たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

浄智寺から建長寺へ 晩秋の北鎌倉を歩く②

2009-12-26 09:51:07 | 国内旅行

11月の3連休の一日、たにしの爺は北鎌倉を歩いた。
想像以上の人出と、紅葉の盛りには少し早かった。
このことは、前回に書きました。

 浄智寺からは、横須賀線の踏切を渡れば明月院への道だ。

 時計は1時を過ぎている、お昼にしようと、
 道沿いをウロウロするが、どこも順番待ちの列を成している。
 「けんちん蕎麦」で有名な店「鎌倉五山」の周囲は長蛇の人の列。

 並ぶ勇気も失せて、道端の石垣に掛けてみかんをひとつ食べる。
 明月院には戻らず、
 食を求めて歩くうちに建長寺の門前に来てしまった。
 大きなお寺だ。駐車場には大型観光バスが停まっている。
 建長寺は鎌倉五山の第一位の臨済宗建長寺派の大本山で、
 正式には巨福山建長興国禅寺という。禅宗の修業場でもある。
↓仏殿の前庭には柏槙の巨木



山門前の案内板には境内の散策には2時間かかると記されている。
円覚寺など前に見た寺院に比べ、境内は明るい。
樹木も少ない、山門、本堂など建造物が威容を誇る。
ここも人の群れが絶えない。
↓仏殿の内と外です。





巨大な木造建築の山門。太い柱に支えらた二層の造りだ。最上の正面には「建長興国禅寺」の額が架かっている。
柏槙の巨木が広く白い庭に左右に2本ずつ覆っている。その奥には重要文化財の仏殿がある。
唐門から方丈では履物を脱ぎ、回り廊下をめぐり庭園にでる。



日本最古の禅庭園だということです。
板張りの廊下に置かれた椅子などに座れば、
ひと時の休息の時間が流れている。
隣りにはアメリカ人らしい二人がじっとしている。









方丈の脇から境内のもっとも奥、
山の中腹にある建長寺の鎮守・半僧坊に行く道が続く。
長い石段をくの字型に幾つも登る。
周りのもみじ葉は青々としている。



上り詰めると、岩肌に数十体の天狗像が置かれている。
半僧坊からのながめは相模湾が光って見えていた。
あいにく富士山は霞んで見えなかった。





時計は1時を過ぎていた。
残っていたみかんを一つ食べる。

降りてきたら法堂では数十人の僧による読経の最中でした。
梵鐘殿には一人、黄色の衣をつけた僧が合唱しては、
決まった時間に鐘を搗いていました。
ちょうど午後の務めの時間のようです。
法堂の読経に会わせているのでしょうか。



「鎌倉百人一首」を歩く、から
建長寺の杉並木みち秋日洩れ法師蝉なきてあくまで長か(筏井嘉一)
貧しさに耐ふべき吾はもだしつつ蝌蚪ある水のほとりを歩む(佐藤佐太郎)