写真は文山州の三七畑の周辺にて。紅い大地がどこまでも続く。犬や牛、豚の放し飼いも多かった。ちなみに写真の右すみの黒い固まりのようなものは、犬の頭である。
【サポニンがレアメタルを引き寄せる】
そこで、本題の「三七」です。「三七」の主成分はなんといっても15種類のサポニン。(なかには止血作用のある三七だけに確認されている「田七ケトン」というサポニンも)サポニンとは、天然の界面活性剤。昔はサポニンが含まれた「ムクロジ」などを泡立てて使っていたという話もある天然の泡立ち物質です。
界面活性剤というのは、石けんや洗剤にかかせない物質です。家庭科の時間に習ったことを思い出してみましょう。本来「水と油」と言われるほどなじまない汚れとなる「油」と洗うための「水」をくっつけ、汚れを吸収して剥がれ落とす役割があるのです。ここが重要なのですが、つまり界面活性剤であるサポニンは、水溶液が媒介すれば、なんと土壌内の金属を吸い取る役割を持つのです。
日本特許庁のホームページに「金属イオン捕捉剤及び土壌の浄化方法」(2001-40326,2001年2月13日公開)というのがありました。これはある植物のサポニン水溶液を蒔くと、土壌内の鉛、カドミウムなどの重金属とよく反応して、土壌の金属イオンを捕捉する、というもの。
これと同じ作用が三七にももたらされているというわけです。張之申らの研究では三七の根の成分を詳しく調べると、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バナジウム、マンガン、鉄、亜鉛、ひ素、ルゼジウム、アルミニウムなど13種の金属元素からなっているとのこと。また三七そのものは広西、広東、四川、江西、福建などでも栽培はされているのですが、あきらかに雲南産のものが、これら金属元素を根に含む割合が多かったのでした。特殊な土壌と、特殊なサポニンのなせる技なのでしょう。
また単位面積あたりの生産量も雲南文山周辺が突出していて(約2割高)、その理由は山地のため気温差が大きく、気候冷涼な環境もあるのだろうと、研究は結論づけています。(黄鑫編著『三七』天津科学技術出版社、2005年10月)
気候、風土が三七の薬効成分を最大限に引き出す場所、それが雲南省文山チュアン族自治区だったのです。三七の持つ性質から考えると、文山がたとえば、環境汚染はなはだしくなると、風土の申し子「三七」は、それらの成分を一身に吸収してしまう、おそろしい植物、ともいえます。それだけに、今後ますます適切な管理と検査態勢はかかせなくなってくるでしょう。実際、見学した「三七」畑は、山間の冷涼な田舎にばかり展開していました。一見すると、とても大切に育てられた、高級漢方、ということがわかる環境ではありました。
ただし、上記の通り「三七」には必ず一五種類のサポニン及び一三種の金属元素が含まれていることは確かなのですが、確実に「有機ゲルマニウム」が含まれていることを言及した学術論文は今のところはなし。「など」の部分に入っていることもある、計測の困難な微量を、少し過大に評価しすぎたものが多いのかもしれません・・。
【サポニンがレアメタルを引き寄せる】
そこで、本題の「三七」です。「三七」の主成分はなんといっても15種類のサポニン。(なかには止血作用のある三七だけに確認されている「田七ケトン」というサポニンも)サポニンとは、天然の界面活性剤。昔はサポニンが含まれた「ムクロジ」などを泡立てて使っていたという話もある天然の泡立ち物質です。
界面活性剤というのは、石けんや洗剤にかかせない物質です。家庭科の時間に習ったことを思い出してみましょう。本来「水と油」と言われるほどなじまない汚れとなる「油」と洗うための「水」をくっつけ、汚れを吸収して剥がれ落とす役割があるのです。ここが重要なのですが、つまり界面活性剤であるサポニンは、水溶液が媒介すれば、なんと土壌内の金属を吸い取る役割を持つのです。
日本特許庁のホームページに「金属イオン捕捉剤及び土壌の浄化方法」(2001-40326,2001年2月13日公開)というのがありました。これはある植物のサポニン水溶液を蒔くと、土壌内の鉛、カドミウムなどの重金属とよく反応して、土壌の金属イオンを捕捉する、というもの。
これと同じ作用が三七にももたらされているというわけです。張之申らの研究では三七の根の成分を詳しく調べると、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バナジウム、マンガン、鉄、亜鉛、ひ素、ルゼジウム、アルミニウムなど13種の金属元素からなっているとのこと。また三七そのものは広西、広東、四川、江西、福建などでも栽培はされているのですが、あきらかに雲南産のものが、これら金属元素を根に含む割合が多かったのでした。特殊な土壌と、特殊なサポニンのなせる技なのでしょう。
また単位面積あたりの生産量も雲南文山周辺が突出していて(約2割高)、その理由は山地のため気温差が大きく、気候冷涼な環境もあるのだろうと、研究は結論づけています。(黄鑫編著『三七』天津科学技術出版社、2005年10月)
気候、風土が三七の薬効成分を最大限に引き出す場所、それが雲南省文山チュアン族自治区だったのです。三七の持つ性質から考えると、文山がたとえば、環境汚染はなはだしくなると、風土の申し子「三七」は、それらの成分を一身に吸収してしまう、おそろしい植物、ともいえます。それだけに、今後ますます適切な管理と検査態勢はかかせなくなってくるでしょう。実際、見学した「三七」畑は、山間の冷涼な田舎にばかり展開していました。一見すると、とても大切に育てられた、高級漢方、ということがわかる環境ではありました。
ただし、上記の通り「三七」には必ず一五種類のサポニン及び一三種の金属元素が含まれていることは確かなのですが、確実に「有機ゲルマニウム」が含まれていることを言及した学術論文は今のところはなし。「など」の部分に入っていることもある、計測の困難な微量を、少し過大に評価しすぎたものが多いのかもしれません・・。
と発音し、ルビジウムをあらわします。
ちなみに中国語では元素は一文字で表され、ヘンやツクリで性質を、組み合わせた文字で音を表す構造になっています。気体なら「气」に音をあらわす文字を入れ込み、金属なら「金偏」の右側が音をあらわす漢字、と行った具合です。
日本では健康ブームで大学の先生から中国貿易の関係者まで三七の輸入と販売、または日本での作付けに熱心に取り組んでいますが、薬効についてははっきり、正確にはつかみきれない発展途上の薬のようです。もしかしたら生薬である漢方全体が、西洋薬のように均一にはつかめない世界なのかもしれません。