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昆明の飲み水15

2013-03-24 15:05:38 | Weblog
写真は昆明の中心街からやや南方にある買い物街を流れる玉帯河。都会と田舎が同居したような不思議な風情を醸していた。(2005年撮影。)

【きれいな水を流せば、途中の汚物もきれいになるのか?(反語文:いやない。)】
さて、2004年8月28日から9月20日までの25日間、松華坝ダムから盤龍江へ、そこから支流の玉帯河、篆塘河、大観河をへて、滇池へと放流するプロジェクトが開始された。このプロジェクトが開始されると市民から苦情が寄せられるようになった。
たとえば玉帯河。ここは昔ながらの彫刻が施された白い石橋がかかり、なんとも風情があるのだが、街中にある上、流れもほとんどないため、日頃は真っ黒な水たまり状態となって異臭すら漂っていた。ここを水が通過するのだから、滇池の水質に悪影響を及ぼすことは必定だと、だれもが考えた。
だが、市政府だけは違っていた。連日3万から5万立方メートルの水が25日間も流れ続けるので、汚水の希釈率は0.7%となり、水質に影響はない、とのこと。むしろ、滇池の水質改善に寄与するはず、というのだ。
実際に流れる様子を新聞記者は「黒い舌のようなものが河を走る様子に驚く人もいたことでしょう。でも、大丈夫。あと24日間、このプロジェクトは続くから問題ないですよ」と玉虫色のリポートでごまかしていた。
だれもが、滇池の水質改善を願っているはずなのに、やっていることのポイントがずれてしまうのは、国の特徴なのだろうか? このプロジェクトになんからの利権が絡んでいるのか、とつい、勘ぐってしまう。
日本からは、筑波大学や群馬県高崎市に本部のある利根川の水質浄化活動をしているNPO法人ジャパン・ウオーター・ガード(JWG)などが、滇池の水質浄化に協力するなど、積極的な関わりも見られるが、すでに日本のマスコミでも最近、さんざん報じているように、悪化へのベクトルは進行中なのであった。
(次回は滇池の今後のプロジェクトについて)

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