写真はカシュカイシュ駅から見える景色。ロカ岬の大西洋をずーっとわたってくる強風が建物や丘で少しなだめられているせいか、空気が気持ちいい。
【あざやかな判断】
ロカ岬からの帰りは、1時間おきにやってくる路線バスに乗りました。動き始めてすぐにKさんが点呼を取ると、一人足りません。
「そういえばふみさん(仮名)が寒くてトイレに行っていました」
と、別の研究者から絶望の声。全員でバス乗り場で待っていたはずだったのですが、あまりの寒さにバスが来るとみな、隣すらみずに乗り込んでいたのです。あわててロータリーを出る直前に責任感の強いKさんがすばやくバスの車掌に声をかけて降り、気が付くと窓の外で手を振っていました。
大声で
「終点で降りて待っていてくださあい」
という言葉を残して。
バスの車内は静かで、乗り込む客も少なく、窓外にはにびいろの海が見え隠れしていました。あとは林と畑がなだらかに続いています。なにより、寒風に悩まされる心配からは遠ざかったので、みんな若干の心配はありつつも、一様にホッとした顔をしていました。Kさんの素早い対応には感謝しかありません。その後、ふみさんを連れたKさんとは無事に終点のカシュカイシュ駅で合流することができました。
ともかく、あの岬は30分が限界でした。
【シルバーに光る髪飾り】
さてロカ岬から遅れてくる二人を待つ間、カシュカイシュ駅に併設された2階建てのショッピングモールをブラブラ散策。
夕方5時ごろ。地元の人が9割がたのモール内は、なめし皮のジャンバーのにおい。低温よりも風よけを重視した外套なのか?
地階の食料品店は、タラの干し魚だけで1コーナーが設けられています。日本ではみない巨大な魚の開きに興味津々でいると、「バカリャウだあ」と研究者グループの一人がじっくりと品定めを始めました。
「ここで買ってはかさばってしまう」と我慢している様子からなにかただならぬ食品のようです。この後、ポルトガル旅行では日に一度はなんらかの形で口にするバカリャウとの初コンタクトでした。
1000円以下の飾りものが並ぶショップで、かわいい髪かざりを見つけました。娘に薦めると「こんな安っぽい店のものは・・」と言っていたのですが、日本に帰ってからすっかりお気に入りに。デザインが上品でかわいらしく、留め金もいまだ壊れることのないほど、しっかりとした作りをしています。日本で買えば数千円は確実にしそうです。
リスボンなどの有名観光地より値段も安いので、ロカ岬の帰りに立ち寄ってかいかがでしょう。(じつはカシュカイシュもビーチリゾートで有名な観光地ですが、このショッピングモールは地元仕様のようです。)