未熟なカメラマン さてものひとりごと

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素晴らしいテレビドラマ「火の魚」

2010-09-21 21:21:37 | TVドラマ

撮影が行われた柴屋住宅・書斎はこの2階

昨日、ボクシング中継を見たあとで、チャンネルを回したところ、NHK総合テレビでドラマ「火の魚」をやっており、ついつい最後まで見てしまいました。実はこの番組を見るのはこれで3度目です。最初はNHK放送局のエリア版、次にBS、そして総合テレビ。
美しい広島県大崎下島の御手洗(重要伝統的建造物郡保存地区指定)を舞台に、原田芳雄演じる老作家=村田省三と、尾野真千子演じる東京の出版社の女性編集者=折見とち子との心のふれあいを描いています。 
たった1時間弱の短いドラマで配役も島のエキストラを除けばほんの数名、何故にこんなに感銘を受けるのでしょう。
 言ってしまえば、かつて東京で売れっ子作家だった村田と原稿を島まで取りに来る折見との言葉のやりとりが中心ですが、折見の村田をやり込めるようなシンの強さと心の弱さのギャップが主題となっているような気がします。
折見の完璧とも言える美しい日本語、止むを得ず金魚を殺して魚拓を撮るシーンで流す大粒の涙、そして島の子供たちに見せる影絵の美しさとやさしい語り口。「一番怖いものは何だ!」という問いかけに「死です!」と答える折見。その後、ガンと知り、東京の病院に、再発し入院している折見を見舞いに訪れる場面。村田と視線があっていったん姿を消して、きちっとジャケットを着て現れるところなど、何度見ても、心に残る素晴らしい作品です。
実際に文化庁芸術祭大賞など、数々の賞を受賞しているようですね。
また、配役も素晴らしい。脚本家は実際に配役を意識して書いたようですが、尾野真千子さんは素晴らしい役者さんですね。この作品ですっかりファンになりました。

間の島に橋が掛かり、大崎下島まで車で直接行けるようになったので、昨年、初めて御手洗を訪ねました。ドラマはその前に制作されたのですが、ドラマを見て実際見たタバコ屋さんの懐かしい看板や撮影の行われた古い家屋や町並み、その場所が手に取るようにわかりました。
橋が架かって観光客も随分増えたようですが、できればそっとしておいて欲しい、と思った御手洗です。


未熟なカメラマン 古い町並み 御手洗
NHK広島放送局 ドラマ「火の魚」
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