがするということで、桜の名所を作るにはうってつけでした。(時の明治政府の後押しもあったようです)
しかし、山桜の200~300年、アズマヒガンの500年以上と比較し、その寿命はせいぜい60年ほど。
しかも病気に弱く、加齢と共に幹や枝に腐食がみられ倒木の危険性も見られることから、日本花の会では、ソメイヨシノに代わり新品種「ジンダイアケボノ(神代曙)」を推奨しています。
樹はやや小ぶりですが、より多くの花を密生して咲かせ、色もソメイヨシノより濃い目、病気にかかりにくく、寿命も長め、しかも枝や葉にも香りがあるなど、いいことづくめのようです。
(4月7日 正午前の井原堤)
井原堤2kmがすべてトンネル状ではありません。概ねこのような感じです。
桜の並木に1本だけカエデの新緑がありました。
河川敷遊歩道から見る対岸の様子
快晴の青空、山の新緑、桜のピンク、とにかく清々しい
完全なトンネル状。まるで桜が天を覆う
トンネルの切れ目
人の姿が見えない井原堤
井原堤から見る小田川と対岸の桜
静かな井原堤
桜橋に近いこのあたりが一番観光客の多いところ
対岸の桜橋公園。イベントの中止で閑散としています。
桜橋公園付近から見る井原堤
井原大橋から見る密な桜並木
ソメイヨシノ並木の今後
岡山県内で最も寿命の長いソメイヨシノの並木は、新庄村のがいせん桜です。日露戦争の戦勝を記念して明治39(1906)年に植えられたもので、樹齢は114年になります。
実に平均寿命の倍近く生存していることになります。
これは、樹木医の診断を受け、正しい方法で早めに剪定し、消毒や肥料の与え方にも気を配ることで、確実に寿命を延ばしてきたことにほかなりません。
美しい並木を維持するために、早めに見切りをつけ、若い木で更新するか、違う品種に徐々に変えていくかの選択が必要になります。
例年なら、GWは世羅高原のチューリップ、島根県大根島のボタン園、和気藤公園のフジ、など1年で最も撮影意欲の湧く楽しみな季節なのですが、残念で仕方ありません。
自宅にこもり、庭木の剪定や、菜園の手入れ、撮り溜めた画像の整理に終始しようかと思っています。
さて、今年の桜ですが、シーズン前までには、今年こそ今まで行ったことのない県外の名所と考えていましたが、新型コロナウイルスの影響でそれは困難なことになりました。
結局、すでにブログで紹介済みの、鶴山公園、醍醐桜、たけべの森公園といつもの県内の名所だけとなってしまいました。
最後に、わが井原市の“井原堤”の今年の様子をお届けしたいと思います。
(4月2日 午後6時頃の井原堤)
夕日を受けて赤く染まる井原堤対岸の桜並木
太陽が沈む頃、小田川は前日の雨で増水、逆光での撮影
部分的に西日を受けて輝いています
中州から撮影する女性カメラマンのシルエット
井原堤(いばらつつみ)とは?
井原堤は、岡山県井原市井原町付近を流れる小田川の土手に、約2キロメートルにわたって続く800本のソメイヨシノの桜並木のことです。
岡山県の桜の名所としては、概ね鶴山公園に次ぐ人気となっています。
例年、市民の憩いの場として、また近県からも多くの観光客がやってきます。
夜間はぼんぼりも点灯し、昼夜を問わず楽しめますが、今年は新型コロナウイルスの影響により、例年開催される「井原桜まつり」などのイベントはすべて中止となりました。
人通りもぐっと少なく、どこか寂しい今年の井原堤でした。
土手の反対側には民家が立ち並んでいます。並木を歩いていると突然車が通ることがあり、少しむっとして睨んでしまいますが、いわゆる生活道となっているのでこれも仕方ありません。
秋には枯れ葉が舞い、桜が終わるころには、桜吹雪となって降り注ぎます。まさに並木とともに住民の暮らしがあります。
この地に最初に桜が植えられたのは、第一次世界大戦勃発の大正3(1914)年、当時の町長・原田吉平の発案により、町の将来の観光資源にしようと、郷社に植えたソメイヨシノの苗木150本を、この土手に移植したのが始まりといわれています。
そうすると当時の苗木は、すでに106年を経過したことになります。
昭和10(1935)年、山陽新報(山陽新聞の前身)が、岡山県下の名所を、広く県民に呼びかけて投票を募り、十勝十五景二十秀として選定することになりました。
ランク1 十勝
ランク2 十五景
ランク3 二十秀
その結果、井原の桜は、十勝第六位にランクイン、桜の名所としてはあの鶴山公園を上回る最上位でした。
昭和14(1939)年頃には、県内外から観光客があふれ、屋台も並び商店街も大売り出しをするなど、大層な賑わいであったと、記録されています。
全国区の井原堤
じゃらんが、全国の桜トンネル・桜並木を厳選して紹介する、日本全国の「桜トンネル&桜並木」26選!幻想的な美しい桜の空間(2020)では、たけべの森公園とともに井原堤が選ばれています。
2017年絶対見るべき!桜トンネル&桜並木12選「関西・中国・四国」にも井原堤は選ばれています。
1. 万博記念公園「大阪府吹田市」約300m
2. 海津大崎の桜「滋賀県高島市」約4km 800本 日本さくらの名所100選
3. 玉串川「大阪府八尾市」約5km 約1000本
4. 佐保川の桜「奈良県奈良市」約5km 約1000本
5. 東御崎展望台広場「兵庫県赤穂市」約1km
6. 足羽川桜並木/足羽山公園「福井県福井市」約2.2km 約600本
7. 井原堤「岡山県井原市」約2km 約800本
8. 斐伊川堤防桜並木「島根県雲南市」約2km 約800本
9. 城山公園・法勝寺川土手「鳥取県南部町」約5.3km
10. 川島堤「山口県萩市」約1.6km 約250本
11. 鏡野公園「高知県香美市」200m 園内に約600本
12. 頓田川河川敷「愛媛県今治市」1.5km 約2000本
(4月5日 午後5時半頃の井原堤)
この日は少し賑わいがありました。
上流に進むほど、道は狭くなります。
たまに車が通ることもあります。生活道でもあるので仕方ありません。
土手下の河川敷遊歩道から見上げる井原堤
井原大橋から、下流方向を見る。赤い橋は日芳橋。
新品種:ジンダイアケボノ
ソメイヨシノは、もともと人が接ぎ木して作ってきたいわゆるクローンです。成長が早く、ボリュームがあり、見栄えがするということで、桜の名所を作るにはうってつけでした。(時の明治政府の後押しもあったようです)
しかし、山桜の200~300年、アズマヒガンの500年以上と比較し、その寿命はせいぜい60年ほど。
しかも病気に弱く、加齢と共に幹や枝に腐食がみられ倒木の危険性も見られることから、日本花の会では、ソメイヨシノに代わり新品種「ジンダイアケボノ(神代曙)」を推奨しています。
樹はやや小ぶりですが、より多くの花を密生して咲かせ、色もソメイヨシノより濃い目、病気にかかりにくく、寿命も長め、しかも枝や葉にも香りがあるなど、いいことづくめのようです。
(4月7日 正午前の井原堤)
井原堤2kmがすべてトンネル状ではありません。概ねこのような感じです。
桜の並木に1本だけカエデの新緑がありました。
河川敷遊歩道から見る対岸の様子
快晴の青空、山の新緑、桜のピンク、とにかく清々しい
完全なトンネル状。まるで桜が天を覆う
トンネルの切れ目
人の姿が見えない井原堤
井原堤から見る小田川と対岸の桜
静かな井原堤
桜橋に近いこのあたりが一番観光客の多いところ
対岸の桜橋公園。イベントの中止で閑散としています。
桜橋公園付近から見る井原堤
井原大橋から見る密な桜並木
ソメイヨシノ並木の今後
岡山県内で最も寿命の長いソメイヨシノの並木は、新庄村のがいせん桜です。日露戦争の戦勝を記念して明治39(1906)年に植えられたもので、樹齢は114年になります。
実に平均寿命の倍近く生存していることになります。
これは、樹木医の診断を受け、正しい方法で早めに剪定し、消毒や肥料の与え方にも気を配ることで、確実に寿命を延ばしてきたことにほかなりません。
美しい並木を維持するために、早めに見切りをつけ、若い木で更新するか、違う品種に徐々に変えていくかの選択が必要になります。