雲南、見たり聞いたり感じたり

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雲南の牛肉② ビーフジャーキーの細ちぎり

2015-05-17 10:09:29 | Weblog
昆明にある石屏の名菜を出す昔の建物で食事ができるレストラン・石屏会館の「状元干巴条」。日本でいうと、干したイカ、つまりスルメを手でちぎる感じに似ている。

 ちなみに状元とは、かつて中国で行われた官吏登用試験の「科挙」で最後の試験で第1番の成績を修めた人を指す。石屏は雲南では、多くの科挙合格者を出した町としても知られる。「主席合格の牛のビーフジャーキーの細切り」といった名前なのだ。

 【雲南のビーフジャーキー】
真冬の2月。タイ族の多く住むシーサンパンナの中心都市・景洪市。その料理屋の裏庭に行くと、風が通って、日の当たらない場所に、あばら骨を抜いた形で胸を開いた牛肉の干したものを見かけました。店の人にこれで料理を頼むと、牛肉の繊維に沿って手で細かくちぎって縮れた細切り状態にし、それをさらにネギなどとともに軽く油で炒めたり、揚げたり、もしくは、そのままの状態に香菜(パクチー)や現地のシソの葉のようなものを散らして出してくれました。

 同様に牛のビーフジャーキー風を使った食べ物は、雲南中部の漢族中心の町・石屏の特色料理を出す昆明の名店の一つ「石屏会館」でもいただきました。こちらは、やはり手で細くちぎって、油で揚げて、その上に花胡椒の粒などをちらしします。

日本のコンビニのおつまみコーナーなどで見かける塩にせいぜい胡椒風味のビーフジャーキーとは違って、肉そのものに塩以外に様々なその土地ならではの香辛料(漢方薬にも使われるようなもの)をよーく揉み込んで作られているので、さっぱりとしているのに、味が複雑で手がとまりません。まさにビールのおつまみにぴったり。

 先週、ご紹介したとおり、昆明では特産品として一口タイプの「タイ族の牛干巴」が売られています。ただ、それらはたいてい、赤みを増すための食品添加物などが入っていて、手でちぎってふわふわになった食感も自分でつくらねばならず。料理屋で食べたものと、同じ味には仕上がりません。
(つづく・次回は作り方です)
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