夏至。二十四節気のひとつ。
太陽が最も北(北回帰線の真上)に来るために、
一年で最も昼の時間が長くなる日。
夜明けも早く。
ホトトギスの鳴き声が聞こえる。
早起きの爺は夜9時には、
目を開けていられない。
この時期、刷毛のように咲くねむの木の花。
夜になると閉じるので、日暮しの木とも。
紀女郎が大伴宿祢家持に贈った合歓木の花。
昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花
君のみ見めや戯奴さへに見よ
(万葉集 巻8・1461)
紀女郎(きのいらつめ)が茅花と合歓の花を折って、家持に贈った際に添えた歌です。
昼は花ひらき、夜は恋いつつ寝る合歓木の花を、
あるじ(わたし一人)だけ見ていてよいだろうか。
お前さんも来て一緒に見ようよ。
女郎が戯れに、一夜の添い寝の誘惑に贈った歌に対し、
家持はなんと応えたのでしょうか。
おまけの百合はご近所の佳人からのいただいた花です。
部屋中悩ましい香りに充ちています。
詩は添えられていませんでした。
私は今年ネムノキを購入して裏山に植えました。
真っ赤な花を2,3個つけていたのがとても可愛くてつい自分のものにしました。
佐久市の岸野あたりに街路樹で20本前後あるでしょうか?
いつもその大木を見ながら車を走らせているのですが、花を見たことがありませんでした。
きっといろいろな色合いの花があるのでしょう。
たにし爺さんの写真の綺麗なこと!
いつか私も・・・。
花片が落ちてきて、知ることが多いです。
家持は郎女の恋の誘いに返した歌は、
吾妹子が形見の合歓木は花のみに咲きて
けだしく実にならじかも
(万葉集・巻8、1465)
「あなたを忍ぶ、戴いた合歓木は花ばかり咲いて、
おそらく実にはならないのでしょうよ。」
家持は恋多き年増の郎女の据え膳を、
ねむの花は実をつけないでしょうよと、
慇懃にお断りしました。
私の勝手な解釈です。本気にしないでください。